チャネルアイランズサーフボードは、1969年にアル・メリックと妻のテリー・メリックがカリフォルニア州サンタバーバラに設立したサーフボードブランド。
過去50年以上にわたり、トム・カレン、ケリー・スレーター、リサ・アンダーソン、キム・メアリッグ、エイドリアーノ・デ・スーザ、ソフィア・ムラノビッチといった世界のトップサーファーたちが、合計20回のワールドタイトルを獲得するためのサポートを続けてきた。
アルとテリーの息子であるブリット・メリックは、そのファクトリーで育ち、1990年にシェイプを始めた。
20年間、牧師として奉仕してきたブリットは、昨年、会社のオーナーとなり、現在はCEO兼ヘッドシェイパー&デザイナーとして活躍。デーン・レイノルズ、レイキー・ピーターソン、グダウスカス・ブラザーズ、マイケル・フェブラリー、パーカー・コフィン、コナー・オレアリー、セイジ・エリクソン、イヤデン・ニコル、ボビー・マルティネスといったトップサーファーたちのサーフボードをデザインしている。
既に報じられているように昨年の12月、チャネルアイランズサーフボードの親会社であるバートンスノーボードは、その世界的ブランドを、ブリット・メリックが率いる「CI Surfboards LLC」へ譲渡する条件に合意。それにより、チャネルアイランズサーフボードはバートンスノーボードの傘下から外れることとなった。
全く予期せぬ出来事に、業界は驚きを隠せなかった。そして、日本でもバートンジャパンからチャネルアイランズサーフボードジャパンが離れることとなり、株式会社マニューバーラインが、「CI Surfboards LLC」と日本正規代理店契約を締結し、2021年1月1日より日本国内でのチャネルアイランズサーフボードの取り扱いを開始することとなった。
「私は、父と母のサーフボード工場で育ち、彼らがチャネルアイランズサーフボードを世界で最も高く評価されるボードビルダーにするため、懸命に働いているのを目の当たりにしてきました。」とチャネルアイランズサーフボードの新CEOとなったブリット・メリックは振り返る。
「バートンスノーボードが我々と提携した時、彼らは信じられないほどの様々なサポートを提供し、彼らの知識を共有してくれました。ここで働いている生涯の友人たちと一緒にオーナーシップを引き継ぎ、多くのトップチームライダーたちと共同でオーナーシップを持つことは、私にとって夢のようなことです。」と言った。
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2007年、チャネルアイランズサーフボードジャパン設立から日本とカリフォルニア本社の架け橋となり、素晴らしいサーフボードを日本のサーファーに提供し続け、今回マニューバーライン社で“チャネルアイランズサーフボード専属アドバイザー”として関わる岡島宏盛氏に、今回の経緯を伺った。
ブリット・メリックをCEOに迎え、関係者(社員やライダー)が出資した合同会社を作ったのです。
スノーボード業界とサーフボード業界の間に、販売方法やカルチャーの違いがある中で、元々の“サーフボードブランド”の形であるメリック家のチャネルアイランズサーフボード社に戻そうという両社間の話し合いが始まりです。
「15年前、チャネルアイランズサーフボードとバートンが統合し、翌年チャネルアイランズサーフボードジャパンも創立されました。当時、両社の創始者であるアル・メリックさんと2019年に亡くなられたジェク・バートンさんは本当に仲が良くって、スノーボード、サーフボード、スケートボードといった横ノリのブランドをアメリカのブランドとして強化したいという二人の思いから始まったと聞いています。
そこでバートンスノーボードとチャネルアイランズサーフボードが統合したことによって、今のサンタバーバラ(カーピンテリア)にオフィスと工場が一つとなった「チャネルアイランズサーフボード本社」が出来、今まで以上にライセンス契約で世界各国にサーフボードが販売できるようになりました。
今回の事は、チャネルアイランズサーフボードとバートンスノーボードが喧嘩したとかではなくて、元の形に戻ろうと考えただけのことです。そして、アルさんの息子であるブリット・メリックをCEOに、今のゼネラルマネージャーのスコット・アンダーソンをはじめ、社員やデーン・レイノルズなどのライダーたちが出資して合同会社を設立しました。」
各々が新しい本来の道に進もうという考えから始まりました。
「話し合いの結果、バートンスノーボードはしっかりと“バートンスノーボード”のビジネスをやっていこうということになりました。バートンスノーボードは以前、グラヴィス(シューズ)、アナログ(アパレル)、エイリアン(スケートボード)と色々取り扱いをしていましたが、スノーボードの会社として構築し、チャネルアイランズサーフボードは、サーフボードビジネスをしっかりやっていこうと、お互いの総意のなかで離れることになったのです。
だから喧嘩別れしたとか、売ったとか売られたとか。どこかのスポンサーがついたとかではなくて、各々が新しい本来の道に進もうという考えから始まりました。」
