ASP-WJC「HDワールド・ジュニア」稲葉玲王、仲村拓久未がラウンド4へ勝ち上がる。

ASP-WJC「HDワールド・ジュニア」稲葉玲王、仲村拓久未がラウンド4へ勝ち上がる。 


ラウンド4へ勝ち上がった仲村拓久未

 

 

ジョアキナ・ビーチ、フロリアノポリス/BRA(2013年10月31日木曜日)ワールドベスト・アンダー21によるASP-WJC「HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ 」は大会3日目。前日よりサイズダウンした2~4フィートのコンディションで、ウイメンズのラウンド2からスタート。その後ウイメンズのラウンド3、その後男子のラウンド3のヒート8までが行われ、ウイメンズではクオーターファイナル進出のベスト8が決定した。

 

今回のASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップは、名声あるタイトルが与えられるだけでなく、ASPクオリファイ・シリーズ・イベントで重要なシード権が与えられる。メンズでは3位までの4人は2014年の全てのASPプライム・イベントへの出場権が保証され、また5位までの8名の選手は、すべてのASP 6-スター・イベントでラウンド1からの出場を保証。ウイメンズのトップ4は、全てのASP 6-スター・イベントでラウンドオブ60のポジションが約束される。これはWCTへのクオリファイを目指す若いサーファーにとって間違いなく有利な特典となる。

 

 

Bianca Buitendag (ZAF)

 

ウイメンズのラウンド3のオープニング・ヒートに登場した17歳のタティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)は、同じハワイアンの15歳、ダックス・マギル(HAW)を下した。今回が初のASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップであるウエストン-ウェッブは、プラヤ・ジョアキナのレフトハンダーでコミットしたアウトサイド・ターンと、強烈なフィニッシュ・マニューバーを組み合わせ、16.50のデイズ・ハイ・ヒート・トータルを手に入れた。

 

「同じハワイのダックスと戦うのは残念でしたね。でも、いつも私たちは切磋琢磨しているのでOKです。プライオリティー・シチュエーションで、2本のグッド・セットを掴めてラッキーでした。アウトサイドのターンから、インサイドまで上手く繋げて運がよかったと思います。」

 

タティアナは、今年のASPウイメンズ・ワールド・ランキングで12位でフィニッシュ。僅かにWCTへのクオリファイを逃した。「もう少しでクオリファイ出来る位置にいたなんて驚きましたね。本当にビックリでしたが、凄く自信を持てました。来年は自信を持ってWQSに回りたいと思っています。」

 

ハワイ在住の15歳のマヒナ・マエダ(HAW)は、その圧倒的なサーフィンをラウンド3でも披露して、ブラジリアンのマリーナ・レゼンデ(BRA)に圧勝した。ASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップ2年目の彼女は、昨年同様のクオーターファイナル進出を果たし、このブラジルで更なる頂を目指す。「ブラジルは今回が初めてで、世界中を旅して、異なるコンディションで争うことは素晴らしい経験です。」と、マエダが言った。「この調子をキープして、ファイナルまで勝ち上がり、ワールド・ジュニア・タイトルを獲得したいです。」

 

ASPウイメンズWCTルーキーで2度のワールド・ジュニア第2位である19歳のビアンカ・ブュイティンダッグ(ZAF)。優勝候補筆頭の彼女はウイニング・フォームを続け、クオーターファイナルへ勝ち上がった。ブュイティンダッグは、ジョアキナ・ビーチのレフトハンダーで一連の洗練されたフォアハンドのカーヴィングを披露して、圧倒的なヒート勝利を収めた。また、ASPヨーロピアン・ジュニア・チャンピオンで、2014のウイメンズWCTへクオリファイを決めたジョアン・デフェイ(FRA)もクオーターファイナル進出。8名の役者が揃った。

 

 

 

バスコ・リベイロ(PRT)

 

ウイメンズのラウンド3終了後に行われたメンズのラウンド3では、8ヒートが行われ、ラウンド2でイベントのハイ・スコアをマークしたマイケル・ロドリゲス(BRA)が、フィン・フリーターンをエア・リバースと組み合わせた爆発的なフォアハンドで9.63という本日のハイエスト・シングル・ウェイブ・スコアを叩き出した。また、注目のマット・バンティング(AUS)も、ハワイアンのセス・モニーツ(HAW)を破りラウンドアップ。一方で、2011年のASPワールド・ジュニア・チャンピオンであるカイオ・イベリ(BRA)が、ジュニーロ・ウシア(PER)に破れる番狂わせも発生した。

