写真、文:山本貞彦 宮崎は日向で開催されている WSL QS3000「whitebuffalo Hyuga Pro」は大会2日目。今日の会場は晴れだが、朝は昨日より冷え込む。風は北まじりのサイドオフ。波は昨日よりもサイズダウンでヒザ、セット間は長い。
本日は女子は行わず、男子の昨日のR-2(ラウンドオブ64)の残りのヒート8ヒートを行い、続けてR-3(ラウンドオブ32)を行って終了。男子もベスト16が出揃った。
今日もエアーに関しては、メイクすればアベレージの点が与えられ、高さと難易度ではグッドスコアも飛び出した。全般的にこのようなコンディションでは、演技の幅が減る。ただ、だからこそセットを掴んで、攻める演技をすることが高得点への道。
波にただ合わせて技数を入れても、点は伸びない。ターンもリップもどこで行っているか。当てやすい場所ならば、良くてアベレージ、下手したらフェアしかつかない場合もあった。
何に点がついているのか。ジャッジが評価していることは何なのか。これを考えて、演技の組み立てをすることが必要。勝ち上がった選手はこれに加え、波を読む目、優先権の駆け引きなど全てに長けていたと言えるだろう。
今日の結果で、アジアランキングの上位陣、3位 Ketut Agus (IDN) 、4位 田中大貴、5位 西優司、7位の和井田龍貴 (IDN) 、8位 西慶司郎、9位 金沢呂偉、10位 John Mark Tokong (PHL) 、12位 Bronson Meydi (IDN)はは勝ち上がり。
ここで痛い敗退は、6位 安室丈、13位 新井洋人、14位 Varun Tandjung (IDN)、21位 I Made Ariyana (IDN) といったところ。
また、ベスト16に進んだ宮崎勢は伊東李安琉に、増田来希の2人。これに怪我からの復活の大原洋人に加え、上山キアヌ久里朱、矢作紋乃丞、高橋健人、古川海夕らが調子を上げてきた。ランキング争いに加わるか、明日の戦いにも注目だ。
大原洋人、怪我からの復活をアピール。
大原洋人
腰の怪我からの復活の大原洋人。このコンディションでも違いを見せる。波さえ掴めば、演技は別格。
「半年ぶりの試合は楽しいですし、ワクワクします。試合に出たい気持ちをずっと持って今日まできたので、気持ち良くサーフィンを したい感じでした。日向は久しぶりですが、すごく好きな場所でもあるし良い思い出もたく さんあるのですごい楽しみにしていました。」
「今大会の目標は優勝が最低条件です。1 回戦で一番良 いサーフィンをするよりは、決勝でベストのサーフィンを したいと思います。決勝では良い点を 2 本そろえて、ぶっちぎりで優勝したいです。」
西優司が最高得点をマーク。
西優司
西三兄弟の中でも天才肌の三男、優司。何に点がつくか、ちゃんと理解した上での演技。またそれを実行できるスキルも持ち合わせている。今日のトータルハイエスト15.25ポイント (8.25、7.00) と シングルハイエストを叩き出した。
「前半は3点台とかが多かったんで、どこかでセットに乗れれば良いかなと思って。プライオリティ来たタイミングで良い波に乗れたんで良かったです。
エクセレントの出た波は、最初見た目は良くなかったんですけど、一発入って自分的には感触良かったです。サポートしてくれるみんなも頑張って自分を応援してくれているので、自分もそれに応えられるように進めていけたらなって思います。」
上山キアヌ久里朱
「良い滑り出しではなかったですが、最初からスロースタートになる と思っていたので焦らずできたと思います。(コーチを務める河 村)海沙君の予想が的中しました。(安室)丈と(金沢)呂偉は良い波を乗られたら点を出されるのは分かっていたから、2人には気を付けました。」
西慶司郎。
努力型で遅咲きだった次男の慶司郎。だからこその体力、知力を手に入れて今やトッププロ。戦略も緻密で、技巧派のトップと言えるだろう。
アジアランキング9位の金沢呂偉
「波数が少なくて、緊張しましたが、自分の出来ることをやろうという感じでした。右にも左にも波が来るので彷徨っちゃったんですけど、彷徨った中にもタイミング良く波が来たんで、それはそれで良かったと思います。今回の試合にプレッシャーは感じてないですけど、優勝はしたいです。」
増田来希
「波数は少なかったんですが、乗ったら以外と点数つけてもらえて良かったです。普段から一発一発、大きくスプレー飛ばせるように意識しています。地元開催で緊張するかと思ったんですが、以外とリラックスしてやれて良かったです。」
田中大貴
「ここ1、2年で自分に一番必要なのはメンタル的な部分だと思って、この大事な試合にメンタルトレーナーが付いてきてくださって、ラウンド1のヒートはメンタルをやって成長を感じられるものでした。CSのことも意識してはしまうんですけど、できるだけ考えないようにやっています。」
矢作紋乃丞
「波は小さかったんですけど、風も波も得意な感じでやれたのですごく良かったです。お倉ヶ浜でエアの練習とかやっていて、得意な波なんで、良い感じで試合で出せているんで最高です。」
高橋健人
「今年で33歳なんですけど、若手のアグレッシブなサーフィン見れて自分も頑張れたと思うんでよかったです。QS自体は久しぶりで、コーチが年初めの試合に出てみればと言われて出てみたんですが。2つぐらい勝ちあがれたんで良かったと思っています。」
大会のWEBのMCには水野亜彩子プロと間屋口香プロが担当。
フルカーボンのボードで攻めまくった村田嵐だったが、最後の最後に逆転され惜しくも敗退。
平原颯馬
辻裕次郎
須田喬士郎
男子ラウンドオブ16マッチアップ
ヒート1
ケトゥ・アグス (IDN) 、ブロンソン・メイディ (IDN) 、ノア・アークフィールド(PHL)、伊東李安琉
ヒート2
田中 大貴、和井田龍貴 (IDN) 、矢作紋乃丞、西 慶司郎
ヒート3
高橋 健人、大原洋人、上山キアヌ、増田来季
ヒート4
ジョン・マーク・トコン(PHL)、古川海夕、西優司、金沢呂偉
女子ラウンドオブ16マッチアップ
ヒート1
野中美波、池田美来、須田那月、渡辺 愛
ヒート2
松田詩野、カイラニ・ジョンソン (IDN) 、畑ハイネ、上門 涼風
ヒート3
松永莉奈、都築虹帆、大庭 風美、芳田花瑚
ヒート4
脇田紗良、松岡亜音、海老原夏生、松山 黎音
whitebuffalo HYUGA PRO QS3000
大会オフィシャルサイト
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/qs/116/whitebuffalo-hyuga-pro/