大波乱のASP-WCT第7戦「ハーレー・プロ」。ケリー、パーコらトップアンカーが次々と敗退。
ロウワー・トラッスルズ、サン・クレメンテ、CA(2013年9月17日火曜日)スモールコンディションを強いられているASPワールド・チャンピオンシップ・ツ アー(WCT)第7戦「ハーレー・プロ」は、再びクリーンながら1~3フィートのコンディションでコンペティションが再開され、ラウンド3、ラウンド4が行われた。厳しいコンディションのなかでコンペティションに大番狂わせが続出。タイトルレースに絡むトップランカーたちのランキングに大きな変動が生じそうだ。
大会3日目、ジョディ・スミス(ZAF)はロウワーズのライトハンダーで彼のパワフルなレール・ゲームを見せ、ブレット・シンプソン(USA)を下した。「間違いなくタフなヒートになると思っていました。」と、スミスが言った。「生まれも育ちもハンティントンのブレットは、屈服するのを全く恐れず、スモール・ウェイブでのサーフィンの仕方を知っていた。だからこそ、しっかりと自分の波をセレクトしなければならなかった。僕は、ヒート前半にレフトの波で1つのミスを侵し、彼に7ポイントを与えてしまった。間違いなく自分のコンディションではなかったので、あのヒートをメイク出来てほんとうに嬉しかったですね。それでも、その波を最大限に利用してサーフィンしました。いま使っているサーフボードが絶好調で、USオープンの時に使ったものと同じなんですが、スモールウェイブで調子が良いんです。最高です。」
出来る限りの力を出して戦って、思い切り楽しみたい。勝ち負けは関係ない。
ASP WCTでカレントNo.4のスミスは、このシンプソンに対する彼の勝利が、彼にとって2013年のASPワールド・タイトル・キャンペーンで非常に重要なものであり、更にはハーレープロ自体が残りのシーズンへ向け勢いを増すために重要なイベントであると考えている。「このコンテストで、自分がタイトルレースに残れるかどうかが決まると思っています。」と、スミスが言った。「自分としては、イベントを楽しみたいんです。出来る限りの力を出して戦って、思い切り楽しみたい。勝ち負けは関係ない。いま自分のサーフィンを楽しんでいます。それは恐らく、自分がすべてのことを心から楽しんでいるからなんだと思います。トラッスルズ、アメリカが大好きです。今ここに居られて最高ですよ。」スミスは、ラウンド4でもC.Jホブグッド(USA)とタジ・バロウ(AUS)の3人ヒートをトップ通過。ダイレクトにクオーターファイナルへ進んだ。
カレントリーダーのケリー・スレーター(USA)がラウンド3で敗退。
現在、ASP WCT代替選手のパトリック・グダスカス(USA)は、今回のイベント最大の番狂わせを引き起こし、11タイムASPワールド・チャンピオンである、昨年のイベント・チャンピオンのケリー・スレーター(USA)を下した。忍耐強く波を持ち続けたグダスカスは、ロウワーズのレフトとライトで多くのプログレッシブ・マニューバーを見せた。「僕はスマートなゲームプランで、一か八かやってみたんです。」と、グダスカスが言った。「リクオリファイの可能性が高まるので、このヒートに勝てて本当に嬉しいですね。ビーチでの友達の応援が力になりました。サンクレメンテのみんなに感謝したいです。」グダスカスは、ローカル・ラインナップを支配し続け、ラウンド4でもカイ・オットン(AUS)とエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)を抑え、ダイレクトにクオーターファイナルへ進んだ。
ランキングNo.1のポジションでハーレー・プロに入り、12回目のASPワールド・タイトルを追い求めるケリー・スレーターは、今回のラウンド3での敗退が、彼のASPワールド・タイトル・キャンペーンにとって、大きな打撃になると認めた。「僕は、パット(グダスカス)が勝ってハッピーだよ」と、スレーターが言った。「彼は素晴しいサーファーだけど、クロスヒートの最後で何度も破れていた。そろそろ彼が出て来ても良い頃だと思う。でも、この結果は最悪だね。これは自分にとって3つ目の悪い結果。もう身動きする余地もない。」
スレーターの敗退の後で、2度のASPワールド・チャンピオンであるミック・ファニング(AUS)は、アレホ・ムニーツ(BRA)との重要なヒートで勝利を収め、暫定的ではあるがスレーターからランキングトップの座を奪った。「僕は、あのハプニング(ケリーの敗北)の重要性を理解していたので本当にナーバスになったよ。」と、ファニングが言った。「互いにベストを出し切ったアレホとの素晴しいヒートだった。彼はこの数ヶ月で素晴しいサーフィンを見せている。神経がすり減るヒートだったね。」そんなミック・ファニングだったが、ラウンド4で好調なミシェル・ボウレズ(PYF)によってラウンド5へ追いやられ、コンペティションが再開するときヒート3においてトラヴィス・ロギー(ZAF)と対戦する。
ジョエル・パーキンソン(AUS)がアダム・メリング(AUS)に破れる。
そして、アダム・メリング(AUS)も、ASPワールド・チャンピオンに君臨するジョエル・パーキンソン(AUS)を破る番狂わせを引き起こした。ウェイブ・チョイスが極めて重要であるということが証明された彼らのヒート。メリングは一連の洗練されたフォアハンドターンで8.50というヒートのハイ・スコアをマーク。 彼の2014年のリクオリファイ・キャンペーンへ向けた重要なヒート勝利を手に入れた。
