プロボディボードの世界サーキットであるAPBワールドツアーを転戦する日本の鈴木彩加が、日本人として史上初のボディボード世界チャンピオンとなった。
毎年、ワールドチャンピオンに手の届く場所までランキングを上げながら、その頂に到達する事が出来ずにいた鈴木彩加。今シーズンは開幕戦
最終戦の「ナザレ・プロ」では鈴木彩加に加え、イザベラ・ソーサ、ジョアナ・シェンカー、アレクサンドラ・リンダーという元世界チャンピオンの3名にワールド・タイトルの可能性は残されていた。
もちろん鈴木が優勝すれば2018年のAPBワールド・ツアー・タイトルが決定だったが、鈴木はセミファイナルで仲間の大原沙莉に敗れて3位。ライバルのアレクサンドラ・リンダーと大原沙莉がファイナルで対決となり、大原が優勝すれば鈴木のタイトルが確定する。
しかし、アレクサンドラが優勝。その結果、アレクサンドラと鈴木彩加によるワールド・タイトルをかけたスーパーヒートが行われることになり、勝った者が世界チャンピオンという信じられない戦いがスタートした。
そのスーパーヒートで鈴木は、落ち着いた試合運びで、強烈なショアブレイクの中からベスト・ウェイブを見つけ出して勝利。悲願の世界タイトルを自力でつかみ取った。
「信じられません。これは私が15年間、夢に見てきたものです。今の気持ちを表現する言葉が見つかりません。これまでスーパーヒートを戦ったことはありませんでしたが、本当にエキサイティングでした。」と鈴木は涙で言った。
「これまでに、このようなプレッシャーを感じたことはありませんでした。私のコーチは、私がこれまで経験したことのないポジションにいると彼に言ったので、彼は私に自分のボディボードをするように言いました。」
「私をサポートして応援してくれた、みんなに感謝します。自分の家族、自分のスポンサー、自分の友達、フォロワーのみなさん、そしてビーチで私を担いでくれたマック・クリリーと大原沙莉、ありがとう!
アレクサンドラとのスーパーヒートは本当に最高でした。最高の試合に感謝。そしてナザレ・プロ優勝、本当におめでとう!
ここまで辿り着くのは遠い道のりでしたが、今日ようやく、手に入れることが出来ました。今日は私の夢が実現できた日です! 私はボディボードを始めた8歳の時から、このチャンピオンカップを手に入れることを夢見ていました!!
そして、私は、どんなものでも夢を諦めなければ必ず叶うんだって、みんなに言いたい。そして、これは私の夢の終わりではありません。これはまだ私の夢の途中であり、いま始まったんです。みんな大好き!」
日本からボディボードのワールドチャンピオンが生まれる日も近いと言われながら、何年の月日が経っただろう。それは日本でボディボードというスポーツを育てた立役者の一人といわれる小池葵でさえ成し得なかった夢。鈴木彩加が打ち立てた金字塔は、今後の日本のボディボード界にとって追い風になることは間違いない。
日本の小波で育った彼女にとって、パワフルな大波で行われるワールドツアーで戦うことは試練だった。それを克服するために、ビッグ・ウェイブ・ロケーションへ旅に出て練習を積んだ。「3年前、ナザレの2015年のツアーで優勝できました。それで日本から出て、大きな波でもっと練習することに決めたんです。それが勝利につながったんだと思います。」
「日本では、すぐにオリンピックが開催されますが、ボディボードのカテゴリはありません。 だから2020年ではなく、おそらく次のオリンピックでボディボードが種目に選ばれればいいなと思います。 それに出場することが私の目標です」と、コメント。
すでに次の目標に向かって走り始める鈴木彩加は、努力は必ず報われるということを証明して見せた! アヤカ、本当におめでとう!