加藤翔平、都築虹帆がプロジュニア初優勝。都筑有夢路、3年ぶりWSL優勝 White Buffalo Omaezaki Pro最終日

WSL「White Buffalo Omaezaki Pro」はDay-3。明日の波の状況が不確定ということで、本日が最終日。試合は女子Jr SF→男子Jr SF→女子QS SF→女子Jr Final→男子Jr Final→女子QS Finalという順番で進行。セミファイナルは25分、ファイナルlは30分と発表された。

会場は朝から快晴のオフショア。面はキレイで、波のサイズはコシハラをキープ。ただ、形がキレイな反面、タルい。パワーもあまり無いから、踏み込むと板が沈む。なので、演技にも力加減が必要で上手く波に合わせることができた選手が勝ち上がる結果となった。

コロナ禍ではあるものの、感染対策を徹底的に行い、有観客となった今大会。御前崎で初の国際大会ということもあり、多くの観客が集まった。
ファイナルデイに多くの報道陣が集まった

 

満潮は朝9時で午後に向け引きとなることで、セットは胸ぐらいまでアップ。ただ、セット間は長いので、それまでの駆け引きが重要。風も変わり波の面も乱したことで、波を見極める目も必要となった。

 

まずは女子のジュニアから。決勝に進出したのは松岡亜音、中塩佳那、都築虹帆、佐藤李。

 

都築虹帆、中塩佳那、佐藤李

 

中塩がメインでのバンクを選ばず、一人左の棚に移動。優先権を気にせず、試合中盤まで1位と試合をリード。後半にメインのバンクで都築がポイントを加算し逆転。

 

松岡、佐藤も追いかけるもニードに届かず。中塩も最後まで逆転の波を待つも、こちらもポテンシャルのある波が入らず。都築虹帆がそのまま逃げ切りプロジュニア初優勝!おめでとう!

 

 

都築虹帆がプロジュニア初優勝、QS準優勝

 

 

都築虹帆
今日はQSとジュニアのダブルヘッダー。両カテゴリーで決勝進出と、休む間もなく試合に出続けた。インターバルはあったものの、WJCやCSに関わる大事な試合なだけに気は抜けない。

 

それでも来た波に乗れるだけ乗るのが虹帆スタイル。ジュニアの試合では僅差の戦いだっただけに、波数多く手を出すことで頭一つ抜けてジュニア初優勝。これでWJCへの可能性も大きく前進。

 

QSに関しては風がサイドオンになり得点になる波が少なかったので、虹帆スタイルでワンチャンあるか。しかし、優先権の使い方から波の選び方は都筑有夢路が一枚上手で、虹帆は後手、後手になってしまった。

 

ただ、河村海沙コーチからエアーで逆転という作戦指示があり、それを最後の最後に決行。着地はしたものの、あともう半回転していたら成功という惜しい結果でした。負けたとはいえ、アムちゃんから実戦で学ぶことができた、実のある試合だったのではないでしょうか。

 

「とにかく嬉しいが一番で。今年に入って優勝が掴めず、悔しい試合が多かったので、ここでやっと一番が取れてめっちゃ嬉しいです。

 

御前崎は、両親に連れられて遊びに来ていた場所なので、こうして大会で優勝する事が出来てさらに嬉しいです。クルイ、ニアス、そして御前崎とWJC(ワールドジュニアチャンピオンシップ)を意識して頑張ってきたので、1位取れたので嬉しいです。

 

これでWJC出場に一歩近づいたんですけど、もう一つ試合があるので(南房総)頑張って日本代表になって世界に出る事が出来たらそこで優勝してワールドチャンピオンになりたいです。」

 

 

中塩佳那
中塩のポテンシャルが最大限発揮できるのは、デカくて早い波。今日のようなクリーンでもパワーが無い波は苦手とする。これならジャンクな方が良いと、決勝では左の棚を選んだ。

サイズがある波ならばコンスタントにアベレージは叩き出す。サイドオンの風も入り出したことで作戦通りだったものの、都築が1位を奪取。そのまま左で逆転ウェイブを待つも波は来ず、準優勝という結果。

 

松岡亜音
今回も得意のパワーサーフィンでファイナルまで勝ち上がった松岡亜音。アジアオープンとニアスのプロジュニアでの優勝に続き、今回の御前崎で3位となった松岡は、アジア・ジュニア・ランキングでトップを独走。

