バンザイ・パイプライン、オアフ/ハワイ(2016年12月19日月曜日)WSL-CTとトリプルクラウンの最終戦「ビラボン・パ イプ・マスターズ in Memory of Andy Irons.」が終了。ミシェル・ボレーズ(PYF)がファイナルでカノア五十嵐(USA)を下して初のパイプマスターに輝いた。
言うまでもなく今回の勝利は、今シーズンのボレーズにとってのベスト・リザルトでCTキャリア3勝目。10,000ポイントを今回の優勝で獲得し、第6位のポジションで2016年のシーズンを終えた。
「まだ信じられないです。」と、ボレーズは言った。「ここにいられてるだけでハッピーなんです。昨年、僕は怪我をして、カムバックは本当にトリッキーでタフで、ツアー脱落寸前でした。僕は本当に一生懸命トレーニングして、ポジティブな気持ちをいつでも持ち続けようと努力しました。ポルトガルの後に子供が生まれたので、ヨーロッパを行ったり来たり。それはタフでしたね。
「戦いは続いています。今シーズンは終わりましたが、再びすぐに新しいシーズンが始まるんです。」と、ボレーズは続けた。「初心に戻ってまた始めるつもりです。今夜はビッグなパーティです。本当に疲れましたけど、今シーズンは終わりました。この優勝は自分にとって本当に大きなものです。」
ボレーズは、ファイナルまでにコロへアンディーノ(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、フィリーペ・トリード(BRA)を粉砕。またトリプルクラウンの会場となっているハレイワ、サンセット、パイプラインという3つの場所で勝利を収めた。この偉業を成し遂げたのは過去にデリク・ホーとアンディ・アイアンズだけ。
「ジョン[フローレンス]は、素晴らしい」と、ボレーズは言った。「僕は2度、トリプルクラウンで彼に敗れた。これでちょっとリベンジできたかもしれないですね。ジョンを倒すためには、自分のレベルを更に高くプッシュしなければならないと思っていたんです。今日はいい日でしたね。バックドアがパンピングしていました。最高です。これは人生最大の勝利です。」
ボレーズとカノア五十嵐のファイナルは、リスタート寸前のスロースタート。ボレーズは僅か1.36ポイント差で勝利をつかんだ。 ボレーズは素早く5ポイントをスコア。五十嵐は残り時間5分までノーライド。そしてコンビネーション・マニューバーで4.17をスコア。僅差のクロスヒートでボレーズが優先権を持つ。そしてニード2.07の状況で終了間際にスモールバレルをメイクするも2.00と僅かに届かず。ボレーズが逃げ切り、勝利をつかんだ。
今回パイプ・マスターズ初出場のカノア五十嵐は、CT最年少の19才で目覚ましい活躍を見せた。今日の第2位という結果は、今シーズンの彼のベストリザルトだ。カノア五十嵐は、ファイナルまでに11回のWSLチャンピオン・ケリー・スレーター(USA)とジョディ・スミス(ZAF)を下し、ファイナルまで勝ち上がった。
QSランキングから既に来年のりクオリファイを決めたカノアだったが、今回の最終戦で2位となり、ランキング20位となり、CTランクからもリクオリファイ。ダブル・クオリファイとなった。
Kanoa Igarashi made his first CT career final. Photo: WSL / Poullenot
「これは僕にとって夢の実現です。」と、カノア五十嵐が言った。「ファイナルでミシェル[ボレーズ]と当たって本当にクールでした。決して忘れることはできないですね。
中でもケリーとのセミファイナルは本当に忘れられないものとなりそうです。ケリーはリズムをつかんでリードしていました。ビッグセットが入って来ていたから、絶対に最後の逆転のチャンスが来ると思っていました。それで最後にあのクレージーウェイブが、どこからともなく入ってきて、信じられなくて笑っちゃいました。本当に自分を誇らしく思います。来年が本当に楽しみですね。」
スレーターは、彼のオープニング・ライドでエクセレントの8.10、そして6.90でバックアップして、誰にも止められない勢いを感じさせた。カノアはニード8.83と追い込まれ、プライオリティを持ってじっくりと波を待った。残り時間も少なくなり、誰もがスレーターの勝利を確信していたその瞬間。残り時間30秒でカノアが起死回生のバレルをメイク。8.83をスコアして大逆転でファイナルへ勝ち上がった。
「今日はカノア・デイだ、僕は彼に勝ってほしいね。」と、スレーターは言った。「カノアは今回初のパイプ・マスターズ出場でファイナル進出。それは物凄いことだよ。彼は勝ち続けることでジョン[フローレンス]にトリプルクラウンを与え、ジーク・ラウをクオリファイさせたんだ。両方のファイナリストは物凄く勢いがあった。あのヒートでは自分が出来る限りの事をしたけど、波はカノアに来たんだ。身体的にも調子がいいので来年が楽しみだよ。」
