ウジュン・ボカール、クルイ、南スマトラ/インドネシア(2024年6月2日日曜日)-2024年クルイ・プロ・ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイング・シリーズ(QS)5000イベントは、ウジュン・ボカールの4~6フィートのパンピング・サーフでマッシヴ・パフォーマンスが披露され、最高のコンペティションの1日となった。
男女のクオーターファイナル進出者が決定し、APAC地域の今シーズン最初のQSイベントは、明日ファイナルデイを迎えることになった。
大会6日目は、女子QS5000ラウンドオブ32から再開。手に負えないほどの大きなスウェルは落ち着き、クリーンな4フィートのコンディション。しかし午後から再び新たなスウェルが入り始め、明日は再びバックアップサイトに移動することも検討されたが、選手ミーティングでメイン会場での集合となり、明日、ウジュン・ボカールでファイナルを迎える予定だ。
オージー・ヤングガンのジャービス・アール(AUS)は、クルイ・プロで最高のパフォーマンスを披露し、ラウンドオブ32のヒートで9.77(10点満点)をマークし、さらに2本のマッシブなシングルライドでヒートトータル19.23(20点満点)とパーフェクトに近いスコアを出した。
アールのフロントサイド・サーフィンは鋭く、パワフルなカーブとクリティカルなリップスナップを組み合わせ、爆発的なライディングでこの日を支配した。
元世界ジュニアチャンピオンの彼は、クオーターファイナルで同じオージーのディラン・モファット(AUS)と対戦する。
「ヒートでこんなに波が良かったのは、去年のこのイベント以来かもしれない」とアールは語った。「波はとても良くて、どんどん良くなっている。かなりストークしていたよ。パドルアウトしてセットの波を掴んで、何度かターンをしてビッグフィニッシュを決めた。最後のターンで自分でもびっくりした。その後はすぐにバックアップを取れて、本当に楽しいヒートだった。最後のターンは本当にリッパブルだったので、とにかく自分のターンをプッシュして、いいターンができた。とても興奮している」
女子では、ノースウエスト・ウエスタン・オーストラリア出身で、レッド・ブラフのような波を得意とするコーラル・デュラント(AUS)は、パワフルなロング・レフトハンド・リーフ・ブレイクを得意とし、今日のクルイでもその強さを見せ、若きグーフィーフッターはパーフェクトに近い9.87のシングルライド・スコアをマークした。
このスタイリッシュな若きグーフィーフッターは、リップを攻め、レールで冷静さを見せ、ラウンドオブ16のヒートを支配し、クオーターファイナル進出を決めた。明日もさらに波がデカくなることを考えると彼女の本領が発揮されることとなりそうだ。
本日女子QS5000ラウンドオブ32のH3には馬庭彩、野中美波、中塩佳那が登場。ヒート後半に馬庭が4点台を2本揃えてトップに躍り出たが、ヒート残り5分で野中がソリッドな2ターンコンボで6.50、中塩も6.00をスコアしてヒートトータル同スコアで野中と中塩がワンツーで勝ち上がった。
「最初に変な波乗ってしまって、リズムが崩れちゃって。スローヒートだったので、波来なかったらどうしようって緊張で疲れました。」と野中が言った。「今日はこの前のR1の時よりも少し分かりにくくて、良い波を探すのが少し難しかったです。」
H5の佐藤李は、シエラ・カー、ページ・ハレブという強豪と対戦し、優勝候補を二人を抑えて、トップ通過の母親が日本人のインドネシアのリディア・カトーともに2位でラウンドアップ。
H7ではパリ五輪の日本代表である松田詩野と都築虹帆が、パイパー・ハリソン、チャーリー・ヘイトリーと対戦。スタートからビッグセットが入り、各戦手が素晴らしいパフォーマンスを披露。都築はバックハンドで7.67、松田は6.00をスコア。都築はバックアップを4,83としてヒートをリード。松田は2位につける。
都築は後半に入りビッグセットを掴み、バックアップを5.37まで上げてトップ通過。松田は2位で勝ち上がった。
「最初に7点後半が出せたのは作戦通り良いスタートだったなと思ったんですけど、その後にバックアップを揃えられなかったのが反省点かなって感じです。」と都築。「波も上がってきてドキドキなんですけど頑張ります」
