マンリー・ビーチ、シドニー、ニュー・サウス・ウェールズ、オーストラリア(2022年5月18日水曜日) 2022 WSLロングボード・ツアー開幕戦である「GWMシドニー・サーフ・プロ presented by Rip Curl」は大会3日目。
今日もマンリービーチのスーパークリーンな2フィートの波でロング男女ベスト4が決定。多くの接戦が繰り広げられ、トップシードがファイナルデーに進出する興味深いコンペティションの一日となった。本日もショートボードはオフ。
田岡なつみと井上鷹が5位でフィニッシュ。
男子のラウンド4のヒート8に登場した井上鷹は、トニー・シルバニ(USA)と対戦。井上はオープニング・ウェイブでサイズのある波をキャッチ。ハングファイブからのクローズ・セクションでのリエントリーを試みるもワイプアウト。
しかし、セカンドウェイブでは、ハングファイブからバックウォッシュの入る難しいクローズセクションでのリエントリーをメイク。7.67という高得点をマーク。さらにバックアップを6.67へと上げてリードを広げていく。
後半に入り、どんどん調子を上げていく井上は、ハング5〜10のコンビネーションからエア気味のクローズアウト・リエントリーをメイク。7.30までバックアップをあげて、シルバニを追い込んでいく。
シルバニもチャージを見せてスコアをあげていく中、終盤にヒートのベストウェイブを掴んだ井上は、完璧なノーズライドとリエントリーのコンビネーションでエクセレントの8.60をスコア。完全にベテランのシルバニを押さえ込んでクオーターファイナル進出を決めた。
QFでは地元マンリーのデクラン・ワイトンと対戦した井上鷹。井上はスタートから果敢に波を掴み、ハング5から10のコンビネーションにクローズセクションのリエントリーを組み合わせ、5.67をスコア。
それに対するワイトンは、ノーズライドにパワフルなカーヴィング・マニューバーを加え7.53をスコアしヒートをリード。後半にバックアップを5.50まで上げた井上だが、ワイトンは7.83をスコアしリードを広げ、そのままフィニッシュ。
井上は惜しくもここで敗退となったが、昨年のサーフランチの17位、マリブの9位を上回る5位でフィニッシュした。
昨日、大活躍を見せた田岡なつみは、クオーターファイナルでブラジルのクロエ・カルモンと対戦。ヒートはクロエがオープニングライドで、ノーズライドとドロップニーターンといった多彩なテクニックで7.50の高得点をマークし、田岡にプレッシャーをかける。
田岡は緊張からかファーストウェイブを掴むも、波の選択ミスでスコアを伸ばせない。その後セットが入らずに、優先権を田岡が持ったまま、時間だけが過ぎていく。
ようやくセットが入り、田岡がレフトの波をキャッチ。しかし、バックウオッシュの入る難しい波に技を思うようにかけられずスコアは4.23。
逆にクロエは、レフトの波で再び多彩なテクニックをコンビネーションして、8.17をスコア。田岡はコンビネーションに追い込まれてしまう。最後に5.00をスコアするも、ここまでとなった。
昨日、9ポイントライドを決めた田岡だっただけに悔しい敗退となったが、今回も昨年のサーフランチとマリブの試合の同じ5位でフィニッシュを果たした。
ハワイアン・デュオがマンリー・ビーチを席巻
ハワイのカニエラ・スチュワートは、ラウンドオブ16とクオーターファイナルの2つのヒートを制し、セミファイナルへの出場を決めた。
今日最初のヒートでスチュワートは、今イベントで最も高い17.20の2ウェーブトータルでブラジルの選手を圧倒。そして、クオーターファイナルでは、親友であり師匠でもあるカイ・サラス(HAW)との対戦で、スチュワートは再びエクセレントなヒートトータルを記録し、セミファイナル進出を果たしたのだ。
スチュワートは安定感のあるノーズでの優雅さ、そしてレールトゥレールへのスムーズなトランジションが高く評価された。ファイナルデイのセミファイナルではビッグパフォーマンスのベン・スキナー(AUS)と対戦する。
「カイ・サラスは生涯尊敬するサーファーで、ロングボードサーフィンについて多くのことを教えてくれたし、彼のボードデザインにも乗っているのでクオーターファイナルで彼と対戦出来たことは素晴らしいことです。」とスチュワートは語った。
「そのヒートに勝てたので、ファイナルデイが楽しみです。ファイナルデイまでに数日間のオフがあるので、この美しい街の素晴らしい景色を見て、毎日もっと素晴らしい波にも乗ろうと思っています。」と言った。
女子では、3度のWSLロングボード世界チャンピオンであるハワイ出身のホノルア・ブロムフィールドが、同胞のソフィア・カルヘインとのクオーターファイナルを突破し、セミファイナルへ進出。
ブロムフィールドとスチュワートは、勝ち上がっている唯一のハワイアンで、来週初めに再開されるロングボードのファイナルデイでは、両者とも決勝に進出する可能性が高い。
