中塩佳那がJPSA史上初の全戦優勝。安井拓海が今期初優勝。金沢呂偉と中塩佳那がグラチャン獲得

安井拓海と中塩佳那

JPSA2022 さわかみ Japan Pro Surfing Tourのショートボード最終戦 「さわかみ 日向プロ」はDay-4。会場のお倉ヶ浜ビーチは今日も晴れで、風はサイド。予報通りのサイズアップで、肩から頭の波が入る。

ここで田中樹コンテストディレクターから昨日、提案したダブルバンクでの進行となった。選手の協力のもと、良い波で決勝まで行いたいという思いからである。

ダブルバンクになったことで、会場正面の上に急遽、ジャッジ、プライオリティーパネル、専用MCなどのブースを設置。

 

正面から見て左をAバンクとして男子のR-4、R-5。右の堤防側をBバンクとして女子のR-3、R-4を行い、男子のクォーターファイナルからワンバンクに戻すスケジュールがコールされた。

 

朝一には女子は右の堤防側のバンクを使うにあたって、コールやプライオリティについて田中樹コンテストディレクターが説明。

 

波的にはAバンクがワイルドなワイドブレイク、Bバンクは速いもののライトの形の良い波が入る。試合ではサイズが上がったことで、各々が大きなトラックを描き、スプレーを飛ばす。結果、バリエーションを含め、より攻めた選手が勝ち上がる結果となった。

 

男子グランドチャンピオン争いの結末。

 

西慶司郎

 

西慶司郎のR-4は昨日のラウンドのような不安を払拭する演技。マイペースで試合を進行し、R-4、R-5と調子を上げてきた。

そして、クォーターファイナで平原颯馬と対決。平原は今シーズンの後半からコンペの戦い方を覚えた才能ある選手。

 

平原 颯馬

 

その平原がここでは先攻で右に左に波を見つけて、積極的に仕掛ける。特にバックサイドの演技が好評価で、試合を終始リードする形になった。西が逆転に必要な点は、エクセレントレンジの9.13ポイント。

 

その西は試合終了2分前にセットをつかむ。クリティカルポジションに的確に当てる止まらぬ演技をインサイドまで繋いでジャッジにアピール。しかし、その結果は7.70ポイントと足らず、ここで敗退が決まった。

 

今年は追いかける形となった西慶司郎。昨年のグラチャンの実績と今年の経験が西をさらに強くすることだろう。

 

西と平原

これで今年度のグランドチャンピオン争いがついに終止符。今大会はR-3で敗退してしまったものの、今シーズン、コンスタントに結果を出した金沢呂偉が初の栄冠を手に入れた。

グランドチャンピオンを獲得した金沢呂偉と中塩佳那

 

本日のAMのプロ挑戦の結果。女子の澤田七奈緒はR-3に登場。ここを勝ち上がればプロ公認である。

 

試合開始と同時に仕掛ける積極的な攻めを見せ、前半はリード。後半には宮坂麻衣子、野呂玲花にサイズのある波での演技で逆転されピンチに。それでも集中力を切らすことなく、最後まで攻め続けた。

 

澤田七奈緒

 

しかし、残念ながら逆転はできず3位で敗退。公認プロ資格は来年までお預けという結果となった。それでもこの大会での戦いは、間違いなく成長を感じさせるものだった。来年は是非とも合格を手に入れることが’できるだろう。

 

伊東李安琉
中塩佳那

 

今日のシングルハイエストはエクセレントの9.33のを出した中塩佳那。男子は9.17を2回叩き出した伊東李安琉。

トータルは男子が伊東李安琉17.17(9.17+8.00)ポイント。女子は中塩佳那の16.34(7.67+8.67)ポイント。

 

 

安井 拓海がラストウェイブで大逆転優勝。

 

 

あの強い安井拓海が戻ってきた。勝ち上がるごとに波とのサイクルもあって、調子を上げて決勝に。パワフルでスピードある演技が持ち味だが、ボードコントロールにも磨きがかかった。今年最後の大会での優勝は、来年に向け大きな励みとなったことだろう。

