波乗りジャパン宗像監督、井本コーチが帰国後記者会見。今回の大会を振り返り、今後の課題や目標などについて語った。

波乗りジャパン 井本副理事長(コーチ) と宗像副理事長(監督)

カリフォルニアのハンティントンビーチで行われた、2024パリオリンピック初の選考大会となる「2022年ISAワールドサーフィンゲームス」。日本の五十嵐カノアが初のISA金メダルを獲得し、日本にパリ・オリンピックの出場枠1が与えられた。

 

そんな素晴らしい活躍を見せた「波乗りジャパン」がアメリカ・ロサンゼルスから27日の午後に帰国。WSL−CSイベントに出場する選手たちは日本に帰国せずに会場となるポルトガルへ直行。10月1日からスタートする試合の調整に入る。

 

本日、帰国し成田空港で会見に応じたのは、宗像副理事長(監督)、井本副理事長(コーチ)。二人が今回の大会を振り返り、今後の課題や目標などについて語った。

 

 

 

カノアに声援を送るチームジャパン  Photo: ISA / Pablo_Franco

 

チーム全体で頑張って底上げをしてくれたとが勝利の要因

 

宗像監督

 

 

今回の世界戦は、パリのオリンピック枠をとりに行くと言うことを男女共目標に掲げておりました。そのためには個人で一人一人が上位に入るということを毎日のミーティングで話しておりました。

 

それが最終日ギリギリのところで、カノアくんが優勝して男子の1枠を取れたと言う事で目標を達成できました。

 

今回の事はカノアくん一人の力ではなくてですね。村上舜くんと上山キアヌくんが頑張って底上げをしてくれたと言うところも一つの要因になっているところかと思います。

 

またチーム全体が盛り上げてくれたところが大きな成果につながったんだと思います。 特にパリオリンピックの出場権を日本が取ったと言うことは、今後の日本の様々な競技の先駆けになるかなと思いますので、その点も踏まえまして成果があったものと考えております。

 

 

エールを送る波乗りジャパン Photo: ISA / Pablo_jimenez

 

五十嵐カノアの地元ならではの的確なアドバイスが勝利へ導いた。

井本コーチ

 

宗像さんがおっしゃったように、ぼくたちの目標というのはオリンピックの3枠目と個人のメダル、そして団体のメダルというのも狙っており、当初からカノアくん含めてチームビルディングして、みんなで取りに行こうというキックオフミーティングから始まりました。

 

会場はカノアくんの地元なので、彼の意見を交え、どこで波が割れるのかなど、詳細を分析をして、トレーニングをして試合に挑みました。

 

カノアくんは決勝までずっと本当に素晴らしかったですね。地元ならではの『このうねりならここに来る』みたいな感じで全て分かっていたので、チームに色々とアドバイスをもらいながらやれたのが良かったと思っています。

 

カノアくんも素晴らしかったですが、試合前の記者会見で言っていたように『チームでチームで』って言ってくれていたんで、チームが一丸となっていたのも凄く感じました。

 

男子の村上くんと上山くんの活躍も素晴らしかったと思います。上山くんは全てハードヒートというか、全部トップレベルの選手をやっつけながら勝ち上がって行ったので、本当にみんなで頑張ったなって思います。

 

女子もチームワーク良くやってきたんですが、波のコンディションがカノアくんがいても難しかったですね。村上くんのノーライドっていうヒートもありましたし、波が15分間来ないというのもありましたし。女子の選手はそんな波に苦しめられた感じがありました。

 

今回選手の頑張りで枠は取れたんですけど、今後またトレーニングして次に向けて動きたいなって思っています。

 

 

チームジャパン  Photo: ISA / Pablo_Franco

 

 

男女のリザルトの違いが課題

 

 

男女のリザルトの違いが課題だなと感じていて。それは以前から感じていることなんですが、女子の強化をしていきたいと考えています。

 

日本チームは本当にまとまりがあって、本当に素晴らしいと言われたんですけど、トップ選手がいないというかCT選手がいないというのがあるので、その辺の精神面的な、あと技術面や戦力面的に海外の選手と比べて足りてないなと思っています。その辺をさらに強化して2024年に向けて一からやり直さなければと思っています。(井本コーチ)

 

 

今回の1枠の割り当て選手について。

 

 

今回の一枠の決め方などについては、NFが決めることなんですけど、誰に充てるかなどは一切決まっていません。

 

ただ今回の成績を踏まえて、最終選考をしていきたいと思うんですが、その前にCTで枠を取る選手、そして2023年の世界大会で、大陸的な枠がとれてくる。本来であれば、そこで獲得して今回とった3枠目を次の取れなかった選手に与えていきたいという感じです。それらの結果を見て判断していきたい。(宗像監督)

 

 

2023年のワールドサーフィンゲームスの出場選手。

 

 

その2023年(5月エルサルバドル)のワールドサーフィンゲームスの出場選手の決め方も、早く発表しなければならないと思っています。まだ発表できないんですが、近日中に発表できればと思っています。早急に選手にアナウンスしたいと思っています。(井本コーチ)

 

 

タヒチの波に乗れる選手を選出

 

 

タヒチの波に乗れる選手は限られているので、まずはその選手を選出することが先かなと思っています。強化指定選手が70名ぐらい居ますけど、その中から特定強化指定選手を前に出しましたけど、あのような形でタヒチの波に乗れる選手を選出して、そこから強化をしていく。そこがまず優先かなと思っています。来年の3月ぐらいまで候補者を出して、半年かけて強化をしていきたいと思っています。(井本コーチ)

 

和井田理央 Photo: ISA / Pablo_jimenez

 

インドネシアの台頭について

 

インドネシアの選手が今大会でも、和井田理央選手など、かなり力を上げてきている。フィジカル的な部分をかなり強化しているのが見て取れました。スキルもありますし、波も豊富なインドネシアです。

 

我々としてアジアといえば日本というところがあったんですが、もう、そのような時代ではなくなってきていると感じていますので、しっかりと日本も強化していかなければなりません。アジア枠がかかった世界戦については、真剣勝負で取り組んでいくことを選手にも伝えていかなければならないと思っています。(宗像監督)

 

 

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