JPSAロング第2戦「一越 湘南七里ヶ浜ロングボードプロ」森大騎と吉川広夏が開幕2連勝

JPSAロング第2戦「一越 湘南七里ヶ浜ロングボードプロ」森大騎と吉川広夏が開幕2連勝 


開幕2連勝の森大騎と吉川広夏

 

 

神奈川県鎌倉市 七里ヶ浜:5月17日(日) JPSAジャパンプロサーフィンツアー2015 ロングボード第2戦「一越 湘南七里ヶ浜ロングボードプロ」は大会最終日。

 

この七里ヶ浜でのJPSAの大会は20年ぶり。その時の優勝は抱井保徳、準優勝は竹中伸一だった。

本日の七里ヶ浜の天候は曇り。薄日も射す。風はオフ。時折、強く吹く。波はコシムネ。セット間隔長い。この湘南、七里ケ浜は潮、風の影響で大きく状況が変化するポイント。

 


 

朝一はセット間が長いながらも、ライダブルな波が来ていた。しかし、試合がスタートすると潮が引き始めた影響で、アウトからインサイドにつなげなくなる。テイクオフするもスピードがつけられないため、流れが入るところでロス。演技するもグダグダになる。男子QF、女子SFまでがこの状況。



引きいっぱいなので、ウエィティング。ここでビーチクリーンが行われた。

 

潮が上げてコンディションは良くなり、男子SFからの試合再開。今までが嘘のように選手は乗る、乗る。それぞれが自身のパフォーマンスを魅せる。ロングボードの格好良さがわかる。

 

畑雄二

 

 

メンズのセミファイナル/ヒート1では、グランドチャンピオンの畑雄二が、安定したライディングを見せてヒートをリード。しかし後半に入り、6.50をスコアして2位だった鈴木剛が、バックアップを5.00に塗り替えトップへ。

 

森大騎

 

 

そして、3位だった森大騎が、バックハンドの巧みなノーズライドとターンのコンビネーションで6.65をスコア。森大騎が大逆転で2位に浮上。3位となった畑雄二は万事休す。鈴木剛と森大騎がファイナルへ勝ち上がった。

 

尾頭信弘

 


ヒート2では、オープニングライドで尾頭信弘がハングファイブを繰り返し5.25をスコア。ヒート中盤に入り、セカンドウェイブを掴んだ尾頭は、ハングファイブに、オープンフェスで大きなカーヴィングターンをミックス。

 

更にインサイドまでハングファイブを繰り返して7.50をスコア。ベスト2ウェイブをまとめてヒートをリード。バックハンドで6.00をスコアした塩坂信康が2位で後半戦へ。


セミファイナルまで勝ち上がった塩坂信康だったが

 

 

一人右側で波を待っていた3位の秋本祥平が、セットのライトを掴みコンプリート。6,50をスコアして大逆転。尾頭とともにファイナルへ勝ち上がった。

 

 

今季2勝目の吉川広夏を止めるのは誰だ。 



ウイメンズのファイナルは、吉川広夏、田岡なつみ、大池裕美子、水口朋香の戦い。

 

圧倒的な強さを見せる吉川広夏


オープングライドをグレイスフルなライディングで決めたのは、昨年のグランドチャンピオンで、今シーズンの開幕戦であるバリ島で優勝した吉川広夏。非常にスムースにボードをコントロールする吉川は、ハングファイブとターンのコンビネーションで5.00のグッドスコアをマーク。幸先の良いスタートを切る。

 

田岡なつみ

 

 

うねりの間隔が長く、なかなかセットが入って来ないなか、再び吉川がライトの波を掴み、4.50をスコア。リードを広げていく。他の選手は思ったような波を掴めず、スコアが伸ばせない。後半に入り、追い上げを開始して2位のポジションとなった田岡なつみだったが、各選手の追い上げもそこまで。吉川広夏がバリ島に続く2連勝を決めた。

 

吉川広夏

 

「今回が七里ヶ浜は3回目だったんですけど、波が分からずにファイナルが終わるまで手探りな状態で、自分のライディングが出来るが不安でした。」と吉川広夏がコメント。

 

 

今シーズンの森大騎は一味違う。2度目のグラチャンへ躍進 


勢いのある森大騎。

 


