JPSA史上初!?6フィートの鴨川マルキポイントを制したのは中村昭太と野呂玲花。

JPSA史上初!?6フィートの鴨川マルキポイントを制したのは中村昭太と野呂玲花。 


中村昭太と野呂玲花

 

千葉県鴨川市、2014年9月28日(日):台風17号からの南東ウネリがヒットし大会会場のマルキポイント。JPSA史上初とも思われる6フィートの鴨川マルキポイントでJPSAショートボード第6戦『ムラサキプロ 鴨川 supported by KAIDO』はファイナルデイを迎え、予定されていたマンオンマンを4人ヒートに変更し、男子のクオーターファイナルからスタートとなった。

 

タイフーンスウェルはマックスまでアップしていた。

 

 

強い北東風が吹き続き、南海上を北上している台風17号からの強い南東ウネリで、クローズアウト寸前のコンディション。ゲッティングアウトにも時間がかかり、各ヒート時間も40分に延長。そんな中でJPSAの歴史に刻まれる素晴しい戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

遥か彼方でブレイクを見せるマルキ

 

 

男子のセミファイナルでは、大野 修聖、田中樹、高梨 直人、大橋海人というメンバーが姿を消す中、男子の決勝は大澤伸幸、椎葉順、中村昭太、加藤嵐が勝ち上がった。

 

ファイナルの40分。肉眼では確認し辛いほど遥か沖にラインナップする4名のファイナリスト。九州宮崎でビッグ・ウェイブのスキルを磨いた椎葉順が、じっくりと時間をかけて ボトムまで降り切ってターンをして4.35をスコアする。中村昭太もフェイドターン気味にボトムを探し、掘れて来るセクションを待って、一気にトップへ。 リップに弾き飛ばされそうになりながらもバックハンドでフルレールのターンを繰り出して、最後はスープに当て込んでコンプリート。そのライディングで7.25をマー ク。スタートからリードをとる。

 

 

中村昭太

 

 

 

大澤伸幸も巨大なレフトにテイクオフ。ハイラインでセクションを抜け、更に際どいセクションでビッグターンを決めるも体勢を崩しワイプアウト。加藤 嵐も凄まじいドロップを見せ、更にミドルセクションからチャージする。大澤伸幸はラストウェイブで5,75をスコアして2位に浮上するも、このハードなコ ンディションで再びゲティングアウトするのは不可能。時間内に2ウェイブを揃えるということも困難な厳しいコンディションで、中村昭太が日本のプロサーフィンの歴史に刻まれるであろう素晴しい戦いの栄冠を獲得した。

 

 

 

2位大澤伸幸
3位:椎葉順
4位:加藤嵐

 

 

 

「ここまで来るのに2年も掛かってしまいました。今年は1コケばかりが続く厳しいシーズンでしたが、やっと今回、多くの友人やサポートして下さって いる人たちの前で優勝出来て本当に嬉しいです。実はこの大会に向けて2週間前ぐらいから、ずっとマルキで練習して来たんです。次の最終戦もマルキで行 われるので、ここで練習を続けるつもりです。次の試合でも優勝出来るようがんばりますので、応援お願いします。」中村昭太


 

 

2年振りの優勝を決めた中村昭太

 

 

 

女子のセミファイナルでは、宮坂 桃子、川邉 聡美、須田 那月、宮坂 莉乙子が敗退するなか、女子のファイナルは、野呂玲花、大村奈央、庵原美穂、谷口絵里菜という今回のイベントで際立ったパフォーマンスを見せていた4名が順当に勝ち上がった。

 

 

野呂玲花

 

 

 

協議を重ね、安全面も考量した上で、メンズの選手がサポートに入り、スタートした女子のファイナル。オープニングライドは大村奈央がゲット。ややミドルなセクションからテイクオフ。形の良いレフトブレイクをインサイドまでコネクトし、5.25をスコア。アウトサイドのピークから野呂玲花がビッグセットにドロップ。カービングのコンビネーションでインサイドまで繋ぎ、6.5ポイントをスコア。バックアップで1.50を持っている大村が僅かにリード。

 

 

2位:庵原美穂

 

 

 

セットが入ると、かなり沖から割れクローズアウト寸前のギリギリのコンディション。ヒートが半分経過しても庵原と谷口はノーライド。そんな庵原美穂がグッドレフトを掴み、深いボトムターンからグッドターンをメイクするもワイプアウト。それでも6.00をスコアする。谷口も続けてテイクオフ。フェイスが開かない波に4.25をスコアする。

 

 

大村奈央

 

 

 

ヒート後半リードを保った大村はインサイドにはまり、延々パドルを続ける。その間に野呂玲花がクリーンなレフトでターンを繰り出し、3.00をスコアして逆転に成功。ゲティングアウトした庵原は、巨大なセットを奧からテイクオフ。しかしスープの前に出られずワイプアウト。その直後、気合いの庵原はミドルから続けてテイクオフ。ターンでインサイドまで繋いだが、ニード3.51で3.40と僅かに足らず。そのままタイムアップとなり、野呂玲花が2012年にプロ公認を得た白浜以来の優勝を手に入れた。

 

 

 

ファイナルは本当に悔しそうだった谷口絵里菜

 

 

本当に嬉しそうだった野呂玲花。

 

「優勝は初めてプロになった時以来です。応援してくれたみんなに感謝です。特に自分が調子が出ない時に、いつも応援してくれていた家族には本当に感謝したいです。」野呂玲花