日本はチャネルアイランズサーフボードの唯一の子会社として始まった
15年前、チャネルアイランズサーフボードとバートンスノーボードが一つの会社になった時に、日本には既にバートンジャパンがあり、チャネルアイランズサーフボードの日本支社を作ろうということで、2007年に“チャネルアイランズサーフボードジャパン”が出来た。
「チャネルアイランズサーフボードジャパンの立ち上げと同時に私はバートンジャパンに入社し、チャネルアイランズサーフボードの唯一のインターナショナルな子会社として始まりました。今でもオーストラリア、ヨーロッパ、南アフリカとかチャネルアイランズサーフボードは色々な国にありますけど、日本以外は全てライセンスでした。」と、岡島氏は当時を振り返って続けた。
「しかし、チャネルアイランズサーフボードジャパンはカリフォルニア本社直系の子会社でありながら、バートンジャパン内の一事業部でもあった事で、本社が別れることによって、チャネルアイランズサーフボードジャパンが、バートンジャパンの内に属することは出来ず、チャネルアイランズサーフボードジャパンは解散する事になりました。
本社スタッフが色々と考えた結果、2021年より株式会社マニューバーライン様が日本の正規代理店に決まりました。
よって、バートンジャパンの社員としてチャネルアイランズサーフボードジャパンに専属し働いてきた自分を含むスタッフは全員解雇。私はカリフォルニア本社の希望とマニューバーライン様からお声掛けをいただき、専属アドバイザーとして、チャネルアイランズサーフボードに携わっているのが現状です。
今後はマニューバーライン神奈川営業所のサーフィン事業部が中心に東と西の担当者によってディーラー様へ販売されていく感じになると思います。マニューバーライン様は神奈川営業所の他に大阪本社と東京営業所があり、多くのセールススタッフのサポートと素晴らしいコミュニケーションを取りながら、チャネルアイランズサーフボードジャパンの既存ディーラー様と取り組んでいただける事を期待し、私もサポートしたいと思います。
このような状況となり、ディーラー様や関係者へ大変ご迷惑をかけておりますが、今後も出来る限りディーラー様へ負担を無くす事が重要で、これまで私がやってきた事はアドバイザーという形で伝えながらやっていきたいです。チャネルアイランズサーフボードのビジネスは急にマニュアルを渡して分かるものではないと思いますので、一緒にやりながら伝えていきたいですね。」
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「今後もこれまで多くの会場で続けてきた“デモツアー(試乗会)”もマニューバーライン様と一緒にやって行けたら嬉しいです。これまで自分たちがやってきた事は、良い部分も悪い部分もあると思いますので、そこはマニューバーライン様の良いところを取り入れて、良い方向に成長して行ければと思っています。
14年努めてきたこの“チャネルアイランズサーフボード”に、自分は物凄く思い入れがあります。そして今も私を必要としていただけているカリフォルニア本社のチャネルアイランズサーフボードファミリー、専属アドバイザリーとしてチャネルアイランズサーフボードに携わらせていただける株式会社マニューバーライン様に感謝しています。
日本の子会社としてスタートした当時は物凄く大変でしたけど、“バートンジャパン”というバックボーンがあったことは大きかったです。バートンジャパンだから出来たことは沢山あったと本当に感謝していますし、チャネルアイランズサーフボードジャパンに携わってきていただけたバートンジャパンのスタッフの方々、そして大野“MAR”修聖をはじめとするチャネルアイランズサーフボードジャパン・チームライダーには今でも感謝しかありません。ありがとうございました。」と、岡島氏は感謝の気持ちで締めくくった。
50年以上の歴史あるサーフボードブランドである、チャネルアイランズサーフボード。創始者であるアル・メリックから、息子のブリット・メリック、そしてブリットの息子であるイザヤ・メリックへと、父から子、子から孫へと、その技術は3世代に受け継がれていく。
20回のワールドタイトルを持つサーフボードブランドは世界を探しても他にはない。チャネルアイランズサーフボードには、大ヒットとなった“THE FLYER”をはじめとする、完成されたベースとなるモデルがあるからこそ、新しいチャレンジが次々と生まれてくる。
そして、長い歴史を持つ信頼のブランドには、これまで培った歴史に裏打ちされた知識があり、そこからコンペティターに限らず、サーフィンというものを楽しむためのサーフボードを幅広く提案し続けている。
チャネルアイランズサーフボードは、 今後も業界トップとしての地位に甘んじることなく、あらゆるサーファーのニーズに応え、トップクラスのシェアを維持し、常に革新的でサーファーに寄り添った製品作りを心がけ、更なる挑戦を続ける。
チャネルアイランズサーフボードの最新情報は、各ディーラー及びオフィシャルサイトからご覧ください。https://cisurfboards.jp/