都筑有夢路がコートニーに大逆転勝利し、CT初のクオーターファイナル進出を果たし自己ベストを更新。

都筑有夢路 PHOTO: © WSL / Dunbar  

ロットネストアイランド、西オーストラリア、オーストラリア(2021年5月20日木曜日)2021年WSLチャンピオンシップ・ツアーの第5戦となるオーストラリア・レッグ最終戦「リップカール・ロットネスト・サーチ presented by Corona」は大会3日目。

 

本日は女子のラウンドオブ16と男子のラウンドオブ32がオン。風は弱くシフトする3~4フィートのコンディションで開催。本日の全ヒートは、2つのヒートが重なって行われるオーバーラップ・フォーマット(44分ヒート)で行われた。

 

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3日目はトップ5の選手が破れるという大きな番狂わせが発生。世界ランキング4位のキャロライン・マークスは、マリア・マニュエルに敗れ、現在世界ランキング3位のステファニー・ギルモアも、ニッキー・ヴァン・ダイクに敗れた。また男子では、前大会のマーガレット・リーバーで優勝したフィリーペ・トリードが、ワイルドカードのリアム・オブライエンに敗退する大番狂わせが発生。

 

ガブリエル・メディーナ、イタロ・フェレイラといったトップブラジリアン2名は得意のエアマニューバーで勝ち進んでいる。

 

 

女子のラウンドオブ16のヒート8では都筑有夢路が、カリフォルニアのベテランサーファーであるコートニー・コンローグと対戦。コンローグは、現在世界ランク9位で、過去に2度 (2015, 2016) 世界ランク2位を経験している強豪選手。

 

都筑有夢路がCT初のクオーターファイナル進出

 

 

ヒートは互いに出方を探るようにコートニーがバックハンドで4.93をスコア。都筑も3.67をスコアして開始。都筑はビッグレフトを掴み、深いボトムターンから波のエンドセクションで得意のリエントリーを試みるも波に飲み込まれてしまう。

 

都筑有夢路 PHOTO: © WSL / Miers

 

ヒート後半に入り、コートニーは、フォアハンドで5.73とバックハンドのワンマニューバーで6.27 をスコアして、ヒートをリード。ニード8.33と追い込まれた都筑だったが、優先権を持ってじっくりと波を待ち、狙いを定めたレフトのグッドセットをキャッチ。バックハンドのカーヴィングターンとリエントリーの2マニューバーで6.00をスコア。その差を少しづつ縮めていく。

 

コートニー・コンローグPHOTO: © WSL / Miers

 

コートニーも都筑の反撃に対して、6.13をスコアして、決して攻撃の手を緩めようとはしない。残り時間10分を切って、都筑のニードスコアは6.40。優先権を都筑が持つ中でコートニーが再びレフトの波で、大きなスプレーの上がるバックハンドの圧倒的なサーフィンで7.10をマーク。その差は7.37と広がってしまう。万事休すの都筑。残り時間は5分を切っていた。

 

都筑有夢路 PHOTO: © WSL / Dunbar

 

しかし、ヒート終了間際にレフトが入り、それを掴んだ都筑は、早いセクションを抜け、スピードを殺さずにボトムターンから波の切り立ったセクションで見事なリエントリーをメイク。更にクローズするセクションではロールイン気味に波の崩れる部分で難しいボードコントロールを決めてコンプリート。その波がなんと8.33のエクセレントとなり、強豪コートニーに対し大逆転勝利を決めた。

 

お母さんと抱き合って勝利を喜ぶアムちゃん

 

CT出場3回目にして自己最高の成績を収めた20歳の都筑は、準々決勝4でジョアン・デフェイ(フランス)と対戦する。

 

「今はとても幸せです。特に最後の方は緊張しましたね。バックハンドには自信があったので、良い波に乗れば良いスコアが出ると思っていました。ただ、それが来るかどうかわからないので、そこが一番緊張しました。今は成功したことがとても嬉しいです」。

 

 

完全に追い込まれ、終了間際に入ってきた特大セットで、あの圧巻のパフォーマンスを決めるメンタルの強さ。本当に鳥肌ものだった。都筑有夢路はこれからも我々が想像している以上の力を見せてくれるのかもしれない。この僅か1ヶ月の間に、彼女はCTサーファー達を倒すだけのタクティクスを身につけてしまったというのか。恐るべし都筑有夢路。

 

 

 

都筑有夢路は、クオーターファイナルのヒート4で、現在世界ランク7位のジョアン・ディフェイと対戦する。がんばれ!日本!がんばれ!都筑有夢路!

 

 

世界ランク7位の五十嵐カノアがコナー・オレアリーに破れる。

 

女子の後に行われた男子のラウンドオブ32では、ヒート16で五十嵐カノアとコナー・オレアリーが対戦。ジャパニーズDNA同士の対決となった。

 

ヒートはスタートからカノアが、ストレートアップのバックハンド・リエントリーで5.00をスコア。それに対し、コナーはフィンフリーのフロントサイド・ハックで7.50をスコアして、トップをカノアから奪い取る。

 

五十嵐カノア PHOTO: © WSL / Dunbar

それに刺激されたカノアも、ライトブレイクにチャージ。フロントサイドで大きなスプレーをあげてターンを繰り返すも、エンドセクションでワイプアウト。スコアを伸ばせない。カノアは2位で前半を折り返す展開となる。

 

後半に入り、ライトブレイク狙いに作戦を変えたカノアは、フォアハンドのカーヴィングターンで5.50をスコア。それに対し、レフトのセットを待ち続けるコナーは、彼らしい大きなマニューバーを披露し、6.33をスコア。カノアとの差を広げていく。カノアのニードスコアは8.33。エアリバースを決めるカノアだがスコアは伸びない。

 

