JPSA2016グランドチャンピオンの加藤嵐インタビュー「Go to the next stage」

arashi-kato_c2a4403

2014年のインタビューから2年。2016年の今年、国内ではJPSAグランドチャンピオンというタ イトルを奪取。着実にステップアップしている加藤嵐だが、海外ではまだ成績が残せないでいる。 それでも前回と変わらず笑顔。さらに精悍さも増した。その自信はどこから来るのか。今年の結 果とその先にある想いを語ってもらった。

 

photo & interview by sadahiko yamamoto

 

ー グランドチャンピオンおめでとうございます! まずはこの感想から教えてください。

 

正直、JPSAのグランドチャンピオンを取ろうという目標を立てたことは一度も無くて。グランド チャンピオンというものについても、それを獲ろうって自分では考えてもいなかったです。

何かそれより一戦一戦に目の前のことに集中していくようにしていたので、その延長線上にある グランドチャンピオンというのは、全く意識していませんでした。

新島、湘南と後半戦が進むにつれて、気づいたら1位になっていたというのが、自分の正直な感想 ですね。

 

arashi_c2a4378

 

ー 前にも聞きましたけど、世界に照準を合わせてるから国内の大会に固執はない。経験値を増 やすために大会に出場しているんだということでした。でも、JPSAのカレントリーダーになった ツアーでチャンピオンをどの辺から意識したのでしょうか?

 

ツアーの後半から1位だったので、最後の2戦(千葉)は意識しちゃいましたね。鴨川マルキでは 自分が気付かないうちに冷静さを失っていて。ここ4年ぐらいしていないインターフェアで負けて しまいました。

 

それまでずっと波がレフトだったから、ちょっとヨレたんですけど、重なってレフトになるかなっ て自分は思って左に漕いだら、レギュラー差してこられたっていう結末でした。

 

いつもだったら止めていたんですけど、そのまま行っちゃって。インターフェアになることは分 かっていたんですけど。だから、鴨川ぐらいからすごい意識していたことになりますね。

 

ー あまりこだわりがなかったのに、何で意識しちゃったのですか?

 

周りですね。まあ、自分のヒートが常に始まれば、MCの人が「今、カレントリーダー。一番です !」って言うし、海で会う人だったり、応援してくれる人が「一番なんでしょ!」って、言っ てくれるし。

 

それはそれで嬉しいし、自分もやるぞ!って、気持ちでいたのですけど。知らない間に固まって いるというか、まるで他人の身体のようになっているというか、何か地に足がついていないって いうのを、最終戦の志田で感じていました。

 

 

arashi_c2a4443

 

自分が思っていたより、でっかいもんだなって改めて感じています。

ー そして、タイトル決定。これについてはどう思っていますか?

 

今年、一度も優勝しないで、結果としてグランドチャンピオンが獲れて。でも、それは優勝してい る人たちが海外に出ていて、日本のツアーに参戦できない中で、自分が獲ったという展開だった ので。だから、自分は一戦でもいいから優勝したいって試合に臨んでいました。

 

でも、優勝はできなかったです。ただ、逆にその一戦一戦を大切にした結果の延長線上が、グラ ンドチャンピオンという結果に繋がったのかなって思います。

 

実際、獲ってみると、自分が思っていたより、でっかいもんだなって改めて感じています。グランド チャンピオンを獲ると、その何がどう変わったかというのを説明するのは難しいんですけど、少なからず声を掛けてもらう回数もすごく増えましたし。

 

今まで以上に自分の自信もつきました。優勝は無いにしても、結果、グランドチャンピオンは獲 れたので。今はやっと終わったという安心感もあります。

 

arashi-kato_c2a1016

 

 

ー やはり、優勝が無いということに引っかかっていますね。これについてはどう考えています か?