WSLロングボード・ツアーのベテラン、ベン・スキナー(GRB)は、ワールド・ツアー・レベルでは数少ない、自分でシェイプしたボードで戦うコンペティターの一人で、そのアートフォームは印象的であると同時に過去を思い起こさせるようでもある。
スキナーのボードは、ラウンドオブ16で元世界チャンピオンのフィル・ラジズマン(BRA)を、クオーターファイナルでジェフソン・シルバ(BRA)を倒し、セミファイナルに進出したように、その効果を発揮しているようだ。
スキナーは、パワフルなサーファーでありながら、マンリーの小さい波にも適応し、故郷のフィスタルの波と同じように勝ち続けている。
スキナーは、「ここマンリービーチが大好きで、これは僕のホームであるイギリスのフィスタルビーチでのベストデーのような感じです」と語った。
「自分のボードは自分でシェイプしているので、当然自分の道具にはとても満足しています。ヒート中はステイビジーしていましたが、それは良い戦略でしたし、今はファイナルデイを楽しみにしています。」
マンリービーチで地元の期待の選手が観客を盛り上げる
地元の期待の選手であるタリー・ホワイト(AUS)とデクラン・ワイトン(AUS)はファイナルに向けて快進撃を続け、地元の観客の前で今日最も高い2ウェーブトータルを記録し、セミファイナル進出を決めた。
「今までセミファイナルに進出したのは一度だけで、それを自分のホームビーチで家族や友人の前でできたことは本当に特別なことです」とホワイトは語った。
「同じマンリー・サーファーのデクラン・ワイトンがヒートで勝ち上がったのを見て、自分のヒートの前に興奮しましたし、今は最高の気分です。ファイナル進出や優勝を目指すには、まだまだ努力が必要ですが、今は最高の気分です。」
これでロングは男女とも残りセミファイナルとファイナルを残すのみとなった。いよいよ明日からチャレンジャー・シリーズがスタートとなるか。
GWMシドニー・サーフ・プロ・メンズ・ロングボード・ラウンド・オブ16結果。
ヒート1:ベン・スキナー(GBR)13.97 DEF. フィル・ラジズマン(BRA)12.97
HEAT 2:ジェフソン・シルバ(BRA)15.27 DEF. テイラー・ジェンセン(USA)13.27
HEAT 3:カイ・サラス(HAW)12.47 DEF. ピッコロ・クレメンテ(PER)12.20
HEAT 4:カニエラ・ステュワート(HAW)17.20 DEF. アウグスト・オリント(BRA)13.00
HEAT 5:ハリソン・ローチ(AUS)13.37 DEF. ジャック・エントウィッスル(AUS)13.17
HEAT 6:コール・ロビンス(USA)13.43 DEF. ルーカス・ガリード・レッカ(PER)12.74
HEAT 7:デクラン・ワイトン(AUS)16.96 DEF. エドゥアール・デルペロ(FRA)11.90
HEAT 8:井上鷹(JPN)16.27 DEF. トニー・シルヴァーニ(USA)13.70
GWMシドニー・サーフ・プロ 女子ロングボード・クオーターファイナル結果。
HEAT 1:クロエ・カルモン(BRA)15.67 DEF. 田岡なつみ(JPN)9.23
HEAT 2:タリー・ホワイト(AUS)14.90 DEF. メイソン・シュレマー(USA)11.57
HEAT 3:ホノルア・ブロムフィールド(HAW)12.17 DEF. ソフィア・カルヘイン(HAW)12.14
HEAT 4:ソレイユ・エリコ(USA)11.77 DEF. レイチェル・ティリー(USA)11.73
GWMシドニー・サーフ・プロ・メンズ・ロングボード・クオーターファイナル結果。
HEAT 1:ベン・スキナー(GBR)13.50 DEF. ジェフソン・シルバ(BRA)9.77
HEAT 2:カニエラ・ステュワート(HAW)16.56 DEF. カイ・サラス(HAW)12.70
HEAT 3:ハリソン・ローチ(AUS)15.60 DEF. コール・ロビンス(USA)10.80
HEAT 4:デクラン・ワイトン(AUS)15.36 DEF. 井上鷹(JPN)11.17
GWMシドニー・サーフ・プロ女子ロングボード・セミファイナル・マッチアップ。
HEAT 1:クロエ・カルモン(BRA) vs. タリー・ホワイト(AUS)
HEAT 2:ホノルア・ブロムフィールド(HAW) vs. ソレイユ・エリコ(USA)
GWMシドニー・サーフ・プロ・メンズ・ロングボード・セミファイナル・マッチアップ。
HEAT 1:ベン・スキナー(GBR) vs. カニエラ・スチュワート(HAW)
HEAT 2:ハリソン・ローチ(AUS) vs. デクラン・ワイトン(AUS)
詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。