写真、文:デイブ・スパークス/Rip Curl 翻訳:李リョウ
トム・カレンとメイソン・ホーのふたりが台風を追いかけて日本を訪れた「The Search」のエピソード24「The Typhoon」
第一章
トム・カレンとメイソン・ホーとの旅 。チームとして申し分のない二人と私はチームを組んだ。無邪気で聡明な個性の二人。その一人はトム・カレン、彼の紹介がもしここで必要だとしたら、あなたはこれ以上この文章を読み進める必要はない。50代でありながらいまだに世界中のほとんどのサーファーよりもサーフィンが上手いトム。
彼の相棒はメイソン・ホーだ。パイプラインでのハードなチャージや突き出た岩をオーリーで飛び越えたり、彼のクレイジーなウェブ・クリップは多くのファンを集めている。
メイソンのパフォーマンスで最高なのは試合後のインタビューだ。その純真な性格から放たれるコメントは清々しさがあり、オリジナリティーはプライスレス。「僕はヒートでは一度に一回しか戦わないんだよ」なんて、さらりとコメントしてインタビュアーのロージー・ホッジを混乱させてしまう。メイソンがどんな調子かこれで分かるだろう?
この国の言葉と英語の違いは例えれば砂漠と海。
さて、この島国の文化は誇れるほど古い。この国の言葉と英語の違いは例えれば砂漠と海。まるでアラビア文字のような異質な印象を受ける。この国の家並には前庭があり、そこには超現実的に捻じ曲げられ、調整された木々がある。それは巨大なボンサイ(盆栽)という印象だ。空港から南に進み、トムと合流する間にそんな景色を車窓から見た。
トムは、すでにこの島国に到着している。我々を迎えに来てくれたカイとナル(粟田兄弟)は、ガイドとして言葉の壁や文化の違いを補佐してくれる。もちろん良い波を得るお手伝いもしてくれる。
海は奇妙な模様が入った溶岩が続き人工物のようにも見えた。
トムが滞在しているところまでは1時間ほどの運転で着くようだ。初めて見る海岸線に僕の心は癒された。思い描いていた景色に初めて触れるという感動は何物にも代えがたいと思う。その感動はいままでの旅行で得た喜びの一つだ。
すでにスウェルはヒットしていた。岬とリーフブレイクが、ちらりと見えて私はベストアングルを思わず計算したけれど、長く続くトンネルや深い森に阻まれてその様子を詳しく見ることができなかった。
海岸線には入江や湾がありスウェルのサイズを知るのは難しかった。だがこのような地形は風避けの役割も果たしてくれる。オンショアの風が続くときでもスゥエルの向きと風を読めば良いスポットを見つけ出すことが可能だ。海は奇妙な模様が入った溶岩が続き人工物のようにも見えた。
やがて我々はグリーンマウントのヘッドランドくらいの大きさの島のある砂浜に到着した。その島の先からはサンドバーが続き、長く早いライトの波を作り出していた。今はオンショアだったがポテンシャルの高さは理解できた。
波は物足りなく3フィートほど、でも島の西側はオフショアで6フィートほどの波があった。この波のブレイクしていく間には車ほどの大きさの岩がありボイルが渦巻いていた。メイソンならあの岩をオーリーで飛び越えてくれそうだけれど、しかし彼の到着は今夜だ。
第2章へ続く。
トム・カレン&メイソン・ホー「THE TYPHOON」The Search
協力:リップカールジャパン株式会社:http://ripcurl-jp.com/