波、サーファー、風景が一体となった透明感のある作品、ウォーターショットによる色鮮やかな写真は、臨場感に溢れていた。
サーフィンを愛し、海を愛し、伊豆を愛し、ハワイを愛したサーフィンフォトグラファーの土屋高弘が、旅立って一月余りが経ち、彼がこの世に居ないことが未だに信じられない気持ちだ。
そんな日本が世界に誇るウォーターカメラマンである故・土屋高弘さんを偲び、彼の愛した故郷の海にてお別れの会が開催される。
土屋高弘さんお別れの会
開催日 12月16日土曜日
開催地 下田市吉佐美大浜海岸
開催時間 11:00〜
また12月8日発売のサーフィンライフ2024年1月号には、土屋高弘氏の追悼特集が掲載される。
ウォーターショットの残像
日常の普通のなかにある特別なことを切り取る 卓越したセンス、 色鮮やかな写真や数々のウォーターショットを残した Ta こと土屋高弘氏が逝去。 伊豆・吉佐美大浜を拠点とし、サーフィンフォトグラファーとして長年に渡り活躍した故・土屋 高弘氏。
小学生から独学で学んだ一眼レフ・フィルムカメラ、写真学校へと通うことなく現場の叩き上げで覚えたスタジオ撮影。こと大好きなサーフィンにおいてはランドからの撮影でもウォーターショットでも構図や光など全てのバランス、色彩どれをとっても類稀なるセンスを発揮しサーフィン界に大きな功績を残した。今回、彼の地元伊豆で撮影された代表的な写真を紹介する。
T.TSUCHIYA/土屋高弘 静岡県下田市出身で、85年よりマリン企画の月刊サーフィンライフ誌スタッフフォトグラファーとして多くの作品を残した。そして、その後シニアフォトグラファーとなり、シャープでクリアなカメラアイが多くのサーファーのハートをつかんだ。
1991年宮崎で開催されたWSLイベント(当時ASP)に世界のトップサーファーが集結。そこに台風からの巨大スウェルがヒットして、これまで誰もサーフィンしたことのないリーフに、とてつもない波がブレイク。
それは役者と完璧な舞台が揃った、世界のサーフィン史に刻まれる一大セッションとなった。その一部始終を土屋高弘はウォーターショットで捉え、トム・カレンの水中は世界を震撼させ、土屋高弘の遺作となり、その場所はカレンズ・ポイントと呼ばれるようになった。そして、まさに伝説と呼ばれるべく、この波は語り継がれていく。
この日の写真は多くのカメラマンからランドショットが編集部に届いていたが、当時の編集長であった藤原氏は土屋高弘の写真のみで特集を組む決断をした。それは藤原氏の土屋高弘に対する信頼感と愛情が感じられる瞬間だった。この一冊は自分にとって忘れられなものとなっている。