「The 3rd JAPAN OPEN OF SURFING」の選考合宿が千葉県鴨川で開催。出場選手の男女各14名が決定。

取材、写真:山本貞彦

 

3/12-13の日程でNSAとJPSAによるサーフィン強化指定選手対象の「強化合宿」が千葉県鴨川マルキポイントで行われた。この鴨川の合宿は2019年に開催されて以来の3年ぶりとなる。

 

NSA宗像氏、JPSA細川理事長、NSA酒井理事長、NSA井本氏

 

この合宿は、3/30に静波のウェイブプールで開催される「第3回 ジャパンオープンオブサーフィン」の選考会となっている。併せて、選手の現在の実力を把握することが目的だ。選考はヒート形式で行い、男女とも上位14名を選出する。

 

今回の合宿も無観客とし、万全な感染対策が行われた。

 

 

初日のスケジュールは女子選手の選考会と午後には男女ともオンラインにて「ドーピング講習」「栄養学講習」「強化部講習」が行われた。

 

 

久々にテレビなど報道各局が取材に訪れ、囲み取材は男子は 大原 洋人、新井 洋人、岩見 天獅
女子は 前田 マヒナ、都筑 有夢路、脇田 紗良

 

 

男子の強化選手は五十嵐 カノア、大原 洋人、村上 舜、稲葉 玲王、髙井 汰朗、安室 丈、新井 洋人、岩見 天獅、金沢 呂偉、上山 キアヌ 久里朱、西 修司、西 慶司郎、松原 渚生、矢作 紋乃丞、安室 弦、石川 拳大、伊東 李安琉、小松 凛輝、佐藤 利希、鈴木 耀竣、田中 大貴、藤沼 佳太郎、本田 孝義、休場 匠、脇田 泰地で25名。

 

ジュニア強化指定選手が小濃 来波、菅原 大地、鈴木 一歩、辻岡 堅太朗、鳥潟 一太、石山 汰一、岡野 漣、酒井 仙太郎、鈴木 慈英、佐藤 頼斗、強矢 凛太郎、髙井 悠二朗、寺田 文太、豊田 未空、長沢 侑磨、和氣 堆人、渡邉 壱孔で17名。合計42名。

 

女子は都筑 有夢路、黒川 日菜子、中塩 佳那、松田 詩野、前田 マヒナ、野中 美波、脇田 紗良、大村 奈央、川合 美乃里、西元 萌 エミリ、都築 虹帆、松岡 亜音、川瀬 心那、澤田 七奈緒、須田 那月、芳田 花瑚で16名。

 

ジュニア強化指定選手が上門 涼風、清水 心春、池田 美来、鈴木 莉珠、高橋 花音、高橋 結奈、登坂 祐妃の7名。合計23名となる。

 

今回、男子は五十嵐 カノアは海外大会の為に不参加。また、渡邉 壱孔が病欠となって男子40名、女子は全員参加の23名となった。

 

強化指定選手選考基準についてはこちらから。

 

 

 

会場の鴨川マルキポイントの潮回りが長潮、若潮とあまり動かない。波はコシハラのワイドブレイクでダラダラとした厚い波。波はヨレてていて、つながり気味で張らない波も多い。

 

正直、難しいコンディションであったことは否めない。しかし、このようなコンディションで選手がどう戦うか。選手、個々の波への適応力も課題に付け加えられた。

 

2日間通しても、波自体に変化はなく、風にも左右された。ベテランが走ることにも苦労して1発のところ、身体の小さいグロム、ジュニア選手はテイクオフも早く、キレイに3発入れてくる。さすが強化選手に選ばれているだけはある。

 

ジャッジは同じアベレージという評価になったから、本数多く乗られてチャレンジされれば勝てない状況も多々あった。試合はどんなコンディションでもやる時はやるし、選手にとって条件は一緒だからということだけど。もう少し波がある時にやってあげたかった。

 

笑顔が溢れるアノンとナナホ

 

さて、まず初日。女子ではR-2で波とのサイクルが合わずに黒川 日菜子、須田 那月が敗退。さらに松田詩野がインターフェアで破れるという波乱となった。

 

豪快なスプレーを飛ばし、合宿で1位となった松岡亜音
川瀬 心那

 

