【訃報】ブギーボードを発明し、ボディボードの生みの親であるトム・モーリー氏が86歳で死去

photo: Friends of Tom Morey

1971年にブギー・ボードを発明したトム・モーリー氏が10月14日木曜日に亡くなった。86歳だった。体調を崩していたというモーリー氏。サンンクレメンテにあるサーフィン・ヘリテージ&カルチャー・センター(SHACC)によってその死が確認された。

 

SHACCは、声明の中でモーリー氏に敬意を表している。「トム・モーリー氏との別れを惜しむ声が多く寄せられています。86歳という若さでこの世を去ったモーリーの影響力、インパクト、そして創造性は、世界中のあらゆるサーファーに影響を与えてきました」とSHACCは声明を発表。

 

「我々は、サーフィンというスポーツと文化の真のレジェンドを失いました。トム・モーリー氏はこの世を去ってしまいましたが、波乗りという高度な芸術に対する彼の貢献は、今後何世代にもわたって語り継がれるでしょう。」

 

 

 

1971年にモーリー氏によって発明され、ボディボードの原型となったブギーボード。彼のブランドの登録商標であったMorey Boogie(モーリー・ブギー)。

 

モーリー氏は1950年代から60年代にかけて、南カリフォルニアの有名なサーファーで、サーフショップのオーナー、サーフィンコンテストのプロモーターとして活躍していた。また、南カリフォルニア大学で数学の学位を取得し、ダグラス・エアクラフト社で働いていた時期もあったという。

 

The first-ever Morey Boogie Board: inventor Tom Morey shaped it in 1971
1971年にトムが最初に作ったブギーボード

 

 

1971年7月9日。ハワイ島・コナでトム・モーリーに よって作られた、波に乗るための道具こそが ボディボードの原形になった。 彼が住むコナ周辺の海には、見た目にはホレて最高の波があり余っていたのに、そのほとんどがとても浅く、危ない溶岩のリーフ。

 

ボディサーフィンはできても、当時のサーフボードでは”サーフィン不可能”と断言されていた。 『その波を楽しむためのボードが欲しい⋯』。 もともとはサーファーで、サーフボード・ シェイピングなど、クリエイトな仕事をしてい たトム・モーリーはその日、自宅のガレージ にあった大きなフォームを半分にカットして、 熱いアイロンでそれを形どり、ボードがより波をつかんでいけるように、レールを45度の 角度にしたボードを作り出した。(94年フリッパー BBお稽古マガジンより抜粋)

 

 

波を乗るための新しいボードの誕生である。そして、腹ばいのまま簡単に波に乗ることを楽しめるボディボードは、ハワイ島からオアフ島へ瞬く間に伝わり、ハワイを中心に世界中にブームを巻き起こした。そして日本でも90年代に女性を中心に大人気となった。

 

 

 

当初は「SNAKE」と呼ばれていたが、ジャズドラマーだったモーリーは、ジャズのテンポが好きだったことから、「Boogie Board」と改名したという。

 

やがてモーリーは、家族をハワイからカールスバッドに移し、ブギーボードを生産する工場を設立。

 

モーリーは1977年にブギーボードとその商標を売却し、現在は玩具メーカーのWham-O(ワムオー)が所有している。モーリーはこの発明で大金持ちになったわけではなく、長年サンクレメンテで慎ましく暮らしていたが、晩年になってラグナウッズに移り住んだ。

 

 

カリフォルニア・サーフィン・ミュージアムの社長であるジム・ケンプトンは、モーリーを「サーフィン界のベン・フランクリン」と呼んだ。「彼はおそらく、サーフィンの歴史の中で最も多くの人々を波に乗せることに成功した人物です。これは大変な偉業です」とケンプトンは言う。「彼は多くの分野でパイオニアだったのです」。

 

Rest in Peace…

 

サーフィン界の発展に尽力された彼のご冥福をお祈りします。

 

 

ボディボードの起源につて。https://www.surfertoday.com/bodyboarding/the-story-of-the-original-morey-boogie-board