ラグンドリ・ベイ、ニアス、インドネシア(2023年9月17日日曜日)和井田リオ(INA)とフィリッパ・アンダーソン(AUS)は、ラグンドリ・ベイの3~4フィートの素晴らしい波で行われた2023年ニアス・プロQS5000で優勝した。
午前中に行われたクオーターファイナルでは、アンダーソンがラージでクリーンなバレルをメイクして10ポイント(10点満点)をスコアするなど、多くの選手がパンピング・バレルを披露する1日となった。
和井田とアンダーソンは、それぞれのファイナルの序盤で、タリー・ワイリー(AUS)とペイジ・ハレブ(NZL)をコンビネーションに追い込み、ワイリーとハレブがイベント序盤で素晴らしいパフォーマンスを見せたにも関わらず、圧倒的なワンサイドゲームのファイナルとなった。
今回唯一のチャンピオンシップ・ツアー(CT)サーファーであり、トップシードである和井田リオ(INA)。しかし23歳の東京2020オリンピアンは、ファイナルデイまでピークを待ち、イベントを通して徐々にヒート・トータルを伸ばして行った。
セミファイナルのオスカー・ベリー(AUS)との対戦では、パーフェクトに近い19.00(20点満点)をマーク。イベントを通して和井田は、勝つことが目的ではなく、自分の能力を最大限に発揮することが目的であることを明言。そして、彼を応援しようと集まった地元のギャラリーの大歓声の中、彼は最高の演技を披露したのだった。
「どう説明したら良いのか分かりませんが、ニアスに来て、そして今日、ファイナルでニアスが素晴らしい波、誰もが夢見る波を見せてくれて本当に嬉しいです」と和井田。
「ファイナルでは、少し緊張していたかもしれません。多くのギャラリーを見て、自分のベストを出さなければならないと思いました。リプレイはまだ見ていないんだけど、もっと勉強して、もっと良くなっていかないといけないけど、自分の演技には満足しています。」
「こんなにたくさんの人が集まってくれて本当に感謝しています。」と和井田は続けた。「たくさんのサポーターがいることに本当に感謝していますし、もちろん私の国、インドネシアを代表して、たくさんの地元の人たちが『リオよ、私たちのためにやってくれ!』と言ってくれました。
彼らは、オーストラリアの人がこの大会で優勝しているから、インドネシアの人に優勝してほしいと言ったんです。自分のサーフィンを誇りに思うし、本当に感謝しています」
フィリッパ・アンダーソン(AUS)とペイジ・ハレブ(NZL)は、10年以上一緒に戦っているにも関わらず、今日まで一度も一緒にファイナルを戦ったことがなかった。ハレブは2日連続で女子最高得点を記録し、昨年のイベントの優勝者であるため、連覇が期待されていたが、南アフリカ出身のアンダーソンが2019年以来のQS優勝を果たした。
クオーターファイナルでエリー・ハリソン(AUS)を10ポイント・バレルで下したアンダーソンは、セミファイナルではイベント・スタンドアウトのロジー・スマート(AUS)を抑えてファイナル進出。
ファイナル開始早々にアンダーソンは7.00をスコア。その後すぐに8.33をスコア。一方、ハレブは波をコンプリートするのに苦戦し、他のヒートで見せた8点台のライディングを出せずに精彩を欠いた。この勝利でアンダーソンは、オーストラリア/オセアニアQSランキングで早くも首位に立った。
「イベントで優勝するのは久しぶりです。」と涙を流してアンダーソンが言った。「とても嬉しいです。怪我から復帰したペイジと優勝を分かち合えるなんて、本当に嬉しい。ペイジも怪我から復帰したし。チームも家族も、この5年間が長かったこと、その間にいろいろなことがあったことを知っているし、本当に感謝しています。毎年我慢し続けて、クルイで5位になって、水の中でも外でも一生懸命頑張ってきた。言葉を失うほど嬉しいです。
「最初にペイジに、”超シリアスでいくのか、それともおしゃべりできるのか?” って言ったら、彼女は “おしゃべりはできるけど、シリアスにもなるよ” って感じだったわ」とアンダーソンは笑った。
「私はバトルを待ち望んでいて、最初にスコアを揃えました。私は何をすべきかわかっていたし、不運なことに、彼女はあそこでちょっとしたショックを受けていました。『私は何をやっているの?私は4と3よ』って。
