日本サーフィン史上初の快挙。大原洋人がWSL-QS10000「VANS USオープン」で優勝

日本サーフィン史上初の快挙。大原洋人がWSL-QS10000「VANS USオープン」で優勝 


大原洋人が優勝。日本のサーフィン史上初となる快挙 Image: © WSL / Morris

 

 

ハンティントン・ビーチ、CA/USA(2015年8月2日日曜日)カリフォ ルニア のハンティントン・ ビーチで開催中の「VANS USオープン・オブ・サーフィン」は大会最終日。

 

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Final Day Highlights

 

ビーチは多くのギャラリーで埋め尽くされたが、期待されたスウェルはサイズダウンし、9日間で最もスモールなコンディションでのファイナルデイとなった。

 

USオープンの優勝者 WSL / Sean Rowland

 

 

メンズ・クオリファイ・シリーズ(QS)では、日本の大原洋人が、ハックとエアをミックスしたスモール・ウェイブ・マニューバーで優勝。日本サーフィン史上最高の結果をもたらした。

 

またウイメンズCTでは、ジョアン・デフェイ(FRA)がCTベテランのサリー・フィッツギボンズ(AUS)を下して初優勝。デフェイはジープ・リーダーボード・ランキング第6位へアップした。



大原洋人 Image: © WSL / Morris

 

大原洋人はQS世界ランキングで81位から13位へ


メンズQS10000で、大原は激戦のファイナルでタナー・ヘンドリクソン(HAW)を破り、彼のキャリア最大の勝利を手に入れた。今回の優勝で、10,000ポイントを獲得した大原洋人は、QS世界ランキングで81位から13位までジャンプアップ。2016年のCTへクオリファイも射程距離に入った。

 

 

クオーターでライアン・キャリナンと対戦。 


ライアン・キャリナン Image: © WSL / Morris


今回の大原洋人は、ファイナルまでに多くの強豪選手を下して勝ち上がった。クオーターファイナルでは、ヒート2でライアン・キャリナンと対戦。

 

大原洋人は、レフトブレクをキャッチすると、深いボトムターンからクリティカルセクションへのビッグリエントリーをメイク。3つのクイックマニューバーで7.67をスコア。この厳しいコンディションで最高のスタートを切る。

 

インサイドのレフトに的に絞った大原洋人は、レフトからライトへリフォームする波で4.67をスコア。ヒートスコア12.34とリードを広げていく。

 

一方、辛抱強く波を待っていたカリナンは、6.17をスコア。しかし大原は再びオープンフェイスの波で、パワーとフローを併せ持ったライディングで7.00をスコア。ヒートスコアを14.67と、キャリナンとの差を広げる。

 

残り時間6分を切り、リードをキープする大原。カリナンはニード8.50の状況で、エクセレントの8.37をスコアするも僅かに逆転ならず。大原洋人が、日本人サーファーとして初のUSオープン・セミファイナル進出を決めた。


 

カノア五十嵐と大原洋人のヒート。 


優勝候補の一人だったカノア五十嵐 Image: © WSL / Morris

 

 

セミファイナルは、最高のステージにおける、カノア五十嵐とのドリーム・ヒートが現実となった。

 

カノア五十嵐と大原洋人のヒートは、大原洋人が6.00をスコアしてスタート。大原洋人はセカンドウェイブでも、レフト方向へブレイクする波から、しっかりとリフォームして来る波を使い7.50をスコア。カノアをコンビネーションに追い込んだ。

 

大原洋人は、更にワンサイドゲームを進め、縦に上がるバックハンドのリエントリーとインサイドでエアリバースをメイク。

 

後半ようやくエンジンがかかったカノアは6.73をスコアして、コンビネーションを外す。カノア・ニード6.78。残り時間は15分。じりじりとその差を縮めていくカノア。

 

しかし、優先権は大原洋人で残り時間は5分。波は入らずカノアをマークする大原洋人。残り時間3分で優先権がカノアへ。しかし、そのままセットは入らずにタイムアップ。大原洋人が日本人初のUSオープン初のファイナル進出を決めた。


 

ついにUSオープンのファイナルステージという世界の檜舞台に大原洋人が立った。 


大原洋人 Image: © WSL/Rowland

 

ハワイのタナー・ヘンドリクソンとのファイナルがスタートした。スタートから果敢に波を掴み、チャージする大原洋人は5.33、5.17をスコアしてファイナルをリードする。