 

安井拓海

 

「自分を応援してくださっている方々に、『やっと勝てたと、やっと勝てました』と言える感じです。

 

優勝して言いたいことがあって、運営の人や選手の人もそうですが、全員が時間とお金を使ってこうやってやっている。自分もそうだし。

 

時間ということは命と一緒じゃないですか。だから時間とかをもっと大切にしてほしいし、だからもっと楽しむべき。積極的にいるべきだなと思って。

 

 

自分、鴨川の試合の時に、負けたのがメチャクチャ悔しくて、運営の人に当たってしまったんですけど、この場を借りて謝りたいなと思って。これからもっとサーフィン業界が盛り上がるように選手も運営ももっと協力していかなくてはいけないと思っているので。頑張ります(笑)

 

すべての原因は自分な中にしかない。それを鴨川の試合の後に気付いて、だからこそ自分に厳しくしなきゃいけないよって徳田さん(安井のサーフボードのスポンサー)からも言われたし、それを証明できたというか自分に勝てたなって、率直にそこが嬉しいなって思うし、本当に応援ありがとうございました。

 

安井拓海

 

最後の逆転した波が来た時は、見えてましたね。プライオリティずっと持っていた時に、絶対に逆転する波は来るって思っていました。

 

コンディションも良くなっていたし、絶対来ると信じていたんで。あの波来た時、これだ!みたいな感じでした。ただ、落ち着けよ!落ち着けよって自分に言い聞かせてました。」

 

 

2位:伊東 李安琉

宮崎勢の最後の砦となった伊東李安琉。応援を背に受け、サーフィンはキレまくった。伊東は大きい波になればなるほど、イキイキとしてくる。R-5で9.17ポイント、クォーターファイナルでも9.17ポイント、セミファイナルも9.00ポイントとエクセレントを連発。

 

伊東李安琉

 

ジャッジ基準の「コミットメントと難度の高さ 、革新的で進歩的なマニューバー 、メジャーなマニューバーの組み合わせ 、マニューバーの多様性 、スピード、パワー、フロー」以上の5点を全て兼ね備えた演技だった。

セミファイナル後のインタビューでは、「良い波に乗れて、自分なりに決めれたんで良かったです。前のボードから厚さとかを変えたのが調子良くて、合っている感じです。」とコメントした。

 

3位:仲村 拓久未 「今回の試合に向けて準備してきた。乗ればイケる感覚はあった。今回波もあったがバックアップを見つけられずに苦戦した。」と QFでエクセレントをスコアしたタクミがコメント。
3位:平原 颯馬
QFで西慶司郎を下して勝ち上がった平原。「自分が狙っていた波をつかめて、自分のやりたいライディングが出来たんで良かったです。クオーターファイナルは手前のポコっとした波を狙って、点数稼いでセット乗ろうと思っていて、作戦通り出来たかなって感じです。」
5位:西 修司 今回、慶司郎との兄弟ファイナルは惜しくも実現することはできなかった。
5位:古川 海夕 クオーターファイナルでは伊東に敗れたが、今大会は素晴らしいパフォーマンスを披露して、今シーズンを締めくくった。
5位:2試合連続で5位の森 友二。試合の勘が戻ってきて、サーフィンスキルはレベルアップ。

 

JPSA史上初の完全優勝を決めた中塩佳那

 


プロに転向後、破竹の5連勝でプロツアー全戦勝利で完全制覇。グランドチャンピオンにルーキーオブザイヤーも手に入れた。初戦、第2戦の優勝から「全勝宣言」。自分に敢えてプレッシャーをかけることを選んだ中塩だったが、有言実行は見事。

小波から大きな波まで乗りこなせるスキルとジュニアながら試合のタクティクスは卓越。来年もこの勢いで海外でも頑張ってほしい。

 

ファイナル後は互いに健闘を讃え合うカナとミノリ

 

