ムーアは2年連続5度目の世界タイトルを獲得、メディーナは3度目の世界タイトルを獲得。歴史的なファイナルデーとなったローワー・トラッスルズで男女のワールドタイトルが同額の賞金(各優勝者は47万ドルの賞金のうち20万ドルを獲得)で授与された。
カリフォルニア州サンクレメンテ、LOWER TRESTLES(2021年9月14日火曜日)カリッサ・ムーア(HAW)とガブリエル・メディーナ(BRA)は、本日開催された世界王者決定戦「リップカールWSLファイナル」の男女それぞれのタイトルマッチで、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)とフィリーペ・トリード(BRA)を破り、2021年のWSL世界チャンピオンとなった。
ローワー・トラッスルズで開催されたこのイベントは、6~8フィートの南うねりの中で行われた、初の1日限りの世界王者決定戦であり、素晴らしいサーフィンが繰り広げられた。
メディーナとムーアは、リップカールWSLファイナルに世界No.1として出場し、3ヒートのうち先に2勝したサーファーが2021年の世界チャンピオンとなるという、ベスト・オブ・スリーの最後のタイトルマッチから出場できるアドバンテージを得た。
カリッサ・ムーアが5度目の世界タイトルを獲得
ムーアは、WSLチャンピオン、世界ランキング1位、そしてオリンピック金メダリストとしてこのイベントに参加し、今回の優勝で彼女のキャリアの中で初めて連続して世界タイトルを獲得。
ムーアは、今シーズンのツアーで最も安定したサーファーであり、7つのイベントすべてで準決勝以上に進出した唯一の人物。5回の世界チャンピオンであるムーアは、2019年のマーガレット・リバー・プロ以降、すべてのCTイベントで3位以上に入賞。
2021年は10シーズン連続で20ヒート以上の勝利を収めており、これはWSL史上最長の連続記録となる。そして、11X世界チャンピオンのケリー・スレーター(USA)、7X世界チャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)とレイン・ビーチリーといったサーファーたちの偉大な記録に次ぐ、世界タイトルの最多記録を保持している。
「長いシーズンで、とても長い1日でした。今日は思ったようなスタートができず、挽回しなければならなかったので、勝てたことが少し嬉しかったです。第1ヒートが終わったときには、もうメルトダウンしそうでした。
自分のベストを尽くし、心の底からサーフィンをした結果、うまくいったのです。世界タイトルを獲得したときに海の中にいたことがなかったので、今回の優勝は特別です。これ以上のことは望めません!」。
ガブリエル・メディーナが3度目の世界タイトルを獲得。
メディーナは今日の勝利により、トム・カレン、アンディ・アイアンズ、ミック・ファニングといった、3つの世界タイトルを持つサーファーの仲間入りを果たした。
WSLチャンピオンシップ・ツアー(CT)で16回の優勝、29回のファイナル進出を果たしているメディーナは、プレッシャーの中で最高のサーフィンをすることに関しては、最も経験豊富なサーファーの一人。
今シーズン、メディーナは自身のキャリアの中で最高のスタートを切り、男子CTの開幕3イベントでファイナルに進出した。
2014年のクイックシルバー・プロ・ゴールドコーストでの優勝以来、オーストラリアでのイベントで優勝しているメディーナは、今シーズンも「リップカール・ナラビーン・クラシック presented by Corona」と「リップカール・ロットネスト・サーチ presented by Corona」で優勝し他の選手に大差をつけた。
メディーナは、2014年に初めて世界タイトルを獲得し、2018年に2度目の世界タイトルを獲得、毎年トップ5に入っている。
トリードの最終決戦では、CTイベントでは2度目となるバックフリップをメイクして9.03をマークして圧倒的なサーフィンで勝利したメディーナ。「これは自分のサーフィンにおける最大の目標でした。」とメディーナがコメント。
「夢を実現するのは簡単なことではありません。これは僕にとって特別な日であり、一生忘れないし、子供たちにも語り継がれる日です。今年は非常に厳しく、精神的にも困難な年でした。忍耐強く、一生懸命にトレーニングをして、自分のサーフィンと向き合い、このタイトルを獲得するために、たくさんのサーフィンをしなければなりませんでした!」
WSLファイナル5はローワー・トラッスルズのソリッド・コンディションでショーを開催
