【現地時間2012年4月22日日曜日、プラヤ・ベナオ、パナマ】
パナマのプラヤ・ベナオで開催されていた「ダカインISAワールド・ジュニア・サーフィン・チャンピオンシップ Presented by Billabong(ISA世界ジュニア選手権)」が終了。3つの個人金メダルのうち2つを獲得したチーム・ハワイが、2005年以来初となるチーム・ゴールド・メダルを獲得した。ガールズ・アンダー18とボーイズ・アンダー16では、ハワイ最年少である14才のダックス・マギルとカラニ・デビッドが金メダルを獲得。また、ボーイズ・アンダー18では、イベントで最もダイナミックで革新的なサーフィンを見せていたブラジルのマシューズ・ナヴァロが金メダルを獲得した。
素晴しい晴天のもと迎えたファイナルデイは,4-5フィートのコンディションでスタート。31カ国から300名を越すコンペティターはベスト24に絞られていた。各国の選手は自国のカントリー・カラーを着用して、自分たちの誇り高き国旗を振り選手たちを応援した。
Dax McGill (HAW), Kalani David (HAW) ,Matheus Navarro (BRA) ガールズは3名のハワイアンがファイナル進出
81人のアスリートよってスタートしたガールズ・ディビジョンも、ファイナルを戦う4人のサーファーのうちの3人はハワイアンとなった。「すべてのガールズたちを非常に誇りに思う。私は彼女たちに,遊んでこい。波乗りして、自分たちが出来ることを見せて来いと言ったんです。」と、17年間チーム・ハワイのコーチを務め、今回チーム優勝にハワイを導いたヘイズが言った。
ファイナルの残り時間1分を切り,唯一の無敗のサーファーであったオーストラリアのエリー-ジーン・コフィーが、ミッドサイズのレフトをキャッチ。一連のトップ・ターンを決めて、ファースト・ポジションにジャンプアップした。しかし,その数秒後に、ISA初参加でファイナルで最も若いマギルは、勝利を決定着けるレフトをキャッチ。大逆転で勝利を掴んだ。
ボーイズ・アンダー16でもハワイアンが優勝
エアリアル・マニューバーを得意とするカラニ・デビッドは、最後の2日間で噂のサーファーとなった。乗る波ごとにエアリアルを組み入れた彼のサーフィンは,ヒートスコア13.50をもたらし,彼の金メダルのウイニング・スコアの土台を築いた。「朝、本当に調子が悪くて目が覚めたんです。午前中ずっとビタミンCを飲んで、多くのサーフ・ムービーを見て準備していたんです。」と、デビッドが言った。「僕はスーパーストークしてます。ゴールド・メダルを獲得することは、僕にとって世界を意味します。世界中から集まった選手と戦ったコンテストを僕は永遠に忘れないと思います。」デビッドのゴールド・メダル・パフォーマンスに加え、ジョシュ・モニーツの銅メダル獲得がチーム・ハワイの勝利を決定的なものにした。惜しくも2位となったのは日本の仲村拓久未。そしてコスタリカのノー・マー・マクゴナグルが3位となった。
ボーイズ・アンダー18のファイナルは、チーム・ブラジルが独占
ボーイズ・アンダー18のファイナルには,2名のブラジリアンが入った。それはイベントで最もダイナミックなサーファーであったマシューズ・ナヴァロとデイヴィッド・シルヴァ。それにポルトガルのバスコ・リベイロとオーストラリアのジョシュア・ヘイが加わった。しかし、ファイナルは2人のブラジリアンによるオールスター・パフォーマンスとなり、幾度もトップと2位が入れ替わるポジション争いとなった。
終了間際のバトルで,シルヴァはクローズアウト・セクションでのフローターからのノーグラブのバックサイド・リバースを成功させて9.33をスコア。そのすぐ後に、逆転するために8.3が必要だったレギュラーフッターのナヴァロは、ロング・ライトを見つけると可能な限りの全てのマニューバーを実行。その波でジャッジは彼に8.43を与え、2ウェイブ・トータル16.90で彼をゴールド・メダル・ポジションに押し上げた。「長い1週間でした。ファイナルまでに10ヒート以上戦ったと思いますよ。第2ラウンドで負けて,そこからリパチャージを強いられ,本当にタフな戦いとなりました。でもコーチのひとりが,2007年のポルトガル大会で、ジャドソン・アンドレが同じ状況を勝ち抜いて金メダルを勝ち取った事を教えてくれたんです。」と、ISAワールド・ジュニア・チャンピオンとなったナヴァロが言った。
日本は史上初の5位入賞の快挙。
