KUGENUMA WORLD CHALLENGE GAMES第2戦/鵠沼カップで堀越力が優勝。小林直海がグランドチャンピオンとなり賞金100万円を獲得!
次世代のサーフィン界を担う若いサーファーの、世界へのチャレンジの手助けを目的に開催するサーフィン大会「Kugenuma World Challenge Games」。 21歳以下のプロアマサーキットを行い、2戦合計ポイントの優勝者に、賞金100万円(アマチュア選手の場合は100万円相当の支援)と神奈川県知事杯が 贈られる。そんな「Kugenuma World Challenge Games」の第2戦が、2014年11月16日(日)第10回鵠沼カップとともに湘南鵠沼海岸の銅像前ポイントで開催された。
大会当日の天候は快晴。前日までの南うねりが若干残り、鵠沼海岸にはセットでモモ腰の波がブレイク。首尾一貫しないトリッキーなコンディションに番狂わせも発生する中、イベントはクライマックスを迎えた。
今回の第2戦には、第1戦に出場していたトップジュニアがハワイをはじめ海外遠征などで欠場。ラウンド1では、前回の第1戦で2位となった浜瀬海が、ラウンド1でまさかの敗退という波乱のスタート。セミファイナルでは、今回のショートスペシャルで優勝した中川雅崇、内藤遥、山本竜平、清水裕也が姿を消して行った。
ファイナルは、前回のファイナリストである小林直海、堀越力のふたりに、ジュニアで頭角を現している都筑百斗、堀越力の小学生の弟の堀越類という、全員が鵠沼をホームとする勢いのあるホットなメンバーが顔を揃えた。
ファイナルのころになると、午後のハイタイドでサイズダウン。セットの本数も極端に減り、厳しいコンディションでのファイナルになった。しかし、鵠沼の波を知り尽くしたロコによるファイナルは、激しいデッドヒートが繰り広げられた。
そして、賞金100万円争奪のグラチャン争いは、前回の優勝者である小林直海が、第2戦もファイナルに残ったことで、グランドチャンピオンに王手。それに対し前回3位の堀越力は優勝するしか道は残されていなかった。
大会を通して気迫のライディングを見せた堀越力が、ファイナルでもオープニングライドをゲット。バックハンドでチャージを見せる。堀越力と同じレフトハンダーの都筑百斗も、板をパンピングさせてライドを重ねて行く。セミファイナルから熱いパドルバトルを展開していた小林直海と堀越力。ファイナルでもインターフェアすれすれの激しい攻防が続いていた。
堀越力は、レフトブレイクに的を絞り、フォアハンドで力強いライディングを繰り返して、スコアを揃えて行く。逆にプレッシャーのかかる小林は思うように波を掴めずロースコアが続く。小学生の堀越類はインサイドでコンパクトなレフトでライディングを重ねるがスコアは伸びない。
ヒート後半に入り、ようやく小林直海がレアなライトブレイクのセットをゲット。セクションを見つけ出して、大きなカーヴィングターンで肉厚のスプレーを上げる。そしてインサイドまで走って行き、最後はリエントリーでフィニッシュ。ファイナルのハイエストスコアとなる6.75をスコアした。しかしセカンドスコア0.5の小林は、逆転のためにバックアップを塗り替えるしかなかった。
それに応えるように堀越力は、数少ないセット波を掴んで、力強いスラッシュを繰り返してインサイドまで繋ぎ、6.00をマーク。トップの座を固めて行った。
そのあと凪ぎが入り、こう着状態が続く。そして、ヒート終盤にセットが入る。その波に都筑、堀越力、小林の3名がアプローチ。堀越力が小林直海をブロックする形となり、接触する二人は波を取れず、脇から都筑百斗が波をゲット。
都筑はレフト方向へターンを繰り出しフォアハンドでビッグスラッシュ。4.00をスコアする。この波で堀越力は小林直海に対してパドリング・インターフェアを取られ、ベスト2のセカンドスコアを半分に減点。それでも堀越力は、6.00+2.43でヒートスコア8.43。バックアップのない小林は6.75と0.50でヒートスコア6.65で破れ、堀越力が前回のリベンジを果たし勝利を手に入れた。
熾烈なグラチャン争いは小林直海に軍配。
そして、グランドチャンピオン争いは、第1戦で優勝し2,000 ptを保持していた小林直海が、今回の第2戦でも2位となり1,720 ptを獲得して、総合得点を3,720ptを獲得。前回3位で1,460 ptを保持していた堀越力は、今回の優勝で3,460ptを獲得したが、僅かに届かず。小林直海が栄えあるKUGENUMA WORLD CHALLENGE GAMESの初代チャンピオンとなった。
今シーズンは、ASPジャパンツアーでは開幕戦の湘南で第3位、JPSAに於いてもプロ初年度においてランキング12位となり、ルーキーオブザイヤーを獲得した小林直海が、賞金100万円と名誉ある神奈川県知事杯を獲得した。「相当プレッシャーがあり、固くなって自分のサーフィンが出来ませんでした。」と試合を振り返って小林直海が言った。「今後は世界の高い壁に向ってがんばって行きたいと思います。」とコメント。
小手先だけで板を振り回すのではなく、しっかりとしたレールワークでマニューバーを描く、小林直海のサーフィンは非常に評価が高い。来春には学校を卒業し、本格的なプロ活動が始まる小林直海。次世代のサーフィン界を担う若いサーファーの、世界へのチャレンジの手助けを目的に開催されたサーフィン大会「KUGENUMA WORLD CHALLENGE GAMES」の記念すべき初代チャンピオンとして、世界へ向けたチャレンジを続けて欲しいと思う。
また今回のように若いサーファーをバックアップする素晴しいイベントが来年も開催されることを期待したい。
鵠沼ワールドチャレンジゲームス総合順位
1位:小林直海
2位:堀越力
3位:浜瀬海
4位:都筑百斗
鵠沼ワールドチャレンジゲームス第2戦 鵠沼カップ結果
優勝:堀越力 2,000 pt
第2位:小林直海 1,720 pt
第3位:都筑百斗 1,460 pt
第4位:堀越類 1,220 pt
鵠沼ワールドチャレンジゲームス第1戦クリーンカップ結果
優勝:小林直海 2,000 pt
第2位:浜瀬海 1,720 pt
第3位:堀越力 1,460 pt
第4位:野呂海利 1,220 pt
撮影:佐原健司