第19回目となるサーフタウンフェスタが、太東海岸と三軒屋海岸で5月20日、21日、盛大に開催された。

文・写真/米地有理子  千葉県いすみ市で第19回目となるサーフタウンフェスタが5月20日、21日に開催された。このイベントは、サーファーが多く訪れる町、サーファーが多く住む町として地域を盛り上げていきたいと、いすみ市サーフィン業組合を中心にしたサーフタウンフェスタ実行委員会、いすみ市、いすみ市体育協会サーフィン部によって開催されている。

 

地元フラダンスチーム「Ke’ ala onaona me ka lehua」
Log Proウィメンファイナリスト

 

新型コロナの影響で2020年は中止となり、2021年、2022年はコロナ禍の中で感染対策を徹底しながら内容を限定して開催されてきた。

 

今回のサーフタウンフェスタの大会としては、歴史ある『Taito Beach Club』がプロデュースするロングボードのコンテスト「Taito Beach Club Classic」、小学6年生までの子どもたちのサーフィンコンテスト「3rd SURF TOWN FESTA KIDS CONTEST 」が太東海岸で、日本プロボディボード連盟による「2023年JPBAツアー第1戦 SURF TOWN FESTA 2023 ISUMI PRO」が三軒屋海岸で行われた。

キッズコンテストの参加者記念写真

 

20日は北東風が吹き、寒い日ではあったが十分に波はあり、太東海岸では「Taito Beach Club Classic」、三軒屋海岸では、「2023年JPBAツアー第1戦 SURF TOWN FESTA 2023 ISUMI PRO」のヒートが着々と進んだ。

 

太東会場には、食べ物やアパレル商品などのブースも並び、全国から集まった熱きアマチュアロングボーダーや地域の人たちで賑わっていた。

 

コースターズ99(ナインティナイン)
2024年パリオリンピックで正式種目となる「BREAKIN」の県内チームによるショーケースが行われた

 

またステージでは外房チアリーディングクラブ「コースターズ99(ナインティナイン)」の子供たちの演技、2024年パリオリンピックで正式種目となる「BREAKIN」の千葉県で活躍するチームの子どもたちによるショーケースや体験会が行われ、多くの人たちがステージ前に集まり、盛り上がりを見せた。いずれも子供たちのパワーに寒さも吹き飛ぶような元気をもらったことだろう。

 

三軒屋会場にも食べ物や物販のブースなどが並び、今年最初のプロ大会に全国から集まった約120名のプロ、アマ選手やボディボードファンが集まり、駐車場もいっぱいになっていた。

 

サーフジャムフェスティバルとのコラボのライブは大盛況

 

太東会場では15時から「サーフジャムフェスティバル」とのコラボでライブイベントが行われ、大会1日目のスケジュールが終盤に差し掛かると共に、各飲食のブースで飲み物や食べ物を手にして、ステージ前へ人が徐々に集まって来た。

 

DJの「WAXMAN」の音楽に会場の人たちは自由に楽しみ、「Muff」や「光風&Green Massive」のライブへと進む中でどんどんステージ前は人が集まり、終演に向かって盛り上がりは最高潮になった。海を感じながらのライブはサーファーをはじめ、海が好きな人たちにとって、コロナ禍で制限があった期間から脱出するような開放感のあるものだったに違いない。

 

 

まだまだ海に居たい気持ちを明日に繋げ、近隣の迷惑にならないように時間厳守でライブは終わり、1日目は無事に終了した。

 

 

2日目の21日は、太東海岸では早朝から、今年3回目となる小学6年生までの子どもたちのサーフィンコンテスト「3rd SURF TOWN FESTA KIDS CONTEST 」、三軒屋海岸ではJPBA 「ISUMI PRO」の2日目がスタート。

 

 

天気は昨日の寒い天候から暖かい天候になる予報で、少しずつ太陽が見え始め、風も落ち着き、波の面も整って来ていた。今回のKIDS CONTESTは出場クラスを、KIDSビギナー(NSA4級レベル)、KIDSプッシュ(NSA5級レベル)とし、コンテストを通じて子供たちがルールとマナーを学び、よりサーフィンを楽しめるようにと開催した。

 

ビギナークラス優勝の藤本真成くん

 

今回もエントリー費は無料で、参加賞として選手たちには昼食のお弁当券とサーフタウンフェスタ特製のビーチタオルが配られた。開会式にはいすみ市市長、いすみ市体育協会会長、県会議員、市会議員などの来賓が出席し、来賓からの言葉の後、江戸川区立第六葛西小学校6年生の佐藤紗羅(さとう さら)さんによる選手宣誓、ライフガード(J-PRO)による準備体操、参加者全員の記念撮影が行われた。

 

キッズコンテストビギナークラス入賞者

 

その後すぐにヒートがスタートし、子供たちが一生懸命波に乗る姿にそれぞれの応援団が熱い声援を送った。またプッシュクラスではサーフボードをプッシュする大人と波に乗る子供の真剣な顔や笑顔が海に輝いていた。そうしてKIDS CONTESTはあっという間にファイナルを迎え、結果は表彰式を待つのみとなった。

 