2010年の10月にニュージーランドのピハビーチにて行われたISA世界ジュニア選手権では、当時アンダー16だった新井洋人が、日本人として初めて ISA世界ジュニア選手権のファイナルに進出し4位入賞を果たし、日本は国別ランキングで10位に入った。そして昨年はペルーで開催され、世界ジュニアのアンダー16で、仲村拓久未が16位に入り、国別ランキングで13位となった。今年は、この新井と仲村の2名の活躍が期待されていたが,期待通りの活躍をしてくれた。
新井洋人は,アンダー16で表彰台に上った経験があるだけに,勝って当然という周囲からのプレッシャーも有ったに違いない。その重圧と戦いながらラウンドアップを続けた新井洋人。悔しい敗退とはなったが、メンタル面でもフィジカル面でも,一回り大きくなった新井洋人を見れたような気がした。あと一歩でメダルだったがアンダー18で6位は素晴らしい成績だと言えよう。また本人のブログにも「もし来年この試合にでれたら、金色のメダルを持ってかえりたいと思います!!」とコメント。その思いを忘れずに再びチャレンジして欲しいと思う。
昨年のリベンジを果たす形で、ついに銀メダルを獲得したアンダー16の仲村拓久未。2010年のニュージーランドで、日本人として初めてISA世界ジュニア選手権のアンダー16で、ファイナ ルに進出し4位入賞を果たした新井 洋人が保持していた記録を塗り替えた。イベントを通して、素晴らしいマニューバーを描き、エクセレント・スコアをマークしていた仲村。ファイナルでも充分に優勝出来る戦いではあったが、惜しくも金メダルは逃した。しかし仲村は次に繋がる素晴しい結果を手に入れた。この世界戦での大きな経験は、タクミだけに限らず、彼らを一回りも二回りも成長させたに違いない。明日の日本のサーフィン界を担うサーファーとして成長していって欲しいと思う。
今回の大会においては、チームジャパンとして個人の上位入賞に加え、国別で8位入賞を目標に掲げていたが,その目標も達成したサムライたち。 年々レベルアップする世界ジュニアではあるが、自分の持てる力を出し切って、日本チーム一丸となって戦った証だと思う。国対抗となるISA において、各国がジュニア選手のサポートに力を入れている状況で,日本も少しずつサポート体制が動き始めている。世界の頂を目指して,がんばろう日本。
◆ガールズアンダー18ファイナル
1位:ダックス・マギル(HAW)12.60
2位:エリー・ジーン・コフィー(AUS)9.20
3位:タティアナW-ウェッブ(HAW)8.53
4位:マヒナ前田(HAW)8.24
◆アンダー16ファイナル
1位:カラニ・デビッド(HAW)13.50
2位:仲村拓久未(JPN)13.40
3位:ノー・マー・マクゴナグル(CRC)11.34
4位:ジョシュ・モニーツ(HAW)11.17
◆アンダー18ファイナル
1位:マシューズ・ナヴァロ(BRA)16.93
2位:デイヴィッド・シルヴァ(BRA)16.83
3位:バスコ・リベイロ(POR)11.77
4位:ジョシュア・ヘイ(AUS)11.37ファイナルISAワールド・ジュニア・チーム・ランキング
1位:ハワイ
2位:オーストラリア
3位:ブラジル
4位:USA5. 日本
6. フランス
7. ペルー
8. ポルトガル
9. サウス・アフリカ
10. ニュー・ジーランド
11. コスタリカ
12. タヒチ
13. アルゼンチン
14. イギリス
15. ベネズエラ
16. バルバドス
17. パナマ
18. メキシコ
19. ドイツ
20. エクアドル
21. ウルグアイ
22. プエルトリコ
23. エルサルバドル
24. スペイン
25. グアテマラ
26. ジャマイカ
27. イタリア
28. チリ
29. カナダ
30. スイス
31. ニカラグア今回も選手をサポートするため、日本サーフィン連盟が派遣したスタッフが現地入りしており、現地同行スタッフによるブログを配信。こちらからチェック出来る。
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U16クラス
村上 舜 (湘南西):33位
野呂 海利 (徳島):81位
仲村 拓久未 (三重):2位
安井 拓海(埼玉南):29位U18クラス
小林 直海(湘南藤沢):17位
山中 海輝(奈良):17位
笹子 夏輝(湘南藤沢):41位
新井 洋人(ASP):6位Girls
田代 凪沙(横浜):31位
野呂 玲花(徳島):16位
岡本 愛菜(千葉東):43位
黒川 日菜子(大阪):19位関連記事