H8では都筑有夢路、芳田花瑚、池田美来が登場。スタートから池田と芳田が爆弾セットにチャージ。芳田がクローズアウトに飲まれてブロークンボード。
都筑は冷静に5.07をスコアしてヒートをリード。池田も4.83をスコアして2位につける。その後に芳田が巻き返してトップに。ロースコアながらクロスヒートの展開となる。
ヒート終盤に差し掛かり、都筑がパワフルなクリティカル・ターンで7.50の高得点をスコアしてヒートをリード。4位だったイザベラ・キャンベルが2位に浮上するも、池田が最後に逆転。都筑1位、池田2位でラウンドアップを決めた。
「波が大きくなってきていると感じました。」と都筑が言った。「自分の決めたプランをやるように。自分は今何をしなくちゃいけないか考えて頑張りました。最初に自分の思った波に乗る。チャレンジする気持ちで前半を過ごして、そのあとはシチュエーションに合わせて、試合を組み立てる。いつも試合の時は、シチュエーションが常に変わるし、無限にパターンがあるから、どれが一番良いか選んで試合しました。」
続いて男子QS5000のラウンドオブ32が開始。H4で森友二は、マーロン・ハリソン、ネイザン・クック、マデ・アリヤナと対戦。森は少し小振りな波ながら、クリティカルなバックハンドターンを3発決めて 5.83をスコアしてヒートをリード。
バックアップを4.57まで上げてリードを広げる。森はさらに残り5分を切ってビッグセットを掴み、2つのクリティカルターンにフローターをコンビネーション。6.50 をスコアして1位でラウンドアップを決めた。
H5では、昨日エクセレントをスコアした好調な伊東李安琉が登場。伊東は、ヒート終盤まで僅かながらヒートをリード。残り5分で逆転されて2位となるも、最後に3位のビリー・ステアメンドが逆転トップに。伊東は3位に押し出されて悔しい敗退となった。
H6で新井洋人は、トップスコア6.37を4.97でバックアップして、ヒートを終始リード。しかし最後の最後に逆転されるも2位でラウンドアップを決めた。
H8で加藤翔平、大音凛太は、優勝候補のジャービス・アールとディラン・モファットと対戦。ジャービスが9.77という大会最高得点をたたき出して圧勝。ディランも7点台を2本揃えて、加藤と大音は惜しくもここで敗退となった。
更にサイズアップする中で引き続き女子のラウンドオブ16がスタート。H1に野中美波、H2に中塩佳那が登場するも惜しくもここで敗退。
H3に松田詩野、池田美来が登場。池田が8.33 と 8.03の2本のエクセレントを揃えて圧勝。松田も6.73と5.97をスコアして2位で勝ち上がった。
「1本最初に5点乗ってから、7点の波は右のやつだったんですけど、そこに波が来ているなっていうのは分かったいたので、それに乗って、そこからリズムがつかめたので、自分のサーフィンも調子良かったですし、良かったと思います。今日もすごくいい波でサーフィンできて、次のラウンドも楽しみ切ります。」
H4では、都築虹帆、佐藤李、都筑有夢路が、コーラル・デュラント(オーストラリア)と対戦。コーラルがパーフェクトに近い9.87 と5.67をスコアして圧勝。都築虹帆はエクセレントの8.17を 6.10でバックアップして2位でラウンドアップ。都筑と佐藤は惜しくもここで敗退となった。
「あの波があんな風にラインナップするとは思わなかった」とデュラントは語った。「プライオリティはあったし、良い波だと思ったし、ラッキーだった。ウォールアップして何度かターンが出来た。日本のガールズを相手にしたタフなヒートだった。彼女たちは素晴らしい。彼女たちとは何度かヒートを戦ってきたけど、ヒート勝利はできなかったから、彼女たちに勝ってクオーターファイナルに進めたのは良かった。自分は長いレフトには慣れているから、コンペで勝てたのは良かったです」。
男子ラウンドブ16では、H2で森友二。H4で新井洋人が登場。
しかしハイスコアを叩き出す強豪オージーの前に敗れ、ファイナルデイを前に姿を消した。しかし、新井、森ともに日本男子最高位の13位。新井は怪我からの復帰戦であり、しかもこのコンディションでの成績は、二人の今シーズンがさらなる活躍が楽しみである。フリーサーフィンのような気分だったという森友二の今後の活躍にも期待したい。
男子クオーターファイナル
女子クオーターファイナル
男子プロジュニア・ファイナル
女子プロジュニア・ファイナル