大原洋人がASP-WJCで日本人初のセミファイナル進出。3位入賞でプライムへの出場権を獲得

大原洋人がASP-WJCで日本人初のセミファイナル進出。3位入賞でプライムへの出場権を獲得。 


 

ジョアキナ・ビーチ、フロリアノポリス/BRA(2013年11月2日土曜日)ワールドベスト・アンダー21によるASP-WJC「HDワールド・ジュニア・チャンピオンシップ 」大会最終日。日本の大原洋人が、日本人初のセミファイナル進出を果たした。セミファイナルではWCTサーファーのガブリエル・メディーナ(BRA)と対戦し、破れはしたものの日本のサーフィン史上初のASP-WJCで3位入賞という偉業を達成。素晴しいパフォーマンスを披露して、世界のサーフシーンへ、ストロング・ジャパニーズを強くアピールした。

 

 

クオーター前に糟谷修自と作戦を練る大原洋人

 

 

大原洋人は、クオーターファイナルのヒート4で、ダークホースの、ベヒアトゥア・プリュニエ(PYF)と対戦。海の色といい、波といい,映像を見ていると千葉かと思ってしまうコンディション。ホームでリラックスしてサーフィンするかのように、大原洋人はスタートから次から次と波に乗り、波の感触を確かめ、これから始まるバトルのウォームアップをしているようだった。

 

 

プリュニエはレフトの波でリエントリーとカーヴィングのセオリー通りの攻め方で4.67をスコアする。じっくり波を待ったプリュニエは再びレフトでスコアをまとめて、リードを奪う。サーフィンのパフォーマンスでは明らかに大原が一枚上手だった。しかし、プリュニエは的確に技を入れられる波を選んでスコアを重ね、差は少しづつ開いて行く。これが彼の強さなのか。

 

 

クオーターを大逆転で上がってきた大原洋人にヒートでのミスを指摘する糟谷コーチ

 

 

セットが入らないまま、残り時間は10分を切り、大原洋人に必要なスコアは6.31に広がっていた。痺れを切らした大原は、ポジションを左に移し掘れたライトを掴んだ。クリティカルなセクションでのトップターンで4.57をスコアする大原。しかし残り時間2分を切っており、逆転に必要なスコアは4.66。波を探す大原。終了間際、コンパクトなライトを掴んだ大原はホローセクションでのオフザトップと逆サイドから回り込んで来るホワイトウォーターへ向けてビッグリエントリーを決めて5.60をスコア。奇跡の大逆転で、ついにセミファイナル勝ち上がった

 

 

セミファイナルの対戦相手は、WCTサーファーのスーパースター、ガブリエル・メディーナ(BRA)。自国ブラジルということで、家族をはじめギャラリーを味方に付けたメディーナとの対戦は、完全にアウェイの大原にとって不利だ。そんなことは百も承知だが、スタートからいきなりエクセレント。一気に引き離しに掛かるメディーナ。そして、出ましたバックハンドエアーのフルローテーション。WCTイベントでも、見られないほどの凄い高さ。もちろんスコアはエクセレントの9.87。大原洋人は容赦無しのコンビネーション。ヒートはまだ残り時間15分もある。大原洋人もバックハンドで素晴しいフルレールのサーフィンを披露していたが、最後はエアでサーフボードを折るおまけ付。

 

 

 

大差で破れはしたものの、大原洋人にとって、メディーナとの対戦は、WCTのサーフィンを肌で感じる非常に貴重な経験となったはずだ。それに加えて、今回の3位入賞で、来年度の全てのプライムと6スターイベントへの出場資格を獲得した。これは非常に価値のあることで、ASPワールドランキングの上位の選手か、WCTサーファーしか出場することが出来ない獲得賞金、獲得ポイントともに高いプライムに、無条件で出場出来るのだ。これで世界に向けたお膳立ては揃った。あとは大原洋人が自分で道を切り開いて行くだけだ。これからも大原洋人の挑戦は続いて行く。がんばれ!ヒロト!

 

大原洋人。今大会には初の参戦ながら、見事にセミファイナルに進出し、3位という結果。おめでとう!3位になったことで、来年のプライム、6スターイベントの出場権をゲット!マンオンマンでWCT選手のガブリエルと戦えたことは、良い経験となったはず。photo by s.yamamoto

 

「WJCは3位で終わりました。初めてのWJCで良い結果を残せました。また、これからに繋げる良い結果だったと思います。応援してくださった皆さんのおかげだったと思います! 本当にありがとうございました。ガブリエルにはぼこぼこにされたけど、自分がWTに入ったときはリベンジしたいと思います!!
一番感謝したいのは自分をずっとサポートしてくれた糟谷修自さんと修自さんのFAMILYと自分のFAMILYです!本当にありがとうございます!これからよろしくお願いします。応援ありがとうございました。」と自身のブログでコメントした。

 

このエアで板を折るアクシデントに見舞われた大原洋人。
最後までコーチングを続けた糟谷修自。彼の存在が洋人にとって大きなものだった。
セミファイナルで負けたとはいえ、良く戦ったと会場からも拍手が上がった。