がんばれ日本。ノースショアで活躍する日本人サーファー達。第3回神尾光輝編

第1回:中島 秀憲 第2回:佐原 健司 第3回:神尾 光輝 第4回:U-SKE 第5回:木本 直哉

 

波に恵まれた今シーズンのハワイ・ノースショアは、ベテラン勢のチャージに加え、新たな力が開花した。ここに紹介するのは、日本を代表するサーフィンカメラマンたちが自らセレクトし、フォトキャプションで綴られた10枚の写真。そこにはジャパニーズ・サーファーたちのソウルフルなノースショア・アタックが映し出され、新たな時代を感じさせる日本人サーファーの姿があった。

第3回 神尾 光輝 NORTHSHORE HAWAII 2010/11

 

脇田貴之

おそらく世界で一番有名な日本人サーファーはワキタだろう、ノースショアでもワキタを知らないサーファーはほとんどいない・・・と言ってもいい。ワキタは言った「僕の中では、ノースショアで波に乗る事については全てセオリーがあって、それにハマったときは自然とメイク出来てるんですよね ・ ・・」どういう事か?ノースショアでセットを掴むには、強いモチベーションは当然ながら、それなりの準備と観察した上でイメージする・・・などなど様々な事を考える力、想像力が現場では生かされる・・・と言う事であろう。パイプラインにおいてワキタピークとは・・・そんな定められた場所はない、ただワキタが波待ちしテイクオフする場所がワキタピークなのだ。

真木勇人

ハヤトは海遊びの達人で、サーフィンはその一部にしかすぎない。基本的に混雑する中でのセッションは性に合わないが、ノースショアのジュシーなスポットも捨てがたいのが心情だ。ププケアの丘から朝日が昇り始めてから30分の間に見れるコントラスト、タイミング良くチューブの中にいるハヤトを捉えた。そして、この緊張感あるリアルな表情を演出するのがフィッシュアイレンズの醍醐味である。

河村 海沙

カイサはよくサーフィンをするタイプのサーファーで、波チェックしていると必ずカイサを見かけた。ここ数年、このメインステージにフォーカスしていて確実に成長している姿を見せている。何気に穴場なスポットのオフザウォールのレフト、たまにしか来ないセットをひたすら待って1本合わせてくれて、カイサには珍しいインナーバレルショットを自ら演出してくれた。

松岡慧斗

ノースショアで初めてケイトを見たのは小学校5年生の時、当時、日本人サーファーの駆け込み寺的なローカルハウス、リアム・マクナマラ邸にお母さんとやって来た。その後、毎年ノースショアにフォーカスし続けて、ローカルサーファー のカヘア・ハートや、今は亡き佐久間洋之介から多大な影響を受け、そのマインドを継承してるだけあって、ノースショアには強い思い入れがあるサーファーだ。混雑する中から確実に波を捉える姿は、今まで続けて来た事の賜物と言える。クローズ気味の波にテイクオフしダウンザラインに入って行く瞬間で、絶対にミス出来ない瞬間でもある。

進藤晃

すでにベテランの域に達するアキラも20年以上ノースショアに通い続けているノースショア中毒、バレル中毒患者の一人。スタイル、サーフィンスキルのバランスを保ち、独自のスタイルを確立してきた。現在はファイヤーワイヤージャパンをプロデュースし、最新のイクィップメンツを自らテストライドしユーザーへ提供している。大好物のオフザウォールのバレルを味わっている瞬間。

小川直久

ナオも20年以上ノースショアに通い続けているサーファーで、高校生の時にすでにパイプマスターズのトライアイルに出場していて、僕はそれをテレビ放送で見ていたのを覚えている。時とともに状況が変化して行く中でも、ノースショア、パイプラインの存在は譲れないものがある。今年はコンテスト期間内と短い滞在だったが、運良くパイプデイになった数日間ラインナップし、今までにないチャージを見せていた。

関本海渡

カイトはここ数年著しい成長を見せているネクストジェネレーションサーファーの一人で、チューブライドへのチャージはカイトの真骨頂でもある。今年はたまたまステイ先が僕といっしょで、良くも悪くも僕のウォーターショットのテストライダーにさせられていた。カイトの努力は意外なカタチで報われている、ローカルマガジンFREE SURF で見開きショットをスコアした。

抱井暖

ここ数年ノースショアにフォーカスしているダン。70年代後半から80年代前半に現れたサーフヒーローである、ハワイアンローカルのバテンス・カラヒオカラニさんの家にステイしながらサーフィンのスキルを磨いている。ローカルと過ごす事が、このノースショアでどれだけ大きな意味を持つ事なのか ・・・これから身をもって感じる事だろう。朝日と共にバレルに包み込まれる瞬間であり、大自然と一体化した数秒間でもある。

藤村篤

アツシは鎌倉出身、オアフ島エバビーチ在住のアンダーグラウンドサーファーだが、ビックウェーブに対するモチベーションは非常に高い。 今年はカカイダンとともに切磋琢磨し、お互いでプッシュしあっていた姿は頼もしかった。今年はメインステージにフォーカスして著しい成長を見せていた。アツシとダンのコンビは完全にバレル中毒サーファーに覚醒されていた。

中村昭太

今シーズン最も強烈なインパクトを受けたのが、ショウタの身体能力の高さだった。今年はオフザウォールのビーチフロントに構えるビラボンハウスにステイし、目の前のパイプやバックドア、オフザウォールにフォーカスし、タイミングを見てはパドルアウトして、高度なライディングテクニックを見せていた。フロントサイドのチューブライドテクニックもさることながら、パイプラインでのバックサイドバレルでも絶妙なコントロールでメイクしていた。