撮影&現地リポート:永島未知子 月曜から始まったスペインでのパンティン・クラシック・ガリシア・プロも本日9月2日(日)が最終日。ともにWSLウイメンズQS6000とWSLメンズQS3000「Pull&Bear Pantin Classic Galicia Pro」のファイナルまでが行われた。
試合がOFFとなった土曜日に比べ波のサイズはアップ、セットで肩ぐらい。朝から気温が上がり、しばし忘れていた夏を思い出せる暑さ。午前中からパンティンビーチにはギャラリーがつめかけた。
大原洋人がQS3000で9位。
そんな様子の中で行われたメンズのラウンド6ヒート1。日本からは大原洋人が出場。波のブレイクポイントはビーチの真ん中あたり。他の選手はビーチから向かって左側にかたまっているが、一人だけ左の方で波待ちをする大原。その大原のところに序盤、波がくるとショルダーが張った続きそうな波を選ぶと、フロントハンド、バックハンドと順調に点数を重ねていく。
ヒート時間も残り10分を切ったころ、波のサイズが急に少しだけ上がり、他の選手のかたまる場所にセットが入った。するとそこに他の選手が反応し、スコアを出していく。
終わってみればそのセットが入ってきた時から試合の流れは代わり、順位は入れ替わり、最後の最後で逆転されラウンドアップならず。大原洋人はベスト16の成績でWSLメンズQS3000「Pull&Bear Pantin Classic Galicia Pro」を終えた。
大原洋人「思ったよりも波がこなくて、その中で決められたと思ったけど、もっとできた事もあったかな、と。終わったあとで思えるのが(途中順位が入れ替わり1位のイーサン・ユーイング)青の選手がプライオリティを持っていたからその波をブロックすることはできなかったけど、(3位につけていたウィスリー・ダンタス)緑の選手が乗ろうとしたときは、このサイズの波なら大丈夫かな、と思ってしまった」
パンティン・クラシック・ガリシア・プロは終了したが、大原洋人の試合シーズンはまだまだ続く。この後はまたアメリカに飛び、ウェーブプールで行われるCT第8戦「Surf Ranch Pro」にワイルドカードで出場する。このことは、パンテインでの大会中にWSLヨーロッパのツアーマネージャーからも耳にした。注目されている。
大原洋人「ウェーブプールなので通常の試合と違い、1人が何本か乗り、その点数の高い人が決勝に進む。そういう試合の流れです。ウェーブプールは自分のサーフィンが試される。楽しみたいです。その「Surf Ranch Pro」が終わったら次は日本に戻り、伊良湖でISA「2018 アーバンリサーチ ISA ワールドサーフィンゲームス」があります。その試合も大事です」
そのISAの最終日にまた移動。QS10000の試合に出るためヨーロッパ、次はポルトガルにやってくる。その後は1ヶ月近くあき、最後のハワイの試合になるということ。大会期間中は試合に勝ち進む限り、オフ日はない。
大原の場合、ONの日が常に続き、それに移動日が挟まれている感じ。移動も国を超えるので時差の問題もある。21歳。若いとはいえ殺人的スケジュールのように想像できるが、本人からすると「そういうもの」のよう。大原洋人のさらなる活躍を引き続き応援したい。
QS6000で3位入賞の前田マヒナはQSランク17位へ。
ウイメンズのQS6000は前田マヒナが大活躍! クォーターファイナルでは8ポイントのエクセレントをスコアすると、CT選手ニッキ・ヴァン・ダイク相手に勝ち上がり、セミファイナルへ進出。
セミファイナルが行われた夕方は波のブレイクが岬横のレギュラーが割れる場所に移動。波選びに苦戦していそうだったが、これまたCT選手のサージ・エリクソンと戦い、結果3位でフィニッシュ。
前田マヒナ「波が難しかった。カレントもけっこう入っている。今日の波はうまく説明できないけど、波の中に“線”が入っていて、自分は(レギュラーの波が)バックサイドだからその“線”がよく見えない。フロントサイドだとそれを見ながら、タイミング合わせてターンができる。そのタイミングがバックサイドだから難しかった。せっかくここまで来ることができたから、あと1つ、欲しかった!」
QS6000で3位の成績は久しぶりという。ここ最近戦績が好調のように思えるが「1コケもあったけど、カリフォルニアのQS6000(6月終わりの「Paul Mitchell Supergirl Pro」)で9位になれたことが自分の中で大きかった。そこから自信が復活した。」
