リップカール・プロ・ベルズ・ビーチで男子のベスト8が決定。五十嵐カノアは9位でフィニッシュ。

五十嵐カノア

ベルズ・ビーチ、ビクトリア、オーストラリア(2024年3月30日土曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2024チャンピオンシップ・ツアー(CT)第4戦、リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ presented by Bonsoyの大会3日目は、再びウインキポップに舞台を移し、ワールド・トップが2~4フィートのクリーンなウェイブを堪能。イースターの週末に男子のラウンドオブ32とラウンドオブ16が終了。ベスト8が決定した。

 

 

大会3日目、惜しくも敗退した世界チャンピオンたち」

 

コール・ハウシュマン(USA)© WSL / Ed Sloane
コール・ハウシュマン(USA)© WSL / Aaron Hughes

 

コール・ハウシュマン(USA)は、リップカール・プロ・ベルズ・ビーチでクオーターファイナル進出を決め、エリートレベルでの最高の結果を手にした。

ハウシュマンは、ラウンドオブ32で3度のWSL世界チャンピオンに輝いたガブリエル・メディーナ(BRA)に終了間際の土壇場で勝利。

 

五十嵐カノア© WSL / Aaron Hughes
五十嵐カノア© WSL / Ed Sloane

 

そしてラウンド・オブ16では五十嵐カノア(JPN)と対戦。フィンフリーでテールを巧みにスライドさせるテクニックで得点を稼ぐカノアは、ヒート前半をリード。

 

しかし、クリティカルなバックハンドの連続リエントリーで8.67のスコアをしたハウシュマンが逆転トップに。ニード7.98と追い込まれたカノアもラストウェイブで起死回生のエアリバースをメイクするが7.33と僅かに届かず。惜しくも今大会は9位でフィニッシュとなった。

 

勝ち上がったハウシュマンはクオーターファイナルで昨年のイベント勝者であるイーサン・ユーイング(AUS)と対戦。今回見せたフォームが勝利のガキとなるだろう。

 

五十嵐カノアがラウンドオブ32を勝ち上がり、ミッドシーズン・カットのクリアが決定。リップカール・プロ・ベルズ・ビーチ

 

「ベルズで良い成績を残すことは、常に僕の目標でした。」と語ったハウシュマン。「多くの歴史がある代表的なイベントであり、自分のサーフィンに合うウェイブだと思うので、ファイナルズ・デイに残れて興奮しています。

まだ自分には、大きな結果が必要なので、あと数ヒートは勝ち上がりたいですね。僕にとって、あのヒート(メディーナ戦)は大会で勝利することよりも夢のようなものでした。10歳か11歳の頃のインタビューで、ギャビーが一番好きなサーファーだと話していたから、最高レベルのサーファーとヒートを戦えるなんて夢のようです。」

 

ケリー・スレーター© WSL / Aaron Hughes

 

マーガレット・リバーで優勝出来なければ、これが最後のベルズになるだろう

 

ラウンドオブ16に進出したバロン・マミヤ(HAW)は、11度のWSL世界チャンピオン、ケリー・スレーター(USA)のリップカール・プロ・ベルズ・ビーチでの戦いに終止符を打った。スレーターはベルズでの初優勝から30周年となる記念すべき日に好調に見えたが、マミヤがこの対戦で最高の波を見つけ、スレーターは敗退し、ウエスタン・オーストラリア・マーガレット・リバー・プロにフォーカスを移した。

 

ケリー・スレーター© WSL / Ed Sloane

 

「これが最後のベルズになりそうだ。マーガレット・リバーで優勝出来なければ、これが最後のベルズになるだろう」とスレーターは言った。

「とにかくエンジョイして、楽しみたいんだ。ベルズに来るのはいつもマジカルだ。何十年も来ている。ワールドツアーにフル参戦した最初の大会だった。一番印象に残っているのは、ベルを鳴らしたときだ。自分の家にベルがあるのは名誉なことだし、幸運にも4勝することができた。

