五十嵐カノア、未来のサーファーたちと交流イベント「毎日でもやりたい」。ファンとの交流で得た力「来年こそ世界チャンピオン」宣言

今シーズン世界ランキング7位となった五十嵐カノアが、静岡県牧之原市にあるサーフィン施設「静波サーフスタジアム」で子供向けのサーフィンクリニック”KANOA’s GROM SESSION”を開催した。

未来のチャンピオンを目指す子供たちとの交流に、カノアは「毎日でもこういうイベントをやりたい」と満面の笑みで語った。

 

撮影:佐原健司

 

今回はカノアの親友である大野修聖プロもサプライゲストで参加。イベントを盛り上げた
応募は100名を超え、抽選で幸せな16名がこのイベントに参加することができた。
一人一人のライディングをチェックしてアドバスをしたカノア

 

「一番伝えたかったのはマインドのこと」

 

クリニックでは、子供たちのライディングを間近で見た五十嵐選手が、自らアドバイスを送った。「みんなベースがしっかりしていて、これからどんどん上手くなる。自分も刺激になった」と、日本のサーフィンの明るい未来に手応えを感じた様子。

 

 

子供達からの質問コナーもあり、大好きなカノアに自分の思いを伝えた。

 

彼がこの日、最も伝えたかったのは技術的なこと以上に「マインドセット」だったという。「目標設定やマインドのことが一番伝えたかった。自信を持ってもらい、毎日1本1本の波を大切にすること。それを伝えられたと思う」と、トップアスリートとしての哲学を次世代に託した。

 

 

子供達は本当に嬉しそうで、大好きなカノアとプールで貸し切りサーフィン。最高の思い出になったはず

子供達のサーフィンレベルは想像以上に高かった。

 

子供たちとサーフィンを共にし、その笑顔を見る時間は、カノアにとっても格別だったようだ。「子供たちのハッピーな顔を見て、自分もエネルギーをもらえた。本当に幸せな時間だった」と振り返った。

 

静波の波は「練習になる」、来季に向けた手応えも

 

様々な種類の波を出してもらい波に合わせてライディングを披露したカノア
バレルをメイクするカノアに声援を送る子供達

 

世界中の自然の波だけでなく、様々なウェイブプールを経験してきたカノアにとって、静波の波は「本当に練習になる波」と高く評価。「日本にこんなに良い施設があるのはありがたい。新しい技を試すのに最適」と、そのクオリティに太鼓判を押した。

 

カノアも子供たちとシェアした静波の波に笑顔が溢れた

 

また、今シーズンのコンテストを振り返り、「ランキングも上がり、良い年だった」と総括。新たなサーフボード(JS Industries)への乗り換えという変化の中でも、「良いサーフィンを見せることができた」と手応えを語る。

 

「まだボードのセッティングなど課題はありますが、来年のワールドチャンピオンに向けての準備はもう始まっています。これからの5年間が本当に楽しみです」と、力強く来季への意気込みを語った。

 

 

五十嵐カノア、ファンとの交流で得た力「来年こそ世界チャンピオンに」と力強く宣言

 

カノアの初の静波サーフスタジアムでのサーフィンを一目見ようと多くのファンが駆けつけた。集まってくれたファンに手を振るカノア。この静波は今月上旬に竜巻・突風による甚大な被害が発生。被災された人々にも素晴らしいサーフィンでエールを送った。
牧之原市長も会場に足を運び、東京五輪の銀メダリストを歓迎した。

 

今回の日本での活動を振り返り、ファンへの感謝と来シーズンへの熱い意気込みを語ったカノア。大阪でのファンイベントや、かつて好成績を収めた愛知県田原市への訪問など、多忙ながらも充実した日々を過ごした。

 

五十嵐カノア
五十嵐カノア

 

「一番幸せ」ファンとの交流が最大のエネルギー源

 

「日本に来る時が一番幸せです。ファンの皆さんと会えることが、一番ハッピーになる」と、カノアは満面の笑みで語る。各地でのイベントを通じて、ファンから「ポジティブな力をもらった」と振り返り、その声援が大きなモチベーションになっていることを明かした。

彼にとって、ファンとの直接の交流は、次なる戦いへ向かうための何よりのエネルギー源となっているようだ。

 

 

「違う自信が出てきた」来季に向けた“本気”の準備

 

来シーズンに向けて、カノアは「またちょっと違う自信が最近出てきた」と、メンタル面での変化を語る。「以前は少し焦りながら準備をしていた部分もあったけれど、今はもっと落ち着いて、よく考えて準備ができると思う」と、心身ともに充実している様子をうかがわせた。

 

その視線が捉えるのは、ただ一つ「世界チャンピオン」の称号だ。
「来年こそ世界チャンピオンになることがメインのフォーカスです。ファンの皆さんのメッセージのおかげで、毎日高いモチベーションでトレーニングに励んでいます」と力強く宣言。

 

さらに、2028年のロサンゼルス五輪への出場権獲得も視野に入れ、「LAのオリンピックに向けて日本の枠を取る。来年から本当に“本気”が始まります。本当に楽しみです」と語気を強めた。

 

ファンが楽しみにしているカノアのYouTubeチャンネルも11月ごろには再開予定とのこと。もしかすると年内にカノアに会えるチャンスがあるかも。

 

ファンからの熱い声援を力に変え、五十嵐カノアは世界の頂点を目指す。応援よろしくお願いします、という言葉で締めくくられた彼の表情には、確かな自信と決意がみなぎっていた。