現地からオーストラリアの最新情報を伝える【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】今回はオーストラリア・ジュニア・サーフィン・タイトルが終了し、2025年のナショナル・ランキング・チャンピオンも確定。オーストラリアン・サーフィンアワードで、デーン・ヘンリーが男子年間最優秀賞を受賞。ISA世界ジュニアでオーストラリア2連覇。
取材、文、写真:菅野大典
12月のゴールドコースト。
夏真っ盛りといった感じで、街ではクリスマスイベントが賑わっており、日中の海にはたくさんの人が集まってビーチライフを楽しんでいます。


波の状況はコンスタントにうねりが入り、サーフィンを楽しめる日が続きました。

学生は長い夏休み。建設、製造、オフィス系の職種はクリスマスシャットダウンとなり2、3週間ほどの夏休み期間。D-BAHには朝から夕方までたくさんの人が集まっています。


サイズのある日にはイーサン・ユーイングが現れ、ものすごいスプレーを飛ばしていました。

D-BAHの反対側にあるレティシアビーチも、この時期は地形もありサーファーが集まるスポット。現在CSランキング3位のオスカー・ベリーがテールハイのエアリバースを何本も決めていました。


自身でシェイプしたサーフボードでマニューバーを描く田中透生。スタイリッシュでありながら攻め攻めのサーフィンはカメラを向けていて魅力的な存在。クラフトマンとしても今後どのようなサーファーとして育つのか楽しみです。
9月から11月にかけてはここ数年で最もよくなかったコンディションと言われるくらい波に恵まれなかったので、12月はサーファーにとって嬉しい月となりましたが、やはりサメの目撃情報は多く聞くので油断のできない日々は続きました。


キャバリタビーチに久しぶりに来てみたら形の良い波がブレイクしていたものの、途中でベイトボールの大群が現れ即座に退散。
ドローンを飛ばしてみたら、このように真っ黒な小魚の群れが大量発生。今年は本当にサメが多く目撃されているので状況に応じて行動しなければなりません。
「ベイトボール(bait ball)」とは、イワシなどの小魚が、サメやイルカ、海鳥といった捕食者から身を守るために海面近くで球状に密集した群れのこと
11月28日から12月5日にかけて、ニューサウスウェールズ州ウロンゴンにて「オーストラリア・ジュニア・サーフィン・タイトル」が開催。
このイベントは、オーストラリアが現在最も力を注いでいる育成世代であるジュニアディビジョン(U18、U16、U14)を対象とした国内最高峰のイベントであり、年間ランキングに大きく影響する重要な一戦。
シリーズで唯一12,000ポイントが与えられる大会で、各カテゴリーの優勝者には国内ジュニアチャンピオンの称号が与えられる、シリーズのクライマックスとされるイベントとなっています。
また、U18とU16のオーストラリア・ジュニア・サーフィン・タイトルの優勝者と、シリーズランキングの優勝者は、オーストラリアのナショナルジュニアチーム”イルカンジス”に選出される、まさにジュニアサーファーにとって最も重要なイベント。

ファイナルデイは北西の風が一日中吹きクリーンな3ftのコンディション。見事U18メンズのチャンピオンに輝いたベン・ザナッタ。
日本ではあまり名前を聞きなれない選手だと思いますが、9月にブラジルで行われたQS4000に出場しジョアオ・チアンカやサミュエル・プーポとのヒートを経て5位という結果を残しているオーストラリアの若手のホープです。

昨年のU14ガールズチャンピオンに続き今年はU16ガールズのチャンピオンと、2年連続の快挙を成し遂げたタイラ・テブ。オーストラリアの育成の流れがきれいに感じとれる初のイルカンジス選出となった。

州対抗戦のステートタッグチームではチームQLDが優勝し、総合優勝もQLD州。個人戦、チーム戦と毎年ながらNSW州とQLD州が拮抗する結果となり、州全体の育成力がそのまま結果に出た形となった。
この大会をもって2025年のジュニアシリーズも終了しナショナル・ランキング・チャンピオンも確定。

2025 Surfing Australia Junior Series 年間ランキング・チャンピオン
U18メンズ:ケイデン・フランシス U18ガールズ:メイカ・ロック
U16メンズ:ロカナ・カレン U16ガールズ:ルーシー・ダラー
U14メンズ:レノックス・リンドセイ U14ガールズ:ナヴァ・ホルムス
U12メンズ:ヘイデン・ミー U12ガールズ:セイジ・フレミング
オーストラリアのサーフィンの歴史に新たに名を刻みました。

国内ではなく国外のニュースですが、12月5日から14日にかけてペルーで開催された世界中が大注目したイベントであるISAジュニア・サーフィン・チャンピオンシップでチームでオーストラリアのナショナルジュニアチーム”イルカンジス”が、昨年に続き総合優勝を果たし見事2連覇を達成しました。
昨年に続き2連覇を達成したイルカンジスチーム。通算で9度目の団体金メダルとなり、同大会で史上最多の優勝回数を誇るチームとなった。



