パチタン、インドネシア(2017年8月19日土曜日)インドネシアのイースト・ジャワにあるパチタンで開催されたWSLアジアQS1,000メンズ・イベント「HELLO パチタン・プロ2017 」が終了。インドネシア人の父と日本人の母を持つハーフ、和井田理央(IDN)がQSイベント初優勝を決めた。
WSLイベントとしては初開催のパチタン。大会期間中は3−6フィーとのコンディションを維持し、そのポテンシャルの高さを証明した。想定外であった10代の若い選手が大活躍を見せたファイナルデイ。和井田理央はエピック・ファイナルで15才のキアン・マーティン(SWE)と対戦することとなった。
しかし、そのファイナルはヒート序盤に15.25のヒート・トータルをたたき出した和井田理央があっさりと勝負を決めた。セミファイナルで驚異的なパフォーマンスを見せたマーティンは惜しくも準優勝となった。
「このイベントに勝てて最高にハッピーです。 」と、和井田は言った。「素晴らしい選手ばかりが出場していたので、ヒートを勝ち上がることがとても特別な感じでした。だから自分が優勝できるなんて、思ってもいませんでした。波も今週ずっと続いてラッキーでしたね。こんなコンディションで勝ててさらに嬉しいです。」
Komuneバリ・プロQS1,000での第2位を含む、今シーズンの試合では好調な結果を残している和井田理央は、今回の優勝でWSLアジアQSランキングでトップへ躍り出た。このまま彼がこのポジションを続けるならば、来年2018年前半の6000と10,000のQSイベントの全てのシードを手に入れることができる。これはCT入りを目指す彼にとっては喉から手が出るほど欲しいものだろう。
「自分の最大の目標は、CTにクオリファイすることです」と和井田は続けた。「これらのイベントは、その全ての始まりで、今回優勝できたことは自分にとって大きな自信につながります。多くの経験豊かなコンペティターが世界中から参加したイベントにおいて、そんな選手を克服できたなんて信じられない気分です。」
2位となったキアン・マーティンはスウェーデン生まれだが、バリ島で育った。だからホロー・リーフ・ブレークでの、あのパフォーマンスは手馴れたものだったのだ。セミファイナルでは、8.00 と9.25 でトータル17.25という、子供とは思えないスコアをマークした。物凄いキッズが現れた。
14歳のハワイ・マウイ島のラハイナ在住のイーライ・ハンネマン(HAW)は、既に世界的に有名になりつつあるキッズ・サーファー。エアトリックの得意だが今回は、スーパー・スタイリッシュなチューブ・ライドでビッグスコアをたたき出したが、セミファイナルでは、コンビネーション・シチュエーションに追い込まれて敗退。しかし、彼の名前は覚えておくべきだろう。
9.65をスコアした松永大輝が5位。
ラウンド3で脇田泰地が敗退する中、日本期待の西慶司郎、松永大輝は、オーストラリアのライリー・レイン、インドネシアのレジェンドであるリザール・タンジュンと対戦。
ヒートはライリー・レインがバックハンドでバレルをメイクして高得点を2本揃えてヒートをリード。西慶司郎もなんとか2位につけて後半戦へ。
ヒート残り10分を切り、4位を強いられ、優先権を持って波を待ち続けた松永大輝が素晴らしいセットの波にプルイン。バレルの奥深くから完璧な形で抜け出し、パーフェクトに近い9.65 をマーク。その直後にも、今度はドギードアからバレルをメイク。7.90のバックアップをスコア。ヒートトータル 17.55を叩きだしてトップでラウンドアップ。西慶司郎は惜しくもここで敗退となった。
クオーターファイナルからはマンオンマン。松永大輝は、ハワイの神童イーライ・ハンネマンと対戦。ハンネマンがスタートからバックハンドでディープなバレルをメイクして8.75をスコア。素晴らしいスタートを見せる。ハワイ・マウイ島の天才サーファーキッズの14歳のハンネマン。
プライオリティーを持たないハワイアンは5.00をスコアして、リードを広げていく。松永もようやくバレルをメイクして5.75をスコアし反撃。しかし、焦りからか、波を待ちきれずにスコアを伸ばせない。ヒート終盤に爆弾セットにチャージした松永はパワーゾーンでワイプアウト。サーフボードは真っ二つに折れてゲームオーバー。それでも千葉御宿の松永大輝。こんなバレルスキルを何処で手に入れたのか。今後の彼の活躍にも期待したい。
世界を目指す彼らの活躍に期待し、彼らにエールを送りたい。頑張れ!日本。
http://www.worldsurfleague.com/events/2017/mqs/2570/hello-pacitan-pro/live