 

 

 

取材、撮影:山本貞彦

 

昨日と違い朝から台風のウネリがヒット!
風は朝はオフ、昼に一度オンにまわり、
その後サイドとめまぐるしく変わった。

サイズは頭から頭半。でも、セットでダブルも入るコンディション。
JPSA史上、こんなデカイ波でのコンテストは初めてではないだろうか。
6フィートあるとの声も。


ハマるからゲッティングは会場左の岩場から。
でも、練習では田中樹やダレン・ターナーは正面から出ていたけどね。

 

 

満潮は朝の7時。
引きに向かい、ゲットはさらにハードに。
試合開始時にはリスク回避でやはり岩場から。

 

 

怪我から完全復活でファイナルをメイクした加藤嵐

 

 

 

いやー、昨日は波あると面白いと書いたけど、
今日は別物のハードコンディション。

ハードコアなサーフィンの一面が見ることできた。

 

 

和光大はクオーターで敗退。

 

 

 

ビッグウェイブになるとコンテストは、まったく違う趣になる。
誰もが自然に対し、畏敬の念を持つというか。
まずはその波の大きさに圧倒される。

 

 

田中樹はセミで姿を消した。

 

 

 

その大きな波を乗りこなすという行為自体がスゴいことで。
もうプロサーファーに対してリスペクト。
カッコ良かったです。

 

 

怪我からの復帰第1戦でセミファイナルまで勝ち上がった大橋海人

 

 

 

コンディションを考え、マンオンマンは止めて、4人フォーマット。
ヒート時間も変えて20分を40分に。

 

 

波のボトムが見えないので、ジャッジブースかさ上げ。

 

 

 

なんせゲットに時間がかかる。
一度演技を終えるとアウトに戻れないから、一度上がる羽目になる。
ゲット場所の岩場まで戻るのに、選手は走る走る。
まるでトライアスロンのようでハードでした。

 

 

本物を見せた大野修聖

 

 

 

だから、ヒートは40分。
長いと思うかもしれないけど、そんなことはない。
もし、1ポイントで逆転でも、アウトにいなければそれができない。
だから、波を選ぶ。簡単には乗らない。
この戦いもすごくシビアで、見ている分には面白かった。

 

 

須田那月はチャージしたが惜しくもファイナル進出ならず。

 

 

 

そして、今日の女子の決勝。
女子には厳しいコンディションとなったわけで。
ここで運営側、スポンサー、選手と協議。
一時はインサイドでとの提案はあったものの、
最終的には女子選手側が男子と同じフィールドを希望。
その為に、サポートする男子プロサーファーが援護することになった。

 

 

サポートで女子のファイナルには男子の選手がパドルアウト。仲村拓久未

 

 

 

女子には無理かと思われた波。
それぞれが攻めに攻めた。
たぶん限界を超える挑戦だったと思う。

 

 

低迷が続いた自分を支えてくれた家族に感謝を延べ、声を詰まらせた野呂玲花

 

 

 

野呂玲花がインタビューで
「女子のプロサーフィンを盛り上げるために、
みんなで挑戦しました!」と。
正直、感動しました。スゴかったです!

 

 

沿道もビッグディを一目見ようとするギャラリーで埋め尽くされた。

 

 

 

ただ、一つ思ったこと。
大会でこのようなシュチェーションになった時、どうするのか。
事前に運営側と選手で細かい決めごとを作っておくべきだと思う。

 

 

大橋海人

 

 

 

もちろん、臨機応変に対処できればいいわけだけど。
やはり、いろんな言い分を聞いていれば、
試合の進行には時間がかかるわけで。

 

 

大野修聖

 

 

 

 

今回は何とか大会自体は成立したけど、
波がクローズしたり、時間が無くなったりする場合もある。

だから、選手会でも話して意見をまとめ、
それを運営側と事前に話すことが急務かな。

 

 

 

高梨直人

 

 

 

でも、終わってみれば、この大会は本当に面白かった。
感動もあったし、すごく良かった。
大会がどうあるべきかを、思い出させてくれたし。
記憶に残る、いや、歴史的な大会になったと思う。

 

 

みんなお疲れさまでした。
そして、ありがとうございました!

 

昭太!おめでとう!

 

 

気迫が感じられた、今回の中村昭太

 

男子優勝:中村昭太、第2位:大澤伸幸、第3位:椎葉順、第4位:加藤嵐

女子優勝:野呂玲花、第2位:庵原美穂、第3位:大村奈央、第4位:谷口絵里菜

 

 

明日9月29(月)開催されるJPSA「SUPER HEAT 2014 マリブプロ千葉」のヒート表が発表された。2回戦方式にてヒートを行い、各回戦のベスト2ウェイブ、トータルベスト4ウェイブのスコアにより順位を決定する。



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今回もサーフメディアでは現地から最新情報をお伝えしますのでお楽しみに。

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また、今回もライブ中継が行われるので要チェック!

ライブ中継はこちら。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/

 

【Surfing for all がんばろう日本!】
JPSAジャパンプロサーフィンツアー2014 ショートボード第6戦

ムラサキプロ 鴨川
supported by KAIDO

期日:9/25~28
会場:千葉県鴨川市 東条海岸 (マルキ)
特 別 協 賛:株式会社ムラサキスポーツ
協賛:濵田酒造株式会社