メンズのファイナルがスタートするころになると、オンショアが更に強まり面を乱し始めた。そして、バリ島の開幕戦で優勝した森大騎がオープニングライドを掴み、レフトブレイクをバックハンドの素晴しいコンビネーションで、6.75をスコア。鈴木剛もすかさず5.00をスコアして森を追いかける。

 

 

優勝目前だった鈴木剛


バックハンドで激しくチャージする鈴木剛は、バックアップを4.25に塗り替えてトップへ躍り出る。ファイナル唯一のレフトハンダーである尾頭信弘も、フォアハンドで5.00をスコアして、追い上げる。秋本祥平は試合中に、シングルフィンから2+1のパフォーマンス系ボードにボードチェンジ。そして再度ボードをシングルフィンに戻す秋本祥平は、板を選び切れないようだった。

 

最後はボード選びに迷いがあったか秋本祥平

 

残り時間10分を切り、1位の鈴木と2位の森が波を取り合い、先のセットを鈴木がゲット。辛抱強く波を待っていた森大騎が、次のレフトブレイクを掴んだ。これで明暗が分かれた。鈴木はバックハンドで何とかインサイドまで繋ぐ。

 

 

長いハングファイブを決めて大逆転した森大騎

 

 

一方、森大輝はテイクオフと同時に、非常に長いバックハンドのハングファイブをメイク。そこからカーヴィング、リエントリーとコンプリート。そのライドは7.75となり、ついに鈴木剛を捕らえて森大騎が大逆転。そしてトップを争う二人の前には最後まで波は入らずに試合終了。勢いに乗る森大騎が今シーズン2戦連続の勝利を決めた。


 


「勝ちたいという気持ちよりも、楽しんでサーフィンがしたいという気持ちだったんですが、それが勝利に繋がって嬉しいです。ファイナルは気合いを入れてボードショーツで入ったんですけど、思ったよりも寒くて足が硬直していたんです。それでも良いパフォーマンスが出来て良かったです。これからもグランドチャンピオンになれるよう頑張っていきますので、応援宜しくお願いします。」と、森大騎が勝利者インタビューに応えた。

 

次回のJPSAロングボードツアー第3戦は7月4日(土)~5日(日)同じ湘南の辻堂海岸で開催予定だ。

 

取材、写真:山本貞彦

 

オフィシャルサイトではライブ中継が行われます。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/

サーフメディアは現地から最新情報をお伝えします。お楽しみに!https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

ライブ中継はこちら。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/

 

 

男子

優勝:森大騎
2位:鈴木剛
3位:秋本祥平
4位:尾頭信弘

女子

優勝:吉川広夏
2位:田岡なつみ
3位:小池裕美子
4位:水口朋香

 

 

吉川広夏。
朝の練習で板の選択で悩む。
シングルで行くか、シングルスタビライザーで行くか。

SFでのこと。
シングルで入るものの、パドルアウトの時にフィンをぶつける。
そのまま試合を続けるも今までと違う感覚。
波がボコボコとした感じなので、シングルスタビライザーに板を代えるという判断。
これが功を奏し、辛くもラウンドアップでファイナルへ。


試合終了後、シングルの板を見ると、フィンの位置が後ろにズレていた。
これではバランスがズレて、ノーズには行けないはずだ。
やはり早い判断、機転が利いた勝利だろう。

その後、試合ウェイティング中も一人練習する姿が。
聞くとこの七里ケ浜ポイントのクセが難しいからと。

この真摯な想いが今回の勝利につながった。
今期2連勝。昨年の最終戦からの3連勝というのは当然の結果。


森大騎も同じく今期2連勝。昨年の最終戦からの3連勝。

森大騎の連勝は、尾頭信弘がシェイプした板が援護射撃したことは間違いない。
田岡なつみも同じく尾頭がシェイプする。

選手として自身も結果を残すとともに、ライダーの希望に合わせたシェイプできる才能は素晴らしい。

今回好調でセミファイナル進出した阿隅寛典
多くのギャラリーが見守る中、ファイナルデイが行われた。
今回はQFで敗退となった堀井哲
ウイメンズ・シャンパンファイト。