Kitaizumi Surf Festival 2024で鈴木仁と池田美来が優勝。JPBAボディボードは近藤義忠と大原沙莉が優勝。

昨年も大成功に終わった福島 北泉のイベント「Kitaizumi Surf Festival 2024 福島復興支援ビーチイベント@南相馬」が、今年は9/16-18 の日程で福島県南相馬市の北泉海岸で開催。

 

 

今年度のイベントも招待制でサーフィンが男子 63名、女子22名が参加。さらにJPBA(日本プロボディボード連盟)ツアーがこの北泉に組み込まれ、トッププロの男子 27名、女子33名が参戦して大会はパワーアップとなった。

 

 

また、週末には子供達のサーフィン教室(小学生〜高校生対象)、乗馬体験、フラダンスショー、キッズダンスに加えて、地域最大の「投げ餅」イベントも併催となり、多くの人が会場に足を運んだ。

 

海外からのゲストは、ショートボードの元世界チャンピオンのジョエル・パーキンソンに元ロングボート世界チャンピオンのハレー・イングレビー。ASP、WSLのヘッドジャッジを担当していたリッチー・ポーターも来日。

 

パーコやハーレーたちによる子供達のサーフィン教室

 

加えて、今年はステージでサーフィンミュージカルの「JUJU」をプレミア上映。制作者のジャリーサ・ヴィンセントとルカ・ラウベンハイマーも緊急来日して華を添えた。また、集まった観客に向けてのサイン会も盛大に行われた。

 

 

さて、今年は4日開催となったこのイベント。会場のコンディションは初日台風からのウネリの残りが入り、ムネカタ、セットで頭ぐらいの波が入っていたものの、日を追うごとにサイズダウン。

最終日はコシハラというサイズ。天気も曇りから雨が降る生憎のコンディションとなったが、海では熱い戦いが繰り広げられた。この4日間でパワーある波から始まって、最後は薄いシャバシャバな波に順応できた選手が勝ち上る結果となった。

 

女子優勝は池田美来

 

池田美来
池田美来

 

まずはサーフィンの女子から。決勝は鈴木莉珠をセミで破った池田美来と、同じくセミで佐藤李をノックアウトしたディフエンディングチャンプの松野杏莉のマッチアップ。サイズダウンの最終日で、引きいっぱいとなる決勝では、池田が早めの勝負に出た。

 

松野杏莉

 

待つのではなく、コツコツとポイントを加算する作戦で松野を追い込む。その松野はセミでエクセレントを出して勝ち上がったこともあり、一発逆転に賭ける。しかし、波がプアーでエクセレントが出せる波が入らず、タイムアップ。池田は初の北泉であったものの、波の変化にも対応して、嬉しい優勝を手に入れた。

 

準優勝となった松野。会場入りしてイマイチ波にフィットしないという状況だったものの毎日練習して、試合で戦いながらの調整でファイナルまで勝ち上がってきたのは立派。悔しい結果となったものの、この経験はこれからのコンペティションで十分役に立つことだろう。

 

池田美来
池田美来

 

「優勝できてとても嬉しいです。福島の北泉に来るのは初めてだったんですが、とても良い波できて楽しい試合でした。これからもQSとか試合は続くので、これからも応援よろしくお願いします。」と池田がコメント。

 

 

男子優勝は鈴木仁。

鈴木仁
鈴木仁

 

続いて男子。こちらは先日の宮崎QS3000で優勝した鈴木仁とベテラン新井洋人の戦い。新井は仕事人の如く点が出る波を選び、確実にポイントを加算していく。鈴木はそれでも焦らず自分のサーフィンで対抗。

 

新井洋人@SF

 

ヒート中盤まで新井がリードするものの、鈴木が得意のエアーリバースでエクセレントの8.17ポイント。さらに、今度は高さのあるエアーリバースもメイクして、これに8.70ポイント。トータル16.87ポイントとして、新井をニード9.70ポイントと追い込む。

 

ここからはもう鈴木の独断場。右に移動してフルローテのエアーにもチャレンジ。インコプリートとなるものの、時間のある限り積極的に仕掛ける。新井はエクセレントの波を待つも時間切れ。鈴木が宮崎QSに続き、栄冠を手に入れた。

 

鈴木仁
鈴木仁@SF

 

「優勝できて嬉しいです。今回はサイズのある波からファイナルデイにかけて落ちて行ったり、様々なコンディションの中でやる中で、それにうまく適応しながら出来たかなと思います。」と鈴木仁。

「今回はサーフィンだけじゃなくて、イベントでは色々なことを楽しくことができて凄くハッピーな気持ちになれました。これからもっともっと福島が、サーフィンが盛り上がっていったら良いなと思いました。」