 

 

マット・バンティング(AUS)

 

 

稲葉玲王と仲村拓久未がラウンド4へ。 


番狂わせを引き起こした日本チームの稲葉玲王

 

メンズのラウンド3ヒート2で、稲葉玲王はマイケル・フェブラリー(ZAF)と対戦。ビッグレフトを掴んだ稲葉玲王は、スムーズでビッグなカーヴィングターンから得意のレイバックスナップ。インサイドでは素晴らしトップターンを見せて7.17をスコア。今年6月、ニカラグアで開催された「ダカインISAワールド・ジュニアU16」で4位となった時を思い出させる素晴しいライディングでヒートをリードした。長身を活かしたビッグマニューバーのフェブラリーに一時は逆転されるものの、残り時間10分を切り、再びフォアハンドのカーヴィングターンのコンビネーションで5.60をスコア。逆転に成功して、フェブラリーの追い上げを振り切りラウンド4へ勝ち上がった。

 

稲葉玲王。フローを意識して、つなげてポイント加算。今日はレオらしい波乗りを見せてくれた。明日も期待。

 

“日本の波に似ているので、凄くリラックスしてやれました。” 稲葉玲王

 

「僕は、このヒートに勝てて本当に嬉しいです。」と、稲葉が言った。「日本の波に似ているので、凄くリラックスしてやれました。いくつもヒートを勝ち上がれて良い気分です。次のラウンドを戦うのが楽しみですね。」とコメントした。

 

新井洋人と仲村拓久未の日本人対決。 


仲村拓久未。R-4進出は初めて。試合序盤から積極的に攻めた。あとはその気持ちの勢いに押さえをかけられれば、ワイプアウトせずにエクセレントが狙えたはず。次も決めてね。

 

ヒート7は日本人対決となり、新井洋人と仲村拓久未が戦う事となった。ヒートは仲村拓久未が先制。セットのライトブレイクで、リエントリー、フルレールターンの3つのビッグマニューバーで7.67をスコア。最高のスタートダッシュを見せる。勢いに乗る仲村は、再びフォアハンドで2つのクリティカルターンを見せて、6.17をスコア。完全にヒートをコントロールする。

 

新井洋人。R-3で敗退。今大会は17位。慎重になって波を選びすぎたか。しかし、先制されるも最後まで諦めず自分のサーフィンを貫くところはイイね。

 

じっくりと波を選んだ新井洋人は、深いボトムターンから目の覚めるようなリエントリーをクリティカルセクションで披露。6.73をスコアして応戦する。後半に入り、再びライトブレイクを掴んだ新井は、ブロウテール・スラッシュとビッグリエントリーのコンビネーションで6.37をスコア。仲村を追い上げ、ヒート終了間際までチャージした新井だったが、先手必勝の仲村拓久未がラウンド4へ勝ち上がった。

 

仲村拓久未
新井洋人

 

野呂玲花は9位、高橋みなとは17位。 


ヒート前に作戦を練る野呂玲花と田中コーチ

 

 

ウイメンズのラウンド3で、野呂玲花は、バルバドスのチェルシー・トゥアク(BRB)と対戦した。ヒートはスタートからチェルシーがレフトブレイクをバックハンドでチャージ。続けでチェルシーがライトブレイクをキャッチ。フォアハンド・ターンのコンビネーションで4.33をスコアしてヒートをリードする。ヒート後半に入りセットのグッドレフトを掴んだ野呂玲花は、スピードに乗ったカーヴィングターンでビッグマニューバーを披露。このヒートのハイエストスコアとなる6.17をスコアして逆転に成功する。

 

野呂玲花。R-3で敗退。今大会は9位という結果。初参戦にしては上出来か。だけど、もっと上を狙えた。まずは自分の攻めの形を覚えること。

 

しかし、再びチェルシーがバックハンドで見事なビッグスラッシュを見せて6.10をスコア。バックアップを探す野呂玲花だったが、最後まで彼女の前にスコアリング・ウェイブは現れず、惜しくもここで試合終了。サーフィンのレベルでは完全に勝っていただけに悔しい敗退となった。野呂玲花は9位でイベントをフィニッシュとなった。

また、ラウンド1からラウンド2を強いられていた高橋みなとは、全くリズムが掴めず、自分のサーフィンを見せることが出来ないまま3位敗退。今大会17位という結果に終わった。

 

 

