森大騎が今季3勝目。菅谷裕美がプロ2勝目。JPSAロング「Blue Eco System ALL JAPAN」
千葉県いすみ市、2015年8月30日(日):JPSA「Blue Eco System ALL JAPAN」は大会6日目の最終日を迎えた。今日の集合はCポイント。ショアブレイクで厳しいコンディションのため、さらに右の太東より(NSAのCポイント)で試合を行うことを決定。
7:45AMよりロング女子クオーターファイナルからスタート。干潮は10:50AMなので、干きに向かい流れが右へ入り出す。ショアブレイクが多くなり、インサイドには多くの海藻。これが選手の演技を阻むことになった。多くの海藻がリーシュにからみ、演技を止め、パドルアウトの時間をロスすることに。
時間の経過で、干きいっぱいになればブレイクはアウトに。これで演技が長くでき、ライディングにもバリエーションを増やすことができるようになった。
女子のクオーターファイナルでは田岡なつみが敗退する中、男女ともセミファイナルまで終了し、ついにこの記念すべき一大イベントのファイナルヒートがスタートとなった。
森大騎と櫻岡甲太のファイナル。先制攻撃を仕掛けたのは森大騎。カーヴィングとノーズライドのコンビネーションで6.25をスコア。それに対し、パワーハウスの櫻岡甲太は、安定感のあるトラックの太いサーフィンで、インサイドまでマニューバーで乗り継ぎ、大きなカーヴィングターンをメイクしてエクセレントの8.0をスコア。幸先の良いスタートを切る。
それで黙ってはいないカレントリーダーの森大騎。サードライドでは2本のハングファイブからハングテン、更にカーヴィングをコンビネーションさせてエクセレントの8.5をスコア。14.75のヒートスコアとして、1本しか乗っていない櫻岡甲太に対して、試合巧者の森が大きくプレッシャーを与えて行く。
気負ったか櫻岡はプライオリティを使いセットを掴むもミスしてショートライド。そして、じっくりと待って掴んだセットの波でも、再びワイプアウトしてしまい完全に自分を見失っているようだった。ニード6.76のまま残り時間5分を切り、無情にもそのままタイムアップ。森大騎が今シーズン3勝目をあげ、オールジャパン・タイトルを獲得。
ロングボードは残り2戦。森大騎は2位以下に大きく差を広げて、グランドチャンピオンに向けて走り続ける。
吉川広夏と菅谷裕美のファイナル
吉川広夏と菅谷裕美のファイナルはスローな展開。ロースコアでのスタートとなる。ヒート時間10分が過ぎ、菅谷がセットをキャッチ。ハングファイブから、大きなカーヴィングターン、更にインサイドで再びハングファイブを決めてをエクセレントの8.0をスコア。続けて吉川も波を掴むも技が繋げられない。吉川はニード7.86で後半戦へ。
ヒートスコアを10.75を集める菅谷だったが、インサイドではまり、パドルアウトに時間がかかってしまう。沖には吉川広夏が一人で波を待つ。これまでの吉川であれば充分に逆転出るスコアだった。
しかし吉川は波のセレクトが悪いのかミドルで厚くなる波に手こずってスコアが伸ばせない。テールコントロールのサーフィンを見せる菅谷裕美が再び波を掴む。バックアップを塗り替えられないが、乗るべき波は見えているようだった。
追い込まれた吉川広夏は、残り時間3分で起死回生を狙って波を掴んだ。ハングファイブからカーヴィングを入れるも、そこでスリップアウト。そのままタイムアップとなり、開幕3連勝中の吉川を止め、菅谷がプロ2勝目となるオールジャパンタイトルを掴んだ。
今回惜しくも2位となった吉川広夏だが、ランキング2位の大池がラウンド2で、3位の田岡なつみがクオーターで敗退しており、吉川はレイティングトップを独走し続ける。
タフなコンディションではあったものの、奇跡的な6日間連続の波に助けられ、全て無事に完了してクライマックスを迎えた、今シーズンの日本サーフィン業界最大イベントとなった、第50回全日本サーフィン選手権大会 JPSA「Blue Eco System ALL JAPAN」。
今回は太陽光発電の Blue Eco Systemというビッグスポンサーの協力があって実現したビッグイベント。 Blue Eco Systemは、安井拓海をはじめ、脇田ファミリーなどサーファーをサポートしてくれている企業だ。今回のJPSAイベントでは賞金も倍近くまでアップ。さらにラウンドアップ毎に賞金が与えられた。
また 地元いすみ市、一宮町などの 全面協力で大成功で幕を閉じることが出来た素晴しいイベントであった。
写真&リポート:山本貞彦
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櫻岡甲太。セミファイナルのパドルアウトでゲットでハマり、さらに板を壊し、リーシュも切れるアクシデント。それでも、地元での初優勝のために、タイムアップ前に逆転のライディング!
森大騎。こちらもホームでの優勝に地元仲間が応援。それを力に替え、冷静な試合運びは見事。優勝おめでとう!
秋本祥平。先攻逃げ切りで、このままファイナルかと思われたが、櫻岡甲太の強い想いにやられた。
吉川広夏。絶対的な強さでファイナルまで進んだが、波に恵まれず今回は準優勝。
菅谷裕美。板、ウエットのスポンサーが新たに替わり臨んだ今大会。最高の結果で終えた。JPSAでの2勝目。おめでとう!
今回、アグレッシブに波を攻めて、セミファイナルまで勝ち上がり3位となった佐久間秀人
地元開催で気合いの入る岡澤紫穂だったが、セミファイナルで吉川に敗れた。
これは「カジメ」という海藻です。「カジメ地獄」と選手は言ってました。
ショートボード第5戦「Blue Eco System ALL JAPAN」
男子
優勝:村上舜 優勝賞金140万円
2位:仲村拓久未
3位:松岡慧斗、大澤伸幸
女子
優勝:田代凪沙 優勝賞金40万円
2位:宮坂莉乙子
3位;宮坂桃子、大村奈央
ロングボード第4戦「Blue Eco System ALL JAPAN」
男子
優勝:森大騎 優勝賞金40万円
2位:櫻岡甲太
3位:秋本祥平、佐久間秀人
女子
優勝:菅谷裕美 優勝賞金 12万円
2位:吉川広夏
3位;岡澤紫穂、小高恵子
BEST OF THE BEST RIDE
男子 仲村拓久未 10.00ポイント
女子 西本萌 エミリ 9.00ポイント
写真&リポート:山本貞彦
昨年ランキング2位の菅谷裕美。今シーズンは初戦を欠場しているためにランキング13位だが、最終的にアジャストされれば上位に食い込んで来るだろう。
完全な世代交代を感じさせた今回のJPSA。ショート男子優勝の村上舜
カレントリーダーとかは意識してませんとはいう森大騎。2度目のグラチャン目前だ。
ジュニア世代が完全にシーンを牽引する。田代凪沙、村上舜。
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