大原洋人がQS6,000全豪オープン3位入賞で世界ランキング4位に浮上。メンデスとマニュエル優勝

国際ランキングも4位に浮上した大原洋人
大原洋人 Credit: © WSL / Ethan Smith
大原洋人 Credit: © WSL / Ethan Smith

マンリー、シドニーNSW/AUS(2017年3月5日、日曜日)WSL QS6000「オーストラリアン・オープン・オブ・サーフィン(Australian Open of Surfing)」は大会最終日。昨日のストーミーコンディションから一転、 雨雲が低く垂れ込めるも風は収まりクリーンなコンディションで女子のクオーターファイナルからスタート。

ビーチを埋め尽くしたギャラリー: © WSL /  Tom Bennett
ビーチを埋め尽くしたギャラリー: © WSL / Tom Bennett

セミファイナル進出を果たした大原洋人
セミファイナル進出を果たした大原洋人

昨日、素晴らしいパフォーマンスでラウンド4、ラウンド5を勝ち上がった日本の大原洋人は、クオーターファイナルのヒート3で、カリフォルニア出身の元CTサーファーである、レフトハンダーのナット・ヤングと対戦。昨日のラウンド4で対戦している二人。そのヒートは大原に軍配が上がり、今の大原にとっては恐る相手ではなかった。

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大原洋人はヒート開始早々に、得意のフォアハンド・レイバック・スナップでエクセレントの8.00をスコアしてヒートを開始。セカンドウェイブでは、バックハンドのタイトなビッグスナップを連打して、6.17をスコア。ヒートをリードする。

対戦相手のヤングは全くリズムが掴めずにワイプアウトを連続し精彩を欠く。一方で大原洋人は、その勢いを増し、今回彼をここまで押し上げたと言っても過言ではない、パワフルなバックハンドで素晴らしいビッグリエントリーをシームレスにコネクト。8.77をスコアして、あっという間にナット・ヤングをコンビネーションに追い込んだ。

 

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完全にワンサイドゲームのまま、最後までシチュエーションは変わらず、大原はナット・ヤングに圧勝しセミファイナル進出を決めた。

 


セミファイナルで大原洋人は、ヒート2でブラジルのジェシー・メンデスと対戦。メンデスは前回のニューカッスルのQS6000で2位となった勢いのある強敵だ。

 

 

大原洋人はスタートからバックハンドで4.60をスコア。対するメンデスはクレイジーなブローテール・レイバックからの見事なリカバリーなど、トリッキーな技でチャージする。

 

 

セミファイナルで8.43をスコアした大原洋人
セミファイナルで8.43をスコアした大原洋人

 

大原はそれに対し、完全にフィンを抜くバックハンドのリエントリーを含む、スピーディーでシームレスなコンビネーション・サーフィンでエクセレントの8.43をスコア。トップを奪う。

 

攻撃の手を緩めない大原は矢継ぎ早にライトブレイクにテイクオフ。彼の十八番のカーヴィングで6.50をスコア。リードを広げていく。

 

ヒート後半に入り、優先権メンデスでインサイドの波を掴んだ大原。サイズは足りないものの大原らしいスムースなカーヴィングを織り込んだ見事なライディング。しかし、意外とスコアは伸びず6.17とバックアップを塗り替ることはできなかった。

 

 

フルローテーション・エアをメイクしたメンデス
フルローテーション・エアをメイクしたメンデス

 

そのあとメンデスが優先権を使い、セットの波でフルローテーション・エアをメイク。それはワンマニューバであったが8.00のエクセレント。残り時間10分で逆転された大原洋人が、逆転に必要なスコアは6.57と追い込まれた。だが、それは大原洋人なら十分に逆転できるスコアのはずだった。

 

焦ることもなく優先権を持ち、じっくりとセットの波を待つ大原だったが、それまでの波がピタリと止まり時間だけが過ぎていく。

 

最後に波を掴むも焦りからかレールがスタックしてワイプアウト。そしてタイムアップ。惜しくもここで敗退となった。

 

優勝したメンデス、2位のジュリアン、女子優勝のマリア・マニュエル
優勝したメンデス、2位のジュリアン、女子優勝のマリア・マニュエル、ジョアン・ディフェイ

 

最終的に大原を下したジェシー・メンデスが、ファイナルでCTサーファーのジュリアン・ウィルソンとの激しいファイナル・デッドヒートを制し、大逆転勝利を決めた。女子はハワイのマリア・マニュエルがジョアン・ディフェィを下して優勝した。

 

3位入賞の大原洋人は、世界ランク4位へジャンプアップ!

 

2015年、日本人で初めてUSオープンで優勝するという偉業を成し遂げた大原洋人。それは一気に彼をワールド・ステージに押し上げた。しかし、注目を集める一方で期待通りの結果を続けることはできなかった。

 

そして偉業から2年、大原洋人が世界の桧舞台で再び結果を残した。最後は悔しい敗退となったが、そのサーフィンは輝きを増し、CTサーファーをも粉砕。今シーズンの大原洋人の活躍に期待したいと心から思う、そんなパフォーマンスであった。

 


これで今シーズン2つのQS6000が終了。WSLインターナショナル・メンズ・ランキングは前回の6000での2位に続き、今回優勝したジェシー・メンデスがトップに。そして3位でフィニッシュした大原洋人は、4位へジャンプアップ! シーズン開始から幸先の良いスタートとなった。

 

NSSAに始まり、WJC 3位、USオープン優勝と、日本人として様々な記録を塗り替えてきた大原洋人は、日本のサーフィンの歴史に新たなページを刻む。

 

世界を目指す彼らの活躍を期待し、エールを送り続けたい。頑張れ!日本!

 

オフィシャルサイト:

http://www.australianopenofsurfing.com/

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/mqs/1787/australian-open-of-surfing

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/wqs/1786/girls-make-your-move-womens-pro