 

 

ボディボードは近藤義忠と大原沙莉が優勝

 

大原沙莉
大原沙莉
相田桃

 

ここからボディーボード。女子は大原沙莉、西村優花、井上美彌、相田桃の対決。ここは現在、ランキング1位の相田と2位の西村がヒートを引っ張る。実力No.1の大原は1本波を乗ったものの期待する波が来ないのか、終盤まで最下位。

 

西村優花
井上美彌

 

しかし、そこは世界チャンピオンの肩書きどおり、最後の波で大逆転1位にジャンプアップ。スキルがあるだけに待つことができるというお手本のような戦い方での優勝となった。その大原は今シーズンをもって引退を表明。これからは協会や後輩の指導に尽力したいとセレモニーで語り、会場から大きな拍手と声援が送られた。

 

 

大原沙莉がコンペシーンからの引退を表明。

 

「思っていた波が来なくて、試合内容では皆さんを楽しませることが出来なかったんですが初めて北泉で優勝できて嬉しいです。」と試合を振り返った大原。

「前回チャンピオンのを取った日から決めていたんですが、次回のJPBA最終戦をもってコンペシーンから引退しようと思っています。来年からはバックアップできるポジションで協会や後輩の指導に回り、支えるような立場になりたいと思っています。」と次なるステップに踏み出す決意を固めた。

 

 

近藤義忠
近藤義忠

 

粂総一郎
蛭間拓斗
加藤優来

 

男子のファイナルはこちらも現在、カレントランキングの1位の粂総一郎、2位の近藤義忠、3位の加藤優来に7位の蛭間拓斗の戦い。粂と近藤が頭一つ抜けていて、自分でスピードをつけることができるから、演技のバリエーションも豊富。ここはパワー全開で近藤が2本まとめて優勝となった。

 

「このような大きなイベントがなかなかないので、優勝出来て本当に嬉しく思います。」と近藤がコメント。

 

この北泉のイベントは「震災前に開催されていたような大きなイベントをこの北泉海岸でもう一度開催したい」「海を取り囲むライフスタイルのカルチャーやその素晴らしさを子供達に残していきたい」という想いから、地元の有志で行われている。

 

2024サーフパラダイス実行委員会 代表の室原 真二 氏はこのイベントについてこう語る。

 

2024サーフパラダイス実行委員会 代表の室原 真二 氏

 

世界に福島が安全だということを周知したい。

 

「このイベントを開催して、県外からのこの地域の見方が大きく変わりました。この地域に来なかったサーファーの皆さんも足を運んでいただくようになりましたし、新たにこの地域の魅力を知って、また来たいなっていう人もたくさん増えました。

そして、今度はその日本国内だけでなく、世界にもこの福島は安全です。ぜひこの福島に来てくださいということが、私たちが一番やっていきたいことです。この地域をもっと盛り上げて、活性化させていけるようなPR活動ができれば良いなと思っています。

皆さんに伝えたいのは、この地域に一度来てください。私たちの中では自信を持って言える良い場所です。間違いなくここに一回来たら、もう一回行きたいなという地域です。ぜひ、一度足を運んででいただければと思っています。」

 

また、ローカルの西太輔プロはこのイベントを通して、北泉の波を楽しんでほしいと言う。

 

ローカルの西太輔プロ

 

「大きな大会があることでみんなが来てくれるし、活性化につながるかなって思います。このフェスタをきっかけに、もっとたくさんの人に集まってもらって、もっと盛り上げて楽しい大会にしたいです。

今では町組織で移住計画などで人口も増えて、サーファーではない人たちも増えています。僕もサーフィンスクールをやっているので、サーフィンをやったことない人たちも含めて、ぜひ、ここの良い波に乗って、楽しんでもらいたいと思います。」

 

同じく北泉のローカル の佐藤広プロも、この福島、北泉の今を知ってほしいと語る。

 

佐藤広プロ

 

「このイベントのおかげで少しずつ人が戻ってきたという感じです。サーフトリップに来る人も増えています。飲食店とかも増えて、よそから来た若い子らも増えています。浪江なんて特に移住してきて、東京にいた人らが帰ってきて、地元を盛り上げるって飲食店をやる人らが増えています。

だから、来てみて実際に見てください。一度、来てもらえたらこの北泉の素晴らしいところがわかると思います。」

 

 

自分の目で見て、体験すれば、ここの素晴らしさが絶対わかる

 

 

震災から13年。まだまだ復興には時間がかかる。僕らができることはこの福島に足を運ぶこと。実際に来てみれば、ここがどれだけサーフィンにとって素晴らしい場所かわかるだろう。

