日本サーフィン界のレジェンドたちが集結! 第54回を迎えた伝統のサーフィン大会「マーボーロイヤルKJカップ」

写真、リポート:山本貞彦  マーボーさんこと小室正則氏、72歳、8月で73歳。昨年はコロナ禍で国内の大会が軒並み中止となっていた中、今大会を開催。一人も感染者を出すことなく大会は大成功。多くのサーファーを元気づけ、暗くなっていたサーフィン界を盛り上げた。

 

「こんな状況だからこそ、サーフィンを通じてみんなに元気を出してもらいたい」という想いから今年も7月4日、日曜日「54th Maboroyal KJ cup 2021」が湘南辻堂にて開催された。

 

感染対策はビーチの入り口から。

 

今年は感染防止対策はさらに徹底され、マスク着用にて検温後、人との距離を常に2m以上確保。多くの参加者が重ならないように各競技ごとに会場を4つ設置して、一箇所に選手や同伴者が集まらないように動線も分けられた。

 

 

この大会は競技も多種にわたり、カテゴリーも細かく分かれ、多くのプロもアマも参加できるイベントだ。エントリーはSURFは約200名、SUPも約280名、愛犬とサーフィンするDOGは約50組と多くの参加者を集めた。

 

DOGディビジョン。ワンちゃんも慣れたもので、怖がらずに飼い主さんとサーフィン。

 

今回のディビジョンは、SURF、SUP、Dogに加え、プロが参加する「DA CLASSIC MOMENTS」。

 

プロは招待制であり、現役選手では井上 鷹、堀井 哲、塚本 将也、秋本 祥坪、鈴木 剛、吉田 英司、吉川 祐二、堀野 稔らが出場。

 

吉川 広夏、井上 楓、井上 桜、田岡 なつみ、小林 恵理子。

 

女子は田岡 なつみ、吉川 広夏、さらに先日、プロになった井上 楓、桜の姉妹に水口 朋香、小林 恵理子らが参戦した。

 

 

また、エキジビションでは、レジェンドプロ クラスに鈴木 正、善家 誠、岡野 孝親、岡野 教彦、青田 琢二、藤沢 譲二、増田 昌章、久我 孝男、松尾博幸、石塚 晃、塩坂信康、藤井辰緒ら。

 

そして、一番の目玉、レジェンドスペシャルプロ クラスには、小室 正則、出川 三千男、川井 幹雄、井坂 啓美の4人とスペシャルの名に恥じないヒート組となった。

 

今大会のジャッジはこのレジェンドプロに加え、テッド阿出川(阿出川 輝雄)、横山泰介、小林 正明、池田 潤ら錚々たるメンバーが顔を揃えた。

 

今大会に用意されたクラシックロングボード。歴史を感じる。

 

そして、この大会の大きな特徴は、特別ルールがあること。会場に用意されたクラシックボード(1960年代で全て高価な代物で、ウン十万円からウン百万円との話)を毎ヒートごとに選手各自が抽選で選ぶことになっている。だから、毎回違う板に乗ることになる。

 

 

サーフボードはクラシックで厚くて重い。それにオンフィンで乗りこなすのも難儀ながらのぶっつけ本番で戦うのが今大会の面白いところ。

 

そして、温故知新。古きを訪ねて、新しきを知る。サーフィンの歴史を自ら体験することで、今の新しいサーフィンを創造できる。とてもクリエイティブになれるイベントだ。

 

大会中には音楽も流され、マーボーさんのヒートでは、演歌、歌謡曲が流れるから時代がタイムスリップ。もう懐かしい!昔のサーフィンコンテストといった様相に会場は大盛り上がり。

 

 

会場となった辻堂の天気は、小雨でオフショア。波のサイズは腰腹。ただ、引いていた時はまだ良かったものの上げに向かい、割れづらくなり、沖のセットは割れず。最後は全員がインサイドブレイクでの演技を強いられた。

 

しかし、それでもプロ。波を果敢に攻めて、見せ場を作る。自分の板では無いものの、何度かライディングすれば、板の癖や特徴を把握して自分のスタイルで乗りこなす。波が無くても、やはりプロはすごかった。

 

堀井哲
塚本将也

プロクラスの男子優勝は堀井 哲。堀井はライト、レフトと抜群の波選びでインサイドまで繋いで、塚本将也を振り切って優勝。昨年の準優勝からのリベンジを果たした。おめでとう!

