自民党サーフィン議員連盟 総会が自由民主党本部で行われ、塩谷立衆議院議員が新たに会長に就任。

2020年東京オリンピックにて初めて実施された追加種目サーフィン。そのサーフィンが広く国民に健全で安全に普及するための「自民党サーフィン議員連盟」の総会が2022年04月20日 (水)、自由民主党本部で行われた。

 

司会進行は勝俣 孝明事務局長

 

「自民党サーフィン議員連盟」は、2015年09月に発足された「自民党マリンスポーツ議員連盟が前身で、オリンピック種目にサーフィン競技をという志で始まって議連。会長不在のまま数年ぶりに開催となった今回は新役員が発表となった。

 

全国で高校や中学でサーフィン部が誕生するなど、教育として裾野の広い競技としてサーフィンが認められ始めているなか、オリンピックのレガシーを無駄にすることなくサーフィン議連がサポートして行こうと話し合われた。

 

また日本サーフィン連盟からは、酒井理事長らが出席し、東京オリンピック・パラリンピックの報告及び、今後の大会の予定などを説明 。またスポーツ庁よりサーフィン競技に関わる取組み課題など、意見交換が行われた。

 

 

後藤田幹事長

 

後藤田 正純幹事長は「オリンピックが終わったら『はい、さようなら』ではなくて、レガシーとして残していく。そしてスポーツは教育の一環であるということ。スポーツの産業化、地方創生、スポーツツーリズム、インバウンドなど、様々な効果がスポーツにはございます。人口波のプールも静岡に負けず西日本でも作っていきたい。今後もスポーツ庁などの中でもしっかりとした位置づけを行っていきたい」と冒頭の挨拶で語った。

 

塩谷 立氏が新会長に就任。

 

そして今回の役員改選で、塩谷 立(しおのや りゅう)氏が新会長に就任。浜松出身の塩谷氏は、「サーフィンがオリンピック種目になったが、国体やインターハイにもないということは問題ではないかと。

ということで高校などの部活をスタートさせて、大いに海洋立国としての代表的なスポーツであるサーフィンを広めていくというのは色々な意味で、海という存在をもっと日本人は知る必要があるということ。この議連でそういう応援をしていきたい。」と提言

 

日本サーフィン連盟 酒井厚志理事長

 

日本サーフィン連盟の酒井厚志理事長は「日本サーフィン連盟は、現在全国に70支部。会員が14,000人。サーフィン競技は、2024のパリ、そして2028のロスサゼルスには正式種目に昇格しまして、サーフィンの波はまだまだこれからも続くと思っております。

 

日本サーフィン連盟はJOCの正加盟団体として認定をされ、ロングボード、サップ、ボディボードなど海の横乗り系のスポーツの世界選手権の日本代表を決める立場になりましたので、「サーフィン議連」という名前に変えていただきました。そういう経緯があります。

 

塩谷先生からお話がありましたけれども、日本は海洋国家で海に囲まれておりまして、サーフィンに適した海が北海道から沖縄まで、日本海も含め多くあります。海外でも、これほど素晴らしい国はあまりありません。ですから、日本でサーフィンがもっと広まっていくことを信じて活動を続けておりますので、ぜひ応援お願いいたします。」と語った。

 

酒井氏、宗像氏、井本氏、関口氏、岡野氏の5名が出席した。
井本公文氏

 

日本サーフィン連盟の副理事長であり、東京オリンピックでサーフィンスポーツマネージャーも務めた井本公文氏は東京オリンピックの結果を報告。

 

「サーフィン競技が初めてのオリンピックということで、どのような規模のオリンピック会場にすればいいのか悩んだのですが、27年ぶりとなる2017年に、宮崎で世界選手権を開催し、そこから宮崎県、愛知県、宮崎県と経験を積むことができ、このような素晴らしい会場を作ることが出来ました。

 

選手からはサッカー選手になった気分だという声も聞こえ、世界中の選手に喜んでいただくことができました。初めてのオリンピックに恥じない日本の力を見せることができたと思っております。」

 

 

宗像富次郎氏

 

NSA副理事長で、日本代表監督を務めた宗像富次郎氏は、五十嵐カノアの銀メダル獲得、都筑有夢路の銅メダル獲得をはじめとする東京五輪での成績を報告。また今後のオリンピックにおけるサーフィン競技についても説明した。

「2024パリオリンピックはタヒチが会場になり、2028のロサンゼルスは、都市間でサーフィン会場の誘致合戦が起きています。2032のオーストラリア・ブリスベンでは、サーフィン大国オーストラリアは必ずサーフィン競技を行ってくれるであろうと思っており、長期的な評価で計画で進めてきたいと思っています」と説明。

 

