ASPワールド・ツアー第6戦
「クイックシルバー・プロ・ニューヨーク」
2011年9月4-15日 ロング・ビーチ、ロング・アイランド、ニューヨーク
オーウェン・ライトが、ケリー・スレーターを下し、 ワールドツアー初優勝。 優勝賞金30万ドルを獲得した。 |
Owen Wright, $300,000 and 30,000 fans richer today. Credit: Quiksilver Pro/Kirstin Scholtz
【ロング・ビーチ、ロング・アイランド、NY(2011年9月8日)】10万人のファンをビーチに釘付けにした史上最高賞金総額100万ドルの「クイックシルバー・プロ・ニューヨーク supported by vitaminwater 」が終了。21才のオーストラリアン・ルーキー、オーウェン・ライトは、10-タイム・ワールド・サーフィン・チャンピオンのケリー・スレーター(USA)を破り、ワールドツアー初優勝。優勝賞金30万ドルを手に入れた。
クイックシルバー・プロ・ニューヨークのファイナルは、前回タヒチで行われたASPワールド・タイトル・シリーズのタヒチのリマッチとなった。ライトは、ファイナルがスタートすると同時に、クリーンなレフトハンド・ウォールへのフォアハンド・アタックで、7.00、9.23、そして、8.00を次々とスコア。スレーターをあっという間にコンビネーションに追い込んだ。
クオーターとセミファイナル・ヒートで窮地に追い込まれても、決して諦めることなくジョシュ・カー(オーストラリア)とタジ・バロウ(オーストラリア)を下したスレーター。ファイナルでもヒート終盤に、起死回生のレフトを掴み、大技を仕掛けたが、最終セクションでサーフボードが折れてタイムアップとなった。
「最初に友達と家族のことを思い出したよ」と、ライトが言った。「彼ら同様にストークした。彼らのことを考えて、圧倒されたよ。このコンディションは、僕にとってパーフェクトだったね。僕は、ケリーとファイナルを戦うために、できること全てをしようと思った。彼が絶対にファイナルに来ると分かっていたからね。これは先週のタヒチのお返しだよ。でも、僕はサーフィンを始めた時から、ずっとケリーを見てきた。彼は僕に物凄い刺激を与えてくれたんだよ。
この街では一日6時間もブラブラと見て回って歩いていたんだ。これまで見たこともないようなものばかりだったからね。エンパイアステート・ビルディングの最上階までへ行って、地上を見下ろした。セントラル・パークはいくつかの小さな公園なんだなって思った。でも、それはセントラル・フォレストのようだった! 見たこともない大きなものばかり。でもこれがニューヨークなんだね。全てがデカいんだ。賞金、トロフィー、そしてパーフェクトな波。全てが半端じゃない」
スレーターは2位
決勝の前のスレーターは信じ難いフォームだった。惜しくも2位となったが、その姿はライトとのファイナルを大いに楽しんでいるかのようだった。スレーターが、オーウェンの手に入れた場所に初めて立ったのは20年前。ライトは、その年、1才だった。
「オーウェンは初勝利だね。これは彼の一生の思い出になるはずだよ。そんな彼とファイナルを戦えて最高だった。僕は、彼が少なくとも1つのワールド・タイトルを獲得すると100パーセント確信している。彼は基本的にまだルーキーだ。そして、僕の意見としては、彼は多分ツアーで最も均整のとれた選手だと思う。僕は最初の波にテイクオフして、読み誤ったんだ。」
タジとのヒートで:
「おかしいね。他の選手が良い波に乗るまでナーバスになっている。それによって自分が逆転するために何かしなくてはならなんだけど、他の選手が良いスコアを出すと、より楽しくなるんだ。それでそのレベルに導かれる感じ。それで、せき止められていたものが開かれるんだよ。」
スレーターはバロウとのセミファイナル・ヒートで、終了間際までパーフェクトに近いスコアが必要だった。そして、スレーターはクローズアウト・セクションにおいて、巨大なフロントサイド・フル・ローテーション・スロブ・グラブを決めて、イベント唯一のパーフェクト10-ポイント・ライドをスコア。大逆転でファイナルへ勝ち上がったのだった。
タジは惜しくも3位
それは、パワルターンとスカイスクレイパー・エアリアルでギャラリーを沸かしたバロウにとって受け入れ難い敗北だっただろう。「ケリーはパーフェクト10が可能だから、僕は9と7.8を持っていたけど、決して安全だなんて思っていなかった。そして、彼はそれを実行したんだ」と、バロウが言った。「彼は何度もワイルドなエアにトライしていた。でも僕もそうだったけど風が上手く合わなかった。それが決まらないでくれって願ってたよ。でも彼はビッグ・ウェッジを手に入れて、彼の人生におけるベスト・エアを決めたんだ! 彼がどうやったかは分からないよ。残り時間1分。彼にはそれしか勝つ方法がなかった。参ったね。」
優勝候補とされていたジョシュ・カーだったが
絶好調で何度もビッグエアを決めて高得点をスコアしていたジョシュ・カーだったが、クオーターでスレーターに敗れた。とはいえ今回の3位でトップ10入りを果たし世界6位に付けた。「少し残念だね。でも、運命なのかもしれない。」と、カーが言った。「負けたのは悔しいけど、ほろ苦い感じかな。ビッグシティで、ビッグなリザルトを手に入れ、そして、良い波で試合が出来て、多くの人がこれを見てくれたからね。」
アレホ・ムニーツ(BRA)が3位
ルーキーのアレホ・ムニーツ(BRA)は 、クイックシルバー・プロ・ニューヨークを通して素晴しいフォームを見せていたが、ライトとのセミファイナルで惜しくも破れた。とはいえ今回の3位入賞はキャリア初となる。「これは、僕のキャリアのベスト結果です」と、ムニーツが言った。「波は本当にファンでした。自分のヒートに集中することだけを考えていました。ニューヨークは初めてでしたが、最高の旅になりましたね。次のイベントが楽しみですよ。」
クイックシルバー・プロ・ニューヨーク・ファイナル:
優勝:オーウェン・ライト(AUS)は、17.90
2位:ケリー・スレーター(USA)14.53
クイックシルバー・プロ・ニューヨーク・セミファイナル
SF 1:ケリー・スレーター(USA)19.07 def.。タジ・バロウ(AUS)18.33
SF 2:オーウェン・ライト(AUS)14.84 def.。アレホ・ムニーツ(BRA)9.63
クイックシルバー・プロ・ニューヨーク・クオーターファイナル:
QF 1:タジ・バロウ(AUS)14.77 def.。ジャドソン・アンドレ(BRA)14.37
QF 2:ケリー・スレーター(AUS)15.50 def.。ジョシュ・カー(AUS)15.00
QF 3:アレホ・ムニーツ(BRA)12.10 def.。ヘイター・アルベス(BRA)10.10
QF 4:オーウェン・ライト(AUS)12.93 def.。ジュリアン・ウィルソン(AUS)12.44
ASPワールド・タイトル・トップ10(クイックシルバー・プロ・ニューヨーク後):
1. ケリー・スレーター(USA)34950pt
2. オーウェン・ライト(AUS)31,900pt
3. ジョエル・パーキンソン(AUS)30,200pt
4. ジョディ・スミス(ZAF)27,000pt
5. エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)26,750pt
6. ジョシュ・カー(AUS)25,600pt
7. タジ・バロウ(AUS)25,250pt
8. ミック・ファニング(AUS)23,000pt
9. ミシェル・ボウレズ(PYF)20,500pt
10. ジェレミー・フローレス(FRA)19,700pt