「ファイナルは波が止まったんで、どうしようと思ったんですけど。1本セット乗って何にもできなかった波があったんですけど、逆にあれがあって、気持ち切り替えて、どんどん波乗って行こうって思えて、結果的に優勝できて良かったです。

 

あのまま波が来なくて、残り5分になちゃったら、左に行って乗ろうって思っていたんですけど。最終的には自分のライディングして7.33が出せたので、試合運びとしては良かったかなと思います。

 

 

10ポイントが出したかった。

 

ルーキーオブザイヤー、グランドチャンピオン、完全優勝とやりたいことは全部やりましたかという質問に対し「10ポイントが出したかった。」と発言。

 

「まぁでもそれは来年、練習して。そこだけなので、勝ち負け気にせず、試合の中でもサーフィン楽しそうって思われるような、リアル(伊東)みたいな試合がしたいなって思うので。もっとバリエーション増やして練習していきたいなって思います。

 

グランドスラムを達成できて、歴史に残ることができたのかなって思うので、次はCT目指して頑張るので、応援よろしくお願いします。来年はQSメインに考えているんですが、JPSAも出れる時は出たいので、連勝の記録を伸ばせるように頑張ります。」

 

 

2位:川合美乃里
グランドチャンピオン争いには敗れたものの、中塩佳那と堂々と渡り合った川合美乃里。昨年よりもフロント、バックサイドともレールの使い方が上手くなった。そのおかげでスピードもロスすることなく技の完成度も上がったことが今年の勝因。来年はさらなる進化に期待。

 

2試合連続で3位と安定した強さを見せている宮坂麻衣子
川瀬心那も2試合連続の3位。「今年の最後の試合になるで、大きな波で試合がしたかったので今日はサイズが上がって嬉しかったです。早い波も多かったが、セットは良い波で楽しかったです。」とコメントした。
5位:芳田 花瑚 来年の活躍が楽しみなサーファー。
5位:野呂玲花も2試合連続の5位、結婚出産を経て試合復帰し素晴らしい活躍
7位:西元エミリ 
7位:須田 那月

AbemaのMCと言えば、nicoさんと水野亜彩子プロ。サーフィン初心者からベテランまで楽しめる実況を心がける。

 

優勝:中塩佳那、安井拓海
2位:川合美乃里、伊東李安琉
3位:平原 颯馬、仲村拓久未
3位:川瀬心那、宮坂麻衣子

 

JPSA2022 さわかみ Japan Pro Surfing Tour
ショートボード最終戦
「さわかみ 日向プロ」

男子
優勝:安井拓海(¥740,000)
2位:伊東李安琉(¥360,000)
3位:仲村拓久未、平原 颯馬(¥210,000)
5位:西 修司、古川 海夕、森 友二、西 慶司郎(¥105,000)
9位:松下 諒大、松永 大輝、田中 英義、増田 来希(¥70,000)

女子
優勝:中塩佳那(¥320,000)
2位:川合美乃里(¥150,000)
3位:宮坂麻衣子、川瀬心那(¥85,000)
5位:野呂玲花、芳田花瑚(¥50,000)
7位:西元エミリ、須田那月(¥30,000)

表彰のプレゼンターは さわかみグループ代表 澤上龍 氏

 

 

グランドチャンピオン
男子:金沢呂偉 女子:中塩佳那

ルーキーオブザイヤー
男子:矢作紋乃丞 女子:中塩佳那

矢作紋乃丞
「ルーキーオブザイヤーを取れて嬉しいですけど、全体のランキングでは20位以下だったので、来年はもっと上にいければと思います。」

グランドチャンピオン金沢呂偉
「今年は何も考えずに、自分のやれることだけをやろうと思ってきました。今後はこれまでの実力よりも、自分を超えていきたいと思っています。JPSA2連覇を目指して頑張ります。」

R.surfer様から選手全員に男子はシャツジャッケット、女子にはカシクールシャツが贈呈された。

 

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