 

そうなんですよね。正直、いろんな見方があって。それは一戦でも優勝があってのグランドチャン ピオンを望んだことはもちろんですけど、それができなかったので。

 

ただ、日本のグランドチャ ンピオンだったり、その世界のワールドチャンピオンというのは総合で競うのであって、一試合 のごとの評価ではなく、アベレージで戦うものだと自分は思っています。

 

だから、自分が今年、総合的にどのコンディションでも、例えば鴨川のようなちょっとトロい波 だったり、志田のような早い波とか、伊豆のような厳しいコンディションだったり、湘南とか。 今年はそのいろんな波で、アベレージを自分が一番高く出せていたんだということの評価が、グ ランドチャンピオンだったのかなって。

 

hide-arashi_u0a0608
田中英義と加藤嵐

正直、 英義さんに優勝してもらいたいって思いました。

 

ー 総合評価ですからね。どんな波でも結果を残すというのが、コンペティターの強さでもあり ますから。立派な成績だと思います。

 

でも、獲るまでは、だいぶ気にしていましたね。自力で決められなくなった志田の時は、正直、 英義さんに優勝してもらいたいって思いました。実際、何か自分でやり切れなかった想いが強くて。

 

で、自分が志田に見に行くと、やはり英義くんのヒートになると、ものすごい量のカメラが自分の方に向いて。自分的には素直に見て応援している反面、何か負けを見に来ている気もして、落ち着かなかったです。

 

最終戦のセミファイナル。レオとヒデの戦いを見守る加藤嵐
最終戦のセミファイナル。レオとヒデの戦いを見守る加藤嵐

 

 

その時は負けを見に来ている感が出ちゃっているのかなって思いましたけど。素直に応援しているのだけど、どうなんだろう。自分でも複雑だったし、まるで他人事のような感じもあったし。

 

ヒートを見に来ているのに、その周りの人に見られているのが、ある意味、不思議な感覚でした。

 

 

回復したお父さんとグランドチャンピオン獲れたというのは、やはり特別ですね。

 

ー 最後の大会が地元だったということで、お父さん、お母さんはどうでしたか?

 

お父さんがすごく喜んでくれて。もちろんお母さんも喜んでくれて、おばあちゃんも喜んでくれま した。でも、何よりもお父さんが喜んでくれました。

 

お父さんが去年の5月に交通事故にあって、2週間の集中治療室にいたんです。本当に結構死んじゃ うぐらいヤバくて、自分はその時はバリのJPSAにいたので、知らなかったんですね。お見舞いに 行ってくれた人の話や写真を見せてもらったりしたんですけど、「本当に生きてて良かったな」っ て言われたぐらいで。

 

それで、回復したお父さんと今年一緒に回って、グランドチャンピオン獲れたというのは、やはり特別ですね。今年はほぼ全部の試合に来てくれたし。だから、すごく良かったです。

 

あと志田で決まったのも、それも自力じゃなかったのに獲れたというのは、ここでやってきてす ごく良かったなって。この一戦で本当に感じました。

 

最近は適応力をつけるために、いろんなところでやる方が練習になると思っていたので、東浪見だったり、いろんなところでサーフィンする機会も増えて。前ほど志田っていう感じではなかった んですけれども、正直、それでも見守ってくれているのが志田の神様なのかなって思いました。

 

だから、すごく全てに感謝しています。

 

arashi_c2a4472

 

ー さて、そうなるとみんなが聞いてくるのが「世界はどうするの?」という話になりますけど、 QSの順位は250位です。日本でもQSが4試合ありましたが、QSで勝てない理由は何でしょう?

 

自信が足りなかったですね。何か最後の一つの自信が。

 

ー 結果が出ない原因が「自信」と言いましたが、それだけですか?