 

田岡なつみと吉川広夏

女子優勝は田岡 なつみ。田岡は吉川とのデッドヒートで、ことらも右に左に動きまくってノーズを絡める演技で逃げ切った。田岡はこれで今大会を3連覇。おめでとう!

 

田岡なつみ
吉川広夏

 

レジェンドプロクラスの優勝は辻島 司。辻島は波が割れなくなった中、アウトのセット、さらにインサイドでもノーズを決める。インサイドまでロングライドするマメさんこと増田 昌章を突き放して嬉しい優勝。おめでとう!

 

辻島 司

 

 

そして、レジェンドスペシャルプロ クラスは川井 幹雄(73歳)、出川 三千男(71歳)、小室正則(72歳)、ドジ井坂こと井坂 啓美(73歳)。ドジさんは病み上がりということもあり、今回は棄権でMCに専念。

 

出川 三千男
川井 幹雄

 

その3人ヒートの戦いは、昨年、優勝の出川さんが一人セットの波を掴んで、先攻逃げ切りで優勝。川井さんも波を掴むが、ショートライド。マーボーさんはポジショニングが外れてピンチ。最後は主催者特権で時間延長をお願いするもセットは入らず、ノーライドと悔しい結果となってしまった。それでも、上がって笑顔。

 

 

マーボーさんの被っているのは、佐渡のおけさ笠。

 

マーボーさんは「選手のため、業界のためこれからも頑張っていく」とコメント。来年は55回となる大会は、もっとお金を集めて盛大に開催すると約束した。

 

 

 

今、サーフィンの大会はオリンピック含め競技として、よりアスリート主体の大会となっている。選手が世界へ出ていくためには必要なことであり、サーフィンがスポーツとして発展するためには通らなければならない道でもある。

 

でも、みんな笑顔で楽しめる大会もあっていいんじゃないか。新型コロナが終息したら、気兼ねなく、バカ言いながら、またみんなで集まってサーフィンしたい。サーフィンは単なるスポーツではないことを思い出させてくれた素晴らしい一日だった。

 

 

 

◆プロクラス

男子
優勝:堀井 哲
2位:塚本 将也
3位:松山 欣則
4位:吉田 英司
5位:田沼 亮
6位:牧野 拓滋

女子
優勝:田岡 なつみ
2位:吉川 広夏
3位:櫻庭 志乃
4位:松永 直美
5位:嵯峨 明日香
6位:水口 朋香

◆レジェンドスペシャルプロ クラス

優勝:出川 三千男
2位:川井 幹雄
3位:小室 正則
4位:ドジ井坂(井坂 啓美)

◆レジェンドプロ クラス

優勝:辻島 司
2位:増田 昌章
3位:笈川 博志
4位:石塚 晃

 

 

堀井 哲   上がって笑顔でグータッチ!


会場には大きなステージと記念品のトロフィーと盾に賞品。

ガラスでできた優勝カップは沖縄から。総額300万円かかったそうです。


こんな顔ぶれは滅多に見れない。テッド阿出川(阿出川 輝雄)、ドジ井坂(井坂 啓美)、出川 三千男、小室 正則、川井 幹雄 記念写真に応ずる出川 三千男、小室 正則、川井 幹雄。会場でかかった吉幾三の曲に合わせてノリノリのマーボーさん。

MCのマミさん(河村 正美)とドジさん(井坂 啓美)にゲストでテッド阿出川(阿出川 輝雄)さん。

感染防止対策の看板は目に付くところに設置。選手だけでなく観客も感染防止対策を行なって集まった。

マーボーさんと鈴木 正氏(79歳)。鈴木氏は今回の大会開催を暖かい言葉で労った。

田岡 なつみ。板が顎を直撃するも大事には至らず。その後は笑顔でパドルアウト。

久我孝男、マメさん(増田 昌章)。

塚本 将也、石坂 健。

 

 

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