ワールドタイトルを追い続けたジュリアン・ウィルソンがチャンピオンシップ・ツアーから引退を表明

ジュリアン・ウィルソン

過去10年間、チャンピオンシップ・ツアーで素晴らしい活躍を見せ、東京オリンピックのオーストラリア代表選手である、ジュリアン・ウィルソンが、コンペティションから引退することを発表した。

ウィルソンはインスタグラムで、「この場をお借りして、私自身と家族の幸せのために、WSLワールドツアーを無期限に休止することを皆さんにお知らせしたいと思います」とコメントした。

 

「決してプロサーフィンからの引退ではありません。私が下した決断は、私が人生で最も大切にしているもの、つまり家族に寄り添ったものです。これは私にとって終わりではなく、新たな章の始まりに過ぎません」と付け加えた。

 

ジュリアン・ウィルソンは、2014年のパイプ・マスターズで優勝し、キャリアの中でも決定的な偉業を成し遂げた。- WSL / Kirstin Scholtz

 

オーストラリアのサンシャインコーストで、ショートボード、ロングボード、スケートボードに乗って育ったウィルソンは、早くからその豊かな才能を認められていた。彼は、ケリー・スレーターが主催し、デーン・レイノルズ、ジェレミー・フローレス、クレイ・マルゾなどが参加していたクイックシルバーの「ヤングガンズ」プログラムの新星の一人だった。

 

その後、ウィルソンは、ナイキのスタートアップ・サーフプログラムの顔として採用された。最も技術的に優れたエアリアリストの一人であるウィルソンは、フィルムメイカーのカイ・ネヴィルが制作した世代を超えた映画プロジェクトでも重要な役割を果たした。

 

 

そして今、スポットライトを浴びたウィルソンは、「自分のルーツに戻ろうと思います」と言った。「ヌーサでロングボードでサーフィンしたり、オーストラリア中のハイパフォーマンスな波を追いかけたりしています」とウィルソンは続けた。「いくつかのプロジェクトが進行中で、とても楽しみにしています。」

 

 

ジュリアン・ウィルソンが「2018 Surf Ranch Pro」で見せたエアリアル。- WSL / Kelly Cestari

 

 

ウィルソンは2011年からチャンピオンシップ・ツアーにフル参戦。ルーキーとして、Jベイ、ニューヨーク、ポルトガルで準々決勝に進出し、トレッスルズでは3位、フランスでは準優勝の成績を収め、世界ランキング9位でシーズンを終え、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

 

2012年のリップカールプロ・ポルトガルでは、ファイナルでガブリエル・メディーナとの激戦を制して、チャンピオンシップツアー初優勝を果たした。

 

次にウィルソンが表彰台に立ったのは、2014年のビラボン・パイプ・マスターズで、再びメディーナと対戦。10点満点のパーフェクトライドを9.20でバックアップし、ヒートトータルが20点満点中19.20をスコアしたメディーナは勝利も目前だった。しかし、ウィルソンは持ち前の根性で19.63をスコアし、大逆転で勝利を奪い取った。ウィルソンは、この活躍によりトリプルクラウンのタイトルも獲得した。

 

 

2017年にタヒチで開催されたBillabong Pro Tahitiのファイナルで、ガブリエル・メディーナを破り優勝。5つ目のCT優勝を掴んだ。- WSL / Kelly Cestari

 

 

皮肉なことに、エアリアルのパイオニアであるにもかかわらず、ウィルソンのキャリア最大の2勝は、シャローでヘビーなバレルでの勝利だった。2017年、ウィルソンは「ビラボン・プロ・タヒチ」で、ファイナルで宿敵メディーナを破って優勝した。

 

2018年は、ウィルソンのキャリアの中でもベストフォームとなった。ゴールドコーストで優勝してシーズンをスタートし、シーズン後半にはフランスでも優勝。最終戦のビラボン・パイプ・マスターズに向けて、ウィルソンは自身初の世界タイトル獲得を目指していた。しかし、パイプ・マスターズのファイナルで、メディーナに逆転されてしまいイベントでは2位、WSLリーダーボードでも2位という悔しい結果に終わってしまった。

 

 

「パイプ・マスターズで優勝し、2018年のパイプ・マスターズとワールド・タイトルで準優勝したときに、海外に行ったことのない父を除いた家族全員が、その場にいたので、おそらく自分のキャリアの中で最高の瞬間だったと思います。2018年に生まれたばかりの娘と一緒に旅行し、家族で一緒に旅行して4回のファイナルに進出したことは、私の人生で最も充実した年でした。」

 

「揺るぎない支援をしてくれたスポンサーと、私の旅を支えてくれた皆さんの愛とサポートに、心から感謝しています 」とウィルソンはコメント。人生の新たなるスタートを切るジュリアンの船出を祝いたい。

 

 

 

 

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