ドジ井坂さんの追悼セレモニーも開催。第55回を迎えた伝統のサーフィン大会「マーボーロイヤルKJカップ」

写真、リポート:山本貞彦  辻堂の夏といえば、マーボーさん(小室正則氏)イベント。7月3日に第55回を迎える「マーボーロイヤルKJカップ 2022」が、湘南辻堂海岸で今年も開催された。

 

マーさん、テッドさん、鈴木正さん

 

 

昨年もコロナ禍の中、サーフィン界を盛り上げるために行ったこのイベントは、今年は更にパワーアップ。もちろん感染対策は万全の中、カテゴリーもサーフィン、SUP(レース、サーフィン)に加え、DOGディビジョンと400名を超える参加となった。

 

 

このイベントの中で毎年話題となっているのが “DA CLASSIC MOMENTS” 。現役のロングボードのプロを招待するだけでなく、日本のサーフィンを築き上げてきたレジェンドたちを集め試合を行うというもの。

 

 

 

 

今回は今年の3月に亡くなったドジさん(井坂啓美氏)の追悼セレモニーも併せて行われることもあって、多くのレジェンドが集まった。

 

 

 

また、MCを担当してくれたのはスキーヤーの荻原次晴さん。本人曰く、念願かなってやっとイベントに参加できて嬉しいとコメント。そして、書道家の武田双雲さんやダンプ松本さんらも駆けつけ、イベントを盛り上げてくれた。

 

 

 

今年の目玉は辻堂のお神輿と山車が登場。笛に太鼓の祭囃子が辻堂海岸に響きわたる。多くの祭り関係者が参加し、なんとマーボーさんを担いで海まで練り歩いた。

 

プロクラスには昨年度のグランドチャンピオンの塚本将也、田岡なつみが今年も招待。さらに歴代グラチャンの浜瀬海、井上鷹、吉川広夏などトッププロが顔を揃えた。

 

 

レジェンドクラスには昨年も参加した善家誠、岡野孝親、岡野教彦、青田琢二、増田昌章、久我孝男、石塚晃、塩坂信康らに、抱井保徳、平野杉の姿も。

 

エキジビションにはレジェンドスペシャルプロクラスとして出川三千男、小室正則、川井幹雄の3名に、新たに鈴木正が入った。

 

 

 

ジャッジは試合に参加したレジェンドに加え、横山泰介、岡本典彦、江本陸、池田 潤、小林 正明、藤沢譲二にテッド阿出川(阿出川 輝雄)らも元気な顔を見せてくれた。

 

 

 

この “DA CLASSIC MOMENTS” ではクラシックロングボードを使用してサーフィンするのがルール。ボードは自分で選べず、全て抽選で決めるスタイル。「故きを温ね新しきを知る」を実践する大会なのだ。

 

さて、試合会場は曇り時々晴れて、午後には雨が降る。肝心の波は、上げていると割れづらく、引いてモモという感じ。ロングだからと言えど、インサイドまで繋ぐのは一苦労。それでもプロだけあって、見せ場は作ってくれました。

 

 

吉川広夏
田岡なつみ

 

プロクラスの女子決勝はディフェンディングチャンピオンの田岡なつみと吉川広夏の一騎討ち。前半に上手くまとめた吉川が、そのまま逃げ切って優勝。田岡は繋ぎたいとこで痛いワイプアウトが響いて、4連覇ならず。

 

浜瀬海
井上鷹

 

男子はこちらもJPSA同様に浜瀬海と井上鷹がヒートを引っ張る。決勝では浜瀬がセットをつかんでロングライド。何度もノーズでの演技を披露して、前半で試合を決める勢い。追いすがる井上だったが、こちらはショートライドが目立ち得点は伸びず。浜瀬が嬉しい優勝を手にした。

 

 

石塚晃

 

レジェンドプロクラスは石塚晃。プロクラスでは1コケだったものの、ヒートをこなすごとに勢いが増す。板も上手くあったか、決勝ではセットの波を一人乗りまくり、文句無しの優勝。

 

 

出川三千男
川井幹雄
鈴木正
小室正則

 

レジェンドスペシャルプロクラスは川井さんが先攻、出川さんが追いかける展開。マーボーさんはヘルプを頼むもスープライディング。その間に出川さんが本数を乗ってポイントを加算。鈴木さんも最後に1本乗るもそこでタイムアップ。今年も乗りまくった出川さんが優勝という結果でした。

 

 

マーボーさん、お神輿で腰を痛めたのが理由でした。でも、このイベントができたことに感謝。来年こそはとリベンジを誓ってくれました。

 

収まりつつあるとはいえ、今も続くコロナ禍。それでも、できる限りやれることをやろうと言う。過ぎ去ることを待つのではなく、マーボーさんが教えてくれたのは自らが動くこと。このイベントは元気をくれるだけでなく、人生を楽しむことを教えてくれた。

 

マーボーさんは腰に刀を刺す侍スタイルで正装。

 

 

ドジ井坂氏の追悼セレモニーに多くの仲間が参加。

 