表彰式では、ビギナー、プッシュ共に入賞者には入賞メダル、いすみ米、白子の玉ねぎが贈られ、ビギナークラス優勝者には自転車もプレゼント。ステージ前に集まった人たちは結果発表に沸いた。最後にいすみ市長、いすみ市サーフィン業組合理事長、サーフタウンフェスタ実行委員長から挨拶があり、第3回のKIDS CONTESTも無事終了となった。

 

 

 

その後、海では「Taito Beach Club Classic」の2日目が行われて、名だたる招待選手も顔を揃え、ヒートもスタート。

 

泉健二氏率いる「波楽バンド」

 

三軒屋海岸で行われたJPBAの「ISUMI PRO」は一足早く終了し、太東会場のステージで表彰式が行われ、三軒屋海岸と太東海岸を繋いでサーフタウンフェスタを彩り添えた。

 

またステージイベントとしては、地元フラダンスチーム「Ke’ ala onaona me ka lehua」によるフラダンス、太東レジェンドのKennyこと泉健二氏率いる「波楽バンド」がオリジナルサーフミュージックを披露。海と音楽とサーフィンの心地よい時間が流れた。

 

Log Proウィメン優勝の田岡なつみ
Log Proウィメン2位の吉川広夏
Log Proウィメン3位の大村結衣
Log Proウィメン4位の原田來愛
Log Proメン優勝の秋本祥坪
秋本祥坪
Log Proメン2位の瀬筒雄太
Log Proメン3位の森大騎
Log Proメン4位の増山翔太

 

そんな中、太東らしいロングボードにふさわしい波が整いながら「Taito Beach Club Classic」もファイナルを迎え、各選手の名演技が観客を魅了した。

 

ヒートが全て終了し、表彰式がステージで行われ、日焼けした参加者の顔が夕方の西日に照らされながら充実した1日を締め括った。

 

今年は新型コロナによる規制がなくなり、コロナ禍前の開放的な雰囲気を取り戻しつつあったサーフタウンフェスタ。海を舞台に繰り広げられる人と人との交流は、年齢も出身も問わずさまざまな人を繋げ、町の未来を明るくすると感じた。今回の経験をステップに来年は20周年ということで、さらに盛大に開催されることが期待される。

 

 

MENSクラス優勝の粂 総一郎 PHOTO/KOJI SEKITANI / JPBA
WOMENSクラス優勝の山下 海果 PHOTO/KOJI SEKITANI / JPBA
三軒屋海岸の会場も盛り上がった PHOTO/KOJI SEKITANI / JPBA

 

 

【各団体の代表者のコメント】

 

前山剛志日本プロボディボード連盟理事長(JPBA)

 

「今年は、以前のように会場にブースが立ち並び、多くのギャラリーも来場し、とても盛り上がったイベントとなりました。全てのヒート終了後には、選手、ギャラリーの皆様のご協力によりビーチクリーンを行い、海岸を綺麗にしてお返しすることが出来ました。スポンサー各社、関係者の皆様には心より感謝申し上げます。来年は、サーフタウンフェスタも第20回となる特別なイベントです。JPBAもパワーUPして戻って参ります。」

 

瀬筒雄太Taito Beach Club副会長

 

「『Taito Beach Club Classic』は 『Taito Beach Club』のクラブ員が運営する大会で、プロたちもがっつり顔を揃えて運営し、全国各地からロングボーダーが集まります。毎回違う試みがありますが、今回は去年よりアマチュアのヒート人数を減らして、プロのマスタークラスを実施する試みがありました。それから別開催だったキッズコンテストと合同で開催ということも初めてでした。

 

1日目の土曜日は天候が良くなかったのですが、2日目の日曜日は晴れて波が良くなるという予報だったので、日曜日のゴールに向けてみんなで頑張ろうとイベント2日間を通してエネルギーが表に出た形でよかったと思います。終わり良ければ全てよしという感じです。」

 

山田裕之サーフタウンフェスタ実行委員長

 

「この度はサーフタウンフェスタ2023へのご協力ありがとうございました。毎年波に恵まれ、最高のコンテストを開催できていることに感謝致します。来年は20回目を迎えます。サーフタウンフェスタを通して海でのルール、マナーや安全対策を学べる場として開催したいと思っております」

 

中新茂いすみ市サーフィン業組合理事長

 

「いすみ市サーフィン業組合の目的は『サーフィンと地域の振興と発展』で、サーフタウンフェスタは組合発足から続く事業です。海を多くの人たちが楽しむためにはコミニュケーションが必要だと思います。けれどもコロナ過の影響もあるのか、時代ということもあってか、海でのコミュニケーションが少なくなったと感じます。挨拶ひとつでトラブルや事故は減るはずです。

 

幸いにもイベント時にはコンディションに恵まれることが多く、そのたびに参加者のポイントへの想いも強くなると思います。イベントを通じて集まった人たちの交流ができる場になればいいなと思っています。今年で19回目、続けて行く意義を感じた日になりました」

 

 

各大会の結果は各ホームページ等をご参照下さい。

 

⬛︎日本プロボディボード連盟(JPBA)
https://www.jpba.org/

⬛︎Taito Beach Club
http://taitobeach.jp/

⬛︎いすみ市サーフィン業組合
http://surftown.jp/