JPSA 開幕戦「RONINプロ 海遊 藤本軌道カップ」田中英義、野呂玲花が優勝。 (3/26)

JPSA 開幕戦「RONINプロ 海遊 藤本軌道カップ」
田中英義、野呂玲花が優勝。 (3/26) 



【2012年3月25日日曜日】JPSA ショートボード第1戦「RONINプロ 海遊 藤本軌道カップ」の最終日。これで初戦のチャンピオンが決まる。会場の今井浜の波が不足のため、再び多々戸に移動。波のサイズは腰腹。風が強い。まずは昨日の続きで女子のR-5 H-3から再開した。なので、先に女子の話から。結果は下段。

ここH-3では野呂玲花が、文句なしの1位で勝ち上がり。今大会の最後のプロ公認資格を取る。続いてクォーターファイナル。H-1に登場した庵原美穂がカウントバックで、まさかの一コケ。大江なぎさも敗退。H-2でも田原啓江、H-3 で水野亜彩子、植村未来、H-4 北澤麗奈も敗退とトップシードが総崩れの波乱の展開となった。

実は今回のヒート組。選手からの希望で、今年から組み方を変えた。トップシードのメリットを出すために、セカンドシードと差別化。トップシードは一番上のラウンドにセットした。よって、出番は最終日となることが多くなる。

そこで、今回の下から勝ち上がった選手やトライアルリストを見て欲しい。野呂玲花、橋本恋ともトライアルで2回、本戦で橋本は7回まで、野呂はなんと8回も戦っている。今井浜、多々戸と会場が何度も移り、波サイズ、質とも違うコンディションで本番ぶっつけで戦う。何度も戦えば、そこの波の癖など体感できるはず。ある程度のスキルさえ持っていれば、良い練習になるはずだ。若ければ若いほど吸収も早いからね。

ベテラン勢は本来ならスキル、タクティクスがあるはずだから、負ける訳がない。だが、負けた。この事実をどう受け止めるか?ここが女子の課題だ。決して若い世代が、すべて上手いと言っているわけではない。今、一度、自分のスキルと試合への臨み方を再考した方が良いと思う。波自体に左右されず、自分の意思で板をコントロール出来るようになれば、もっとメリハリができた演技ができる。そして、その波への戦略。これが課題だ。

決勝は野呂玲花、須田那月、高橋みなと、谷口絵里菜。

まずは高橋みなとが先攻。谷口絵里菜は一人右のポイントのレフト狙いで追いかける展開が前半続く。しかし、後半は野呂玲花がサイズのあるレフトの波をつかみ、リエントリーを連発。波のサイクルが合った野呂は着実に得点を加算していく。谷口絵里菜がキレのいいリッピングを見せるものの、一発で点が伸びない。波さえ乗れば、レールサーフィンができる絵里菜が有利なのだが、その待っている波が来ない。

結果、野呂がそのまま独走して、なんとJPSAに初参戦、アマチュアのままプロ公認を得た試合で優勝という快挙を達成。表彰式ではスポンサ−、応援してくれた人、両親へのお礼とともにプロ宣言をして、グランドチャンピオンを狙うと約束した。

続いて、男子。男子はそれぞれスキルもあり、攻め方がわかっているので、ここは駆け引き。ただ最終日の会場となった多々戸の波は、上げてれば良いけど、引くとシャバシャバ。さらに風が強くサイドオフ。左から右へ延々パドル。この厳しい条件を踏まえ、選手はそれぞれ作戦を立てることとなる。ポジショニングもバラバラ。つまり、戦略ミスが命取りとなる試合となった。

レフトの波と風の攻略。レフトなら波が切り立つから、これをどう料理するか。たまに張るライトもある。それを選べるか。そして、技の組み立て。これを確実に読んで、勝ち上がったのは椎葉順、加藤嵐、林健太、田中英義の4人だった。

決勝は引きから上げに変わり、波数も増え出したが、波が薄いのは変わらない。加藤嵐は持ち前のパワーのあるリッピングを魅せるも今一つ決めきれず。椎葉順も右に左に、キレのある演技をするものの得点は伸びない。そんな中、こういった波が上手いのが林健太。スピードをつけ、変幻自在にボードを操る。緩急つけた演技で試合をリード。

ところが、それに待ったをかけたのは、田中英義。こんな波でもノートリムでリップ連発。波の質など関係なく自分の演技を淡々とする様はまるでサイボーグだ。他の選手が目に入らないほど集中しているように見えた。こうなると英義を崩すのは難しい。

しかし、英義のリズムを乱せれば、まだチャンスはある。みんなが取った作戦は、駆け引きよりも技で勝負。フィニッシュにエアーを取り入れるが、すべてインコンプリート。時間が刻々と過ぎる中、誰も逆転はできず、そのままタイムアップ。英義がうれしい優勝を手にした。昨年はグランドチャンピオンを取るものの優勝がなかった田中英義。表彰式ではサポートしてくれる人への感謝ととともに、今年もグランドチャンピオンを獲りに行くと熱く語った。

今回の「RONINプロ 海遊 藤本軌道カップ」優勝の副賞には今井荘のペア無料宿泊券。そして、今大会でハイポイントを出した田中英義、野呂玲花にはベストライディング賞として、河津町観光協会賞が贈られた。おめでとう!

男子
優勝 田中英義、2位 林健太、3位 椎葉順、4位 加藤嵐

女子
優勝 野呂玲花、2位 谷口絵里菜、3位 高橋みなと、4位 須田那月

プロ公認資格獲得者

男子
佐藤魁、仲村拓久未、今村大介

女子
橋本恋、野呂玲花

REPORT、PHOTO&CAPTION:S.YAMAMOTO

JPSA ショートボード第1戦「RONINプロ 海遊 藤本軌道カップ」大会最終日
大会最終便は再び多々戸浜へ移動。
優勝した田中英義。ヒデは冷静。惑わされることなく任務遂行。
田中英義を倒すにはリズムを乱す事。
でも、試合直前にこの笑顔。前までは見られなかった。それだけ心に余裕ができた。リズムを乱すのは難しい。今年のヒデは強いぞ。
田中英義。上がって来てコーラでお祝い。地元でも愛される存在。
今回、アマチュアからの出場でプロ公認資格をゲットして、優勝!野呂玲花。
2位 林健太
女子優勝 野呂玲花。優勝が決まり、高橋みなとと感謝のハグ。
3位 椎葉順
4位 加藤嵐
男子ファイナリスト
女子ファイナリスト
橋本恋。 SFでインターフェア。これも試練。そして、経験。

 

女子2位 谷口絵里菜。 あと一歩で優勝を逃す。

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