U16ボーイズのファイナルで終了40秒前に掴んだ波で9ptを叩き出し見事な大逆転劇を演出したオーシャン・ランカスター。同ディビジョンに出場したケイデン・フランシス(3位)と共に表彰台に立ち、オーストラリアの総合優勝の立役者となった。
昨年のU16チャンピオンであるジギー・マッケンジーがイベント開始早々に怪我で途中欠場したものの、全選手が活躍し圧倒的な強さを見せたチームオーストラリア。ただ上手いだけでなく大事な場面での勝負強さというのが際立って多くの選手から感じ取れます。
先に書いたジュニアシリーズのシステムもそうですが、今年は改めてオーストラリアのジュニア育成システムが成功しており、強さを感じ取れた年となりました。
ナショナル・ローリング・シーディングという国内シード順位
オリンピックにサーフィンが競技として採用された後にジュニア・ランキングシステムが一気に改善され、ナショナル・ローリング・シーディングという全年齢対象の常に更新される国内シード順位のおかげで、選手は重要な大会に的を絞って出場し、安定して結果を出しているかを見る重要指標となっており、育成と競争が一本の線で繋がっているように感じ取れます。
ISAワールドジュニアでの結果だけでなく、モリー・ピックラムやデーン・ヘンリーといった若手のサーファーがワールドチャンピオンになったり、WSL QSでもオーストラリアのジュニア世代の女子サーファーの活躍が見られたりなど、育成の成果が顕著に表れていました。
オーストラリア男子年間最優秀サーファーに選ばれたデーン・ヘンリー

毎年1年の締めくくりとして行われる、「オーストラリアン・サーフィンアワード」の授賞式で、男子年間最優秀サーファーに選ばれたデーン・ヘンリー。19歳ながら昨年のISAジュニアチャンピオンに続き、ISAチャンピオンに輝くという偉業を成し遂げた。
ただ、ジュニア世代の選手が迷わず突き進めるようなシステムが構築されている一方で、金銭面で苦労している選手も少なくありません。
国を代表する選手でもクラウドファンディングを使って遠征費を集めていたり、CSの上位にいながらもカジュアルジョブとして働きながら世界を転戦している選手もいたりと、本当に特別な選手以外は、苦労している選手もたくさんいます。
大きなゴール設定と広い視野を持つ事が大事
育成システムはすごく成功しているが、CTに何年も君臨してサーフィンがずば抜けてすごい選手というのは、ごく僅かで、サーフィン上手いのは当たり前で、それにプラスして何かなければ、サポートされると言うことは当たり前ではなく、何かあるからサポートされるのは全世界共通になっていると思います。
またどの競技スポーツにも共通する話題ですが、引退後の活動についても選手にとっては重要な問題で、ただ誰かにやらされて目先の大会に勝てる技術や結果を目指すのではなく、大きなゴール設定と広い視野を持つ事は大事な事なのかなと感じます。

2025年 オーストラリア・サーフィン・アワード 受賞者
ハイパフォーマンス部門
◼️年間最優秀女子サーファー :モリー・ピックラム
◼️年間最優秀男子サーファー:デーン・ヘンリー
◼️ステファニー・ギルモア女子ライジングスター賞:
レイハニ・カロハ・ゾリック
◼️ミック・ファニング男子ライジングスター賞:
ロカナ・カレン
◼️女性パラサーファー・オブ・ザ・イヤー
アニー・ゴールドスミス
◼️男性パラサーファー・オブ・ザ・イヤー
ジョエル・テイラー
◼️ヘビーウォーター賞
トム・マイヤーズ
◼️シェイパー・オブ・ザ・イヤー
ダレン・ハンドリー – DHD
◼️年間最優秀コーチ
アダム・ダフナー
◼️サーフィン・オーストラリア・アカデミー賞
マック・ブリンリー
また1970年代から1980年代にかけて、ジャーナリスト、プロモーター、イベントディレクターとして、オーストラリアのみならず世界のプロサーフィン界の発展に大きく貢献したグラハム・“キャシディ氏がオーストラリア・サーフィン殿堂入り。
キャシディ氏は1987年から1994年までASP(現WSL)のエグゼクティブディレクターを務め、現在のワールドツアーの基盤となる階層型競技構造の確立に貢献。1990年代初頭には、ASPと「バド・サーフ・ツアー」の連携を主導し、世界的に認知されるワールド・クオリファイシリーズ(WQS)の創設に貢献した。
https://surfingaustralia.com/winner-crowned-at-the-2025-australian-surfing-awards/
ステファニ・ギルモアたちがCINCAというテキーラをプロデュース。

競技生活から距離をとっていたステファニ・ギルモアをはじめ、ローラ・エネバー、ディミティー・ストイル、ニッキー・ヴァン・ダイク、メイシー・カラハンといったメンバーで、CINCAというテキーラのお酒をプロデュース。
以前はミック・ファニング、ジョエル・パーキンソン、ジョッシュ・カーと言ったメンバーがバルターというビールをプロデュースしましたが、オーストラリア人のサーファーを見ているとフットワーク軽くアクションをしているように感じます。
街も明るくなり活気溢れる雰囲気がある夏のゴールドコースト。新年早々には、夏の風物詩とも呼べる存在となったシングルフィンフェスティバルがバーレーヘッズで行われたり、2月にはクラブワールドチャレンジや日本人QSサーファーにとって重要なQS4000ゴールドコーストオープンが開催します。
今年もゴールドコーストからオーストラリアのサーフィンニュースをお届けします。
菅野大典:オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして、サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、選手の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。
INSTAGRAM :https://www.instagram.com/nojiland/





