五十嵐カノアは9位でフィニッシュ。大波乱のブラジルCT第8戦。男子ベスト8、女子ベスト4が決定。

五十嵐カノア© WSL / Diz

プライア・デ・イタウナ、サクアレマ、リオデジャネイロ、ブラジル(2023年6月30日金曜日)ようやく試合が再開となった- 2023年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)第8戦「VIVOリオ・プロ Presented by Corona」は大会2日目が終了し、女子のセミファイナル進出者と男子のクオーターファイナル進出者が決定した。

 

 

グリフィン・コラピント(USA)、フィリッペ・トリード(BRA)、ジョアオ・チアンカ(BRA)のランキングトップ3が早々に敗退する波乱の展開。そして、5度のワールド・チャンピオンに輝いたカリッサ・ムーア(HAW)が、WSLファイナル5進出を決めた最初の選手となり、2023年のリップカールWSLファイナルズへの出場が決定。舞台は明日のファイナル・デーに移る。

カリッサ・ムーアがWSLファイナル5のスポットを獲得。

 

現ワールドNo.1のカリッサ・ムーア(HAW)は、WSLファイナル5へのスポットを獲得した最初のサーファーとなった。ムーアの輝かしい2023年キャンペーンは、今シーズンすでに3つのイベントで優勝。今日のクオーターファイナルでベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)を破り、彼女はまた新たな勝利への道を歩んでいる。

 

カリッサ・ムーア© WSL / Smorigo

 

「この後、2つのイベントが残っているので、プレッシャーから解放され、とても興奮している」とムーアは語った。「ファイナルズに出場するために、シーズン終了までにできるだけランキングを上げたいですね。毎年、トレッスルズへの出場が目標で、本当にストークしているし、楽しみにしています」 と語った。

 

クオーターファイナルでの一進一退の攻防で、新星サクラ・ジョンソンはムーアのチャンスを潰しにかかった。7.17(10点満点)のクリティカルなバックサイド・ターンを決めたサクラ・ジョンソンは、ムーアにプレッシャーを与えたものの、試合はタイムアップ。5度の世界チャンピオンに輝いたムーアは、8.83を記録し、再びセミファイナル進出を決めた。

 

現世界ランキング2位のタイラー・ライト、今季6度目の準決勝進出を決める

 

タイラー・ライト

 

カレント・ワールド・ランキング2位のタイラー・ライト(AUS)は、クオーターファイナルでガブリエラ・ブライアン(HAW)を下し、今シーズン6度目のセミファイナル進出を決めた。ライトはそのパワフルなサーフィンをプライア・デ・イタウナの波に見事にマッチさせ、エクセレントに近い7.83を記録した。2度の世界チャンピオンに輝いたライトは、セミファイナルでキャロライン・マークス(USA)と対戦する。

 

「計画通りに行かないことを理解して、自分の考え方に柔軟性を持たなければならないです」とライトは語った。「あのヒートでは、予想外のことが何度もあった。進み続けなければならないし、自分の方向性を知らなければならない。ここブラジルでは順応性が重要で、多くの仕事をこなさなければならない。結果は結果であり、唯一の反省点は、いかに自分のプロセスに集中するかということです」 と語った。

 

 

新星キャロライン・マークスとケイトリン・シマーズがランキング上位に食い込む

 

キャロライン・マークス

女子クオーターファイナルの最高得点のひとつ、エクセレントスコア8.33をマークしたのは、爆発的なフロントサイドターンを連発したキャロライン・マークス(USA)だった。彼女は5.83を追加し、ピーターソンのニードスコアをより高く押し上げた。ピーターソンにはもう1度チャンスがあったが、彼女の6.10は7.17にわずかに届かなかった。

ケイトリン・シマーズ© WSL / Smorigo
ケイトリン・シマーズ© WSL / Diz

今日最後のヒートは、CTルーキーのケイトリン・シマーズ(USA)とCT2年目のモリー・ピックラム(AUS)という2人の若い選手が登場した。僅差の戦いとなったが、土壇場でシマーズが6.83をスコアしてピックラムを下した。このヒートは、現在ランキング7位のシマーズにとって重要なヒート勝利となり、トップ5に返り咲く可能性が出てきた。