このイベントではいい成績を残したかった。このようなイベントを楽しみ、人々、友情、思い出を楽しみたいんだ。ここで優勝した選手たちの名前を見ると、その多くが僕のヒーローで、サーフィン界の偉大な選手たちがこの大会で優勝している。

僕はマーガレッツをありのままに楽しむつもりだし、プッシュしすぎるつもりはない。今までの人生にとても感謝している。このキャリアは本当に楽しかった。どうなるかはわかりませんがワイルドカードで2、3回登板するよ。」

 

スレーターを下したマミヤだったが、ラウンド16で好調のジェイク・マーシャル(USA)に敗れた。

 

ケイド・マトソン(USA)© WSL / Ed Sloane
ケイド・マトソン(USA)© WSL / Aaron Hughes

 

コール・ハウシュマン(USA)と同じサンクレメンテ・ローカルで2024年CTルーキーのケイド・マトソン(USA)もCTで最高の結果を残し、クオーターファイナル進出を決めた。

ラウンドオブ32で、元ベルズ優勝者で2度のワールド・チャンピオンに輝いたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を下したマトソンは、ウインキポップで良い流れを掴み、2本の波で勝ち上がった。

更にマトソンは、ラウンドオブ16でヤゴ・ドラ(BRA)をウィンキポップのロング・ウォールでの印象的なパフォーマンスで下した。

 

グリフィンがウインキポップで兄弟対決を制す

 

グリフィン・コラピント(USA)クロスビー・コラピント© WSL / Aaron Hughes (USA)

 

ラウンドオブ16のヒート5ではコラピントの兄弟対決となり、グリフィン・コラピント(USA)が弟のクロスビー・コラピント(USA)を下した。

ポルトガルではグリフィンが優勝、クロスビーが同率3位と、兄弟ともに好成績を収めたばかりで、エリート・レベルでの初対決に期待が高まった。

 

グリフィン・コラピント(USA)© WSL / Ed Sloane
クロスビー・コラピント(USA)© WSL / Ed Sloane

 

ウィンキポップではハイタイドで波がスローダウンし、ベストウェイブの戦いとなったが、グリフィンの経験が光り、フィン・フリーのラディカルなレイバックスナップでこの対戦のシングル・ハイエストをマークした。

「僕が彼に勝ちたかったというより、クロスビーが僕に勝ちたかったんだと思うよ」とグリフィンは語った。「僕らの両親がこのコンテストに来てくれたのはとても素晴らしいこと。波がスローになったのは残念だったけど、楽しかった。」

「お互いに互角に戦いたかったと言ったところかな。パドルバトルが盛り上がった時は『よし、やるぞ、こいつはヤバイ』って感じでした」と語ったクロスビー。

「もっとヒートを重ねることができればいいんだけど……。というのも、あのヒートはちょっと後味が悪かったですね。でも、いい波でヒートできれば、もっと楽しくなるはず」。

 

サンクレメンテのヤングスターがフォームを見つける

 

ジェイク・マーシャル(USA)© WSL / Aaron Hughes

 

グリフィン・コラピント(USA)、コール・ハウシュマン(USA)、ジェイク・マーシャル(USA)、ケイド・マトソン(USA)の4名がクオーターファイナル進出を決めた。

マトソンとハウシュマンはミッドシーズン・カット・ライン付近をウロウロしており、クオーターファイナル進出はマーガレット・リバー・プロに向けたランキングに欠かせない。マーシャルは、ベルズでのクオーターファイナルの結果は、カット入りを確定させ、シーズン後半戦の出場権を確保した。

 

和井田リオ(IND)© WSL / Ed Sloane
和井田リオ(IND)© WSL / Aaron Hughes

 