 

とにかく、自分のミスが多かったです。今年の負けは海外も日本も全部。特に海外はヒートの中 で、一番良い波をつかめていないことが大きな敗因でした。4マンプライオリティルールが浸透し て、特に前半のオーストラリアの試合ではプライオリティの動きがすごく悪くて。

 

セットが2本しか来ないのに、自分が3番プライオリティで、最初のセット2本乗られて。また、10 分ぐらいセットが来ないので、自分は1番プライオリティだから待つじゃないですか。そうすると 最初にセット1本ずつ乗った2人は、あとりあえずベストスコア持っているわけじゃないですか。

 

それで自分は10分待っているから、残り5分ぐらいしかないわけで。そこで1本乗って、沖に戻っ ても、当然3番目なんですよ。そこで自分がバックアップを揃える前に違う選手が、プライオリティ 持っていて乗られてしまう。それがずーっと続いていて。QS前半は、それで勝てないということが 続きました。

 

だから、オーストラリア帰国後、それからほぼ全戦、全ヒートの1本目を乗るようにしました。逆 にその経験があって、4マンプライオリティルールが自分的にはすごく身についたというか。

 

やはり自分がプライオリティ持っていたら、良い波が来たら絶対に乗れるじゃないですか。だか ら、波周りが長ければ長いほど、自分は1本目に積極的に手を出していこうって。それがJPSAで はずっと上手くハマっていたんですね。でも、QSはハマれなかった。まあ、思い返すと全部 ちょっとしたミスからでしたけど。

 

arashi-kato0002

 

ー そう考えると、JPSAはまだプライオリティルールに慣れていない選手もいるから、自分のミ スがあってもカバーできる。でも、海外だとそれが致命的なミスになって、勝ち上がることはでき ないと?

 

そうです。それを実感しています。世界の試合には出れば出るほど、4マンプライオリティだと乗 る波は2本。4マンプライオリティで自分がファーストプライオリティを持っていたら、一回のミ スも許されないんだってこともです。

 

言い訳しかないですけど、千葉のQSは正直、自分の板のチョイスミスもあったんです。次のQS湘南では、別の板にしようと思っていたんですけど。朝、サーフィンしたらすごく調子良くて。今回 はいけるなと思ったんですけど、試合になったら全く乗れなくて。波に対応できなかったですね。

 

実際、波がすごく変わったというのもあって、朝入った時はすごい掘れてて。試合になっ たら、いきなりタラタラのグーフィーで。手も足も出ず負けました。

 

それで分かったことがあるんですけど、自分の良い勝ちパターンというのは、その常に良いサーフィ ンが試合で出せること。自分の最高のパフォーマンスとその海の状況が最高の時なんです。

 

例えば、今のヒートは波が良かったねとか、良い時間帯にハマればハマるほど、アベレージがすご く高くなっていくんですよ。当たり前ですけど、それを自分で実感していて。今年のJPSAの試合 がハマっていたんですね。逆にQSになると自分で波を呼び込めないというか、呼び寄せられない というのが続きました。

 

自分の勝ちパターン。良いヒートにハマればというのは、何て言うんですか、人任せと言ったら人 任せなんですけど、それを考えていつも試合に臨んでいました。そこから何かヒントというか、波を見極められれば、勝つ確率は上がりますから。

 

arashi-kato_c2a4302

 

ー 今年のQSは日本でも4戦行われましたが、オーストラリア以降、あまり世界を転戦しなかっ た印象があるんですが。

 

今年の初めにオーストラリアにいてQS出て、JPSA終わってQSバリに出て、あとはバージニアに 行ったぐらいですか。他のQSは全然出なかったんですよ。フランスも行っていないし、あとは日 本のQSと他がちょこっとだけです。

 

実はオーストラリアの時点で、波を読むことやプライオリティルールの難しさを感じてて。 QS6000の志田で自分のサーフィンを変えないと、世界では絶対勝てないと実感したんです。

 

今の自分を100%出せたら、それは勝てるかもしれませんけど、その勝てるレベルが低すぎて。 今、世界を回っても勝てないなって。直すところもいっぱいあるし。

 

だったら、それを直しながら、日本の試合で変えていきながら、日本の試合で試すって。来年に向けてそれを目標に今年やっていこうと、自分の中で決めたんです。それを家族みんなで話して。 では、そうしようって。

 

だから、今年の後半のQSは全然海外に出ないで、日本でやるべきことに集中して試合に臨んだというのが、今年の計画でした。だから、実は計画通りなんです。

 

 

arashi-kato_u0a9464

 

海外の上手い選手はどこの土地に行っても、状況の変化をきちんと読んでくる。

 

ー 波を読むこと。試合で戦う上で大切になことですよね。その自分の勝ちパターンを海外に応 用できるかがこれからの課題ですか?

