取材、写真:李リョウ
サメの事故で片腕を失ったベサニー・ハミルトン。彼女は一本の腕だけでパドルをして波を捕まえサーフボードに立ち上がる。その奇跡ともいえるサーフィンは多くの人々に驚きと感動そして勇気を与えている。健常者でなければサーフィンは無理と誰もが思っていた常識の壁を彼女は突き破った。
2015年より国際的なサーフィン団体ISAの主催により障がい者のためのサーフィン世界選手権「World Adaptive Surfing Championship」 が毎年開催されている。サンディエゴで行われた2016年大会には日本も含む22カ国からの参加があり国際大会にふさわしい規模となった。
この世界選手権への参加を一つの目標として、日本でサーフィンに取り組む、障がい者の人々を、さまざまな角度からバックアップする組織を立ち上げようと声を上げた人物がいる。日本のサーフィン界のレジェンドとして、またテッドという愛称で有名な阿出川輝雄氏だ。この協会の正式名は「日本障害者サーフィン協会(Japan Adaptive surfing organization(JASO))」と呼び、既に一般社団法人としての認可も今年の10月に受けているという。
このJASOの立ち上げを記念してプレス発表が11月18日に東京の八重洲で行われ、代表理事に就任した阿出川氏による挨拶から会が始まった。ちなみに阿出川氏本人も2003年に脳梗塞を患い、それ以来身をもって障がい者と社会の関わり合いを考え続けている。
「日本の障がい者サーフィンの中枢機関として障がい者サーフィンの普及や競技の健全な発展に寄与したい。その理由は身体にハンデキャップを持ちながらもサーフィンを積極的に行っている人が日本には少なくないからです。正確な数字はまだ調査中ですが私が個人的に知るだけでも数十名ほどの障がいを持つ方がサーフィンをしています。
障がい者サーフィンに対する理解度が日本は低いが、将来パラスポーツとして発展する可能性がある。大きな目標としては2024年のパリ・パラリンピック。できることなら私が代表に選ばれるように今からがんばりたい」と阿出川氏がコメント。
このプレス発表会には、いすみ市の市会議員や千葉の県会議員も参加され、この協会の発展にさまざまな面で応援したいという挨拶があった。さらに2016年の世界選手権のスライドショーも上映され、参加者からその規模の大きさに驚きの声が上がった。
今後の協会の主な活動としては今月末にサンディエゴで開催される2017年障がい者サーフィン世界選手権への視察。来年2018年の6月にその世界選手権の代表選考会を兼ねた第1回全日本障がい者サーフィン選手権大会を開催する予定となっている。
一般社団法人日本障害者サーフィン協会の詳しいインフォメーション、問い合わせはこちら。
HP:www.jaso-surf.org もしくは facebook.com/jasosurf