リプレイスのジャドソンが現在1位のグリフィンとフィリッペを下す。

 

ジャドソン・アンドレ

 

怪我人代役出場の元CTサーファーのジャドソン・アンドレ(BRA)は、メンズのラウンドオブ16でディフェンディング・イベント優勝者で現世界ランキング2位のフィリッペ・トリード(BRA)を敗退させる大番狂わせを引き起こした。

 

ヒートの大半をトリードがリードしていたが、3分経過した時点でアンドレが5.17をマークし逆転。トレドは過去3年連続でこのイベントを制しており、彼の早期敗退は番狂わせとなった。さらに残念なことに、トリードは最後のトライで転倒し、怪我を負い、治療を受けることになった。

 

負傷したフィリッペ・トリード(BRA)© WSL / Diz
現在ランキング1位のグリフィン・コラピント(USA)

 

アンドレは、エリミネーション・ラウンドで現在ランキング1位のグリフィン・コラピント(USA)を下し、今日も重要なヒート勝利でスタートした。アンドレは、ソリッドな7.00でオープニングを飾り、試合中ずっとリードしていた。コラピントはヒート終了間際にベストスコアの5.23をスコアしたが、条件を満たすには十分ではなかった。コラピントが過去3大会でファイナルに進出できなかったのは今回が初めてである。

 

 

「ブラジリアンが大観衆の前でサーフィンをするのは特別なことです。」とアンドレが言った。「怪我人代役だから、最初からトップシード選手と対戦することはわかっていた。サーフィンを楽しみ、ヒートに勝つことを目標にする絶好の機会だった。このイベントに勝ったような気分だよ」 と語った。

 

 

ワイルドカードのプポが世界チャンピオンのメディーナと現在3位のチアンカを下す

 

ワイルドカードのサミュエル・プポ(BRA)

 

ワイルドカードのサミュエル・プポ(BRA)も、現在世界3位のジョオ・チアンカ(BRA)と3度の世界チャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)を倒し、クオーターファイナル進出を決めた。プポは今年初めのミッドシーズン・カットでCT継続を逃したが、今日、世界の強豪と互角に戦えることを証明した。プポはクオーターファイナルでライアン・カリナン(AUS)と対戦する。

 

オーストラリアのイーサン・ユーイングとライアン・カリナンは、難しいコンディションの中、クラッチ・パフォーマンスでクオーターファイナル進出を決めた。現在4位のユーイングは、絶好調のセス・モニーツ(HAW)に対し、ライトハンダーを活かして6.83をスコア。

 

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / Smorigo

 

2度のワールド・チャンピオンに輝いたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、同じハワイアンのイアン・ジェンティルとのラウンドオブ16の対戦を制した。フローレンスは、ラウンドオブ16で最も高いヒートトータル14.17(20点満点)をマークし、彼らしいバラエティとスタイルを披露した。

 

バロン・マミヤ(HAW)は、ラウンドオブ16でワールド・チャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)を下して、今シーズン3度目のクオーターファイナル進出を決めた。間宮は今季まだセミファイナルに進出しておらず、今大会でようやく突破することを期待している。

 

また、レオナルド・フィオラバンティ(ITA)とヤゴ・ドラ(BRA)もクオーターファイナルに進出を果たしている。

 

五十嵐カノアが9位でフィニッシュ。

 

五十嵐カノア© WSL / Diz

 

コンディションが目紛しく変わる中で行われた男子エリミネーション・ラウンドでコナー・オレアリー(AUS)やリオ・ワイダが敗れる中、日本の五十嵐カノアがヒート 8でカラム・ロブソン(AUS)と対戦。

 

マッシーなコンディションのなか、前半にインサイドまでつなぎ6.33をスコアしてヒートをリードするカノア。ヒート終盤にレフトの波を掴み、バックハンドで5.27をスコア。ロブソンも後半追い上げるもそこまで。カノアがラウンドオブ16へ勝ち上がった。

 

試合後笑顔で話しをするカリナンと五十嵐カノア© WSL / Diz

 

間髪入れずに行われたラウンドオブ16のヒート 2では、ライアン・カリナン(AUS)と対戦した五十嵐カノア(JPN)。スタートから得意のレイバックスラッシュで6.93をスコアしたカノア。