 

いろんなところでサーフィンすることも、今、すごく大切だなと感じていて。今年、バリの後に佐藤魁とオニー・アンワーの地元のスンバワ、レイキーピークに10日間ぐらい行ったんですけど、 ずーっと良い波でした。

 

帰ってきても日本でも波の良い時には、いろいろなところに動いたりし て練習しました。そうすると自然と対応能力が付くというか。どんな波でも楽しめるというか。

 

地元の一宮の海でQS6000が行われた
地元の一宮の海でQS6000が行われた

 

そう、今年の千葉のQS6000の時に、アリッツ・アンブルーが来てたじゃないですか。自分といっ ちゃん(田中樹プロ)が波を見てて、あと30分ぐらいしたら、真ん中からレフトが来始めるよっ て読んでて。

 

で、大原洋人(4位)とアリッツ(1位)が同じヒートで、あと仲村拓久未(2位)、 ホセ・フェレイラ(3位)で。洋人は右に行ったんですよ。で、拓久未とホセが左に行って、ア リッツは自分といっちゃんが話していたところに行ったんですよ。

 

で、始まってアリッツは一本も波に乗れなくて、で、他の3人は乗っていて。5分したら一気に波 が入って来て、それで6.67点とか8点とか出しているんですよね。海外の上手い選手はどこの土地に行っても、状況の変化をきちんと読んでくる。分析できるというのをQS6000の時に特に感じ て。

 

だから、今年はいろんなところでサーフィンをして、適応力を上げたいと考えるようになったんで す。それをできるようになれば、自分が意識しなくてもタイミングが合うようになるというか、 それで試合の不安も無くなると思うんですよね。

 

感覚としては、もう少ししたら来そうだという感じはあります。波と合ってくるというか、その周期が身体と合ってくるというか。それを今年、ヒートを戦いながら、実際にすごく感じていて。そ れをJPSAでやっていたら、気付かないうちにアベレージも高くなったように思います。

 

arashi-kato_c2a0221

コーチがユキさんになって。サーフィンに対する意識がすごく変わりました。

 

ー 自分を理解しての発言ですが、そもそも自分を分析できるようになったきっかけってあるの ですか?

 

そうですね。今、コーチがユキさん(F+編集長)になって。正直、サーフィンに対する意識がすごく変わりました。JPSAの2戦目の伊豆から見てもらっています。

 

より意識をしてサーフィンするようになったというか、やる練習の仕方。例えば、今日はこれを直 すとかだったり、自分の悪いところをしないようにするとかを意識して練習するようにしています。

 

今までは自分で撮ってもらったビデオを夜に見ていて、これやったのは覚えているとか、やった、 これ止めたとか、これ良かったとかは覚えているんですけど、それ止まりで。自分の感覚だけで 意識してないから、実際、ふとした瞬間にまた出てしまうんです。

 

それを今は一つのことを繰り返し、繰り返し続けるんです。ユキさんは一つのことを、ずーっと言っ てくるんですよ。だから、それだけをひたすら意識するようになるので、ステップアップが早いの だと思います。

 arashi_c2a4505

意識の持ち方。その意識の強さというのを教わりました。

 

目の前の小さい目標を立てるようになったというか、それを一つずつクリアしていくというのが、 今までと大きく変わったところですかね。

 

