キャロライン・マークスとガブリエル・メディーナが優勝。五十嵐カノアは5位で世界ランク4位を保持

優勝したメディーナとキャロtライン PHOTO: © WSL / Dunbar

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ナラビーン(2021年4月20日火曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)の2021年チャンピオンシップ・ツアー(CT)第3戦である「リップカール・ナラビーン・クラシック presented by Corona」が終了。

 

ノース・ナラビーンは、オフショアが吹くクリーンな3~4フィートのコンディションでファイナル・デーを迎え、キャロライン・マークス(USA)とガブリエル・メディーナ(BRA)による見事な勝利で幕を閉じた。

 

ガブリエル・メディーナPHOTO: © WSL / Dunbar

 

ガブリエル・メディーナがリーダーボードのトップに躍り出る

 

リップカール・ナラビーン・クラシックのファイナルでは、2度の世界チャンピオンであるガブリエル・メディーナ(BRA)が、イベント全体で最も高い2ウェイブ・コンビネーションを披露し、カリフォルニアのコナー・コフィン(USA)を破りCT15勝目を挙げた。

 

メディーナは、35分のファイナルの最初の15分で、フルローテーション・エア・リバースを連続して行い、ヒート・トータルで18.77(20点満点中)という素晴らしいスコアで圧勝した。

 

ガブリエル・メディーナPHOTO: © WSL / Miers

 

「このような勝利の感覚は久しぶりで、最高な気分です」とメディーナが言った。「ファイナルであのようなパフォーマンスをするのは最高の気分ですね。エアを入れて、ギャラリーが自分の名前を叫ぶのを聞くのは本当にクールです。最近、何度かファイナルを戦いましたがミスをしていました。でも、ここでミスを修正することが出来て良かったです。

 

今週はとても楽しい一週間でした。オーストラリアでこれほど楽しい時間を過ごしたことはありません。食べ物、ビーチ、人々など、ノーザンビーチは最高でした。ビーチでもたくさんの素晴らしいサポートがあり、本当に楽しかったです」。

 

今日の勝利で、メディーナは世界ランキング1位に浮上し、彼にとって史上最高のシーズンスタートを切った。

 

シーズンの最後に行われる、「リップカールWSLファイナルズ」は、最終ランクのトップ5の男女のみが出場できる世界チャンピオン決定戦メディーナのリードは、「リップカールWSLファイナルズ」への道のりにおいて、3つ目の世界タイトル獲得に向けた非常に重要なものとなる。

 

 

 

惜しくも2位となったコフィンは、ヒート中ずっとコンビネーションの状況に追い込まれていたが(逆転するために2つのスコアが必要)、彼のキャリアの中で最高の結果を残してノース・ナラビーンを後にした。

 

コナー・コフィン PHOTO: © WSL / Miers

 

ファイナルまでにコフィンは、世界チャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)をはじめ、グリフィン・コラピント(USA)、五十嵐カノア(JPN)を、安定したパワフルなレールゲームで粉砕。コフィンは、ランキング4位でマーガレット・リバーに向かう。

 

コナー・コフィンPHOTO: © WSL / Dunbar

 

「またファイナルに進出できて、とても嬉しいです。」とコフィンは言った。「ギャビー(メディーナ)はとても素晴らしいサーファーなので、厳しい戦いになることは想像に難くありませんでした。

 

でも、あの時の彼のパフォーマンスはとても素晴らしく、彼と同じヒートで戦えたことは本当に最高でした。オーストラリアでは、これまで素晴らしい時間を過ごしてきましたし、連続して結果を残すことができたので、本当に嬉しいです。」

 

19歳のキャロライン・マークスがCT3勝目を挙げる

 

キャロライン・マークスPHOTO: © WSL / Dunbar

 

キャロライン・マークス(USA)は、グーフィーフッターのタティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)をファイナルで、コートニー・コンローグ(USA)をセミファイナルで、ジョアン・デフェイ(FRA)をQファイナルで破り、CT3勝目を挙げた。

 