前田マヒナは、このあとすぐモロッコに飛び、9月4日から始まるQS1000「Anfaplace Pro Casablanca」に出場。しかし本人の中には10月に宮崎で行われるQS3000「White Buffalo Women’s Hyuga Pro」のことをすでに意識している。このパンティンでランキングを上げたことで、クオリファイも遠い世界の話ではなくなった。
プロジュニアから数えると約2週間はサーフィン祭りだったパンティン・ビーチ。変化が激しい波、天候に毎日揺さぶられながらも、今年の「Pull&Bear Pantin Classic Galicia Pro」はメンズ勝者はウィスリー・ダンタス(BRA)、ウーメンズ勝者はココ・ホー(HAW)で幕を閉じた。
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・ウイメンズ・ファイナル結果:
優勝:ココ・ホー(HAW)12.70
2位:セージ・エリクソン(USA)11.80
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・メンズ・ファイナル結果:
優勝:ウィスリー・ダンタス(BRA)9.54
2位:カルロス・ムニョス(CRI)4.10
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・ウイメンズのセミファイナル結果:
SF 1:セージ・エリクソン(USA)12.94 def.前田マヒナ(JPN)7.00
SF 2:ココ・ホー(HAW)11.33 def.ペイジ・ハレブ(NZL)7.17
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・メンズ・セミファイナル結果:
SF 1:ウィスリー・ダンタス(BRA)11.67 def.イーサン・ユーイング(AUS)6.67
SF 2:カルロス・ムニョス(CRI)9.10 def.アレホ・ムニーツ(BRA)5.40
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・ウイメンズ/クォーターファイナル結果:
QF 1:セージ・エリクソン(USA)11.06 def.テレサ・ボンヴァロ(PRT)10.87
QF 2:前田マヒナ(JPN)13.00 def.ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)12.23
QF 3:ペイジ・ハレブ(NZL)13.97 def.シルヴァナ・リマ(BRA)10.60
QF 4:ココ・ホー(HAW)15.00 def.ブロンテ・マコーレー(AUS)14.40
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・メンズ・クォーターファイナル結果:
QF 1:イーサン・ユーイング(AUS)12.80 def.レオナルド・フィオラバンティ(ITA)11.77
QF 2:ウィスリー・ダンタス(BRA)15.50 def.ルーカス・シルベイラ(BRA)15.50
QF 3:カルロス・ムニョス(CRI)11.67 def.ガシアン・デラヘイ(FRA)7.50
QF 4:アレホ・ムニーツ(BRA)12.00 def.ジャクソン・ベイカー(AUS)11.54
パンティン・クラシック・ガリシア・プロ・メンズ:ラウンド6結果
ヒート1:イーサン・ユーイング(AUS)12.60、ウィスリー・ダンタス(BRA)11.86、大原洋人(JPN)11.83、ティアゴ・カマラオ(BRA)4.07
ヒート2:ルーカス・シルベイラ(BRA)13.03、レオナルド・フィオラバンティ(ITA)12.86、マテウス・ハーディ(BRA)12.40、カウイ・ヴァスト(FRA)11.17
ヒート3:カルロス・ムニョス(CRI)10.33、ジャクソン・ベイカー(AUS)8.90、アロンゾ・コレア(PER)8.10、ナット・ヤング7.27(USA)
ヒート4:アレホ・ムニーツ(BRA)9.00、ガシアン・デラヘイ(FRA)8.80、アリツ・アランブル(ESP)7.13、アディン・マセンキャンプ(ZAF)5.06
メンズ:http://www.worldsurfleague.com/events/2018/mqs/2786/pantin-classic-galicia-pro
ウイメンズQS:http://www.worldsurfleague.com/events/2018/wqs/2785/pantin-classic-galicia-pro