一つを乗り越えると、また次となるんですけど、今年の6月からやってもらっているんですけど、 言われたうちの5、6個はもう無意識のうちに直せるようになっています。

 

意識の持ち方。その意識の強さというのを教わりました。そこが自分的には一番変わったなって 思います。より意識してすごくサーフィンするようになりましたから。

 

自分ではできてないのかなって思っていても、やろうとしていることがユキさんから見えてたりす ると、褒めてくれるし。基本80~90%は、ダメ出しなんですけど(笑)。本当にできるとすごく 褒めてくれるんで、その喜びもたまになので嬉しいし。

 

自分のやっていることに対しての安心感というものをすごく与えてくれるんですね。やっぱり、あ れだけCTをずーっと見ている人がこれだけ近くで見てくれるというのは、あまり無いと思うの で、今はすごく良い感じです。

 

arashi_c2a4411

 

ー では、世界に挑戦するにあたり、プライムに出るためには順位を90番台にあげないといけな い。そこはどうしようと考えていますか?

 

そうですね。オフシーズン内にどれだけ自分のサーフィンを変えられるかっていうのが、今の一番 鍵です。それを本当に実感しているし、それができないと先は無いので。

 

自分の中では来年、海外を多く出たいなって思っています。でも、海外の試合が無い時はもちろ ん国内も出ますから。別にこれを出る、出ないと今の段階では全く決めていません。ただ、そろ そろ、ちゃんと世界の方でも戦っていきたいととは考えています。

 

ー 現在、プライムでは大原洋人、村上舜、新井洋人、みんな年下の選手が活躍していますよね。 これに関して焦りとかありますか?

 

無いですね。2014年の半ばぐらいまではありましたけど、この前のインタビューでも話した通 り、今は気にしてないです。

 

だから、3人に対して「すごいなっ、やるじゃん。」みたいな。「日本人3人出て、3人ともラウ ンド3へ行っているじゃん。」って。それを良い刺激として、感じられるようになりましたね。

 

舜も同じチームだし、洋人も志田でずーっと一緒にやってて、新井洋人もすごい小さい時から一緒 に戦っていて。その中で日本の代表として勝っているのは見ててすごく嬉しいですし、頼もしいと 思っています。

 

ー その余裕はどこから来ているのですか?

 

焦らないのは、多分、準備がしっかりでき始めているからなのかなって。これができて、こうなっ て、こうなれば自分もその100位以内に入ってという姿が鮮明に見えているというか。

 

どうしたらいいか、ここを直せば、こう変わるという繋ぎが、はっきり見えてきているから焦ら ないんだと思います。

arashi-kato_u0a0557

人間は誰だって本気で望んで、本気でやれば叶わない事は無い

 

ー カノア五十嵐が今年からCTに参戦。コナー・オレアリーが来年からのCTを決めたことについ て。日本人選手とも近い存在ですけど、自分たちと何が違うと思いますか?

 

全て違います。同じなのは人間ってだけでしょうか。強いて言うのであれば、型にハマってないっ てことですかね。

 

ー 日本人はわりと型にハマりやすいと思いますが、型にハマってないということについては自身 はどうですか?

 

自分は型にハマってるから勝てないとか、型にハマるのが悪いとか、日本人だから型にハマってい るとか、そういう事は全く思っていませんし、そんなことすら考えていません。自分は型破りが 大好きなんですよ。それと信念があれば、何でもできると思っています。ただ、そこにしっかり自 分で責任を持てるかどうかが重要ですけど。

 

同じようなことやっても勝てないし、CTに上がれるわけじゃないですから。そこがわからないと 前に進めないですよね。結局、自分なんですよ。ハーフだからとか、アメリカ産まれだからとかじゃなくて、人間は誰だって本気で望んで、本気でやれば叶わない事は無いと自分は思っています。

 

違うスポーツで日本人選手が活躍してる様に、自分はサーフィンでも日本人が活躍する日は近いと 信じていますから。

 