マークスは、フロントサイドで素晴らしく安定したコントロールを見せ、ノース・ナラビーンのボウリング・レフトを攻略。CT屈指のバックハンド・アタックで知られるマークスだが、今日はフォアハンドも侮れないことを証明した。

 

キャロライン・マークスPHOTO: © WSL / Miers

 

「ここに至るまでのすべての経緯を考えると、とても感慨深いものがあります」とマークスがコメント。

 

「最高です。今までで一番気持ちがいいですね。本当に楽しかったです。イベントでレフトに行くのはとても気持ちがいいです。ナラビーンは素晴らしいところで、この素晴らしい波を1週間貸してくれた地元の皆さんに感謝しています。また、私をここまで導いてくれた家族、サポートクルー、WSLにも感謝しています。最高の気分です。」

 

 

マークスは、15歳のときに史上最年少でCTにクオリファイしたサーファーで、CTに旋風を巻き起こしている。ツアー参戦2年目の2019年、マークスは世界2位となり、アメリカのオリンピック代表となった。

 

マークスの今日の勝利は、リップカールWSLファイナルズの出場に一歩近づき、彼女のホームブレイクであるカリフォルニア州サンクレメンテのローワー・トレッスルズでの初のワールドタイトル獲得が現実味を帯びてきている。

 

 

ムーアはタティアナに敗れるも、世界ランク1位を保持

 

タティアナ・ウエストン-ウェッブ(BRA)PHOTO: © WSL / Dunbar

 

2位となったタティアナ・ウエストン-ウェブ(BRA)は、セミファイナルで4度のWSLチャンピオンであるカリッサ・ムーア(HAW)、QFでサリー・フィッツギボンズ(AUS)を下してファイナル進出を果たした。

 

ウエストン-ウェブは、8回目のファイナル進出を果たすも、マークスを下すことはできなかった。しかし、その活躍により、ランキングでは世界5位から3位に上がり、さらにファイナル5に進出することになった。

タティアナ・ウエストン-ウェッブ(BRA)PHOTO: © WSL / Miers

 

「私にとってイベントでレフトに行くことは夢のようなことです」とウェストン・ウェッブは言った。「今週のナラビーンでの自分のサーフィンを誇りに思います。ニューカッスルは、確かに自分のベストな結果ではありませんでした。

 

ニューカッスルでは、自分では良いサーフィンをしたと思っていても、チャンスを生かせなかったと感じていました。ナラビーンに来たのは、自分のペースと勢いを変えるためであり、自分のサーフィンに力を入れてきたことを皆に示すためでもあります。今度は大好きな西オーストラリアに行くので、このまま調子を上げていきたいと思います」。

 

 

今シーズン初めて、ムーアはファイナルに進出できず、3位タイでフィニッシュ。セミファイナルでは敗れたものの、4度のWSLチャンピオンに輝いたムーアは、ナラビーンでの上位入賞、ニューキャッスルでの優勝、パイプでの準優勝により、ランキングではトップを維持している。

 

 

五十嵐はQFで敗退するもランキング4位を保持

 

五十嵐カノア

 

五十嵐カノアは、クオーターファイナルのヒート3でコナー・コフィンと対戦。昨日のヒート同様にスタートするもセットが入らずに、両者とも波を待ち続ける。そのまま10分が経過しリスタートとなるのかと思った瞬間。

 

 

どちらにも優先権を持たない中、二人が同じ波にパドルし交錯。両者とも互いに牽制し合い波にはならなかったが、写真のようにピークからテイクオフ寸前だったカノアは、コナーのインターフェアをアピールした。しかしコールはなく、優先順位を維持したままヒートはリスタートとなった。

 

 

予期せぬ事態に、戦意を喪失したのか、波とのリズムが狂ってしまったかのように全く波に乗らないカノアはワンライドのみでヒート終了。

 

カノアにとってはランキングを上げるチャンスを逃してしまったが、ラッキーなことにメディーナ以外のランキング上位にいる他のライバルたちが早期に敗退していたため、ランキング4位のままトップ5を維持している。

 

「1つのミスで全てを失うことになるんだ。この時点でミスをしてはいけない。僕はクォーターにいて、CTにいるんだから。僕は何をしているんだろうと思いました。」とヒート後のインタビューで答えたカノア。次のマーガレットリバーでは、更なる活躍を期待したい。がんばれ!カノア!