7度のWSLチャンピオンであるステファニー・ギルモア(AUS)は、歴史的なリップ・カールWSLファイナルのオープニング・マッチに登場したが、マッチ1でジョアン・ディフェイ(フランス)に敗退。その後、ディフェイはマッチ2に進むも、サリー・フィッツギボンズ(AUS)に敗退となった。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモーガン・シビリック(AUS)は、男子マッチ1でコナー・コフィン(USA)と対戦。シビリックは好成績を収めたが、コフィンのレールワークとパワーに圧倒された。
コフィンはマッチ2に進み、フィリーペ・トリード(BRA)と対戦。コフィンはこの日最初のエア・マニューバーで試合をスタート。しかしトータルスコア16.57(20点満点中)でトリードがマッチ3に進み、同じブラジリアンであるオリンピック金メダリストで2019年WSLチャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)と対戦した。
トリードは初の世界タイトル獲得を目指してマッチ3に臨み、ダイナミックなパフォーマンスを披露し、フェレイラに勝利した。
トリードは、「今日は準備万端で、自分のサーフィンが、うまくいったことにとても満足しています」とコメント。「パーフェクトな波を待つというプロセスにとても力を入れてきました。忍耐強く、正しい選択をして、自信を持って臨むようにしてきました」。
タティアナ・ウエストン-ウェブ(BRA)は、女子のマッチ3でフィッツギボンズに勝利し、ムーアとのオープニング・ヒートでも勝利するなど、勢いのある状態でタイトルマッチに臨んだ。しかし、ウエストン-ウェブは、5X WSLチャンピオンのパワーに及ばず、初の世界タイトル獲得には至らず、世界ランキング2位でシーズンを終えた。
これで今シーズンのWSLチャンピオンシップツアーが終了。東京オリンピックのイタロの金メダルに続き、最後はメディーナの世界チャンピオンで終焉を迎えた。今シーズンからの新しいフォーマットで、トップ5に残った選手に世界チャンピオンのチャンスが残される形となったが、蓋を開けてみれば結局はメディーナとカリッサというランキングトップの選手がチャンピオンになるという下馬評通りの結果に終わった。
それにしても、今回のファイナルではブラジリアンの時代を強調するものとなった。メディーナ、イタロ、フィリーペ。このブラジリアントップ3の時代はしばらく続きそうなプロサーフィン界である。WSLのブラジルがSNSで公開した以下の表はまさにブラジリアンの時代が2014年から到来したことを指し示している。
リップカールWSLファイナルと2021年のチャンピオンシップ・ツアーのハイライトは、WorldSurfLeague.comをご覧ください。
リップカールWSLファイナルの結果
女子マッチ1:ジョアン・デフェイ(FRA)12.17 DEF. ステファニー・ギルモア(AUS) 6.70
男子マッチ1:コナー・コフィン(USA)15.00 DEF. モーガン・シビリック(AUS)9.84
女子マッチ2:サリー・フィッツギボンズ(AUS)11.33 DEF. ジョアン・デフェイ(FRA) 6.66
女子マッチ2:フィリーペ・トリード(BRA)16.57 DEF. コナー・コフィン(アメリカ)14.33
女子第3試合:タティアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA)13.17 DEF. サリー・フィッツギボンズ(AUS)11.73
男子第3試合:フィリーペ・トリード(BRA)15.97 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)12.44
女子タイトルマッチ、ヒート1:タティアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA)15.20 DEF. カリッサ・ムーア(HAW)14.06
男子タイトルマッチ、ヒート1:ガブリエル・メディーナ(BRA)16.30 DEF. フィリペ・トリード(BRA)15.70
女子タイトルマッチ、ヒート2:カリッサ・ムーア(HAW)17.26 DEF. タティアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA)15.60
男子タイトルマッチ、ヒート2:ガブリエル・メディーナ(BRA)17.53 DEF. フィリーペ・トリード(BRA)16.36
女子タイトルマッチ、ヒート3:カリッサ・ムーア(HAW)16.60 DEF. タティアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA)14.20
詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。