和井田リオ(IND)もカイオ・イベリ(BRA)を抑えて勝利し、クオーターファイナル進出を決めた。今日はイベリにとって今年最高の成績となったが、カットをクリアしツアーに留まるためには、マーガレット・リバーでもう1度しっかりとした成績を残す必要がある。

競技が再開されると、クオーターファイナルのオープニングマッチでは、元CTコンペティターで怪我人代役のモーガン・シビリック(AUS)と親友のマシュー・マクギリブレー(RSA)が対戦する。

 

 

リップカール・プロ・ベルズ・ビーチ Presented by Bonsoy
男子ラウンドオブ32結果:
HEAT 6:リアム・オブライエン(AUS)13.00 DEF. ラムジ・ブーキアム(MAR)12.30
HEAT 7:コール・ハウシュマン(USA)14.27 DEF. ガブリエル・メディーナ(BRA)13.77
HEAT 8:五十嵐カノア(JPN)14.64 DEF. ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)13.90
HEAT 9:グリフィン・コラピント(USA)15.57 DEF. タリー・ワイリー(AUS)11.73
HEAT 10:クロスビー・コラピント(USA)14.47 DEF. ミゲール・プポ(BRA)13.53
HEAT 11:バロン・マミヤ(HAW)11.37 DEF. ケリー・スレーター(USA)10.10
HEAT 12:ジェイク・マーシャル(USA)12.73 DEF. フレデリコ・モライス(POR)11.17
HEAT 13:ケイド・マトソン(USA)12.00 DEF. ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)10.10
HEAT 14:ヤゴ・ドラ(BRA)14.03 DEF. イアン・ジェンティル(HAW)13.50
HEAT 15:和井田リオ(INA)14.07 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)11.43
HEAT 16:カイオ・イベリ(BRA)12.77 DEF. ジョーディ・スミス(RSA)11.73

男子ラウンドオブ16結果:
HEAT 1:モーガン・シビリック(AUS)13.50 DEF. ライアン・カリナン(AUS)12.27
HEAT 2:マシュー・マクギリブレイ(RSA)13.50 DEF. サミュエル・プポ(BRA)12.44
HEAT 3:イーサン・ユーイング(AUS)15.77 DEF. リアム・オブライエン(AUS)14.33
HEAT 4:コール・ハウシュマン(USA)14.37 DEF. 五十嵐カノア(JPN) 13.73
HEAT 5:グリフィン・コラピント(USA)11.67 DEF. クロスビー・コラピント(USA) 4.67
HEAT 6:ジェイク・マーシャル(USA)14.17 DEF. バロン・マミヤ(HAW)8.74
HEAT 7:ケイド・マトソン(USA)14.00 DEF. ヤゴ・ドラ(BRA)12.80

 

男子クオーター・ファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:モーガン・シビリック(AUS)対マシュー・マクギリブレー(RSA)
HEAT 2:イーサン・ユーイング(AUS)対コール・ハウシュマン(USA)
HEAT 3:グリフィン・コラピント(USA)対ジェイク・マーシャル(USA)
HEAT 4:ケイド・マトソン(USA)対和井田リオ(INA)

ウイメンズ・クオーターファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:ジョアン・ディフェイ(FRA)対エリー・ハリソン(AUS)
HEAT 2:ソイヤー・リンドブラッド(USA)対ブリサ・ヘネシー(CRC)
HEAT 3: キャロライン・マークス(USA)対 タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)
HEAT 4:ケイトリン・シマーズ(USA)対ガブリエラ・ブライアン(HAW)

 

ライブを見る

リップカール・プロ・ベルズ・ビーチ、 Presented by Bonsoy は、2024チャンピオンシップ・ツアーの次の開催地である。大会は3月26日に開幕し、2024年4月6日に閉幕する。大会の模様は、WorldSurfLeague.com、無料のWSLアプリ、WSLのYouTubeチャンネルでライブ放送される。

 

https://www.worldsurfleague.com/events/2024/ct/199/rip-curl-pro-bells-beach/main