「そして、現在、日本スポーツ協会に準加盟の申請をしており、準加盟が認められ正加盟に向けて働きかけをしていきたい」と説明。「サーフィン競技を国体の競技などとしても広げていきたというのが我々の目的の一つでもあります。」と語った。

 

「今後のサーフィン大会の予定に関してですが、2026年アジア競技大会があり、そちらでも愛知県の田原で開催される予定になっており、先生方のお力添えをお願いしたいと思っておりす。」

 

スポーツ庁 南野圭史氏

 

スポーツ庁 競技スポーツ課長の南野圭史氏からは、サーフィン競技に係るスポーツ庁の主な取り組みについて説明。サーフィン競技の国際競技力の向上に向けた支援について説明が行われた。

 

サーフィン競技の国際競技力の向上に向けた支援について

 

競技力向上事業

  • スポーツ庁では、オリンピック・パラリンピックをはじめとした国際競技大会等における日本代表選手のメダル獲得に向けて、各競技団体が行う 日常的・継続的な強化活動等について支援を実施しており、令和3年度は、日本サーフィン連盟が実施する国内外の強化合宿やコー チ、スタッフの設置に係る経費として、6,941万円を支援。
  • 競技力向上事業については、令和4年度予算においても、昨年度と同規模の約100億円を計上。

 

スポーツ振興基金助成(アスリート助成、スポーツ団体大会開催助成等)

  • (独)日本スポーツ振興センター(JSC)では、オリンピック・パラリンピック競技大会において活躍が期待される、我が国の優秀な選手に対 し、競技活動に専念した選手生活の継続を奨励し、競技水準の向上を図るための助成や、国際的又は全国的な規模のスポーツの競技会 等の開催に対する助成等を実施。
  • 令和3年度のサーフィン競技については、日本サーフィン連盟から推薦を受けた、トップアスリート1名に対し、年間240万円を支援。また、 競技大会の開催等に対し、900万円を支援。

 

スポーツ振興くじ(toto)助成(スポーツ団体スポーツ活動助成)

  • スポーツ振興くじ(toto)の売り上げを財源として、スポーッ団体がスポーツの振興のために行う様々な事業に 令和3年度は、日本サーフィン連盟が実施するスポーツ情報の提供や競技会の開催に対し、約1,800万円を支援。

ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点について

  • スポーツ庁が、既存のスポーツ施設をナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点に指定し、スポーツ医・科学せ ポートを含めたトレーニング環境の整備を支援。
  • サーフィン競技のNTC競技別強化拠点については、令和4年度から、静波サーフスタジアム(静岡県牧之原市)を新た に指定。

 

 

星野つよし

 

また、その他に、星野つよし氏からは、オリンピックで銅メダルを獲った都筑選手のスポンサー獲得に関する話が出た。

 

世界的に活躍する選手でメダルを獲得しても、企業側からはスポンサーになってもスポンサーの意味があるんでしょうかと言われたりと厳しい現実を突きつけられている。

 

それに関してNSA宗像氏は「まだまだ一般企業のサーフィン競技に対する認知度は低いのが現状です。」と回答。

 

勝俣 事務局長からは「やはり裾野を広げていかなければならないということで、サーフィンが国体になるとか、インターハイの競技にするのが急務で、そのための基準はどのようになるのか」という質問に及んだ。

 

スポーツ庁の説明では、「まず競技団体(サーフィン連盟)が日本スポーツ協会の正式な加盟団体になること、そして47都道府県に支部組織があり、47都道府県の体育協会に加盟していることがまずの条件。

 

正式競技ではなくて公開競技というのがあり、公開競技の場合は、24以上の都道府県で支部組織があること等が条件となっていると説明。

 

現在のサーフィン連盟の支部で体育協会に加盟しているのは宮崎、徳島、和歌山、神奈川の4県と申請中の静岡と僅かだ。しかしサーフィン連盟は愛媛以外の県に全て支部があり、「都道府県のスポーツ協会に加盟が出来れば、そんなにハードルは高くないが、会費などがあり財政的な部分がネックになるかもしれない。」とと酒井理事長が返答。

 

この件に関しては、サーフィンをやっている現役の県会議員や市議会委員に各支部から話をしてもらい、直接働きかけをしてもらうのが近道ではないかという意見も出た。

 

また「メジャースポーツは、オリンピックとかは目じゃないんです。サッカーにしてもアメフトにしてもメジャーリーグにしても。マイナースポーツこそしっかり応援するようにスポーツ協会も頭を切り替えていないとダメだといことですよね。」という意見も。

 

「裾野の広い競技で、子供たちが頑張っている、それに報いるような仕組み・制度を作っていくことが我々に課せられた課題なのかと思っています」と勝俣 事務局長が締めくくった。非常に前向きな話し合いの場となり、今後の活動が非常に楽しみになる総会となった。

 

 

関連リンク:

NSAオフィシャルサイト:http://www.nsa-surf.org/