 

オープニングライドで、ストロング・バックサイド・バーティカル・スナップで7.00をスコアしたヘンドリクソンは、じっくりと波を待つ作戦に出た。そんなヘンドリクソンはセカンドウェイブで5.90をスコア。ヒートスコア12.90で大原を逆転に成功する。

 

後半戦に入り、大原洋人はニード7.57。優先権を持ってスコアリング・ウェイブを待つ。残り時間10分を切って、再び優先権は大原洋人。しかし思うような波は入って来ず、追い込まれる大原だった。

 

ヘンドリクソン Image: © WSL / Morris

 

 

今回のUSオープンに限らず、これまで大原洋人は、最後に優先権を持って、グッドウェブを掴んで大逆転で勝ち上がって来た。それが大原洋人の勝ちパターン。

 

対戦相手のヘンドリクソンは、激戦となったセミファイナルで、昨年のイベントチャンピオンで、今回のスモール・コーディションでも絶好調だったフリーペ・トリード(BRA)を終了間際の大逆転で下していた。

 

大原洋人 Image: © WSL / Morris

 

そして、再び優先権を持った大原洋人の前にセットが入り、レフトの波へテイクオフ。アウトサイドでの3つのバックハンド・ビッグスナップをメイク。それが何とエクセレントの9.17となり大逆転。最後の最後に勝利の女神は大原洋人に微笑んだ。

 

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大原洋人の9.17ライド

 

「何て言ったら良いか分かりません。ただ最高ですとしか言いようがない。」と、大原が言った。「何か特別な日のような感じがします。いま残りのシーズンが本当に楽しみです。すべてをここで学んだんです。そして、僕は素晴らしい結果をここで手に入ることが出来ました。」

 

これまで多くの日本人サーファーが成し得なかったこと。

大原洋人は、VANS USオープンで優勝した日本初のサーファーとなった。

 

「今とても信じられない気分ですね」と、大原が続けた。「このイベントに優勝出来て最高です。自分のスポンサー、家族、友達に本当に感謝したいです。この優勝で日本人がNo.1であることを示しました。」

 

大原は、ハンティントンの一週間前に行われたハーレー・トライアルで優勝し、9月にロウワー・トラッスルズで行われる、サムスン・ギャラクシー・チャンピオンシップ・ツアー(CT)第8戦となる「ハーレー・プロ」のワイルドカードとしての出場が決定している。

 

世界が注目するサーフィンアリーナで優勝した大原洋人の名前は、これで世界に知れ渡った。この結果は様々な意味で彼を別ステージへと押し上げることになるだろう。そして、その先にあるチャンピオンシップ・ツアー(CT)への日本初のクオリファイを目指して、がんばれ日本! 頑張れ! 大原洋人!

 


オフィシャルサイトはこちら。

http://www.vansusopenofsurfing.com/

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ウイメンズCTファイナル結果:
優勝:ジョアン・デフェイ(FRA)13.54
第2位:サリー・フィッツギボンズ(AUS)11.83

 

ウイメンズCTセミファイナル結果:
SF 1:ジョアン・デフェイ(FRA)12.17 def.ビアンカ・ビュインダッグ(ZAF)12.16
SF 2:サリー・フィッツギボンズ(AUS)11.83 def.コートニー・コンローグ(USA)7.50

 

 

メンズQS 10,000ファイナル結果:
優勝1:大原洋人(JPN)14.50
第2位:タナー・ヘンドリクソン(HAW)12.90

 

メンズQS 10,000セミファイナル結果:
SF 1:大原洋人(JPN)13.50 def.カノア五十嵐(USA)13.16
SF 2:タナー・ヘンドリクソン(HAW)13.24 def.フリーペ・トリード(BRA)13.07

 

メンズQS 10,000クオーターファイナル結果:
QF 1:カノア五十嵐(USA)14.00 def.ネイザン・ヨーマンズ(USA)11.40
QF 2:大原洋人(JPN)14.67 def.ライアン・キャリナン(AUS)14.54
QF 3:フリーペ・トリード(BRA)14.93 def.アレックス・リベイロ(BRA)14.30
QF 4:タナー・ヘンドリクソン(HAW)13.26 def.コロヘ・アンディーノ(USA)7.93