次回のジュニア開催地は彼女のホームである南房総だ。ジュニアは男女それぞれトップ2名がWJCアジア代表となる予定。2位以下の選手との差は僅差のため油断はできない。

 

佐藤李
圧巻はジュニアのセミファイナル。ヒート終了直前の演技で何と大逆転ラウンドアップ!これには会場も地元の応援団から拍手喝采。今年のインドネシアのWSLの大会が良い経験となった証拠。試合を最後まで諦めないというメンタルの強さを手に入れた。

 

 

 

 

加藤翔平プロジュニア初優勝!

加藤翔平
昨年に靭帯の怪我で6ヶ月もサーフィンができなかった。今年の8月までエアーも封印して治療に専念。その今までの苦労がこの試合で報われた。エアーで逆転してセミを勝ち上がると、ファイナルでも攻め続けた。自分のスタイルを最後まで通すことで、プロジュニア初優勝!本当におめでとう!

 

「めちゃくちゃ嬉しすぎて、ちょっともう時間の感覚忘れちゃったぐらい実感ないです。自分が予想していたのと全く違うヒートの最後になって、最後まで悩みが続いたんですけど、最後の5分は勝ちにいくしかないなと思ってマークしに行きました。

 

怪我でこの半年ぐらい自分のサーフィンができなくて、メンタルとか落ち込んだ部分もあったんですけど、やっと地に足が着いたって感じで、自分のサーフィンができて幸せです。

 

今の気持ちを家族や、今回コーチしてくれた及川先生、ライブで見てくれていた友達とかに伝えたいです。やっと自分の優勝する姿を見せる事ができて嬉しいです。このまま次の南房総でも優勝できるように頑張りたいです。

 

和井田龍貴
波の宝庫のインドネシアでサーフィンを鍛えただけに、どんな状況でも一発逆転にエアーをぶち込んでくる。決勝でもハイエアーからのコンプリートで7.00ポイントを叩き出して、一時はヒートをリード。

このまま優勝かと思いきや、加藤に逆転されて万事休す。時間が迫る中、リップ、エアーと連打するも波がプアーで得点は伸びず、準優勝という結果。

岩見天獅
8月初めに強化合宿で訪れたカリフォルニアで練習中にエアーの着地に失敗して腰を痛めてしまった岩見。今回の試合の出場も危ぶまれていたが、サーフィンを再開したのが1週間前とは思えなパフォーマンスで3位でフィニッシュ。完全復活の狼煙を上げ、ジュニアASIAランキングでもついにトップに躍り出た。




藤本世音
昨日の自分のサーフィンを分析し、横の動きが多いから、できるだけ縦の動きを意識していたという藤本が、セミファイナルをトップで勝ち上がり、ファイナル進出を果たした。

ファイナル前半はヒートをリードするも後半に決め手となる波を見つけられず4位でフィニッシュ。文武両道を目指す大学生サーファーとしての活躍に期待したい。

 

優勝候補だった金沢呂偉が、まさかのセミファイナル敗退となり今回は5位でフィニッシュ。それでも覚醒した金沢呂偉のサーフィンは今シーズンの台風の目として、今後も注目されていくだろう。

 

 

都筑有夢路、3年ぶりWSL優勝

 

 

都筑有夢路がWSLイベントでの勝利をつかんだ。今年3月に行われたJAPAN OPENでは優勝して、今月16日からカリフォルニアで行われるパリオリンピックの最初の選考試合となるISA世界選手権の出場権を得た。

 

 

しかし今年の目標はCTにクオリファイすることと明言している都筑は、終始落ち着きのある試合運びで勝ち進み、QFでは馬庭彩を、SFでは野中美波を下してファイナル進出。

 

ファイナルではQSとジュニアの両方で決勝に残った都築虹帆と「Wツヅキ対決」となった。そして、ファイナルでも圧倒的なパワーサーフィンで高得点を叩き出してた都筑が、2019年以来、3年ぶりのWSLイベントでの勝利をつかんだ。

 

 

 

「今回御前崎のビーチで感じたのは、毎ヒートごと波が変わっているなって感じていて、ファイナルも波が変わっているように感じたので、その中でスコアできたのは嬉しかったです。