Kelly Slater on a steep drop. Photo: WSL / Poullenot
2016WSLチャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ボレーズによってクォーターファイナルで敗退した。パイプでは5位でフィニッシュとなったフローレンスだが、今シーズン始めにエディ・アイカウで優勝。ポルトガルでワールドチャンピオンが決定。
そして、フローレンスは、そんな素晴らしいシーズンを彼のキャリア3度目となるVANSトリプルクラウンを獲得し、シーズンを締めくくった。
FINAL VANS TRIPLE CROWN RATINGS
「自分の人生でベストな一年でした。そして、僕を支えてくれたみんなに感謝したいです。」と、フローレンスは言った。「信じられない年でしたね。最後のヒートは、幾つかのミスをして少し不運だったけど、波は凄くファンで、ホームで一年を終えて本当に最高でした。長い一年でしたね。ちょっとサーフィンしに行って、しばらく休むつもりです。」
3x Vans Triple Crown winner, John John Florence. Photo: WSL / Poullenot
Final day at the Billabong Pipe Masters. Photo: WSL / Cestari
今回のイベントライブ中継は、日本語放送が行われていました。
ライブ中継の日本語放送をクリックしてご覧ください。
http://www.worldsurfleague.com/events/2016/mct/1540/billabong-pipe-masters
http://www.vanstriplecrownofsurfing.com/billabongpipemasters2016
ビラボン・パイプ・マスターズ・ファイナル結果:
優勝:ミシェル・ボレーズ(PYF)7.53
2位:カノア五十嵐(USA)6.17
ビラボン・パイプ・マスターズ・セミファイナル結果:
SF 1:ミシェル・ボレーズ(PYF)15.37 def.コロへアンディーノ(USA)13.93
SF 2:カノア五十嵐(USA)15.50 def.ケリー・スレーター(USA)15.00
ビラボン・パイプ・マスターズ・クォーターファイナル結果:
QF 1:コロへアンディーノ(USA)14.87 def.ジェレミー・フローレス(FRA)12.67
QF 2:ミシェル・ボレーズ(PYF)17.20 def.ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)14.00
QF 3:ケリー・スレーター(USA)11.50 def.ジョシュ・カー(AUS)10.24
QF 4:カノア五十嵐(USA)18.03 def.ジョディ・スミス(ZAF)15.74
ビラボン・パイプ・マスターズ・ラウンド5結果:
ヒート1:ジェレミー・フローレス(FRA)15.17 def.ジョエル・パーキンソン(AUS)4.53
ヒート2:ミシェル・ボレーズ(PYF)16.80 def.フィリーペ・トリード(BRA)15.50
ヒート3:ケリー・スレーター(USA)14.34 def.ライアン・カリナン(AUS)10.17
ヒート4:ジョディ・スミス(ZAF)18.10 def.ナット・ヤング(USA)16.17
ビラボン・パイプ・マスターズ・ラウンド4結果:
ヒート1:コロへアンディーノ(USA)13.66、ジェレミー・フローレス(FRA)10.16、フィリーペ・トリード(BRA)5.00
ヒート2:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)11.00、ミシェル・ボレーズ(PYF)9.17、ジョエル・パーキンソン(AUS)8.83
ヒート3:ジョシュ・カー(AUS)9.24、ライアン・カリナン(AUS)2.77、ナット・ヤング(USA)1.57
ヒート4:カノア五十嵐(USA)12.00、ジョディ・スミス(ZAF)11.34、ケリー・スレーター(USA)2.24
ビラボン・パイプ・マスターズ・ラウンド3結果:
ヒート12:ジョディ・スミス(ZAF)15.34 def.アレックス・リベイロ(BRA)1.93
WSLジープ・リーダーボードのトップ5(ビラボン・パイプ・マスターズの後)
1. ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)59,850pt
2. ジョディ・スミス(ZAF)46,400pt
3. ガブリエル・メディーナ(BRA)45,450pt
4. コロへアンディーノ(USA)44,150pt
5. マット・ウィルキンソン(AUS)39,500pt