でも、私たちが長い間競い合ってきたという点で、親友のひとりとその瞬間を分かち合うことができたのは本当にうれしいことです。彼女がプッシュしてくれたのは、彼女がバックハンドで大きなターンができることを知っていたから。だから、私は自分のプレーを貫くことができた。とても感謝しています」
このイベントで3位となったロージー・スマート(AUS)、フレイア・プリュム(AUS)、オスカー・ベリー(AUS)、ジャック・トーマス(AUS)は、それぞれキャリア・ベストのQSリザルトを獲得し、準優勝のタリー・ワイリー(AUS)も同様に、2024年チャレンジャー・シリーズへのクオリファイに向けて貴重なポイントを獲得した。
伊東李安琉が5位でアジア・ランキング・トップに。
QS5000男子クオーターファイナルで、日本の伊東李安琉が、インドネシア初のCTサーファーの和井田リオと対戦。ヒートは和井田がカービングのコンビネーションで6.33をスコアして開始。続けてカービングからインサイドでバレルをメイクし7.50をスコア。
それに対し伊東は、ビッグセットにテイクオフ。テイクオフからそのままバレルにプルイン。見事にメイクして見せて8.33のエクセレントをスコア。和井田もロングバレルで9.07をスコア。バレル祭りとなる。
優先権を持った伊東はニードスコア8.25を出せる波をじっくりと待つ。そのスコアを出せるテクニックを思っている伊東は、再び物凄いビッグバレルをメイク。8.67をスコアして、和井田と伊東のトータルスコア17.00でタイスコアとなる。
しかし、ベストスコアを持つ和井田がリード。伊東のニードスコアは8.34。
この素晴らしいコンディションでの戦い。和井田もCTサーファーの意地を見せたいところ。残り時間は5分を切りセットを待つ二人。優先権を持った和井田は、ラストウェイブで8.90までバックアップを伸ばし、リードを広げ、そのままタイムアップとなった。
今回惜しくも敗れたが、CTサーファーと互角の戦いを見せ、今大会で5位となった伊東李安琉は、2,282ポイントを獲得。トータルポイントが6987ポイントとなった伊東は、3位からトップにジャンプアップ。ついにWSLアジアQSランキングのトップに躍り出た。
ワールドレベルのサーフィンを披露した伊東は、今後の日本のサーフィン界をリードしていくサーファーの一人であることを証明した。本当に今後の活躍が楽しみだ。
池田美来、都築虹帆が5位
女子のクオーターファイナルではH1で池田美来、H2で都築虹帆が登場。
池田の対戦相手となったオーストラリアのコフスハーバーのジュニアサーファーである18歳のロージー・スマートは、ビッグセットを掴んで見事なマニューバーを披露。9.43 と 8.17という驚愕のスコアで手も足も出ない池田を圧勝。
H2で都築の対戦相手は、昨年のニアスの優勝者である元CTサーファーのベテラン、ペイジ・ハレブ。今大会も好調なサーフィンを披露するハレブも8.33のエクセレントを6.17でバックアップして、圧勝となった。
これで池田と都築は今回5位でフィニッシュ。QS5000で2,282という高ポイントをゲットした。
今回のニアスが終わり、松岡はトップを維持。9位となった脇田紗良がランキング2位に浮上し、都築虹帆が3位ヘアップ。池田未来も7位へランキングを上げた。
今回も素晴らしい波で行われたQS5000のニアスプロは見応えのあるパフォーマンスが繰り広げれ、素晴らしい幕切れとなった。次回の試合が楽しみだ。がんばれ!日本!
男子ニアス・プロ
優勝:和井田リオ(INA)
2位:タリー・ワイリー(AUS)
3位:オスカー・ベリー(AUS)、ジャック・トーマス(AUS)
女子ニアス・プロ
優勝:フィリッパ・アンダーソン(AUS)
2位:ペイジ・ハレブ(NZL)
3位:ロージー・スマート(AUS)、フレイア・プリュム(AUS)
男子ニアス・プロジュニア
優勝:矢作紋乃丞
2位:岩見天獅
3位:ウインター・ヴィンセント
4位:ジャービス・アール
女子ニアス・プロジュニア
優勝:川瀬心那
2位:エラ・マカフレイ
3位:都築虹帆
4位:佐藤李
QS5000オフィシャルサイト:
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/qs/181/nias-pro/main