
ハワイ州オアフ島サンセットビーチ(2022年2月18日金曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第2戦「Hurley Pro Sunset Beach presented by SHISEIDO」は、6~8フィートのビルディング・コンディションの中、ファイナル・デーがON。
男子クオーターを皮切りに、女子セミ、男子セミ、女子ファイナル、男子ファイナルが行われた。
男子クオーターまで勝ち上がっていた五十嵐カノアは、このサンセットで多くの結果を残してきたジャック・ロビンソンと対戦。
先制攻撃を仕掛けたのはジャック。オーストラリアのマーガレットリバーをホームとするジャックが長いサンセットのウォールを巧みに使い、6.17をスコアしてヒートを開始。
それに応えるかのようにカノアはクリティカル・セクションでのレイバックスラッシュとクローズ・セクションでのソリッドなりエントリーという2ターン・コンビネーションで8.07をスコア。
さらにカノアは5.50でバックアップして、リードを広げていく。後半に入り再び8.20というエクセレントをスコアしたカノアはジャックをコンビネーションに追い込む。最後に反撃するジャックの追い上げを振り切り、カノアがセミファイナルへ勝ち上がった。
五十嵐カノアは、セミファイナルH2で、今回絶好調でQFでジェイク・マーシャルを下して、ここまで勝ち上がったイーサン・ユーイングと対戦。
カノアはファースト・ライドから得意のレイバックスラッシュをクリティカルセクションでメイク。フローターでセクションを抜け、さらにビッグリエントリーを決めて7.17をスコア。最高のスタートを切る。
さらにカノアはレイバックスラッシュからのアーキングターンをメイク。クローズセクションではビッグリエントリーでスープの中に消えたが、見事にメイクしパーフェクトに近い9.03をスコア。ユーイングを完全に追い込んでいく。
ワイプアウトが目立つユーイングは、後半スコアを伸ばせない。完全にカノアのペースでヒートが進んでいく。
それでもユーイングは、得意のレールサーフィンで大きなスプレーをあげて、トップスコアを8.00に塗り替えて猛反撃。しかし時すでに遅し。カノアが逃げ切り、見事ファイナル進出を決めた。
ファイナルは、ワイルドカード出場で、サンセットの波を知り尽くしたハワイアンのバロン・マミヤと対戦したカノア。
波数が激減するファイナル・ヒートはスローな展開となった。
そんな中で優先権を持っていたマミヤが波を追いかけるも掴めず、優先権をカノアに渡してしまう痛恨のミスを犯す。
そしてカノアは、ファーストライドでリエントリーを決めて5.50をスコア。

しかし、そのミスで火がついたマミヤは後半に入り、ファーストライドを掴み、シャープな2ターンコンビネーションを見せて6.83というスコアを手に入れて、トップに躍り出る。
さらにマミヤは2つのソリッドなスラッシュバックでエクセレントの8.17をスコア。地元の大声援を味方につけて、再びトップの座をカノアから奪う。

残り時間10分、カノアはニード9.50と追い込まれてしまう。スコアを伸ばせないカノアに対し、優先権を持ったマミヤが完全にカノアをマーク。そして、最後はダメ押しとなる2本目のエクセレント8.83をスコア。

コンビンーションに追い込まれたカノアは手も足も出ない状態。ラストウェイブで6.83をスコアしてコンボを外したカノアだったが、そこまで。
完全にサンセットの波を知り尽くし、素晴らしいウェイブセレクションでパワーサーフィンを炸裂させたマミヤがワイルドカード出場で優勝。パイプラインでも9位だったマミヤは、今回の優勝でなんとランキングトップに躍り出る快挙。
「本当にうれしいです。」と五十嵐が言った。「ハワイに来てもう何年にもなりますが、ハンティントンビーチで育った僕にとって、ここは常に本当に必要な場所で、何年もかけて、本当に努力しなければなりませんでした。
自分のサーフィンにはいつも苦労していて、何年もかけて努力してきました。今、ここに来て、多くの馴染みのある顔を見て、多くの友人がいて、以前は居心地の悪かった場所で、少しでも安心してスコアを出し、結果を出すことができるのは、とても意味のあることなのです」。

今回、ファーストラウンドからサンセットの波にフィットし、CT2度目の優勝も目前だったカノアだった。それでも準優勝で世界ランク5位から2位に浮上。ファイナル5進出に向けて、素晴らしいシーズンのスタートを切ったといえよう。
次はカノアの大好きなポルトガルでの第3戦。シーズン・スタートから素晴らしいパフォーマンスを見せるカノアの活躍に期待したい。頑張れ!カノア!
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