大原洋人のUSオープン優勝に沸く日本。 忘れてはならないジャパニーズ・ストームの活躍。

Hiroto Ohhara photo from his collection

大原洋人のUSオープン優勝に沸く日本。 忘れてはならないジャパニーズ・ストームの活躍。


Hiroto Ohhara (JPN) has won the QS10,000 at the 2015 Vans US Open of Surfing. – WSL / Kenneth Morris

 

 

サーフィン全米OP、日本人が初優勝 日本経済新聞」「サーフィン18歳大原洋人、日本人初V「特別な日」日刊スポーツ」「全米サーフィンで日本人初V 18歳大原洋人さんが快挙 東京新聞」など、新聞や一般のTVニュースでも取り上げられて、大きな話題となっている大原洋人のUSオープン優勝の快挙。多くの日本人サーファーが大原洋人の活躍に感動して涙した。それほど、これは大事件なのだ。

 

下馬評ではエアゲームでエクセレントを連発した、昨年のイベン勝者であるCT選手のブラジリアン・ストームの一角を成すフリーペ・トリード(BRA)を筆頭に、ローカルヒーローで大原とともに今回勢いのあったカノア五十嵐には大きな期待がかかっていた。

 

多くのメディアが報じているように、今回のUSオープンはダーク・ホースによって支配された。誰が日本の大原洋人が優勝する事を予想していたか。


 

 

サーフィンが東京五輪の追加種目の候補になったため、一般的に注目度も高く。この大原洋人の活躍が追い風になると報じているメディアもある。

 

大原洋人が日本人として初優勝したWSL-QS10000という最高グレードの「Vans US Open of Surfing」は、ワールドサーフリーグ(WSL)という世界のプロ組織において、世界最高峰のトップ34名だけに出場が許される「チャンピオンシップ・ツアー(CT)」への出場権獲得に向けたランキング・ポイントを最も多く獲得できるコンテスト。

 

だから、そのクオリファイング・シリーズ(QS)イベントでポイントを稼ぐために、世界中のサーファーが集結し、しのぎを削る激しいバトルを繰り広げる。


 

現在のWSLポイントランキング

 

 

今回の優勝で、最大の10,000ポイントを獲得した大原洋人は、QS世界ランキングで81位から13位までジャンプアップ。2016年のCTへクオリファイも射程距離に入った。※WSL-QSランキングhttp://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mqs

 

QS10000とはASP時代にプライム・イベントといわれたハイグレードの試合。そのイベントでの優勝は、世界に最も近い男として、WSL-CTへのクオリファイを目指して、世界中を長年転戦して来たベテランの大野修聖でさえ、プライム5位(2011年ブラジル)が最高で、決して成し得ることのできなかった偉業である。

 

 

とはいえ、ここは通過点に過ぎず、シーズンは後半戦が残っており、CTにクオリファイするためには更なる結果が必要とされている。大原洋人に、またとないチャンスが巡って来ている事は言うまでもないが、今のままではクオリファイは出来ない。夢を実現するチャンスを逃さないために勝って兜の緒を締めろ。

 

 

これで日本の人に海外でも日本人はやれるってことが証明できたと思います!

 


「応援ありがとうございました。実際まだ優勝したっていう感覚が全然ありません(笑)でも応援してくれていた人がいたから最後の波が来たんだと思います! 本当に応援ありがとうございました! あの場所で日本の国旗をあげれて誇りに思います。

 

これで日本の人にも海外でも日本人はやれるってことが証明できたと思います!これから日本人として、もっと世界で活躍できるように頑張ります! これからも応援よろしくお願いします。」と自身のFBでコメントを残した。


 

今まで見た日本人のサーファーの中で最高レベルだと感じました。

 


また、IPS初代チャンピオンで、ブロンズドオージーズの結成者。ハンティントン・ビーチへ移住してからは、アメリカのナショナルチームの代表監督として、トム・カレンを含む多くのワールド・ツアー選手をコーチした通称PTピーター・タウンネンドも大原洋人について自身のFBでコメントを残している。


 

「4年前のカルフォルニアでのNSSAオープンシーズンで洋人の写真をとったことを覚えています。今まで見た日本人のサーファーの中で最高レベルだと感じました。経験は浅いものの、才能、技術、情熱は際立っていました。

 

70年代には、これから日本人がIPS/ASP/WSLのワールドツアーで活躍するだろうと思っていましたが、代わりにブラジリアンが台頭しました。しかし大原洋人は本物です。彼がバンズUSオープンに勝ったことで、まさにサーフィンの世界に日本の名が刻まれたのです。おめでとう。」

 

 

また今回の優勝の影には、彼のスポンサーであるハーレーのチームマネージャーとして大原洋人をライフスタイルからアスリートとしてのスピリットまで全てをサポートして来た日本のサーフィンレジェンドである糟谷修自の力も忘れてはならない。WJCで3位となったときも、糟谷修自が大原洋人と2人3脚で挑んだ結果だった。

 

 

影に隠れたジャパニーズ・ストームの活躍


カノア五十嵐 image/WSL morris

 

 

今回の大原洋人の偉業の影には、ジャパニーズ・ストームの活躍が隠されていた。日本人の両親とともに、カリフォルニアに移住し、アメリカの代表選手として活躍するまでになった世界的に注目されるカノア五十嵐の存在だ。

 

17才のカノア五十嵐は、7月上旬に南アフリカのバリートで開催された、今回と同じグレードのWSLメンズQS10000「バリート・プロ presented by Billabong」でも、5位という成績を残し、USオープン入りしていた。今回、同時開催のジュニアイベントへもダブルエントリーし、見事2位となっていた五十嵐に対する周囲の期待は大きいものだった。

 

カノア五十嵐はそんな周囲の期待に応え、多くのギャラリーの大声援に後押しされて、自分のホームである熟知したブレイクで、他を圧倒するサーフィンを見せて、セミファイナルまで余裕で勝ち上がった。

 

しかし、そこで勢いの上回った大原洋人に落ちた。それでもカノアはQS10000を2戦連続で上位入賞を果たし、ランキング9位までジャンプアップしている。それは大原の13位を上回るもの。カノアもゴールへ向けて着実にステップアップを続けている注目サーファーなのだ。

 


ジュニア3位となった新井洋人は誰よりも先に海に飛び込んで親友を祝福した。


プロジュニアで3位となった新井洋人。Image: © WSL/Rowland

 

 

そして、W洋人として大原洋人ととも世界を転戦する新井洋人。彼もUSオープンでは好成績を残して来た選手だ。一昨年は、USオープンという最高のサーフィンアリーナで、ジュニアでセミファイナルまで勝ち上がり7位となった。今回は自身の持つ記録を塗り替え、ジュニアで3位という素晴しい結果を残し、念願の表彰台に上がった。

 

そして、大原洋人の優勝が決まった瞬間。新井洋人は誰よりも先に海に飛び込んで親友を祝福した。彼は自身のFBでこんなコメントをしている。

 

「何を書いていいか分からない。ずっと一緒にQSまわってるヒロトが、この場所で優勝して一番に海に飛び込んでハグしに行って、たぶんあの瞬間は一生忘れないと思う。誰もが夢見る場所にたったんだぜ!!本当におめでとう。次は俺の番。」そうだ。次は新井洋人の番だ。



次は9月のロウアーズで開催されるCTにワイルドカードで出場する大原洋人。この戦いは日本が、いや世界中が注目するヒートとなるだろう。

 

ジャパニーズ・ストームが世界に向けて走り出した。GO JAPAN!

 

 

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