WAVE GARDEN社と独占契約を交わした株式会社JPFが明かす、日本国内における今後の計画と事業展開とは。

サーフィンをしない人も楽しめる複合的な空間を想定

日本で競輪場の運営や、サイクルスポーツの振興や普及に携わる事業を行う株式会社JPFが、スペインを本拠地とし、人工ウェイブ・テクノロジーのパイオニアであるWAVE GARDEN社から日本国内における独占交渉権を取得。

 

そして、最大6拠点のウェーブプールをローンチする事を発表した。この大型契約により、世界最高レベルのWAVE GARDEN COVE®テクノロジー(造波装置技術)が日本上陸を果たす。

 

今回は、そんな株式会社JPFの常務取締役である久場善博氏に、今後のウェーブプール計画や事業展開について話を聞いた。

 

 

計画では4万平米から5万平米の広大な敷地を使った巨大なサーフパーク構想

 

「一号店は首都圏など、利便性が高いエリアに作るのが良いとは思っていますが、諸事情により、首都圏外になることも十分にあり得ると考えています。」

 

既に候補地との話が進んでいるということなのでしょうか?

 

はい、そうですね。現段階では詳細の場所までをお伝えすることは出来ませんが、開発面積が最低でも4万平米、5万平米ぐらいは必要になってきます。また、場所によっては行政協議に多くの時間を要するので、土地、スケジュールの両条件にハマるエリアが候補地となっています。

 

日本のサーフィン連盟などと協力しあって話を進めて行く計画などはあったりするんですか?

 

まだ、そこまで具体的な話をお持ちするまで話が煮詰まってはいないので、もう少し先の事項になると考えています。

 

最速でオープンするのはいつ頃を想定していらっしゃるのですか?

 

着工からオープンまで最低2年はかかります。今年オープンされた牧之原のウェーブプールが5千平米に対して、当社の計画が4万平米から5万平米ですので、8倍から10倍の規模になるので、その分、工期は長くなります。

 

最初に作られる第一号店は、ウェーブプールだけの施設ではなく、ウェーブプールを中心にした複合的なサーフパークをお考えなんですか?

 

はい。そのつもりです。

 

裾野を広げていくことが重要で、幅広い年齢層、様々なサーフィンレベルの人を対象に

 

韓国のWave Park

 

 

サーフィン用の人工プールでも特徴が色々あると思うんですが、御社としては、どのような形で展開されていこうとお考えなんですか?

 

 

もちろんトップの人たちがトレーニングや大会ができるような運営ももちろんですが、裾野を広げていくということが重要だと考えています。

 

初めてサーフィンをするお子さんだったりだとか、第1次、第2次サーフィンブームの時はサーフィン未経験者だったけど、この歳になってサーフィンデビューしてみようかなって思う方とか、幅広い年齢層、様々なサーフィンレベルの人を対象にしたいと考えています。

 

 

 

サーファーに波を売るのがビジネスではない。

 

 

競輪場の運営から始まって、サイクルスポーツの振興や普及、強化みたいなことをやってきた我々が、ウェーブプールというものを社の事業として取り組めるなと思った一番の理由は、WAVE GARDEN社が「単にサーファーに波を提供するだけではなく、普段サーフィンをしない人にも広くビーチカルチャーを提供していく」ということをビジョンとして掲げていたことでした。

 

 

我々が2019年にスペインのWAVE GARDEN社を訪ねた時に、彼らは「子供から年配の方、あるいはハンディキャップのある方たちまでに、サーフィンを中心としたビーチカルチャーを提供していくことが我々のビジネスなんだ」とはっきりおっしゃった。

 

 

 

初めての子供たちも楽しくサーフィン体験できる。Wavegarden / Pacotwo.

 

 

この言葉を聞いたとき、種目が違うだけで、我々がサイクルスポーツで実現しようとしていること、まさにそのものだと強く共感しました。また、このウェーブプールをJPFの事業の一つとして取り組んだとしても十分にシナジー効果が期待できると確信することができたのです。

 

また、WAVE GARDEN社の技術力は本当に素晴らしい。彼らの造波装置は他社製品と比較しても、エネルギー効率が高く、経済合理性があるんです。

 

 

 

ウェーブプールは、サーフィンのハードルを取り払ってくれる「きっかけ」になるもの

 

 

前述しましたが、このウェーブプールを通じて、ありとあらゆる人にサーフィンを体験する機会を提供していきたいと考えています。サーフィンは意外とハードルの高いスポーツだと思います。パッとやって出来るスポーツじゃないなって自分もやっていて思うんですけど、だから辞めてしまう人も多い。


だからこそ、ウェーブプールによってハードルを取り払い「きっかけ」を提供することで、サーフィンをしたことはないけど興味がある人、サーフィンをしたかったけど、なかなかチャレンジすることができなかった人など、いろんな人がサーフィンと接点を持ち始める、そんなムーブメントが起こせたらいいなと考えています。

 

 

 

サーフィンが縁遠くなるのは、もったいない。

 

 

せっかく東京オリンピックで日本人選手が活躍したのに、みんなが気軽に始められないスポーツってもったいない気がしているんです。海に囲まれている国に住んでいるのに、サーフィンに対して何らかの障壁を感じて、サッカーやるよ、バスケットやるよってなってしまうのは非常にもったいないなって思うんです。

 

 

 

これから日本各地に多くのウェーブプールが誕生していくことになると思うんですが、それらは統一した名称が付くのでしょうか。それとも、それぞれの場所に異なった名前が付けられるのでしょうか。

 

 

現段階ではあまり考えていないのですが、今も問い合わせが来ている地方都市には地域活性化に貢献したい、とにかく地元を盛り上げたいという強い想いを持つ地元企業がたくさんいます。なので、今後展開を進めていくうちに、こうした企業との協業等が実現した際には地方自治体であったり、地元に馴染んだ名前にするのも面白いなと考えています。

 

 

スイスの施設は、一般公開された5つ目のウェーブプール。韓国でオープンしたWave Parkと同様に、バレルとエアセクションが新たに改良されている。

 

 

WAVE GARDEN 社と株式会社JPFの関係についてお聞かせ願えますか。

 

ウェーブプールを会社の事業として取り組む意思決定をし、いろいろと準備を進めていくうちに、早いタイミングで「これは想像以上に可能性がある」と感じ始めました。それから、日本国内に複数個所にウェーブプールを作るという流れになり、WAVE GARDEN社と交渉をしながら独占交渉権の取得をすることになったのです。

 

独占交渉権を取得した理由は、日本国内におけるウェーブプール事業の過当競争を防ぐことです。

 

来ていただくお客さんたちに対して、レベル・質ともに平準化されたサービスを適正価格で提供する等、価格やサービスのクオリティをコントロールすることで、過当競争を防ぎながら顧客ファーストなウェーブプール事業を展開していきたいと考えています。

 

現段階は、まずは第1号店オープンに向かって進んでいるというところですか?

 

そうですね。第1号店が旗艦店にするべきだと思っていますので、中途半端な妥協とかはするべきではないなと思っています。

 

 

日本のサーファーのために素晴らしいサーフィンパークが誕生することを願っております。本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。

 

 

今回、JPFがWAVE GARDEN社と共に日本で進めるウェーブプール事業は、可能な限りエネルギー効率の高い方法でサーフィン業界のみならず、地域社会に素晴らしい資産を提供する事業となることだろう。今後の展開に期待したい。

 

 

詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。