逆に調子が良かったのは、脇田 紗良、都築 虹帆、松岡 亜音、川瀬 心那。リズム良く、インサイドまで繋げる波をチョイスしたのが勝因となった。

 

鈴木 莉珠
登坂 祐妃

 

ジュニア陣の上門 涼風、鈴木 莉珠、登坂 祐妃らは、このコンディションに臆せず攻めたのが高評価。ヒートを重ねるごとに、自分の限界に挑戦したことが、この結果となった。女子の選手はまだ男子と比べて少ないものの、確実に下の世代が育っていることがわかった。

 

2日目、波のブレイクポイントが会場正面から右に。よってジャッジブース、プライオリティパネルも移動。
大会2日目。男子1位となった西 慶司郎

 

続いて、2日目の男子。朝一は、まだ風も弱く面もキレイ。ショアブレイクながら波数もあったことで、R-1、2の結果は順当。しかし、午後に入りサイドオンが吹き出して、ダラダラからボヨボヨという波に変わった。

 

安室丈

 

張らずに崩れる波が多く、テイクオフしてから演技せずに終了という選手も多発。男子は、なんとR-3で稲葉 玲王、村上 舜、安室 丈が敗れた。

 

 

大原洋人
金沢 呂偉
上山キアヌ久里朱

 

男子では大原 洋人がサーフィンの上手さを魅せたかと思えば、西 慶司郎、脇田 泰地は昨年からの好調さをアピール。さらに新井 洋人、金沢 呂偉、上山 キアヌ 久里朱らは、このコンディションでも自分のリズムで戦う強さを見せた。

 

 

鈴木 一歩
鳥潟 一太
酒井 仙太郎
岩見 天獅

 

ジュニアでは鈴木 一歩、岩見 天獅、酒井 仙太郎、鳥潟 一太らが出場枠を手に入れた。それ以外の選手でも、昨年からJPSAのプロトライアルを受けてプロ公認資格を得た選手も多く、これからの成長に期待。

 

 

都築 虹帆
インターフェアをしたかと思えば、エクセレントを叩き出すというアップダウンが激しいサーフィン。反省すべきは反省して、次に進めば良し。今は変にまとまらずに、思いっきりサーフィンを続けてほしい。

脇田 紗良
どんな波でも自分のリズムでサーフィンできるところが、紗良の強いところ。WSLのCSハンティントンでの経験からか、つなぐサーフィンが上手くなった。フローを意識している証拠だ。

都筑 有夢路
乗れば点が出るから、待つことを覚えたか。最後まで待って、逆転してラウンドアップはお見事です。4月のWSL CT 第4戦のオーストラリアのベルズ。トライアルに出場できることになったそうです。ガンバ!

松田 詩野
なんとプライオリティインターフェアで敗退。詩野曰く、相手が行かなかったから行ったまでで。海外での駆け引きを学んだ詩野にとっては、当然のごとく引けなかったところだった。これも学び。次に向けてGo!

前田 マヒナ
こういう波は苦手なはずだけど、戦いながら順応できるのがマヒナの才能。でかい波も滑れるけど、小さい波も克服か。

 

稲葉 玲王
R-3ではことごとく波に嫌われて、ポイントを伸ばせず。力技で行こうにも、波が張らずではお手上げだった。乗れば勝てるだけのスキルがあるだけに残念な結果。

脇田 泰地
でかいパイプをハワイでやって来たのに、この日本の小さな波でエクセレントを叩き出す。コンペでの戦い方を覚えただけでなく、波への適応力もハンパない。

金沢 呂偉
ボードコントロールが上手い選手だけど、波を読む力もついた。波の選択だけでなく、波のパワーゾーンの使い方も上手くなった。

西 慶司郎
波を読む目だけでなく、ヒートの組み立て方も素晴らしい。波、時間、相手、そして、ポイントと全てを総合的に判断すること。それを瞬時に行うことができるのは、今までの練習の成果だろう。

村上 舜
波まわりにやられたか。R-3のヒートでは乗った波が張らずに単発で終わる。それでもレールを入れて、当て込もうとするスピードは誰よりも早かった。

新井 洋人
先日、JPSAのプロトライアルでプロ公認資格を獲得した洋人。今まで資格は何度も獲得したことがあるものの、海外中心のスケジュールで申請していなかった。コロナ禍で試合が少ない中、少しでも多くの試合に出場するためにとの決断だった。