終盤にクローズセクションでエアー系の技を仕掛けるもスコアが伸ばせないカノアに対して、カリナンは、この日最もエキサイティングなターンのひとつである、ビッグウォールのポケットに飛び込む巨大なテールスライドを決め7.67をスコア。

ヒート終盤になり、ニード5.58と追い込まれたカノア。残り時間2分でラストウェイブを掴んだカノアは、レイバックスラッシュなどを織り交ぜインサイドまでコンプリート。

 

笑顔で海から上がってきたカノアだったが、スコアはまさかの5.27と僅かに足らず。誰もが逆転と思っていたが、惜しくも敗退となり、今大会を9位でフィニッシュとなった。

 

 

詳細は、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

https://www.worldsurfleague.com/events/2023/ct/73/vivo-rio-pro/main

 

VIVOリオ・プロ Presented by Corona

女子エリミネーション・ラウンド結果(HEAT 3 – 4):
HEAT 3:モリー・ピックラム(AUS)10.33 DEF. ジョアン・ディフェイ(FRA)6.16
HEAT 4:ケイトリン・シマーズ(USA)11.73 DEF. タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)7.66

女子クオーターファイナル結果:
HEAT 1:タイラー・ライト(AUS)13.60 DEF. ガブリエラ・ブライアン(HAW)10.33
HEAT 2:キャロライン・マークス(USA)14.16 DEF. レイキー・ピーターソン(USA)13.10
HEAT 3: カリッサ・ムーア(HAW カリッサ・ムーア(HAW)15.33 DEF. サクラ・ジョンソン(HAW)13.77
HEAT 4:ケイトリン・シマーズ(USA)11.40 DEF. モリー・ピックラム(AUS)10.30

VIVOリオ・プロ Presented by Corona男子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:ジャドソン・アンドレ(BRA)11.30 DEF. グリフィン・コラピント(USA)9.30
HEAT 2:イアン・ジェンティル(HAW)13.50 DEF. コナー・オレアリー(AUS)11.83
HEAT 3:サミュエル・プポ(BRA)12.00 DEF. ガブリエル・メディーナ(BRA)11.00
HEAT 4:バロン・マミヤ(HAW)13.73 DEF. カイオ・イベリ(BRA)10.34
HEAT 5:セス・モニーツ(HAW)7.97 DEF. ジャック・ロビンソン(AUS)6.33
HEAT 6:ジョーディ・スミス(RSA)8.57 DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)6.20
HEAT 7:レオナルド・フィオラバンティ(ITA)11.70 DEF. 和井田理央(INA)9.27
HEAT 8:五十嵐カノア(JPN)11.60 DEF. カラム・ロブソン(AUS)10.27

VIVOリオ・プロ Presented by Coronaメンズ・ラウンド16結果:
HEAT 1:サミュエル・プポ(BRA)10.20 DEF. ジョアオ・チアンカ(BRA)9.27
HEAT 2:ライアン・カリナン(AUS)12.50 DEF. 五十嵐カノア(JPN)12.20
HEAT 3:イーサン・ユーイング(AUS)11.90 DEF. セス・モニーツ(HAW)9.60
HEAT 4:レオナルド・フィオラバンティ(ITA)13.66 DEF. ジョーディ・スミス(RSA)11.76
HEAT 5:ジャドソン・アンドレ(BRA)11.07 DEF. フィリッペ・トリード(BRA)10.40
HEAT 6:ヤゴ・ドラ(BRA)12.67 DEF. リアム・オブライエン(AUS)7.43
HEAT 7:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)14.17 DEF. イアン・ジェンティル(HAW)9.90
HEAT 8:バロン・マミヤ(HAW)11.14 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)7.26

女子セミファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:タイラー・ライト(AUS)対キャロライン・マークス(USA)
HEAT 2:カリッサ・ムーア(HAW)対ケイトリン・シマーズ(USA)

男子クオーターファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:サミュエル・プポ(BRA)対ライアン・カリナン(AUS)
HEAT 2:イーサン・ユーイング(AUS)対レオナルド・フィオラバンティ(ITA)
HEAT 3: ジャドソン・アンドレ(BRA)対 ヤゴ・ドラ(BRA)
HEAT 4:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)対バロン・マミヤ(HAW)