ドジさんへの追悼メッセージは歴代全日本チャンプの面々。川井幹雄氏、小室正則氏、長沼一仁氏、出川三千男氏が思い出を語った。

追悼オーシャンセレモニーは、献花をハンズアップ!みんなでドジさんを海へ送り出した。

ミッキーさん(川井幹雄氏)が、ドジさんを偲んで海へパドルアウト。

酒井厚志氏もNSA理事長として挨拶。

 

 

ドジ井坂さんは、14歳からサーフィンを始め、1970年、日本人で初めて、ハワイで行われた世界プロ・アマサーフィン選手権に出場し、プロサーファーデビュー。初代全日本チャンピオンになるなど、82年まで現役選手として活躍した。

またシェイパーとしても自らのブランド「コスミックサーフボード」を立ち上げて、日本サーフィン界の草創期を支えた人物のひとりとして知られる。

現役引退後もASP(現在のWSLの前身)イベントの日本での開催、常任理事として貢献。さらにその多彩なタレント性と親しみやすいキャラクターで人気の深夜番組「オールナイトフジ」にレギュラー出演するなどメディアで大活躍。
80年代のサーフィンブーム時に、サーフィンを知らない人々に解りやすい的確な表現でサーフィンの素晴らしさを伝える伝道師となった。

 

 

ゼッケンを受け取る時に抽選があり、番号でサーフボードが決まる。(吉田英司)

クラシックなビンテージボード。値段はつけられないほど高価。オンフィンで形もさまざま。

今年も愛犬とサーフィンするドッグディビジョンも開催。

今年のMCは冬のオリンピアン荻原次晴さんが担当。マッスル力也さんと楽しいトークで盛り上げてくれた。

会場には書道家の武田双雲さんも来場し、マーボーさんとの親交を語ってくれた。

あの女子プロレスで一世風靡した極悪同盟のダンプ松本さんもお祝いに駆けつけた。

レジェンドは試合に出るだけでなく、ジャッジも担当。

特大の表彰皿に琉球ガラスのカップ。さらに今年は可愛らしいシーサーも。

ステージではフラダンスやハワイアンバンドのKANE MIURA & HONEY PA’ AKAI PEPA のライブも開催。

海岸に入る会場入口では消毒、検温の関所を設置。

コロナ禍における大会開催のルール。

大会だけでなく、マーボーさんの神輿をさらに祭囃子で盛り上げる。

 

ゼッケンの写真(左から)

プロクラス男子R-1
H-1 吉田英司、鈴木剛、浜瀬海、下山雄一、岡部祐司
H-2 石井乃亜、久保健一、堀井哲、榎本信介、中村清太郎
H-3 土屋昌平、石塚晃、井上鷹、石坂健、櫻井鳳二
H-4 牧野拓磁、田沼亮、一岡祥平、堀野稔、増山翔太、塚本将也、松山欣則

Final 浜瀬海、櫻井鳳二、井上鷹、一岡祥平、鈴木剛、堀井哲

女子R-1
H-1 佐久間由香、嵯峨明日香、吉川広夏、井上桜、矢澤直子、関口海璃
H-2 田岡なつみ、水口朋香、布目純、井上楓、永井聖子、小林恵理子
H-3 一岡千陽、松永直美、櫻庭志乃、戸田成美、佐久間恵梨

Final 井上楓、佐久間恵梨、嵯峨明日香、吉川広夏、田岡なつみ、戸田成美


レジェンドスペシャルプロクラス
Final 出川三千男、小室正則、川井幹雄、鈴木正

レジェンドプロクラスR-1
H-1 小松崎利幸、石塚晃、善家誠、矢口雅也、岡野教彦
H-2 深谷守一、久我孝男、沼田光博、佐賀直人、塩坂信康、増田昌章
H-3 岡野孝親、山口徳好、青田琢二、抱井保徳、柄本昌彦、阿久津哲也
H-4 川渕直樹、畑国男、戸井田雅秋、倉本哲義、成瀬一郎、平野杉

Final 石塚晃、戸井田雅秋、深谷守一、塩坂信康、柄本昌彦、青田琢二


クラシックモーメンツクラス
Final 深谷守一、小松崎利幸、芝山信二、阿久津哲也、笈川博志、倉本哲義、イトウ

 

大会結果

プロクラス

男子
優勝:浜瀬海
2位:井上鷹
3位:一岡祥平
4位:鈴木剛
5位:櫻井鳳二
6位:堀井哲

女子
優勝:吉川広夏
2位:田岡なつみ
3位:井上楓
4位:佐久間恵梨
5位:嵯峨明日香
6位:戸田成美

レジェンドスペシャルプロクラス

優勝:出川三千男
2位:川井幹雄
3位:鈴木正
4位:小室正則

レジェンドプロクラス

優勝:石塚晃
2位:深谷守一
3位:柄本昌彦
4位:青田琢ニ
5位:戸井田雅秋
6位:塩坂信康

クラシックモーメンツクラス

優勝:笈川博志
2位:深谷守一
3位:小松崎利幸
4位:倉本哲義

 

 

大会の詳しい結果やイベントの詳細に関してはこちらをご覧ください。