「僕は10分波を待っていました。ジョエルは掴んだ波でストレートアップを決めていました。」と、メリングが言った。「彼の掴んだ波より良い波が来るのを知っていたので、僕は波を待ち続けました。それが上手く行きましたね。ジョエルを倒すのは良い気分です。僕にはポイントが必要なんです。パーコとヒートが決まって、ちょっと焦りましたよ。彼はワールドチャンピオンですからね。でも、僕はそれを、ただのボード・ライダー・コンペティションなんだって考えて楽しんだんです。」
ジュリアン・ウィルソン(AUS)が信じがたいエアリアル・アタックを披露。
そんなASP WCTトップシードが次々と敗退するなか、多くのハイパフォーマンス・バトルも繰り広げられた。なかでもジュリアン・ウィルソン(AUS)は、フリーペ・トリード(BRA)に対したベスト・アクション・ヒートで、エキサイティングなバックハンド・エアリアル・バトルを演じた。そして、ヒート終了間際でエクセレントが必要な厳しい状況に追い込まれていたウィルソンは、巨大なバックハンドのローテーションを決めて9.10をスコア。大逆転でラウンド4へ勝ち上がった。
「そのヒート組が分かったとき、今日のコンディションでは最もハードなものだと思っていました。」と、ウィルソンが言った。「同時に、僕はその強力なベストサーファーを克服し、ベストになりたいと思いました。フリーペ(トリード)は今日のようなコンディションで最強ですからね。ライトブレイクを全く掴めず、レフトに目を向けたら、リズムを掴んでスコアをメイク出来たんです。僕はあのヒートに勝つ事が出来て本当にハッピーでした。そして、フリーペは本当に良いチャレンジを見せていました。」
ウィルソンはそのラウンド3でパフォーマンスの調子を上げ、ラウンド4では、再びロウワーズ・ライトで信じがたいエアリアル・アタックを披露。巨大なエア・リバースで本日のハイエスト・スコア9.20をスコア。さらにフル・ローテーション・エアで9.87をマークした。ウィルソンのパーフェクトに近い19.07というヒート・トータルは、2013のハーレー・プロのハイエスト・スコアをマークし、ダイレクトに彼をクオーターファイナルに進めた。
イベント主催者は、現地時間の明朝午前7時30分、日本時間23時30分にファーストコールする。
見たいヒートだけをオンデマンドでチェック!
http://thehurleypro.com/on-demand/dvr
大会の詳細はオフィシャルサイトで詳細をご覧下さい。
ハーレー・プロ:ラウンド3結果
ヒート1:ジョディ・スミス(ZAF)17.00 def.ブレット・シンプソン(USA)15.87
ヒート2:C.J.ホブグッド(USA)15.30 def.ガブリエル・メディーナ(BRA)14.87
ヒート3:タジ・バロウ(AUS)16.20 def.コロヘ・アンディーノ(USA)14.67
ヒート4:エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)16.00 def.フレッド・パターチア(HAW)9.43
ヒート5:カイ・オットン(AUS)15.17 def.ジェレミー・フローレス(FRA)14.07
ヒート6:パトリック・グダスカス(USA)15.57 def.ケリー・スレーター(USA)14.80
ヒート7:ミック・ファニング(AUS)15.17 def.アレホ・ムニーツ(BRA)14.87
ヒート8:ミシェル・ボウレズ(PYF)13.94 def.セバスチャン・ジーツ(HAW)13.80
ヒート9:ジョシュ・カー(AUS)14.67 def.ビード・ダービッジ(AUS)11.93
ヒート10:トラヴィス・ロギー(ZAF)14.47 def.ナット・ヤング11.73(USA)
ヒート11:ジュリアン・ウィルソン(AUS)17.03 def.フリーペ・トリード(BRA)16.07
ヒート12:アダム・メリング(AUS)14.67 def.ジョエル・パーキンソン(AUS)10.06
ハーレー・プロ:ラウンド4結果
ヒート1:ジョディ・スミス(ZAF)15.60、C.J.ホブグッド(USA)15.33、タジ・バロウ(AUS)13.23
ヒート2:パトリック・グダスカス(USA)15.23、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)13.40、カイ・オットン(AUS)13.03
ヒート3:ミシェル・ボウレズ(PYF)17.30、ミック・ファニング(AUS)16.80、ジョシュ・カー(AUS)12.93
ヒート4:ジュリアン・ウィルソン(AUS)19.07、アダム・メリング(AUS)14.03、トラヴィス・ロギー(ZAF)12.67
アップカミング・ハーレー・プロ:ラウンド5マッチアップ
ヒート1:C.J.ホブグッド(USA)対カイ・オットン(AUS)
ヒート2:エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)対タジ・バロウ(AUS)
ヒート3:ミック・ファニング(AUS)対トラヴィス・ロギー(ZAF)
ヒート4:アダム・メリング(AUS)対ジョシュ・カー(AUS)