岩見 天獅
身長も伸びて、サーフィンにパワーがついた天獅。R-3でタイムアップ前にブロックして逆転の芽を摘む。試合運びにも取りこぼし無し。

大原洋人
洋人のスゴいところは、波のフェイスが狭くても、膝をコンパクトに曲げて当て込む技術。波に合わせて攻め方を変えられるのが、洋人が洋人たる所以。

 

武知実波 高橋みなとはスタッフとしてお手伝い

 

 

今回、敗退した選手にもまだチャンスがある。この合宿で上位14名が選出されたが、3/21から始まるWSL「Asia Open」で、男女とも上位4名に入れば出場枠が手に入る。

これで男女とも 14+4=18名が「第3回 ジャパンオープンオブサーフィン」で戦うことになる。そして、この「第3回 ジャパンオープンオブサーフィン」の優勝者が、今年のISA世界選手権大会(日程、場所未定)の日本代表となるのだ。

 

 

「第3回 ジャパンオープンオブサーフィン」出場選手

 

女子
1位 松岡 亜音
2位 野中 美波
3位 脇田 紗良
4位 都筑 有夢路
5位 中塩 佳那
6位 前田 マヒナ
7位 都築 虹帆
8位 大村 奈央
9位 鈴木 莉珠
10位 登坂 祐妃
11位 西元 萌 エミリ
12位 上門 涼風
13位 川瀬 心那
14位 川合 美乃里

補欠1 澤田 七奈緒
補欠2 池田 美来

 

男子
1位 西 慶司郎
2位 田中 大貴
3位 大原 洋人
4位 鈴木 一歩
5位 新井 洋人
6位 脇田 泰地
7位 伊東 李安琉
8位 金沢 呂偉
9位 上山キアヌ久里朱
10位 鈴木 耀竣
11位 岩見 天獅
12位 酒井 仙太郎
13位 西 修司
14位 鳥潟 一太

補欠1 長沢 侑磨
補欠2 小濃 来波
補欠3 稲葉 玲王
補欠4 岡野 漣
補欠5 佐藤 利希

 

 

最終順位の決め方

女子:ヒートはR-1を1位抜けしたものが、R-3へ。その他はR-2へ進む。R-3で女子は上位3名が出場枠をゲット。順位はハイエストポイントで決定。残りの4位ハイエストポイントの上位2名が補欠に。

男子:ヒートはR-1を1位抜けしたものが、R-3へ。その他はR-2へ進む。R-3の上位2名が出場枠を確保。順位はハイエストポイントで決定。補欠は3位のハイエストポイントの上位5名となる。

 

※ この順位で「第3回 ジャパンオープンオブサーフィン」のシード順が決まる。

 

 

2位 田中 大貴
7位 伊東 李安琉
10位 鈴木 耀竣
13位 西 修司
2位 野中 美波
5位 中塩 佳那
8位 大村 奈央
11位 西元 萌 エミリ
12位 上門 涼風
14位 川合 美乃里

 

■大会概要

大会名称:第3回ジャパンオープンオブサーフィン

(英名:THE 3rd JAPAN OPEN OF SURFING)

開催期間:2022年3月30日(水)

大会会場:静波サーフスタジアムPerfectSwell(R)(静岡県牧之原市)

主催  :一般社団法人日本サーフィン連盟(NSA)

共催  :一般社団法人日本プロサーフィン連盟(JPSA)

主管  :ジャパンオープンオブサーフィン実行委員会

協賛社 :bayfm

メディアパートナー:朝日新聞社、デイリースポーツ、讀賣新聞社、ABEMA

後援  :静岡県、牧之原市、牧之原市教育委員会、牧之原市商工会、

まきのはら活性化センター ※予定

協力  :株式会社ハンディ

放送  :ABEMAによる生中継

※SF(セミファイナル)、FINAL(ファイナル)を放送予定

出場選手:男子18名・女子18名 ※予定

大会公式ホームページ: https://japanopenofsurfing.jp