高橋みなと、田中樹。
高橋みなと。R-2で敗退。今大会は17位。勝てた試合だったがワイプアウトがもったいなかった。この経験を次につなげて欲しい。

 

明日、大会が再開され、メンズが行われれば、ラウンド3のヒート9から開始。加藤嵐はヒート14でジョシュア・モニーツ(HAW)と対戦。ヒート16では大原洋人と渡辺寛が日本人同士で対決する。

 

世界を目指しチャレンジを続ける彼等にエールを送り続けたい。頑張れ!日本。

 

イベント主催者は、ローカル・タイムで午前7時30分にファーストコール。午前8時のスタートを目指す。

 

ASP-WJC「HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ presented by Devassa.」は、ウイメンズが10月27日から11月3日までウエイティング・ピリオドを保持。メンズのウエイティング・ピリオドは10月29日から11月5日までとなる。

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップのコンテストの模様はhttp://www.hd-wjc.com/でライブ中継される。

 

 

撮影、キャプション:山本貞彦

 

稲葉玲王

 

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ウイメンズ:ラウンド2結果
ヒート1:ミラスカ・テーヨ(PER)9.33、メラニー・ジュンタ(PER)8.63、高橋みなと(JPN)4.70
ヒート2:レティシア・カナーレス・ビルバオ(EUK)9.30、マリーナ・レゼンデ(BRA)7.17、エマ・スミス(ZAF)6.03

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ウイメンズ:ラウンド3結果
ヒート1:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)16.50 def.ダックス・マギル(HAW)12.20
ヒート2:フランキー・ハラー(USA)11.27 def.ミラスカ・テーヨ(PER)9.67
ヒート3:チェルシー・トゥアク(BRB)10.43 def.野呂玲花(JPN)8.84
ヒート4:ビアンカ・ブュイティンダッグ(ZAF)11.50 def.ルシア・コゾレート(ARG)6.77
ヒート5:マヒナ・マエダ(HAW)13.70 def.マリーナ・レゼンデ(BRA)6.10
ヒート6:エラ・ウィリアムス(NZL)11.10 def.レティシア・カナーレス・ビルバオ(EUK)7.77
ヒート7:ステファニー・シングル(AUS)11.74 def.キャロル・フェルナンデス(BRA)9.26
ヒート8:ジョアン・デフェイ(FRAZ)13.23 def.メラニー・ジュンタ(PER)9.84

 

アップカミングHDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ウイメンズのクオーターファイナル・マッチアップ:
QF 1:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)対フランキー・ハラー(USA)
QF 2:チェルシー・トゥアク(BRB)対ビアンカ・ブュイティンダッグ(ZAF)
QF 3:マヒナ・マエダ(HAW)対エラ・ウィリアムス(NZL)
QF 4:ステファニー・シングル(AUS)対ジョアン・デフェイ(FRA)

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・メンズ:ラウンド3結果
ヒート1:マット・バンティング(AUS)15.34 def.セス・モニーツ(HAW)9.50
ヒート2:稲葉玲王(JPN)12.77 def.マイケル・フェブラリー(ZAF)12.16
ヒート3:マイケル・ロドリゲス(BRA)15.30 def.マシューズ・ナヴァロ(BRA)10.66
ヒート4:ジュニーロ・ウシア(PER)9.24 def.カイオ・イベリ(BRA)7.90
ヒート5:オニー・アンワー(IDN)10.94 def.ジョアオ・アブルゥ(BRA)10.27
ヒート6:バスコ・リベイロ(PRT)15.67 def.スティーブン・ソーヤー(ZAF)10.33
ヒート7:仲村拓久未(JPN)13.84 def.新井洋人(JPN)13.10
ヒート8:ラムジィ・ボウカム(MAR)14.56 def.ミッチェル・パーキンソン(AUS)12.70

 

HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ:ラウンド3マッチアップ
ヒート9:ガブリエル・メディーナ(BRA)対ジェイク・シルヴェスター(AUS)
ヒート10:カノア五十嵐(USA)対イアン・クレーン(USA)
ヒート11:キアヌ・アシン(AUS)対スレード・プレストウィッチ(ZAF)
ヒート12:ディラン・ライトフット(ZAF)対カム・リチャーズ(USA)
ヒート13:カルロス・ムニョス(CRI)対ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)
ヒート14:加藤嵐(JPN)対ジョシュア・モニーツ(HAW)
ヒート15:ジェシー・メンデス(BRA)対ノミ・ミニョ(FRA)
ヒート16:大原洋人(JPN)対渡辺寛(JPN)