写真、リポート:山本貞彦 7月最後の31日の日曜日。オリンピック会場となった千葉県一宮町の釣ヶ先海岸(志田下)で、次世代の学生サーファーに向けた「第3回 なみのり甲子園」が行われた。 2019年以来の3年ぶりの開催となる。
昨年からサーフィンの大会が再び開催されるようになったものの、未だ続くコロナ禍。このコンペティションの世界では大きな影響を受け、選手自身も試合に参加する機会は減った。
そこで選手のために少しでも試合を経験してもらおうと、男子は高校生のクラスに中学生クラス、小学生クラスを増設。さらに女子は中高生クラスに加え、小学生クラスと全部で5カテゴリーにしての開催となった。
会場の天気は快晴の猛暑日。波はコシハラでセットムネ。昼が引きいっぱいでバックウォッシュも入るが、特に問題はない。ここのところの地形はレフト中心だったが、ライトも割れるコンディション。ただ、つながり気味なので、波を選んでの演技となった。
今大会の参加人数は100名を超すエントリー。カテゴリーが増えたことで、午前中は2バンクでスタート。1ヒート15分、マキシマムウェーブは8本のベスト2でので進行する。午後にはワンバンクに戻し、プライオリティルールの採用でマキシマムウェーブは無しでの戦いとなった。
第3回「なみのり甲子園」ハイライト映像。
撮影、編集:deltaforce surf
小学生クラス。
このクラスは、来る波来る波に乗りまくりで元気いっぱい。まだ試合経験が少ないこともあり、作戦というよりは良い波に乗って、良い演技をするんだといったところか。
その中でもNSAでも実力を発揮している宇野 雅志(ウノ マサムネ)、女子では石井 有沙(イシイ アリサ)が頭一つ抜け出て優勝。
特に石井 有沙(イシイ アリサ)はバックサイドの3発のリエントリーでエクセレントの8.50ポイントの大会ハイエストスコア。バックアップも7.33ポイントでトータル15,83ポイントを叩き出し、力の違いを見せた。
中学生クラス。
男子は強矢 凛太郎(スネヤ リンタロウ)。やはりNSAでの実績のある強矢が追いすがる石山 汰一(イシヤマ タイチ)を引き離し優勝。
女子は中高生クラスとなり、プロも参加と激しい戦い。やはり、決勝に進んだのはJPSA公認プロの松野 杏莉(マツノ アンリ)、佐藤 李(サトウ スモモ)、江口 彩花(エグチ アヤカ)の3人。ここに飯塚 美空(イイズカ ミク)が、どこまで食い下がれるか。
ファイナルは出だしからリズム良く波をつかんだ松野 杏莉(マツノ アンリ)がポイントを加算。リエントリーでのレールワークも素晴らしく、開始早々で試合を決めた。
出遅れた佐藤 李(サトウ スモモ)も後半にかけ、持ち前のパワフルサーフィンを魅せるが、単調な攻めで点は伸びず。ニードが江口 彩花(エグチ アヤカ)は7.40ポイント、飯塚 美空(イイズカ ミク)が9.40ポイントとなり試合は終了。
松野 杏莉(マツノ アンリ)14歳が、お姉さんプロを押さえて栄冠を手に入れた。
高校生クラス。
第1回、2回と連覇した松原渚生に続くチャンピオンは誰か。こちらもJPSA公認プロの田中 健跳(タナカ ケント)、加藤 賢三(カトウ ケンゾウ)が決勝に駒を進める。これに寺田 文太(テラダ ブンタ)、河野 真ノ彩(コウノ マノア)が待ったをかけれるか。
試合は加藤 賢三(カトウ ケンゾウ)がヒートを引っ張るも、田中 健跳(タナカ ケント)が、バックサイドのキレたリエントリーで7.17ポイント。加藤も責め続けるも、一進一退。田中がバックアップを3.87ポイント出して、トータル11.04ポイントでトップに踊り出る。
残りの3人も点差は無く、十分逆転のチャンスはあったものの無情にもセットは入らず、ここでタイムアップ。これで「第3回なみのり甲子園」の優勝旗は田中 健跳(タナカ ケント)の手に渡った。おめでとう!
スポーツ競技では試合の経験が、その後のアスリート人生を大きく変える。コロナ禍で活動が抑えられた環境の中でも、少しでも経験を積んでもらおうと新たに選手枠を増やした今大会。友人を作り、そして、楽しんで、競い合う。これからもこんな大会が続くことを望みたい。
大会結果 男子
高校生クラス
優勝:田中 健跳(タナカ ケント)/ 大原高校
2位:加藤 賢三(カトウ ケンゾウ) / 一宮商業
3位:寺田 文太(テラダ ブンタ) / 大原高校
4位:河野 真ノ彩(コウノ マノア) / 明聖高校
中学生クラス
優勝:強矢 凛太郎(スネヤ リンタロウ) / 一ノ宮中学校
2位:石山 汰一(イシヤマ タイチ) / 一ノ宮中学校
3位:杢谷 憂人(モクタニ ユウト)/ 舞阪中学校(静岡)
4位:萩上 蓮(オギウエ レン)/ 与野南中学校(埼玉)
小学生クラス
優勝:宇野 雅志(ウノ マサムネ)/ 平岩小学校(宮崎)
2位:関根 大生(セキネ ハルク)/ 一ノ宮小学校
3位:二宮 虎亜(ニミヤ コア)/ 金田小学校(神奈川)
4位:石塚 樹(イシヅカ イツキ)/ 中根小学校
大会結果 女子
中高生クラス
優勝:松野 杏莉(マツノ アンリ)/ 一ノ宮中学校
2位:佐藤 李(サトウ スモモ)/ N高校
3位:江口 彩花(エグチ アヤカ)/ 明聖高校
4位:飯塚 美空(イイズカ ミク)/ 茅ヶ崎高校(神奈川)
小学生クラス
優勝:石井 有沙(イシイ アリサ)/ 千倉小学校
2位:木津 優芽(キヅ ユメ)/ いすみ小学校
3位:伊波 優月(イハ ユヅキ)/ 鵠洋小学校(神奈川)
4位:信 心乃音(ノブ コノン)/ たかね小学校
MCには蛸優樹と田中英義が今年も担当。
午前中は2バンクでそれぞれジャッジ。お昼からはワンバンクで、プライオリティルール採用でパネルも用意。
スポンサーブースのCore Foam Japanでは、Tシャツも販売。
蛸操氏が「これからも次世代のためにこの大会を続けて行きたい。」と閉会式で挨拶。
人気の「Nimo Burger」も出店。腹ペコの選手のお腹を満たす。
https://www.instagram.com/naminori.kousien/