グランドチャンピオンを獲って、さらに初心に戻った

 

ー最後に。2年前から着実に一歩一歩進んで来ました。今の自分がここまで出来た理由を教えてください。

 

何か設計図を自分なりに描けるようになったのが、すごい大きいですね。それで心が落ち着くし、そこが決まらないと知らないうちにブレると思いますから。

 

自分の目標っていうか、ならなきゃいけない、なりたい自分っていうのが明確で。それには何が必要か、何が足りていない、何をするのかというのが分かっていること。それを自分がどうしたいっていうことも、今、ちゃんと頭の中にあります。

 

本当に初心に戻ったというか、グランドチャンピオンを獲って、さらに初心に戻ったなっていう気がします。サーフィンのことについてもです。

 

今年終わって、新しいスタートというか、その新しい自分へのスタートなんですね。だから、区切りという部分が自分の中にあります。今まで自分を支えてくれたスポンサーにも改めて感謝したいです。

 

このタイトルを獲ったことで、新たな一歩が出やすくなったって思います。まだ直すところもいっぱいありますけど、それが今の現実ですし。それを踏まえて、これからも頑張りたいです。

 

ー ありがとうございました。

 

 

chiaki-arashi-taiki_u0a0586arashi_u0a0618

アラシのグラチャンが決まった日、砂川治久氏の声かけで、加藤嵐と、彼の親友であるロングボードのグランドチャンピオンである森大騎の祝勝会が開催。司会は大騎の弟、千晃くん。今年のグランドチャンピオン獲得のお祝いに、プロサーファー含め多くの関係者が集った。

 

 

2014年は加藤嵐にとって、大きな意味を持つ。 それまで順風満帆だったコンペ人生が暗転、勝てなくなる日々が続く。 その年、大会を出るのを中止して、オーストラリアに籠ることも考えた。 それを救ったのが親友の森千晃(森大騎プロの弟)。

しかし、改めて挑戦するも怪我で試合すら出ることができない毎日。 ここで出会った一冊の本が「嫌われる勇気」。 家族との交流含め人間関係の在り方を一から見直す。 そして、ここから考え方が大きく変わった。

それまで自分が格好悪いところは見せたくない。 負けることがダサいと思っている自分がいた。 でも、そんなことすら気にならなくなった。

ここまでが前回のインタビュー。

この2014年は後半復調し、8位までJPSAランキングを上げる。 翌年、2015年は3位。 そして、今年、2016年にタイトルを獲る。

この2年の全くブレずにいた。 それは今の自分を理解しているから。 だから、背伸びもしないし、見栄も張らない。

人は人。 自分は自分。 自分を信じて、できることをするだけ。

そして、次のステップへ。 これからの嵐にますます注目したい。

Go ! Arashi!


1993年7月18日生 23歳

スポンサー
volcom、BEWET、stacey surfboards、vestal watch、oakley、Komunity、甲斐整形外科、 sex wax、futures、citric amino、peace wave,

JPSA ジャパンプロサーフィンツアー 2016 / ショートボード

第1戦 ガルーダ・インドネシア 旅工房 ムラサキプロ 7位
第2戦 伊豆下田CHAMPION PRO Presented by LesPros entertainment 3位
第3戦 夢屋サーフィンゲームス 田原オープン supported by ブルーエコシステム 17位
第4戦 新島サーフフェスティバル 新島プロ 7位
第5戦 第21回I.S.U茨城サーフィンクラシック さわかみ杯 5位
第6戦 サンマリエ ALL JAPAN PRO 3位
第7戦 24SURF_ presents 鴨川NAOプロ supported by GRAND MARBLE 9位
第8戦 ブルーエコシステムプロ supported by 夢コーポレーション 9位

JPSA 2016年ランキング 1位 http://www.jpsa.com/ranking.html

WSL 2016 Men’s QSランキング 245位 http://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mqs?year=2016 http://www.worldsurfleague.com/athletes/1469/arashi-kato