写真、リポート:山本貞彦 鹿児島県種子島で開催中のJPSAショートボード第6戦「サーフアイランド種子島プロ」は大会最終日。
会場は西之表市よきの海水浴場ポイントに6時集合。30日に台風24号が種子島を通過するということで、本日が大会最終日。選手とも相談し、マンオンマンヒートを4人ヒートに変更。男子、女子ともファイナルまで行った。
昨日までと違い、台風の影響か若干、スウェルの向きが変わった。上げが9時過ぎということもあり、6時45分にスタート。しかし、上げてしまうとインサイドブレイクでもあり、波数も少なく中断も強いられた。
天候、波ともそこまで台風が来ているのか?というほど穏やか。時折、強い風が吹くものの、波はコシハラから引いてたまにセットでムネ。選手は会場正面と右のバンクに別れ演技。その選択が大きく勝敗を分けた。
男子は全員が初ファイナル。ということで、誰が勝ってもJPSA初優勝。ただ、ファイナルは干潮で潮が止まったこともあり、波数も減り僅差のポイントでの戦い。誰にも優勝するチャンスがあるというハラハラドキドキの展開だった。
そのファイナルは、小笠原由織、河谷佐助、松本コア、塚本勇太という4名。河谷佐助がオープニング・ラインドでバックハンドで4.25をスコア。立て続けに4.75をスコアして、ファイナルをリード。セミファイナルでは7.25を含む14.15をスコアし勢いのある小笠原が2位につける。
またセミファイナルで8.5のエクレントをスコアした塚本勇太もフォアハンドのリバースでチャージして3位につける。残り5分を切って4位だった松本コアがセットのライトブレイクをキャッチ。4.60をスコアして3位に浮上。しかし、女子同様に男子のファイナルも終盤に波が入らず、先手必勝の河谷佐助がJPSA初優勝を飾った。
この優勝で河谷はダブルポイントの4000ポイントと優勝賞金1,440,000円を獲得。そしてJPSA年間ランキングも一気にトップへ躍り出た。トップの河谷佐助は7820ポイント、2位の辻裕次郎は7700ポイント、3位の加藤嵐は7520ポイントとトップ3は僅差の戦い。千葉、田原の残り、仙台と残り3戦となったJPSAのグラチャン争いもヒートアップしてきた。
大阪にいてもやれるんだってとこを見せたいんです。
「ファイナルは前半にまとめ、後はゆっくりやろうと思っていたんです。一番最初に海の神様が、自分の目の前に良い波を送ってくれたんです。最後の残り1分間は、自分が生きてきた中で最も長く感じる1分間でした。プライオリティを取られ、僅差だったので、乗られたら絶対に逆転されると思っていたので、『波来るな!』って思っていました。ランキングのトップになれて、このまま行きたいですね。それで大阪にいてもやれるんだってとこを見せたいんです。だから僕は海の近くに越したりせずに、週2回のサーフィンで頑張っているんです。」
女子のファイナルは、綺麗なカーヴィングターンをコネクトし、5ポイントを2本揃えた脇田紗良がファイナルをリード。カレントリーダーの野中美波が2位、今年JPSA初参戦のグラチャン西元ジュリが3位で前半を折り返す。4位を強いられていたISAの世界戦で日本を金メダルへ導いた川合美乃里も後半に4.70をスコア。一気に2位に踊り出る。
野中美波は高得点が期待できるカーヴィングターンのコンビネーションを見せるも、クローズセクションで技が決まらずスコアが伸びない。終盤にセットが全く入らず、先手必勝の脇田紗良がJPSA2度目の優勝を決めた。
今回の優勝で脇田紗良は、4000ポイントと優勝賞金440,000円を獲得。第2位 の川合 美乃里は3440ポイントと賞金220,000円、第3位 の野中美波は2920ポイントと賞金150,000円、第4位 の西元ジュリは2680ポイントと賞金110,000円を獲得した。
女子のランキングは、カレントリーダー野中美波が、今大会3位入賞で8840ポイントでトップを独走。2位に鈴木姫七(7660)3位に庵原美穂(7590)今回2位の川合 美乃里は7440ポイントで4位とランキングアップした。
「最初に2本決めれたので、前半は安心していたんですけど、最後の方にみのりちゃんが1本決めていたので、ちょっとナーバスになっていました。でも今回はずっと波が良かったので良かったです。今年はJPSAの試合にはあまり出れなくて、出ても嫌な負け方をしていたので、優勝出来て嬉しいです。今シーズンは試合が重なり、これが最後のJPSAになってしまいますが、この勢いで次の試合でも良い結果を残せるように頑張ります」
河谷佐助
R-4では待って、待って、最後は左に移動してラスト1本。ヒート終了直前の逆転劇は見事。そのままの勢いでクォーター、セミ、ファイナルと勝ち上がりJPSAの栄冠を手にいれた。大阪からの選手が優勝できたことをアピール。「これからも優勝します!」と笑顔でインタビューに答えた。おめでとう!
小笠原由織
右のバンク狙いでラウンドアップ。伸びやかでスムースなサーフィンでここまで勝ち上がった。これは大きな自信となるだろう。
松本コア
元々ポテンシャルのある選手。最後は波の選択に手こずった感もあるが、いつでも優勝できる力はある。
塚本勇太
パワフルでスピードある演技。レールの切り返しも上手い。ここまでの戦い方も、波、プライオリティの有無で瞬時に判断。右に左に素早く移動しての戦い方は見事でした。
脇田紗良
今日の試合はこのファイナルだけだったが、波の選び方、攻め方とも完璧。先攻逃げきりの作戦も上手くハマった。JPSAへの参戦は今年はこれで最後となるが、世界への挑戦もこれで勢いがついたはず。優勝おめでとう!
川合美乃里
もっと波にパワーがあれば、彼女のスピードを活かしたライディングが映えたはず。波があまり張らない時の対処も課題。
野中美波
攻めてたんだけどな。トップでの乗り上げての返しのタイミングがずれてたか。
西元ジュリ
最後のフィニッシュでことごとくワイプアウト。でも、インサイドまで攻めてた証拠。ここが決めきれてたら結果は違った。
林健太
魅せる戦い方を知っているし、それで勝ち上がる術を持っている。今日もみんなのポジショニングから離れたとこで演技。そこで得点まとめたら、戻ってプレッシャーをかける。
高梨直人
伝家の宝刀のバックハンドの切れ味は凄かった。
佐藤魁
髪型だけで印象は変わるね。少しワイルドになった?でも笑うといつもの魁ちゃん。
上山キアヌ久里朱
みんなで乗っていた車がインロック。2日間携帯なしの生活から、やっと手に入れて満面の笑み(笑)。
加藤嵐
セミファイナルの終了間際に逆転されて惜しくも敗退。サーフィンの調子は良いだけに悔しい敗退となった。
辻裕次郎
今回、唯一バレルもメイクしたユウジロウだったが、クオーターで敗れ9位でフィニッシュとなるもランキング2位をキープする。
田中英義
ラウンド4で敗れた田中英義。最後の一本で逆転かと思ったが僅かに足らず。次回のホームで行われる試合でのリベンジを誓った。
男子
優勝:河谷佐助
2位:小笠原由織
3位:松本コア
4位:塚本勇太
女子
優勝:脇田紗良
2位:川合美乃里
3位:野中美波
4位:西元ジュリ
すわひめ賞 10万円
野中美波 7.00ポイント(脇田紗良と同点カウントバック)
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