コナー・オレアリー PHOTO: © WSL / Dunbar

 

残り時間10分を切って、カノアは掘れ上がったライトのセットにテイクオフ。大きなスプレーをあげる得意のレイバック・スラッシュからのフィンスローリバースのコンビネーションをメイク。6.83をスコアして、ニードスコアを7.01とする。続けてバックハンドのセットを掴むもファーストマニューバーでワイプアウト。残り時間は5分を切り、追い込まれるカノア。

 

逆にコナーは優先権を使いカノアが狙っていたライトの波を奪い、素晴らしいバックハンドのコンビネーションサーフィンを披露。6.57をスコアして、カノアとの差を広げていく。終了間際にカノア、コナー共に波に乗り、コナーはそのラストウェイブで、駄目押しとなる8.10のエクセレントをマーク。

 

 

カノアは今回、初の17位という、今シーズン最悪の結果。あのレフトを決めていたらと悔いが残る。トップ5を目指すカノアにとっては手痛い結果を受け入れる事となった。今シーズン全9戦が予定されているチャンピオンシップツアー。そのランキングトップ5が最後のWSLファイナルズと呼ばれるチャピオン決定戦に出場できる。残りはサーフランチ、メキシコ、ブラジル、タヒチの4戦。

 

次回のイベントでの巻き返しに期待したい。

 

カノアの次の試合はエルサルバドルのISAオリンピック最終予選となる。

 

逆にコナーは今シーズン初のラウンドオブ16進出。コナーはヒート8で同じレフトハンダーのヤゴ・ドラと対戦する。がんばれ!コナー!

 

 

ネクストコールは日本時間の5月21日(金)8時15分。

 

 

詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

男子:Rip Curl Rottnest Search presented by Corona

女子:Rip Curl Rottnest Search presented by Corona

 

 

Rip Curl Rottnest Search Women’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Malia Manuel (HAW) 14.44 DEF. Caroline Marks (USA) 12.16
HEAT 2: Sally Fitzgibbons (AUS) 14.60 DEF. Macy Callaghan (AUS) 10.97
HEAT 3: Nikki Van Dijk (AUS) 13.83 DEF. Stephanie Gilmore (AUS) 11.10
HEAT 4: Tyler Wright (AUS) 12.84 DEF. Sage Erickson (USA) 8.67
HEAT 5: Carissa Moore (HAW) 14.16 DEF. Mia McCarthy (AUS) 9.80
HEAT 6: Isabella Nichols (AUS) 9.93 DEF. Bronte Macaulay (AUS) 9.34
HEAT 7: Johanne Defay (FRA) 15.57 DEF. Keely Andrew (AUS) 8.93
HEAT 8: Amuro Tsuzuki (JPN) 14.33 DEF. Courtney Conlogue (USA) 13.37

Rip Curl Rottnest Search Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Malia Manuel (HAW) vs. Sally Fitzgibbons (AUS)
HEAT 2: Nikki Van Dijk (AUS) vs. Tyler Wright (AUS)
HEAT 3: Carissa Moore (HAW) vs. Isabella Nichols (AUS)
HEAT 4: Johanne Defay (FRA) vs. Amuro Tsuzuki (JPN)

Rip Curl Rottnest Search Men’s Round of 32 Results:
HEAT 1: Jordy Smith (ZAF) 14.17 DEF. Stuart Kennedy (AUS) 10.40
HEAT 2: Julian Wilson (AUS) 14.10 DEF. Wade Carmichael (AUS) 12.07
HEAT 3: Leonardo Fioravanti (ITA) 14.13 DEF. Ryan Callinan (AUS) 13.67
HEAT 4: Morgan Cibilic (AUS) 12.57 DEF. Deivid Silva (BRA) 12.17
HEAT 5: Liam O’Brien (AUS) 13.66 DEF. Filipe Toledo (BRA) 12.50
HEAT 6: Seth Moniz (HAW) 12.33 DEF. Jack Robinson (AUS) 9.53
HEAT 7: Michel Bourez (FRA) 12.84 DEF. Frederico Morais (PRT) 7.50
HEAT 8: Miguel Pupo (BRA) 14.66 DEF. Caio Ibelli (BRA) 6.34
HEAT 9: Gabriel Medina (BRA) 10.80 DEF. Kael Walsh (AUS) 8.20
HEAT 10: Owen Wright (AUS) 13.70 DEF. Matthew McGillivray (ZAF) 9.00
HEAT 11: Conner Coffin (USA) 11.10 DEF. Alex Ribeiro (BRA) 10.70
HEAT 12: Mikey Wright (AUS) 10.83 DEF. Griffin Colapinto (USA) 9.77
HEAT 13: Italo Ferreira (BRA) 13.20 DEF. Jacob Willcox (AUS) 9.10
HEAT 14: Adriano de Souza (BRA) 11.26 DEF. Ethan Ewing (AUS) 8.70
HEAT 15: Yago Dora (BRA) 13.94 DEF. Jack Freestone (AUS) 9.84
HEAT 16: Connor O’Leary (AUS) 15.60 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 12.33

Rip Curl Rottnest Search Men’s Round of 16 Matchups:
HEAT 1: Jordy Smith (ZAF) vs. Julian Wilson (AUS)
HEAT 2: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Morgan Cibilic (AUS)
HEAT 3: Liam O’Brien (AUS) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 4: Michel Bourez (FRA) vs. Miguel Pupo (BRA)
HEAT 5: Gabriel Medina (BRA) vs. Owen Wright (AUS)
HEAT 6: Conner Coffin (USA) vs. Mikey Wright (AUS)
HEAT 7: Italo Ferreira (BRA) vs. Adriano de Souza (BRA)
HEAT 8: Yago Dora (BRA) vs. Connor O’Leary (AUS)