ASP-WJT最終戦
ビラボン・ワールド・ジュニア・サーフィン
チャンピオンシップ
2012年1月20日-29日 バーレーヘッズ、クイーンズランド/オーストラリア |
ビラボンWJCは大会3日目。男子ラウンド2が行われ、大橋海人はラウンド3へ。
渡辺寛は33位でフィニッシュ
【バーレー・ヘッズ、クイーンズランド/オーストラリア(2012年1月23日月曜日)】世界ナンバー1ジュニア・サーファーを決定する、2011年のASPワールド・ジュニア・ツアー最終戦「ビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ゴールド・コースト」は大会3日目。昨日より更にサイズダウンしたバーレー・ヘッズで男子ラウンド2から再開、9ヒートが行われた。今日は、いまひとつ一貫しないトリッキーなコンディションで、セット間隔が長く、ウェイブ・セレクトが勝負の分かれ目となった。
今日のファーストヒートの登場したカイオ・イベリ(BRA)は、ビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップのトップ・シード選手。ASPワールド・ジュニア・タイトルレースのトップを走る選手だ。イベリは、ラウンド1でまさかの敗退を喫し、ラウンド2を強いられていたが、今日は、ビッグエアとカーヴィングのコンビネーションで、そんなことを感じさせないサーフィンを見せて、崖っぷちのラウンド2から生還した。
「あのヒートはつらかったですね。スタートから波が全然入って来なくって、しかもプレッシャーをかなり感じてました。」と、イベリが言った。「でも、最初に良いスコアを出せてからは、リラックスしてサーフィン出来ましたね。ヒートを勝ち上がれて本当に嬉しいです。最初のラウンドで負ける事をあまり気にしないんです。その負けた気持ちがバネになって、良い結果が出る事があるんですよ。」
ボン・ジッパー・トライアルの勝利者であるウエイド・カーマイケル(AUS)は、シード選手のデール・ステイプルズ(ZAF)を下す大番狂わせを引き起こした。カーマイケルは、ベスト・ウェイブをキャッチして、彼のトレードマークであるパワー・カーヴィングを爆発させた。彼はラウンド3でカレント・レイティング・リーダーのカイオ・イベリ(BRA)と対戦する。
「ラウンド1でショックな負け方をしたので、かなりナーバスになってました。」と、カーマイケルが言った。「僕はベルズのプロ・ジュニアや今回のトライアルでも優勝しているので、この調子をキープしたいんです。僕はASPワールド・ジュニア・タイトルの勝算はないけど、このイベントで絶対に勝ちたいんです。」
トライアルで2位に入りメインイベントのスポットを手に入れたティム・マクドナルド(AUS)は、そのチャンスを無駄にする事なく、ライアン・キャリナン(AUS)をワンサイド・ゲームで破った。マクドナルドのサーフィンはシャープであったが、キャリナンが負傷した足をかばい、自分のサーフィンが出来ていないのは明らかだった。
「ラウンド3へ勝ち上がれて最高の気分ですね。」と、マクドナルドが言った。「でもライアン(キャリナン)にとっては最悪ですね。彼は全く反撃する事が出来なかった。彼が負傷していたのは分かったと思いますが、僕たちは二人だけで、良い波を掴んで楽しむことが出来ました。」
ビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ゴールド・コーストのポスターのメインビジュアルに起用されていたキャリナン。回りの期待が大きかっただけに彼は落胆を隠せない。ニューキャッスルのキャリナンは昨年、右足首を負傷し、100%の回復のために、この数ヶ月を費やしてきた。そして、2日前、彼はもう片方の足首を痛めてしまった。
「サーフィンをするとき痛むだけなんです。」と、キャリナンが言った。「歩いたり、立ったり、走ったりするのは大丈夫なんですが、ボトムターンで力を加えると痛いんです。本当に残念です。でも、2週間ぐらいで復活出来ればと思っています。」
今日は大橋海人と渡辺寛が登場。
大橋は素晴しいサーフィンでラウンド3へ。
渡辺は、不運なコンディションで33位でフィニッシュ
本日の日本男子はラウンド2のヒート7に大橋海人、ヒート9に渡辺寛が登場した。大橋海人はファーストウェイブからロングウォールの波を掴み、インサイドまでハードなリエントリーを繰り返し、6.00をスコア。これから始まるカイト祭りを予感させる素晴しいスタートダッシュを見せた。