 

ある程度ピークというか波が割れる場所を自分の中で決めていて、そこで自分のスコアをビルドアップしてから、状況に応じて動こうかなって思っていました。

 

ファイナルでの高得点については、まだまだ自分のサーフィンが、もっとしたいという気持ちがあったんですけど、試合だったので転けないように意識しました。

 

このあとはISAの世界戦とCSチャレンジャーシリーズの試合が続きますが、今年の目標はCTにクオリファイする事なので、そこを目指して頑張ります。

 

今回大会を運営してくださった皆様ありがとうございます。本当に自分のモチベーションにもつながっていて、次の試合の良い準備もできました。

 

常にこのような試合の中でのモチベーションを保つことが大切で、今回の大会があった事で自分の成長にも繋がり感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。」

 

 

野中美波
コンペティションでは昨年から今年にかけて一番伸びた選手。試合での時間の使い方が上手くなっただけなく、サーフィンのスキルも向上。どんな状況でも波をつかんでポイントを積み上げることができるようになった。

セミでは都筑有夢路にグッドスコアを出されてからは、追いかける展開。それでも最後まで諦めずに戦うところが成長した証だ。3位という結果でアジアリージョナルQSランキングトップの成績はキープ。

 

 

脇田紗良
初日はサーフィンの調子が上がらずに苦戦したが脇田だったが、2日目、最終日と調子を上げて脇田らしいサーフィンを披露。しかし
今回好調だった都築虹帆にQSセミファイナルで敗れ、3位タイでフィニッシュとなった。

 

 

WSL「White Buffalo Omaezaki Pro」
女子QS1000

優勝:都筑有夢路
2位:都築虹帆
3位:野中美波、脇田紗良
プレゼンター:ホワイトバッファロー 小池秀美代表

WSL「White Buffalo Omaezaki Pro Junior」
男子
優勝:加藤翔平
2位:和井田龍貴(IDN)
3位:岩見天獅
4位:藤本世音
プレゼンター栁澤重夫 御前崎市長

女子
優勝:都築虹帆
2位:中塩佳那
3位:松岡亜音
4位:佐藤李
プレゼンター栁澤重夫 御前崎市長

ベストライディング賞(賞金10万円)

女子QS1000:都筑有夢路(7.85ポイント)
都筑有夢路とおまえざきいたみのクリニック 松井院長

男子Pro Junior:金沢呂偉(9.00ポイント)
金沢呂偉とむぎ運動場前クリニック 吉村院長

女子Pro Junior:中塩佳那(8.00ポイント)
中塩佳那と御前崎プロ実行委員会 山口副委員長

FDAベストエアリアル賞(往復ペアチケット)
和井田龍貴(7.00ポイント)
和井田龍貴とフジドリームエアラインズ 山田営業戦略部長

ベストトータルスコア賞(シチズン プロマスター マリンシリーズ)
金沢呂偉(17.00ポイント)
金沢呂偉とシチズン時計 宣伝部ニシ様

各クラス優勝者にバー&ロングビーチ様よりUS1,000ドル贈呈

この大会を開催するために、御前崎の行政、地元企業とローカルが一致団結して運営に携わった。お疲れ様でした!そして、素晴らしい大会をありがとうございました! ※ 注:マスクは撮影だけのために外しています。

 

サーフメディアは現地から最新情報をお伝えします。

https://twitter.com/SURFMEDIAJAPAN/

https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

https://www.instagram.com/surfmedia/

 

【大会概要】
大会名 :「whitebuffalo OMAEZAKI Pro」
大会HP:https://www.wb-omaezakipro.com/

■開催場所:静岡県御前崎市ロングビーチ
https://www.city.omaezaki.shizuoka.jp/soshiki/shokokanko/kankospot/beach.html

■公認:WSL/ASIA(APAC)
https://www.worldsurfleague.com/
■主催:WSL御前崎プロ実行委員会
■特別協賛:whitebuffalo(株式会社ケイズプロジェクト)
■後援:静岡県 / 御前崎市 / 御前崎市商工会
御前崎市観光協会 / NPO法人サーフアンドシー
■協力:日本サーフィン連盟静岡2区支部
御前崎ローカルサーフコミュニティ
御前崎スマイルプロジェクト
JAPAN JUNIOR PROJECT