 

 

WSL女子チャンピオンシップ・ツアー・リーダーボード・トップ5
1 – カリッサ・ムーア (HAW) 23,885 pts
2 – キャロライン・マークス (USA) 18,695 pts
3 – タティアナ・ウェストン・ウェブ (BRA) 16,495 pts
4 – タイラー・ライト (AUS) 15,220ポイント
5 – ステファニー・ギルモア (AUS) 14,235 pts

WS男子チャンピオンシップ・ツアー・リーダーボード・トップ5
1 – ガブリエル・メディーナ (BRA) 25,600 pts
2 – イタロ・フェレイラ (BRA) 19,405 pts
3 – ジョン・ジョン・フローレンス (HAW) 14,650 pts
4 – 五十嵐カノア (JPN) 12,810 pts
4 – コナー・コフィン (USA) 12,810 pts

 

次の開催地:ブーストモバイル・マーガレットリバー・プロ pres. by Corona.

 

2021年のWSL CTの次の開催地は、5月2日から5月12日まで開催される「ブーストモバイル・マーガレットリバー・プロ pres. by Corona. 」です。このイベントは、WorldSurfLeague.comと無料のWSLアプリでライブ放送される。

 

  • ブーストモバイル・マーガレットリバー・プロ pres. by Corona.
    5月2日~12日
  • リップカール・ロットネスト・サーチ pres. by Corona.
    5月16日~26日

 

リップカール・ナラビーン・クラシック女子決勝
1 – キャロライン・マークス(USA) 12.57
2 – タチアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA) 11.34

リップカール・ナラビーン・クラシック男子決勝
1 – ガブリエル・メディナ(BRA) 18.77
2 – コナー・コフィン(USA) 14.10

リップカール・ナラビーン・クラシック女子セミファイナル
HEAT 1:タチアナ・ウエストン-ウェブ(BRA)13.90
DEF. カリッサ・ムーア(HAW)10.80
HEAT 2:キャロライン・マークス(USA)13.60
DEF. コートニー・コンローグ(USA)13.57

リップ・カール・ナラビーン・クラシック男子セミファイナル
HEAT 1:ガブリエル・メディーナ(BRA)12.50
DEF. フレデリコ・モライス(PRT) 10.70
HEAT 2:コナー・コフィン(USA)13.83
DEF. グリフィン・コラピント(USA)11.03

リップ・カール・ナラビーン・クラシック女子クォーターファイナル
HEAT 1:カリッサ・ムーア(HAW)12.94
DEF. キーリー・アンドリュー(AUS)10.16
HEAT 2:タチアナ・ウエストン-ウェブ(BRA)11.90
DEF. サリー・フィッツギボンズ(AUS)10.40
ヒート3 キャロライン・マークス(USA) 12.50
DEF. ジョアン・デフェイ(FRA) 10.46
ヒート4:コートニー・コンローグ(USA)12.16
DEF. ステファニー・ギルモア(AUS) 9.17

リップ・カール・ナラビーン・クラシック男子クォーターファイナル
HEAT 1:フレデリコ・モライス(PRT)13.84
DEF. イーサン・ユーイング(AUS)11.83
HEAT 2:ガブリエル・メディーナ(BRA)15.97
DEF. モーガン・シビリック(AUS)12.67
ヒート3 コナー・コフィン(USA) 11.06
DEF. 五十嵐カノア(JPN)0.80
ヒート4:グリフィン・コラピント(USA)12.50
DEF. ヤゴ・ドラ(BRA) 12.00

 

 

詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

男子:Rip Curl Narrabeen Classic presented by Corona

女子:Rip Curl Narrabeen Classic presented by Corona