フィンフリーなバックハンド・ハックを何度も繰り出す大橋海人は、セカンドウェイブでも5.33をスコアし、ヒートスコア11.33でヒートをリード。更に、ダブルアップする波を上手く掴み、クリティカルセクションで完全にフィンを抜く、バックハンドのブロウテール・スライドを含む、物凄いマニューバーをコンプリート。そして本日のセカンド・ハイスコアとなる8.87、7.27を揃え、ヒートスコア16.14をマークし、対戦相手をコンビネーションに追い込み、圧倒的なサーフィンでウィリアム・アリオティ(FRA)に圧勝した。
大橋海人にとって、今回のビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップは4回目の出場。このイベントにおけるラウンド3進出は、彼の持つベスト・リザルトと同じである。「最高に嬉しいですね。」と大橋海人が言った。「ここの波は、自分のホームブレイクよりも最高に楽しい波ですよ。この場所で、多くの人たちに僕のサーフィンを見て楽しんでもらう事は素晴しい事ですね。」
ヒート9に登場した渡辺寛は、大きなラウンドハウス・カットバックから、クローズアウト・セクションでビッグなリエントリーを見せ、4.33をスコアして、ヒートをスタートする。コンディションが悪化する中、なんとか4ポイント台を2本揃え、ヒートをリードしていた渡辺寛だったが、対戦相手のカウ・ウッドが5.60をスコアして逆転。
残り時間は10分を切り、渡辺寛に必要なスコアは5.60。風雨が強まり、波は風に潰され、時間だけが刻一刻と経過。そしてスコアリング・ウェイブが全く入らないままタイムアップ。渡辺寛は惜しくもここで敗退。33位でフィニッシュする事となった。そして、コンディション悪化でコンテストはここで終了。ヒート10以降は明日に持ち越される事となった。
明日は7:30AM集合。8:00AMスタート予定。残っている男子ラウンド2には、ヒート11に田中海周、ヒート13に加藤嵐、ヒート16に新井洋人が登場する。
今回は、コーチとして田中樹も渡豪し陣頭指揮を執る。今回のイベントはジュニア世界チャンピオンが決定するASPジュニアツアー最終戦。バリで17位、ブラジル9位となった加藤嵐が現在、総合15位タイで日本男子トップとなっている。また女子では、バリとブラジルで5位となった大村奈央が総合ランキング5位につけている。今年も世界を目指して頑張ろう!日本。
ビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ゴールド・コースト:ラウンド2結果
ヒート1:カイオ・イベリ(BRA)14.83 def.。イーライ・スティール(AUS)8.17
ヒート2:ウエイド・カーマイケル(AUS)12.83 def.。デール・ステイプルズ(ZAF)9.10
ヒート3:ティム・マクドナルド(AUS)11.67 def.ライアン・キャリナン(AUS)5.00
ヒート4:ネイザン・カバーロ(HAW)16.07 def.。フレデリコ・モライス(PRT)14.90
ヒート5:ディーン・ボウエン(AUS)15.00 def.。ミッチェル・パーキンソン(AUS)10.60
ヒート6:マテイア・ヒクイリー(PYF)12.23 def.。クリード・マクタガート(AUS)11.76
ヒート7:大橋海人(JPN)16.14 def.。ウィリアム・アリオティ(FRA)9.07
ヒート8:バスコ・リベイロ(PRT)16.43 def.。デイヴィッド・シルヴァ(BRA)13.57
ヒート9:カウ・ウッド(BRA)9.93 def.。渡辺寛(JPN)8.60
ビラボン・ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ・ゴールド・コースト:残りのラウンド2
ヒート10:カラニ・デビッド(USA)対ディラン・ライトフット(ZAF)
ヒート11:デビッド・ヴァン・ジィー(ZAF)対 田中海周(JPN)
ヒート12:エヴァン・トンプソン(USA)対ピエール-バレンティン・ラボー(FRA)
ヒート13:加藤嵐(JPN)対マイケル・フェブラリー(ZAF)
ヒート14:チェイス・ウィルソン(USA)対ケアラ・ナヒ(HAW)
ヒート15:ディラン・コワルスキ(USA)対アンドリュー・ドヘニー(USA)
ヒート16:ルーカス・シルベイラ(BRA)対 新井洋人(JPN)