そして、現在、風評被害の元になっているALPS処理水。これにについてもちゃんと学ぶこと。地元で話を聞くと、福島県内では丁寧な説明が国から行われているが、他県にはニュース等でしか流されていないと言う。

だから、SNSや人の噂話だけで判断せず、まずは自分から情報を取りにいくこと。そして、理解することが大切だ。でも、まずは一度、福島に足を運んでみたら良いと思う。自分の目で見て、聞いて、体験すれば、ここの素晴らしさが絶対わかるはずだから。

 

福島の海の状況・ALPS処理水について知る
https://kitaizumi-surffestival.com/link

 

Kitaizumi Surf Festival 2024 福島復興支援ビーチイベント@南相馬

[サーフィン]

メンズ
優勝:鈴木仁 (賞金¥1,000,000) 
2位:新井洋人(賞金¥ 500,000)
3位:米山珠波瑠、古川海夕

ウィメンズ
優勝:池田美来(賞金¥1,000,000) 
2位:松野杏莉(賞金¥ 500,000)
3位:鈴木莉珠、佐藤李

[ボディボード]

メンズ
優勝:近藤義忠
2位:粂総一郎
3位:蛭間拓斗
4位:加藤優来

ウィメンズ
優勝:大原沙莉
2位:相田桃
3位:西村優花
4位:井上美彌

イベントアンバサダーはジョエル・パーキンソンとハレー・イングレビー

 

[ 開催概要 ]

日程 :10/3 (木)〜6 (日)
会場 :福島県南相馬市原町区北泉地蔵堂248-2(北泉海浜総合公園)
試合形式:サーフィン男女 トーナメント戦
     ボディーボード男女 トーナメント戦
出場選手:サーフィン:男子 64名、女子 32名 フォーマット 
     ボディーボード:男子 32名、女子 32名 フォーマット

主催:2024サーフパラダイス実行委員会
共催:南相馬市 / 株式会社マテリアル
後援:復興庁 / スポーツ庁/経済産業省 / 南相馬市教育委員会 / 一般社団法人相馬野馬追
協力:福島県サーフィン連盟/ NSA福島支部 / JPBA 日本プロボディーボード連盟
企画制作:株式会社マテリアル

大会HP
https://kitaizumi-surffestival.com/

 

3位:佐藤李
3位:鈴木莉珠
3位:古川海夕
鹿児島の米山珠波瑠。競合選手を相手に大健闘で3位入賞。

協賛社のブースでは商品も展示。FCSやSTANLEYでは実際に手に取ってみることができた。

東京電力(TEPCO)ブースや経済産業省のブースも出店。

初参加となったJPBA(日本プロボディボード連盟)ブースでは選手紹介から活動を説明。

今回は地元名産を含め、いろいろなキッチンカーが並ぶ。喜多方ラーメンではチャルメラの音を流してるから、自然と足が向く。

#えぶなみ北泉の「えぶな民」のキャラクターのサタジャが会場でお出迎え。https://evnami-kitaizumi.com/今回の乗馬体験は砂浜ではなく、駐車場側の芝生のところに設置。馬が砂浜だと疲れちゃうからだそうです。 初めてのサーフィン体験のキッズサーフィンスクールにはジョエル・パーキンソンとハレー・イングレビーも参加。サーフボードの上に立てたら歓声が上がり、みんなが笑顔。

今年も「トモダチプロジェクト」では、歌とダンスで会場を魅了。
https://www.tomopro37nouta.com/


BILLABONGサポートによる「JUJU」ミュージカル仕立てだけど、サーフムービーです。上司役にはオッキーも出演。ジャリーサ・ヴィンセントとルカ・ラウベンハイマーが作品を解説。

今回の優勝トロフィーも特製の兜でした。作りが細かい。

朝のモーニングショーは渡辺寛プロと海童氏。

フラダンスは南相馬の「オカピリナ」。サイン会にはジョエル・パーキンソン、ハレー・イングレビーに「JUJU」のジャリーサ・ヴィンセントとルカ・ラウベンハイマーも参加。

会場にいる観客だけでなく、選手、スタッフ、関係者みんなでビーチクリーン。

「投げ餅」は2日間で何と1万個のお餅が投げられた。その餅の中には紙片が入っていて、65インチ、40インチのテレビやNintendo Switch、STANLEYのタンブラー、BILLABONGのバッグ、キャップ、お米など豪華賞品が当たる。

ゲスト、ジャッジ、MC、放映スタッフをはじめ実行委員会の皆様。お疲れ様でしたー!